仙谷大臣記者会見要旨 平成22年3月23日

(平成22年3月23日(火) 9:18~9:34  於:本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 週末はお付き合いをいただきましてありがとうございました。
 今日の閣議については、皆さん方に私のほうから報告すべきような案件はありません。
 御質問があればどうぞ。党内政局絡みの話はあんまりお答えする気はありませんけども。

2.質疑応答

(問)党内の話で恐縮なんですけれども、小林千代美議員をめぐる違法献金事件で、北教組の幹部2人が起訴されたんですけれども、その受け止めと、あと本人は辞職も離党も否定していますが、総理は先ほど「これで終わったわけではなくて、これから何らかの対処が必要だ」と発言されているんですが、進退についてどうすべきだとお考えでしょうか。
(答)僕は今度の事件については、新聞に書かれていることしかわかりません。陣営とか本人とどこまで関係のあったお金の動きなのか、あるいはそういう動きは一切なかったのかも今のところわかりませんので、何とも言いがたい話だなと。この人を応援したいということで純粋にボランティアとして動いていただけるというのは、これは我々にとってはありがたい話ですし、私の陣営もそうなっておりますが、それに絡んで、何らかのお金がやりとりされるということはあってはならないことだと私は見ております。
 現に、私の徳島の選挙では、県連を通じて一切そういうことはやらないようにというふうに今までやってきた経緯がございます。私の記憶では、保守グループと一緒に知事選挙とかそういうものを闘うと、どうしても陣営で、団体間で動く風習が、これは自民党の選挙の場合はほとんど県会議員幾ら、市会議員幾ら、町会議員幾らというのが、行動費というか、活動料というか、油代とか時々言いますけどね、そういうのが動くんですよね。それを私も昔渡されそうになって、人の選挙を手伝うときには絶対に私はもらわないと。そのかわり、私の選挙のときにはどんどん持ってきてちょうだいと、こう言って、私の選挙のときに持ってきてくれたためしはあまりなかったんだけど、人の選挙をやるときに金が動いたら、これは公職選挙法違反になりますから、という原則でやってきたんだけども、どうもその辺が何となく、北海道がそういう例かどうか知りませんけども、癖になっているケースが時々見受けられますよね。当たり前だみたいな。車代か油代か知りませんけどね。それはやっぱりもうやるべきことではないし、やってはいかんと思います。
(問)国家公務員の改正法と政治主導の閣法が国会審議の影響で成立がずれ込む見通しになると思うんですけれども、その理由と影響について大臣、コメントをお願いします。
(答)それは私に聞かれてもわかんないよね。国会対策委員会か議運にでもお尋ねいただかないとわかりません。
(問)政策的な影響としては。
(答)それは早いに越したことはないわけでね。だけど、遅れれば遅れたでそういう前提で物事に対処しないといけないんじゃないでしょうか。
(問)参院選に向けてのマニフェストの話なんですけれども、大臣は実績を鑑みて議論していくとおっしゃっていましたけれども、修正すべきところは修正する必要があるというふうにお考えなんでしょうか。
(答)これから先の話ですけどね。一般論としては個別の項目で考え方を変えるべきこともあるかもわかりませんしね。それから全体としては、政権選択の選挙ではなくて、鳩山政権の基盤をどうやって固めるかということだと思いますので、そういう観点で私は私なりにある種の戦略の第一段階というか、初歩だということで考えてはみたいと思っていますけども。
(問)マニフェストの関係で、鳩山政権が発足以来熱心に取り組んできた「新しい公共」、そのほか地球温暖化対策なんかというのは、衆院選マニフェストに比べて加筆修正するという可能性はあるんでしょうか。
(答)加筆修正というか、ここへ来て明らかになっているのは、やっぱりグリーンイノベーションを軸に、日本も世界も、あるいはアジアもこのことを一つの軸にして経済活動を、あるいは我々のビヘイビアを変えていくということが求められていると思うんで、そこはそういうことをもう少し書くと。
 それから、やっぱりいつも申し上げているように、人づくりを改めて提起して、それを軸にもう一遍、我々が考えるあり得べき資本主義の形を提示していくと。これは、「新しい公共」も含めてね。そこはこれから一番大きい、本当に国民の皆さん方に問いたいところですよね。「ライフバリューを我々はこう考えるけども、多くの皆さん方、いかがでしょうかというか、どうお考えになりますか」と。そのことについて議論もしたいけども、我々の問題提起はこういうことですということを強めにマニフェストとして仕上げていきたいとは思っていますけど。
(問)マニフェストの関連なんですが、やはり衆議院選挙のときと比べて、税収の落ち込みというのがかなり激しかったとは思うんですけれども、その辺を加味して修正ということもあるというお考えなんでしょうか。
(答)そこは財政の問題とも関連しますから、この辺についてどういう時間軸の中で、どういう枠を設定することがいいのかどうなのかというのは、もう少し考えてみないといけないなと思っています。幸い、一、二カ月は時間的な余裕があると思います。どうしても党とのすり合わせが必要なわけですから、いつも申し上げているように、個別的な政策の合理性と全体的な合理性の問題が大変重要になってくると思います。マニフェストは、私も何回もつくるところに参加したことはありますけども、やっぱりわかりやすくないといかんという要請があって、わかりやすいということは、できるだけ具体化するということです。
 この間も、予算委員会でも、何で八ツ場ダムと川辺だけ書いてあるんだみたいな議論があるけども、それはダムの象徴事例として挙げているわけです。すべてのダムについてはこういうふうに考えるというのがマニフェストにおける、少なくとも河川に対する民主党のポジションということになるんだけど、どうしてもわかりやすくいこうとすれば、よく見える具体的事例を象徴的事例として挙げることになります。そういう個別の問題を挙げたほうが大いにいいんだけど、ということは、やっぱりそこにこだわるというか、足をとられる可能性もあるなと、そんな感じもしますね。
(問)今回の小林議員の問題で、政治とカネに対する国民の不信感というのがまた一層高まってしまったかと思うんですが、マニフェストではその解消に向けてどのような取組を明記していきたいというお考えでしょうか。
(答)政策的にはもう従来から申し上げているように、企業・団体献金の禁止、更にはパーティーをどうするのか。それから、政治だけに個人献金を税額控除というふうな話を出すと、何で政治家だけがという反発も当然のことながらあります。寄附の文化というのは、日本ではそれほど広く深く定着していない状況で、どうしたものかという議論があるわけですけども、政策的にはもうスパーンと企業・団体献金を禁止し、個人献金をいただけない政治家は歳費と政党交付金の分配分だけでやっていってくれと。そこで、イコールフッティングの競争が生まれると。
 ただ、そうなってくると、やっぱり選挙は二世や世襲が、目に見えないものを当然のように承継した人のほうが有利になるということもあるかもわからんけど、そういう時代がそろそろ終わったと。終えなければいかんし、終わりつつあるという認識のもとに、固定の支持層は皆さんなしで、自分で一人一人が呼びかけて、1,000円でも2,000円でももらいながら自分の支援組織をつくっていくという、その基本に立ち返ると。ちょっときれい事にすぎるかもわからんけども、そこでもう腹をくくるしかないんじゃないですかね。
 選挙、あるいは政治のありようについて、囲い込み型じゃない支持基盤、支持組織、あるいは議員同士の連携の仕方というふうなことを、本気で考えている人はいろいろいらっしゃるし、私もあんまりひもつけてくくって、数を集めりゃいいという話ではないと思って、この20年間選挙してきましたけども、やっぱりそこでもう割り切るしかないんじゃないですかね。
 マニフェストに今まで書いてあることにもうちょっと魂が入るような、言行一致させるということをやると。与党でもあるわけだから、そこは法案が通ると通るまいと、ある日限を切って、そういうふうにしますということのほうがいいのかもわかりません。
(問)先週も聞いた話になってしまうんですが、生方副幹事長、今日、正式に解任が党の中で決まる運びなんですが、週末の世論調査なんかみても、かなり国民の受け止めも厳しいというような事態ですけれども、改めてこの問題に御所見があれば。
(答)民主党、あるいは鳩山内閣にとっては悪いタイミングでこの種の出来事があったなと。もう少し上手な対処の方法がなかったのかなと、そういうふうに思います。
(問)最後に、各種支持率が落ち込んでいますけれども、その受け止めと対策をお願いします。
(答)多くの国民相手の話ですから、これといった対策はありませんけども、やっぱり僕は予算が通った段階で、我々がつくり上げたい日本の将来の姿というのはこういうものだということを愚直に訴え続けていくしかないんだろうなと思っています。
 支持率が下がっている焦点は政治とカネの問題であったり、象徴的な事例で引きずり落とされているような感じがするもんですから、そこは私も意見を聞かれたら総理にも、あるいは党の執行部にも申し上げたいと思っています。いろんな政局、戦略的な判断をしてくれるだろうと思っていますけど。

(以上)