仙谷大臣記者会見要旨 平成22年3月9日

(平成22年3月9日(火) 8:52~9:20  於:本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私のほうからは今日は特にございません。
 質問どうぞ。

2.質疑応答

(問)参院選のマニフェストの関係なんですが、新たにマニフェストを作成する党の政権公約会議の下に置かれた企画委員会の共同委員長を大臣がお務めになられることになりましたが、前回の衆院選マニフェストのどのような点を見直していこうというふうにお考えか教えていただけますでしょうか。
(答)まだ正式の御下命も受けていませんし、中身をどういうふうにするのかの打ち合わせもありませんので、今の時点で適当なことを言うわけにはいきませんので、控えておきます。
(問)スケジュール感なんかもまだ。
(答)全くありません。というよりも御下命を受けていませんから、私がここで個人的な意見を申し上げるわけにはいかないと思います。
(問)閣僚懇談会で、前回話題になった勧奨退職ですとか、採用を抑制しないといけないかどうかみたいな話は、今日は特別なかったんでしょうか。
(答)原口大臣のほうで記者会見していると思いますが、退職管理について、閣僚懇談会での発言がありました。
(問)具体的にどういった感じのお話でしたでしょうか。
(答)定性的なお話で、公務員の退職管理について適切に実施する必要があると。官僚主導から大臣管理の退職管理へ、公務員人件費の抑制、公務員の活力確保を基本としつつ、これらの課題に適切に対応する退職管理の基本方針の速やかな策定を行う必要があるということです。
 皆さん方も御承知のように、この前の政権までは、公務員の勤務条件及び退職に関する様々な取り決め、これは制度としての定数、採用、研修とか、いろんな中身を含みますが、総務省と人事院、内閣官房と各省の人事課、秘書課などが担ってきていて、それから財務省にも全体を見る部局がありますし、素人ではなかなかわからない部分がありますね。
 ここで「官僚主導から」と言っているのは、基本的には縦割りの各省庁の主導の下に、例の天下り、裏下りと言われるようなことも駆使しながら、人事配置をやってきたということなんだろうと思うんですね。なかなかこれは素人にわからない。どこまでが人事院の守備範囲で、どこまでが総務省の守備範囲なのか。さらに、どこまで具体的に退職管理を誰がやっているのか、よくわかりませんよね。この辺も含めて、やっぱり公務員の出口の問題も、入口の問題もありますし、それから以前から申し上げているように、公務員の方々にとってみれば、人生のプロセスそのものを制度的に、あるいは具体的な人事管理の問題としてどうするのかというのが問われていて、それが公務員制度改革そのものだと言えばそういうことなんですね。
 さらに、職員労働組合という存在も一つの主体として事実上存在するわけですが、これを法的にちゃんと位置付けてやるというのが労働基本権の付与、回復の問題という仕掛けになるんだと思うんですね。ちょっとこの辺は退職管理だけをできるかどうかを含めて検討しなければいけないと思いますが、この間申し上げているように、人的な資源を日本全体としてどう有効に活用できるのかという観点が必要で、ひいては一人一人の公務員の方々の働き方に深く関係すると。これは日本国民にとってはいい行政サービスが返って来るかどうか、それから効果的に税金が使われているかどうかということにも跳ね返る問題ですので、じっくり検討をしてみたいと思っております。
(問)検討する主体としてはどちらに。
(答)公務員制度改革本部など内閣官房と総務省の当該部局ということになると思いますが。
(問)この間、前原大臣が閣僚懇で仙谷大臣と枝野大臣のところで引き取って検討すると発言されました。それが今、おっしゃった基本方針の策定ということになるという理解でいいですか。
(答)それは退職管理の話ですから。この間出ているのは横異動、つまり省庁間の異動とか、現役の独立行政法人への出向ということがあり得るのかどうなのか、あり得ていいのかということとか、あるいは民間への有用人材の活用を行い、公務員の皆さん方に民間的経営センスを持ってもらうというか、公共サービスの世界で言えば国民満足度みたいな視点で公務を考えるとどうなるかということを勉強してもらうための横異動の仕組みをこれからつくったほうがいいのではないかという話です。
 大企業もそうですけども、中堅企業あたりでは、そういう人材を使いたいと、よりいいアドバイスをもらいたいという声も現に聞こえてきますので、その辺、どういうふうにしたらスムーズにできるのか。今も官民交流というのはありますけども、割と小規模ですよね。それも一部上場企業みたいなところに限られているというというようなことでありますから、もう少し本格的に、双方のWin-Winの関係が成り立つようなことができるのかどうかも考えなきゃいかんなと、そんなふうに思っているところです。
(問)財政のことでちょっと伺いたいんですが、今、古川副大臣のところで財政運営の検討会をやっていますけれども、今月、ある程度専門家の論点整理をやって、その後6月までに中期財政フレームとか財政運営戦略をやることになっていますが、4月以降の会議といいますか、議論の場のつくり方としてはどういう形で考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)昨日も私、全部は参加できなかったんだけど、なるほどこういう視点で物事を整理するんだろうなというふうに伺ったところです。
 一つはやっぱりマーケットに対して、短期的、中期的、長期的にある種の予測可能性のある展望を示せるかどうか。それから、昨日、非常に印象に残ったのですが、2人ぐらいから各国とも半年ごとに財政フレームのようなものを改変しているというお話がございました。
 確かに、今、変数が非常に多い経済になっていて、一国の事情だけで景気動向が左右されるわけではないという、いわゆるグローバリゼーションがここまで進んでいますから、半年ごと、あるいは1年ごとに、そこは微調整か、大きく変えるかはともかくとして、そういう指標の設定そのものも変えるというのが普通の姿なんだというお話がありまして、日本のメディア、特に金融メディアでいろいろお書きになられていることとは諸外国は変わってきているんだなという感じを受けました。
 日本の場合、一旦そういう決定をして、その指標が変わってしまうと動揺したとか、変わったこと自体がでたらめだという批判を受けてしまう。例えば3年の財政フレームをつくったときに、3年間そのとおり突き進まないと政策の失敗だみたいな議論が時々起こるんだけども、そんなものではありません。もう一つは、この種のものをつくるときには、成長率についてはやっぱり保守的にやっておかないと、2006年の骨太が失敗に終わったように、甘め甘めでいくと、どうしてもそこに現実と齟齬が出てくると。だから、成長率の問題は保守的に、そして半年ごと、1年ごとに見直して変えるというのが普通の姿だというお話を聞いて、ああ、なるほどと思いました。
 今、諸外国で出口戦略について議論されていますよね。これも多分その都度というか、半年ぐらいごとに修正するんだろうと思うんですね。財政フレームなり、財政運営戦略というのは、そういうものだという前提を常識化するような文章を書かなきゃいかんのかなと思って、昨日は議論を聞いておりました。
 そういう前提で、昨日お出でいただいた方々の御協力をいただきながら、優秀な官庁エコノミストもいらっしゃいますし、国家戦略局のスタッフもおりますので、その辺でわかりやすいものを書かなきゃいかんなと思っております。
(問)例えば、年金については昨日から総理を議長にして議論が始まりましたけれども、そのようにいろいろな大臣が参加するような会議体みたいなものを考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)昨日も簡単に言えば、成功している国々を見るとトップダウンであるという話がありました。それから、全体的に財務大臣の権限が強いというか、財政支出の配分についての発言力が強い。つまり、そこでトップダウン的に大枠と分野別の配分まで決めたほうがいいのか、決めないほうがいいというのか。ここはまだまだ議論が成立してませんけども。
 財務大臣の、あるいは総理の財務の権限が強いところは成功している例が多いんだけど、横並びで要求大臣的な雰囲気のところが強いところはあまり成功しないというようなことも諸外国の例で、特にここ10年か20年の例で挙げられてました。やっぱり官邸、財務省、そして国家戦略局がトップダウン的につくる以外に、この種のものを要求官庁というか、使うほうがああだこうだ言い出したら、もう最初の段階で失敗するだろうというのは、昨日の話を聞いてよくわかりました。
 イギリスの場合、総理大臣は第一大蔵卿ですよね、ファースト・ロード・オブ・トレジャリー。財務大臣がセカンド・ロード・オブ・トレジャリー。だから、ファースト・ロードが総理大臣で、セカンド・ロードが財務大臣。2人で大枠をどかんと決めるという、そういう方式ですよね。日本はまだまだそこまで、2人だけでというわけにいきません。総理官邸、そして財務大臣、そしてこういう税財政の骨格、基本方針を決めるために国家戦略局がつくられているわけですから、その辺でトップダウン的に決めていくということになるのが一番望ましいと私は思っていますけどね。
(問)先ほど成長率の前提を保守的にやっていかなければいけないという意見が出たとのことですが、大臣はそういう方向でいきたいという考えなんでしょうか。
(答)まあ、その辺は考えてみないといけません。リーマンショックから1年半という状況にもかかわらず、貿易収支、経常収支統計を見ると、成長するアジアの力というのは、やっぱりすごいんだなと思いながら、しかし、これはどこまで続くんだろうかという気分もありました。
 それから、内需のほうは、依然として消費者物価の問題や雇用者所得の問題がありますが、数字から見て、さあここをどう活性化して需要を喚起するのかというのは、なかなか難しい課題です。私どもが言っておるポスト・リーマンショックの経済構造を日本がどうつくっていくのか、持続可能な成長路線をつくれるのかという問題もあります。特にこの2~3年の見通し、目標については、もうちょっと時間をいただきたいと。あるいは、政府部内の成長戦略についての合意がどういうふうに収斂されてくるのかということも見ておかないと、従来のように各省ばらばらにやりたいことをやるみたいな話になりかねません。各業界も依然として要素技術としてはなかなか優秀なんでしょうけども、ガラパゴス的な環境の中で過当競争を繰り広げるというような状態で果たして成長率を論理的なところだけで見ることができるのかどうなのか、もうちょっと時間が欲しいなと思っています。
(問)話が変わるんですが、普天間問題なんですけれども、政権にとって大変重要な局面を迎えていると思いますけれども、大臣は内閣の一員としてどのように見ていらっしゃいますか。
(答)私自身は、総理大臣、官房長官、あるいは外務大臣、防衛大臣にお任せするしかないというのが一貫した立場であります。
 日米同盟を10年、20年という単位でより深化させると民主党が言っていることについて、「それはどういう意味だ、深刻化じゃないのか」みたいなことを言う野党の議員もいらっしゃったけども、豊富化していく、重層化していくという議論はどうしても始めなければならないと考えています。
 アジア・アプローチについて、これから日本と共同でどういうことをしていけばいいのかという問題意識は、アメリカのほうも随分持っていらっしゃるんじゃないかと思うんですね。その辺の議論が同時並行的に行われているような感じがあまりしないところが残念だなと思っていて、そういう観点から言うと、アジアと東アジア共同体というか、アジア・ユーラシア共同体と言うのか、その辺、どういう表現をすべきかわかりませんが、重要であるという脈絡の下では、こういう言い方をすると沖縄の方々に誤解されるかもしれませんが、日本、沖縄、それからアメリカ、アジアの将来にとって、普天間問題は一つの大きな課題ではあるけれども、すべてではないという感じがしているもんだから、そういう観点も踏まえて官邸と外務大臣が決断してくれればいいなと思っています。
(問)先ほどの財政健全化の道筋の話に戻りますが、トップダウンで決めたほうが成功しやすいと。
(答)「財政フレームは」と言った。
(問)「財政健全化の道筋は」ですね。
(答)「健全化」ではなく「フレームは」と言った。この「3年のぐらいのフレームは」と。
(問)それはトップダウンで決めたほうが成功しやすいと。海外の事例からしてそうだというお話ですけれども。
(答)いや、それはそういう話を学者がしたということです。
(問)失敗したとおっしゃいましたけれども、自民党政権時代に「骨太の方針2006」をまとめたときに、これは時の小泉総理のリーダーシップの下で、官邸主導という格好で、党の意見などを突っぱねてああいったものをまとめたわけですけれども、今後、もしトップダウンでフレームをまとめる場合には、与党3党との関係というのはどういうふうにお考えなんでしょうか。与党3党の意見は吸い上げるということはないのでしょうか。
 今、与党の中で、特に民主党の中でいろいろと鬱憤が大変鬱積しているようなんですけれども、その火に油を注ぐようなことにならないのかなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがですか。
(答)じゃあ、どうしたらいいでしょうね。
(問)突っぱねるということでしょうか。
(答)いやいや、突っぱねるとかいうのではなく、そこは議論をして説得すべきは説得するという作業は政治ですから当然必要なんだけども、財政フレームをつくる意味は、トップダウンで決定しないと、それに準拠して経済財政政策、あるいは金融政策が展開されないということにあるんじゃないんでしょうか。そういう観点から財政フレームについては考えなければいけない。
 06年度の骨太の方針は、多分、トップダウンという格好をとっていたけども、成長率について大変甘めだったんじゃないでしょうか。そのため、上げ潮戦略という、私から見てもわけのわからない路線と与謝野さんの財政規律論との間で実質的に揺れ動いたんじゃないかと僕は見ていました。
 つまり、竹中氏や上げ潮路線と言われる方々がおっしゃっていたことの問題は、成長はするけれども金利は上がらない、それで成長率を高めに見積もるという、普通の経済学の理論から見ても、あり得ない想定を前提においていたんじゃないかなと。そこで最終的に足りない分の財源として出てきたのは埋蔵金があるかないかの議論だったわけですよね。40兆円あるとかないとか。結局、あったと言えばあった。我々も反省しなければいけないけども、それをこういう形で使い切った状況に2年間でしてしまったということが、財政運営というよりも、むしろ日本が持続可能な経済構造をつくっていくことに資することができたのかどうなのかという観点で、もう一遍やっぱり検証してみないといけないんじゃないかなという気がしますね。
(問)退職管理についてですけれども、確認なんですが、原口大臣以外の方の発言というのは特段なかったんですか。
(答)全然なかったですね。

(以上)

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