仙谷大臣記者会見要旨 平成22年2月9日

(平成22年2月9日(火) 19:05~19:23  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 長い1日、御苦労さまでした。
 閣議については、報告すべきことはほとんどございません。
 私の関与している法案では、例の独法通則法で、溜まり金の返還を求めることができるという規定の法案が閣議決定されたということぐらいでございます。その他は報告申し上げることはございませんので、御質問いただきましたら、お答えできる範囲でお答えいたします。どうぞ。

2.質疑応答

(問)民主党の石川衆議院議員が先ほど記者会見しまして、自らの進退について「与えられた職責を果たしたい。後援会から一任をもらったので自分自身で判断したい」と述べて、議員辞職はしない考えを明らかにされたんですが、これに対して大臣の受け止めをお願いします。
(答)先般から申し上げているように、ある種の事件を背負うということは大変なことなんだけど、公職の立場にある者としては、例えば公務員であれば起訴休職制度というのがありますから、しかるべき政治家として、それになぞらえるというか、類推すれば、どうされるのがいいのかということをお考えいただいて判断をしていただければと思います。
(問)つまり、辞職をすべきという……。
(答)休職と辞職は全然違うと思いますが。
(問)とはいえ、議員辞職をしないと石川さんが判断したということについては、当然、野党側は、議員辞職勧告決議案などを出していまして、今後、予算委員会など国会に与える影響というのがあるかと思うんですが、その辺はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
(答)それは、世論の動向等々を見ながら国会で判断していただくしかないんだろうと思います。
(問)先ほどのお答えですが、議員は休職というのはないと言っていると思いますけれども、大臣は、一時的に謹慎すべきだとお考えになっているということなんですか。
(答)離党というのもあるんじゃないですか。
(問)離党についてはされないというお考えを示されているようですが。
(答)そうですか。
(問)どういうふうにお考えでしょうか。離党はすべきだというふうに。
(答)「べき」とは言っていないでしょう。そういう判断をされたほうがいいんじゃないかと私は思いますけれども。
(問)昨日ですけど、小沢幹事長と首相が会談されて、小沢幹事長の続投ということになりましたけれども、その受け止めを聞かせていただきたいのが1点と、その後の記者会見で、自身の政治資金の問題について、これ以上の説明はないと小沢幹事長がおっしゃって、説明責任は果たされたという認識を示されたんですけれども、それについて大臣は、そういった責任が果たされたというふうにお考えでしょうか。
(答)世論の動向をよく見極めていただいて、そのときにさらにちゃんと説明するかどうかというものの判断をしていただければと思いますけども。
 前々から申し上げているように、それは幹事長のおっしゃっていたように、やっぱり事件が本人を被疑者として、私から言えば公訴事実が何なのかわからないところで盛り上がり過ぎていて、それで結局そのことについては起訴されないという、こういう事態でありますから、それは相当つくられたイメージの部分もあるでしょうし、ギャップは大きいと思いますね。
 ただ、世論のほうは、やっぱりそういうイメージを前提にして、説明が足りないんではないかというふうになっておるようですから、今後、そのことで国民の意識が変わりうるのかどうなのか。ある種、被疑者扱いと言ったら語弊があるけれども、被疑者として捜査したけどもそうならなかったんだから、そのことをある種尊重しようというふうに動くのか、それとも、事件になったかならないかという話だけではなくて、政治的なテーマとしてもう少し議論をすべきだという話が強いというふうに判断をされる場合には、それは政治家として説明をすることが必要な、そういう局面も出てくるのではないかと思いますが。
(問)たびたびですみませんが、石川議員について離党という判断をしたほうがいいんじゃないかということの理由をちょっと改めて。
(答)私ならばそうするだろうということですね、最低限ね。
 公務員がなぜ起訴休職ということになっているかといいますと、僕は、この間ずっと厚生労働省の村木局長の事件も注視して見ているんだけど、弁護士経験者としての直感で、この事件はなかなか微妙なところがあるなという目で割と見ているんだけども、それでも起訴されたら起訴休職ですよね。推定無罪は働くんだけど、それは刑事事件の話で、やっぱり公務につく信頼性みたいなものがある種、陰っている、決着がつくまで陰りますよねと。だから、その部分は決着がつくまでお休みいただくということが世の中のというか、国民の公務員に対する信頼をつなぎとめることができるのではないかという、こういう制度じゃないかと思って僕は見ているんですね。
 ただ、起訴されたこと自体で、あるいは逮捕されたこと自体で、任命権者が事実を確定できるんであればともかくとして、一挙に懲戒処分をしてしまうというのはよほどの事実認定について確信的なことがある、あるいは本人が完璧に非を認めていると。それから、事件の質についてもそういうことがあるという場合には懲戒免職というのもあるんでしょうけども、そうじゃなければ、事件との関係はそうだと。
 事件一般について、私の経験から言うと、事件が発生し、起訴されたところまではメディアの方々がうわっと盛り上がって、一挙にもう極悪非道みたいな感じでイメージをつくっちゃうんだけど、数年たって無罪判決が出るような判決の場合には、もう一挙に今度はまた検察はけしからんとか、警察はけしからんみたいな話になるんですよね。それで国民の意識というか、世論もそれでまあ割と動くところがあるんですよね。だから、集中審理の怖さというのはそういうものだというふうに教育も受けてきたし、経験もしているんだけど、今だったら、菅谷さん事件の報道を御覧いただければわかるけども、あれは事件になったときの新聞をやっぱり改めて読み返すという作業がジャーナリズムの方々は必要だと僕は思うんだけど。
 だから、我々、責任あるポジションにある人も、やっぱりそういうこともあり得るということも頭に入れて物事を判断しないといけないんではないかというふうに思っていることがこういうことを申し上げる理由でございます。
(問)社会保障と税の共通番号制度についての検討が昨日始まりましたが、この件をめぐっては、常にプライバシー保護の問題というのがつきまといます。この問題について、法律的あるいはその他の見地から、どのようにクリアしていくのが望ましいとお考えか御所見をお願いします。
(答)これは、特にIT化がされることが前提ですから、やっぱり諸外国の進んだ例を相当参考にしながら、日本独特のやっぱりネポティズムみたいなことによる情報漏洩などが起こらないような方策を同時並行的に考えるという姿勢がないといけないのではないかと。
 というのは、メディアコミッショナーとか、ITコミッショナーといった制度が、つまり個人情報の保護を事後的な規制で行うのが、今の先進国には必ず同時並行的に付いているんですね。だから、そのことを併せてやって、個人情報の厳正な管理みたいなことが行われないと、現代社会における国民の権利、公共サービスを受ける権利のインフラとしての番号制度というものの理解が進まない可能性はあると思いますね。
(問)経済についてお伺いしたいんですけれども、欧州で財政危機に対するリスクが高まって、かなりほかの市場を大きく動かすまでになっていますが、日本の政府として、今後どのように財政健全化に取り組んでいくのか、改めて今後の取組をお聞かせください。
(答)今あなたがおっしゃったように、財政の規律という問題も、国際的なマーケット、あるいは各国の経済財政事情と無関係にできる時代ではなくなったということが一つですよね。
 それから、実体経済との関係でマーケットが反応することもまた事実ですから、市場のそういう動向をやっぱり我々は非常にセンシティブに見ながら、財政運営、あるいは国債及び通貨の管理をやっていかなければならないと。現時点ではそういう一語に尽きます。
 先般、ダボス会議に参加しましたが、そのときも出口戦略というのが議論として語られていました。特にEU各国はEU基準があるものだから、多分、この数日の事態の中で、「ああ、あれは書いたけども、現時点では全く意味のないものになったね」ということになったのではないか。そのときも、出口戦略は考えるべきなんだけども、その実行については慎重であるべきだと。早く出口戦略に入って経済がおかしくなっては元も子もないという議論が、サマーズ米国家経済会議委員長とかラガルド仏経済・産業・雇用大臣とか、各国から来ていたメンバーからありました。G7にもほとんど同じようなクラスのメンバーが来ていたと思います。IMFのストラス=カーン専務理事も来ておりましたけども、大体異口同音に言ったのはそういうことです。
 これは、100年に一遍の金融クライシスで、各国がちょっと考えられないぐらいの財政出動をして、ここまで景気回復をさせてきたということは事実なんでしょうけども、さあここから財政出動あるいは量的緩和という手段の効果、反作用がどこにどういうふうに出てくるのかということを慎重に見極めないと、出口戦略をつくってもうまくいかないだろうし、つくったことにより、現状と大変なギャップが発生するというようなことも出てくるんではないかと。
 だから、私はどうしても中期財政フレームをつくる、それから財政運営戦略もつくらなければいけないと思っていますけども、そのための基本的な軸を定めるには、やっぱり日本の場合は年度末を越すところで、慎重に経済や雇用の動向を見ないと、推論で話をするのはまずいんではないかと、そういう局面ではないかと私は思っているものだから、そういう観点で市場動向を、為替、国債、それから株式を含めて、その動向を見ていきたいなと思っています。
(問)年度末の経済状況とか景気動向を見た上で、きちんとしたある程度の数値目標というところを入れるかどうかを判断するという理解ですか。
(答)そうですね。数値目標を書いたほうがいいのかどうなのかを考えるにも、さっき申し上げたように、日本が変わらなくても、エマージング・マーケットや先進国マーケットも、ちょっと私には予測つきがたいです。ダボス会議でも、緩やかな景気回復傾向の話が前提になっているんだけど、少なくとも先週のEU各国の動きはそうじゃないと見たほうがいいのかもしれない。つまり、弱いところに相当不均衡の矛盾が出てきていると、こういう見方もあるんですね。
 だから、この動向も見定めないといかんし、アメリカだって、やっぱり一般教書演説を見てもそうだし、そんなに我々も楽観的に見てはいけないんではないかという思いはあります。

(以上)

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