仙谷大臣記者会見要旨 平成21年12月25日

(平成21年12月25日(金) 10:43~11:05  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議では、家計調査と労働力調査についての報告がなされました。それから、原口総務大臣から、例の嘱託等々のある種のいかがわしい天下り、隠れた天下りのようなものの調査結果が報告されましたが、それは独立行政法人の問題でございますので、これからも引き続き調査もし、あるいは考え方も改めて、この根深い問題を整理しなければいけないということでございました。
 岡田外務大臣からも、現役の出向というふうな問題もあるので、この問題は行政刷新会議のほうで是非取り組んで、どういう基準で大臣としての方針をとったらいいのか、その点をちょっと整理してほしいという要望がございましたので、それは独法改革の中で、正にマネジメントの問題として取り組んでいきたいということを申し上げてきたところでございます。
 私のほうからは以上でございます。
 100日間でございましたが、極めて鮮烈なというか、ものの見事な政権交代が日本の政治の歴史の上で初めて起こって、その政権交代の意味を十分踏まえた政権の政策執行にそれなりに微力を尽くしてきたつもりでございますが、本日の夕刻には予算案も、年内編成というお約束どおりといいましょうか、その方針が遂行できそうでございますので、ちょっと一呼吸置いて、来年から、この大変厳しい経済状況の中で、あるいは絶えず申し上げている産業構造の転換、つまり、私どもが、地域社会も含めて、どうやって飯を食っていくのかという、極めて重大な課題が突きつけられている時代に突入しておりますので、そのことに向けて、政治・行政の側がどういう環境整備ができるのか、正にそれが行政刷新そのものの課題だという思いで、重責を果たすべく頑張ってまいりたいと思います。少々の時間がございますので、スタッフともどもじっくり考えてみたいと思っております。
 ただ、1点だけはっきりしていると思っておりますのは、事業仕分けも踏まえて、やっぱりこれからの時代、公開と説明、この原則だけは高く掲げて堅持してやっていかなければならないということでございますので、その点を肝に銘じてやってまいりたいなと、そんな思いでございます。
 御質問をいただきます。どうぞ。

2.質疑応答

(問)鳩山首相の資金管理団体の偽装献金事件で、昨日、元秘書2人が起訴されまして首相が謝罪会見を開かれたんですが、大臣の御感想と、今後の政権運営への影響をどう見るかお考えをお聞かせください。
(答)その関連はもうないですか。
(問)総理が閣議か閣僚懇で、この件に関して説明なり、意見なりを述べたかどうかという点については。
(答)詳しい説明はございませんでしたけれども、皆さん方に、閣僚各位に御迷惑をかけて申しわけないと頭を下げていらっしゃいました。
 最初の質問は、刑事事件についてのコメントをする場合には、やっぱり相当程度ちゃんとした一次資料というか、証拠に当たっていない状態で感想で物を言うのはいかがなものだという思いが絶えずございますので、政治の現場に身を置く者として、そして総理から指名を受けて閣僚を務めておる者としての感想を申し上げますと、総理は精一杯誠実に知っている限りのことを昨日の記者会見でお述べになっているなと。
 私は、総理とは今の時点で親しくお付き合いを始めてから15年、その前の1年生議員のころからの議連の活動等々を含めれば20年のお付き合いでありますが、ずっと一貫してこの人は正直な人だなと、言わなくてもいいこともおっしゃるぐらい正直な方だなという印象を持ってずっとお付き合いをしてまいりました。
 昨日のお顔の表情も含めて、これは一生懸命お話になっているなと、ここがある種総理のいいところであり、こういう問題を突きつけられたときにはなかなか苦しそうだなというふうにも思いましたけども、総理がああやって精一杯説明をして、これはこれからの総理の政治家としての実績で国民の皆さん方にお許しをいただくしかないと、そんなふうに感じたところでございます。
(問)今の関係でもう1問なんですが、鳩山総理は会見の中で、「鳩山辞めろ」という声が圧倒的になった場合、国民の声を尊重しなければならないというふうに述べていますけれども、これは鳩山総理、どういうふうにしておっしゃったと考えてらっしゃるのかということと、鳩山総理の責任についてはどう思いますか。
(答)今の話は政治責任の話ですから、それは当然一般論として総理の資格を問うと、政治家が自らの政治資金管理団体、あるいは政治団体について、ほとんど秘書さんに任せている、あるいは任せざるを得ないということであっても、結果責任をとらざるを得ない場合というのが一般論としては、これは当然のことながらあると思います。それはもうすべての政治家に突きつけられている問題だと思います。
 ただ、総理も一般論としておっしゃっているだけで、ここは踏ん張って、総理に選んでいただいた、つまり、高々と政権交代の旗を掲げて選挙をして、政権交代という劇的な事態で政権を得たというのは、考えてみますと、1925年の普通選挙法、これは女性は選挙権がないわけでありますが、そういう日本の議会の歴史や政党政治の歴史の上で初めてのことでありますから、そういう総理が国民からこの問題でどのような御批判をいただくかと。総理は、今回のことについては自らの団体の管理者として国民の皆さん方にお詫びをすべきような事態があったということを認めつつ、やはりこれからのこの厳しい日本を切り開いていく政治権力の主催者として御支持をお願いできるのではないかと。ちゃんと政策を実行し、政権をガバナンスするということでできるのではないかという見通しをも持っていらっしゃると思いますし、それから主観的な意思としては、そうありたい、そのために、獅子奮迅の努力をしたいと、こうお感じになっておるようでございますので、是非その線で頑張っていただきたいというふうに私自身は思っておりますし、先ほど申し上げましたように、日本の政治史上初めて政権交代の旗を掲げた政党が多数党になって政権を取ったという、このことの持つ政治的な意味は大きい。鳩山内閣の前3代の内閣は選挙をしない安易さからああいう格好で投げ出すことができたのではないかと私は推測するんですけども、そうそう簡単に政権を投げ出すというふうなことをやってはならないとむしろ考えております。
(問)来年度予算案が今日にも決まるということなんですけれども、事業仕分けを受けての削減額は6,700億円程度にとどまりました。大臣は、対象外予算に横串を刺すとおっしゃっていましたけれども、ほとんど横串が刺さらなかった理由をどう考えるか。
 それと、再来年度の予算編成に向けての次の事業仕分けへの意気込みと課題をどう考えるか、お聞かせください。
(答)横串が刺さらなかったか、それとも刺さったかというのは、それはかなり主観的な評価の問題だと思います。私は、皆さん方に、全体としての予算の最後の姿が92兆円程度がバランスいいんじゃないかと申し上げたら、95引く92で、3兆円を事業仕分けで削減するんだという思い込みの数字が、どんどん、どんどんメディア的に走ったけども、私は事業仕分けで3兆円を削減するなんてことは一言も言ったことはありません。
 ただ、申し上げたとおり、半分自慢のようになるかもわかりませんが、44兆円以下の国債発行と全体の姿としての歳出歳入92兆円規模という大体のいいところへ収まっているんじゃないかと、私は思っております。それから、横串を刺した中で、その他収入になって現れてくる埋蔵金的な話というのは相当効果があったと思います。
 私、今度の予算編成を具体的に関与してみて思いましたのは、やっぱり1兆円、2兆円、あるいは1,000億円、100億円の単位が、最後は非常に難しいせめぎ合いになってくるんだなと。そういう中で、約2兆円ぐらいの幅は、事業仕分けによって作り出したんではないかと。そしてまた、何より事業仕分け自体は、国民の皆さん方に税金の使い方、使われ方についての関心と注目を持っていただいたということで、これからの政治の質を変えるという意味では、大変大きい成果だったと私自身は評価をしております。メディアの中には、そういう評価よりも、政治ショーだということをしつこく書いていらっしゃる方がいらっしゃいますけども、それは皆さん方がショーに仕上げただけで、私どもはショーにしようとは全然思ってなかった、このことだけはひとつ皆さん方も報道するに当たってはお考えいただきたいと思うんですね。
 私どもが別にショーとして提示したわけでも何でもない。私どもは、ちゃんと皆さん方に伝わるように事業シートの冊子を用意し、ちゃんとこれを読んで、皆さん方も一緒に理解をして報道してほしい、そしてちゃんとインターネットで中継をするんで、それも御覧いただければというふうに申し上げたはずでございます。
 行政改革マターと言われている、行政刷新会議が担当する件については、さっきから申し上げておりますように、できるだけ公開と説明を旨として、国民の皆さん方に問いかけていくと、皆さん方と一緒に行政を刷新することによって、ある意味で官製市場を自由市場にすること、そして国民の多くの方々が税金の使われ方を理解した上で、最低限の生活保障、あるいは健康、命の保障について、ちゃんとした御理解と負担をしていただいて、ともに支え合って分かち合っていくという、こういう意識と構造を持たなければいけないなと。そのキーワードは、さっきから申し上げておりますように、公開と説明だというふうに私は思っておりまして、そのことをちゃんと腹に据えてやっていきたいなと思っているところでございます。
 答えになっているかどうかわかりませんが、そういうふうに思いますので、どうぞひとつ温かく見守っていただければと思います。
(問)独立行政法人の役員の公募についてお伺いしたいんですが、現段階で天下りを防ぐためにやった公募システムがどのぐらい機能していると今回の公募でお考えになるのか、あと、今後どういった形でプロセスと結果を公表されるのか、そのお考えについてお願いします。
(答)今、こうしてほしいという案は、ほとんどの省庁で大臣のところまで上がってきているようでありますが、突き返してもう一遍やり直しということをなさっている大臣もいらっしゃるようです。全部やっている大臣もいらっしゃるし、部分的になさっている大臣もおるようであります。
 それから、記者会見で公表されたようですが、赤松大臣は、すべてOBじゃない人を選んだからこれでどうだという話もされているようであります。ただ、法律的に官房長官のほうで権限がある分とない分とがありますが、その点についてOKというサインを送ったかというか、事実上の承諾を与えたかどうかというところまで、まだ官房長官から「一緒に考えて判断してくれ」というところまでは来ていません。というか、揃ってから年末までにおやりになるつもりなのかもわかりませんけども。
 その成果と結果は、これは独法の性格がそれぞれやっぱり違うわけでありますけれども、これから選んだ方々が、ちゃんとその使命に、独立行政法人そのものの使命にふさわしいマネージメントをしてくれるかどうかというのは、やっぱりある程度時間をかけてみなければわからない部分があると思いますけども、私は、従来の独立行政法人そのものには皆さん方から批判されるような実態がある、そういう部分があるとすれば、人事によって新しい文化、新しい風、新しいやり方を持ち込むことによって変わっていただけるんではないかというふうに私自身は思っています。
(問)大臣は今後その結果について、レビューというか、評価をする機会というのは持たれるんでしょうか。
(答)独立行政法人改革の中で、当然のことながら、今までのような評価委員会、総務省の評価委員会が最終的に5年ごとにするとか、そういうやり方じゃなくて、やっぱりちゃんとガバナンスの実績が上がっているかどうか、どのように評価するのかと、それを各省が行ってきたというふうな今までのやり方でいいのかどうなのか。これは政府関連公益法人についても同様だと私ども見ておりますが、どういう基準のもとにどういう仕組みをつくってやったらいいのかというのは、我々の今の課題、来年の3月ぐらいまでにメドをつけなければいけない課題というふうに思っています。
(問)予算のところの数字の確認なんですけれども、2兆円というのは、先ほど2兆円の仕分けの効果があったとおっしゃったのは、削減の部分で7,000億円弱だとすると、埋蔵金の部分で1兆3,000億円ぐらいと。
(答)多分、埋蔵金的な掘り起こしの部分で1兆円強でしょう。それから、削減のほうは、仕分けに基づいて、あるいは横串を入れて行われた分が、「これは仕分けの結果だ、これは横串入れた結果だ」という発表はないですけども、私は7,500億円とか8,000億円に近い金額がいっておるんじゃないかというふうに思いますし、さらにその前の8月30日段階の概算要求から見れば、やっぱり約1兆円近いんじゃないかと。だから、両方合わせておおよそ2兆円ぐらいの組み替えるためのネタというか、原資は作れたんじゃないかなという、これは目の子というか、非常に私、仙谷流の大ざっぱな頭の計算であります。
(問)細かい数字については、夕方、閣議決定をされた段階でも構わないんですが、ある程度公表していただくことは可能ですか。
(答)それは、財務省が公表するんじゃないですか。
(問)財務省でやってもらえますか。
(答)それはするんじゃないですか。
 財務省筋のほうから聞こえてくる話では、これほど鮮やかな「コンクリートから人へ」の劇的な予算は、歴史的始まって以来であると。つまり、多分農業土木なんかについても、大胆に削減していて、つまり公共事業関係費が昭和の歴史始まって以来の減少になり、教育関係と社会保障関係がこの10年、実質的に減り続ける、あるいはこの間、年間2,200億円ずつ減ってきたということからのV字回復というか反転して、大変劇的なことになっていると。
 私自身は、絶えず皆さん方に強調しておりましたように、今回の予算について、非常に皆さん方は税収の話をあんまり前提に置かないで、あるいは景気経済状況のことを前提に置かないで批判をされる向きがあるんだけど、マニフェストを書いた時点では、それはマニフェストを書いた方々の見通しが悪いとおっしゃるかもわからないけども、46兆円の税収がある前提でのマニフェストですよね。で、組み替えをやろうとすると、実は37兆円しか税収がない可能性があるという税収見込みのもとでの予算編成ということになる。9兆円の差額が出てきたら、一般政策経費が50兆円前後という予算を今、日本は組んでいるわけですから、そのうち9兆円の税収不足ということを前提にして予算を組めということになり、これは容易ならざる、つまりここだけで2割近く少ない話になるんじゃないでしょうか。
 私は、だからそういう意味では、財政当局も、それから各省庁の大臣の皆さん方も、たえがたきをたえ、しのびがたきをしのんで予算をよくやってくれたと。最後は、総理の決断で予算ができそうでありますから、総理のリーダーシップも示されたということで、私は、この状況下では、かなりいい点数をもらえる予算案ではないかと思っております。
 どうぞいいお年をお迎えください。どうもありがとうございました。

(以上)

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