仙谷大臣記者会見要旨 平成21年12月25日

(平成21年12月25日(金) 18:47~18:57  於:内閣府本府1階ロビーぶら下がり)

1.質疑応答

(問)今日、閣議決定がなされ、鳩山政権下での初めての本予算の編成が終わりましたけれども、大臣としての評価はいかがでしょうか。
(答)25日にすっきり、年内編成という中でも約1週間前にできたと。それから「コンクリートから人へ」を鮮明に打ち出した予算ができたと。約44兆円の公債発行でできたと。この景気、経済状況下では、自我自賛するわけではないけども、考えられる最良の予算ができたというふうに考えてます。
(問)選挙の中でもマニフェストを掲げられて、財源を捻出するということについて、特に大臣は事業仕分けなどで取り組まれましたけども、その成果がどれくらいこの予算に反映できたと……。
(答)おおよそ2兆円の組み替えはできたというふうに考えておりまして、すべての税収が37兆円というまことに悲惨な状況でありますから、その中で2兆円のアローアンスというか組み替え部分ができたというのは、良かったなと思っております。
(問)当初、削減額が6700億円くらいということで、今日夕方の財務省の説明と、その後の民主党の重点要望の土地改良事業と人事院勧告の公務員削減、それも入れて1兆円くらいだと。その辺を含めた理由というのはどうなんでしょうか。
(答)我々のほうは横串とかいろんな観点から、例えば土地改良についてもですね、あるいは農水の持っていらっしゃる基金等々についてもですね、効率的か、あるいは時代に即しているか、緊要度があるかというふうな観点で横串を刺すといいましょうか、そういう基準に従って削減をお願いしてあって、それがまあ上、下というか、新しいその他収入のほうにした分もあるし、それから予算の縮減ということになった分もあるということで、当初からすべての事業を見直しにかけることは時間的にも体力的にもできないわけだから、それは事業仕分けの効果ということだと私としては自負してますけど。
(問)今日決められた独立行政法人と公益法人の閣議決定について、御説明いただけますでしょうか。
(答)事業仕分けの作業を通じて指摘された問題点や、それから、これから国民の声というのをですね、今まで職員の声だけだったんですが、国民の声でこんなものいらないと、これはなんなんだというような声も出てくるでしょうし、こういうふうにすべきだという声も出てくるでしょうから、そういう声も含めてこれから独立行政法人、あるいは政府関連公益法人の見直しを徹底的にやっていくと。年明けから基礎的な調査を改めて実施したいと。それを閣議決定していただいたということでございます。今ここにペーパーは持っておりますけども、今申し上げたような視点に立って各大臣にも協力いただいて調査をし、もちろん会計的な観点からも、それからその効果がどれぐらいあるのかと。そもそものミッションについてどういう効果があるのかと。それから公益法人については離れですき焼き的になってないかというような観点から徹底して調査分析をしたいと思っております。
(問)どのような体制で行って、あるいはいつごろまでにその見直しの結論を得たいと考えてらっしゃるのでしょうか。
(答)国民の皆さん方に、それこそ関心を持っていただかないといけませんし、それが必要にせよ、必要性が薄いにせよ、必要性がないにせよ、やっぱり国民の皆さん方との双方向のコミュニケーションを通じて行うというのが、先般の閣議でも総理大臣のほうから事業仕分けの手法を用いてこの政府関連公益法人、独立行政法人をやれということでありますから、それはそういう観点で行うということでありますから、結論と言われると、それはもう概算要求の頃までに、全部じゃないにしても相当部分の、今後のその法人の行く末を決めるような一定の結論を出してもらいたいなと思っております。
(問)概算要求の頃というと来年の夏。
(答)そうでしょうね。夏までということになるでしょう。
(問)以前、大臣は基礎的な作業というか調査を3月ぐらいまでにやって、4月から実際に個別の判断をしていくとおっしゃってたんですけども、そのスケジュール感は大体……。
(答)僕の頭の中でのスケジュール感は、そういうスケジュールですね。
(問)行政刷新会議の下に検討チームというか調査チームを設けるんですか。
(答)事実上、今の事業仕分けをやっていただいたチーム、それから公益法人改革に取り組んでいらっしゃるチーム、それから新たに増員等々をしなければならないかもわかりませんし、それから、国民の声、職員の声の調査分析というのも、これは量的には大変なものですから、そこも拡充しなければならないと。事務的にはそこは少々御苦労いただかなければいかんなと、こんなふうに思ってますけども。
(問)各大臣から公開の場所で所管する独法の必要性や事業についての説明を求めるということもあり得るのでしょうか。
(答)各大臣がそれ自主的になさるということですか。
(問)事業仕分けのような場を設ける形で。
(答)各大臣がですか。
(問)はい。
(答)その省内で。
(問)省内なり、外の場所なり……。
(答)いや、省内というのは物理的じゃなくて、やり方としては行政刷新会議のチームがそういう議論の場を設けるということじゃなくて、各省庁の大臣が各省の仕事としてなさるということですか。いや、それは可能性ありますよね。というのは各省内に独法の評価委員会というのをつくっていらっしゃるわけだから、そこで自主的に行うということもあり得るんじゃないでしょうかね。
(問)行政刷新会議がそういう場を提供するということもあり得ますか。
(答)行政刷新会議がやる場合には当然のことながら共同で行うことはあり得ても、どうぞ場所だけ貸しますからやってくださいという話にはならない。つまりこの間、各省のその独法の評価局みたいなものがないわけじゃないんだけど、どうしてもやっぱり甘めに入ってくるという傾向が否めないんですね。つまり、今度の独法の公募の役員の選定についても、今、省によっては大臣のところで再公募とか、要するに再検討みたいなことで押し返しているのがあるというのは、評価委員会を役員選考委員会にして、ここまでやってこられたはずですから、ところが大臣の目で見てもそれはちょっと問題があるぞということで押し返してるんだろうと思いますから、それはやっぱりやるとしても、役所的にも俯瞰的なポジションというか、第三者的なポジションの目線が入ってこないと、やっぱりどうしても内輪の話になっちゃうんじゃないかなと。持たれ縁の話になっちゃうんじゃないかなという、これは人情もありますから、そういうふうになってしまうと。そのことはやっぱり国民の理解を得られる程度が少ないだろうと思ってますから、やっぱり独自にだけなさってもそれは我々が今日閣議決定いただいたものとはちょっと違う。まあ第一読解というか、第一次的予選というかね、なんかそんな感じじゃないでしょうかね。

(以上)