仙谷大臣記者会見要旨 平成21年12月8日

(平成21年12月8日(火) 10:47~11:00  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は御承知のように、事業規模24兆4,000億円程度の「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を閣議前の予算編成に関する閣僚委員会で了承をして、閣議で決定をされたところでございます。詳しくは、菅副総理から、閣議でも発言がございましたので、そちらのほうでお聞きいただきたいと思います。
 補正予算案の関係で藤井財務大臣からの発言がございまして、第2次補正予算をつくる段階で、税収が36.9兆円、約37兆円を割る税収、そして、53兆5,000億の公債発行ということになるという報告がございました。バランスを欠く「税収と公債発行額」になる見込みであるという厳しい状況が報告されたところでございます。
 私の所管する部署との関係でもう一つ出てまいりましたこととして、閣僚懇談会で、再就職あっせんの再調査について、原口総務大臣から発言がございました。再就職者が5代連続しているポストについて、各省庁で改めて再調査をされたいということでございます。これも総務大臣のほうから詳しく説明があろうかと思っております。
 以上です。何か御質問ございましたら、お答えできる範囲でお答えをいたします。

2.質疑応答

(問)昨日のぶら下がりで御発言があった事務次官ポストの廃止についてなんですけれども、改めてその必要性と意義について、それらが公務員制度改革に与える影響に関する御所感も含めて教えてください。
(答)公務員制度改革、とりわけ幹部人事の問題は、やはり、この霞が関全体そして各省庁において、どういう事業体とし、あるいはガバナンスをつくるかという観点から考えていくと、そういう側面も必要なんではないかとつくづく思っておりまして、民間でガバナンス改革を成功した経営体を参考に、これから議論を改めて展開し、それを制度化するということで考えていきたいと思っておりまして、当然、事務次官の存否の問題については、そこで本格的に議論されるだろうと思っております。
(問)関連して、昨日の大臣のぶら下がりの発言の中で、幹部人事関連の法案を通常国会にと御発言あったと思うんですけれども、確か内閣人事局の話は、事項要求で予算要求されていらっしゃったと思うんですけれども、年末の予算編成に向けて進捗というか、どういう方針で臨まれるのでしょうか。
(答)内閣人事局の話は、私どものほうももちろん関係があるわけですけれども、主としてはむしろ内閣官房の話だと思います。法案を通して、粗々このぐらいの体制でということで、人事局を発足させていくわけですが、当面の間は、人事院の問題であったり、それから各省庁との関連等々あって、人事局をどういう人員構成で、あるいはどういう役割や職務構成でやるのかということを少々詰めて、改めて数値に置き換えて年末までにやらなければいけないと思っていますので、それは官房長官とこれから協議したいと思っています。
(問)基本的には、事項要求ではなくて、きちんとした金額なり、定員なりで要求をされるということですか。
(答)はい。定員がきちっとするかどうかは別にして、やっぱりこれは大体のイメージということになるんじゃないでしょうかね。
(問)緊急経済対策について、大臣の評価というか受け止めをされているか、あと今回、国民新党の側から積み増し要求があって、それについて受け入れる形でこういう結果になったと思うんですけれども、その辺に関してどうお考えになるのかお聞かせ願えますか。
(答)国民新党の皆さんは、地域経済を大変心配されておったようです。私自身も地域経済を大変心配していますし、全く社会資本整備的なことをやらなくていいとは思いませんけども、それを経済対策として設定するというのは、いささか古いのかなというふうな感想は持っております。ここで決着したわけですから、四の五の申し上げるつもりはありません。
 先般の行政刷新会議でも問題になったんですが、要するに例えば教育関連とか、あるいは福祉関連のために地方に財源を振り替えるべきという意見を書いて、その分一般財源的に振り替えた瞬間に、地方は自治体はそれを例えば図書館の整備とか、図書館の司書の配置とかに使わずに、道路に消えたり、農道になったり、かん排施設になったりする。そういうことがまことに困った話だという発言がされておりまして、地方自治だから、そこのところは自由だといえば自由なんだけども、そういう傾向がやっぱり今の自治体にはまだまだ強いと。それは首長さんに身近な支持者といった声が聞こえてきやすいところは、割とそういうものが多いですし、それから、どうしても事業執行で慣れた手法へ傾斜する傾向がどうもあるのではないかというふうに僕は見ております。やっぱり将来設計、未来設計という観点からは、ちょっと苦しくても、やはり、地域、地方で最も決定的に不足しているのは人材なんだということで、人材育成のところに議論と施策の方向を集中してほしいなあと、改めて今回の緊急経済対策もそういう観点で見ております。
(問)今日でこの経済対策がとりあえずまとまったわけですけれども、今後、来年度予算の議論に本格的に入ってくるかと思うんですが、基本方針をまとめるに当たって、どういうフレームでとらえるか、数値を入れる必要があるかという考えについてはどうなんですか。
(答)全体的な枠組みは私自身は戦略室か、あるいは予算編成の閣僚委員会のところで、まずは数値を決めて、それに基づいて各省庁が要求をすれば、幾ら削られる、削られないの攻防戦をやるという発想ではなく、そういう発想ではなくて、改めてゼロベースから予算を、その枠内でつけるという発想になっていただく、そういう時期が来ていると思っています。
 とりわけ44兆円を超えない公債発行ということを私どもが一つの軸とするんであれば、あと収入がどのぐらいなのか、その他収入をどのぐらい持ってこれるのかと、そこで総額が決まってくるわけでありますから、まずは歳入の見込みから全体の枠組みを決めてかからないとですね、先ほど申し上げた歳入歳出のバランスをほとんど考慮に入れない要求分捕り合戦みたいなことになると何をやっているのかわからないと、私自身はそう思っていますから、それはこれからの予算編成の閣僚委員会等々でも主張をしていくつもりです。
 それから、ちょっと申し忘れましたが、独立行政法人のとりわけ国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)といわれる国立がんセンター以下6つの法人についてガバナンスの検討チームをこの間立ち上げて2回ほど議論したんでありますが、今日、第3回目を行います。19時から21時30分までということで合同庁舎4号館の第2特別会議室で行います。前の2回までは冒頭のカメラ撮りだけにしてあったんですが、今日から公開に変更をいたしますので、興味のある方は、これは独立行政法人でありますけども、新たに出発する独立行政法人のガバナンスのあり方について、専門的な方々とともに政治家サイドからは私を含めて副大臣、政務官も参加して具体的にやりますのでお知らせをしておきます。主管の副大臣は大島敦副大臣にお願いをしております。
 よろしゅうございますか。じゃあ、今日も一日頑張りましょう。

(以上)