菅大臣記者会見要旨 平成22年4月30日

(平成22年4月30日(金) 10:36~10:57  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は、閣僚懇の場で経済財政担当として、いわゆる高校実質無償化によって消費者物価指数が影響されることについて報告をいたしました。もう御存じだと思いますが、本日公表される消費者物価統計の東京都区部の4月分から、公立高校授業料の無償化などの影響が反映されることとなります。全国のこのベースの影響は、来月発表の全国4月分の結果を見ることになりますが、消費者物価の前年比は、今後12カ月にわたり、おおむね0.5ポイント程度押し下げられると見込まれます。本措置による影響は、政策による一時的な変動と考えられることから、いわゆる一般的な意味での物価の基調的変化とは別個のものでありまして、デフレの現状認識にこの0.5ポイントが直接影響を与えるものではありません。ですから、皆さんが報道されるときも、0.5ポイント分だけは、従来から外して影響を考えていただかなければいけないということになると思います。本年1月に閣議決定した平成22年度政府経済見通しでは、消費者物価総合の見通しをマイナス0.8としておりますが、これは高校実質無償化の影響は盛り込んでおりません。最新の経済データを用い、高校実質無償化の影響や政府経済見通し策定以降の経済物価情勢の変化を反映させた平成22年、23年度の経済の姿を、内閣府として年半ばにお示しすることを検討いたしております。

 それと、私のほうで少しといいましょうか、注意しておかなければいけないのは、やはりギリシャ情勢などヨーロッパの情勢があります。先日のG7、更にはG20の議論の中でも色々ギリシャのことが議論されておりましたが、大筋、今週末にも救済の枠組みが合意されるだろうという、これは報道ベースで聞いております。報道によれば、1,200億ユーロを3年間で提供すると。日本円にすると15兆円程度になろうかと思っております。ちょうどG7の議論の中でも、とにかくギリシャのこのいわゆるソブリン・リスクというものを他の国に波及させてはならないという、そういう強い意見が各国の関係者から出されておりまして、それが今回の救済スキームという形で合意に向かって進んでいると理解をいたしております。直接にこのことが我が国に影響することはないと思っております。しかし、我が国は我が国として、御承知のような財政状況にあります。そういう点では、6月に予定している中期財政フレーム、あるいは財政運営戦略において、ある意味ではこれまで以上にしっかりとした健全化の方向性を打ち出していかなければ、ある意味でマーケットというのは必ずしも国単位で動くわけではありませんので、そういう意味では、こういったヨーロッパの情勢を踏まえて、よりしっかりした財政健全化に向けた方向性を示す必要があると、このように考えております。

 それから、明日から4日までウズベキスタンに出掛けてまいります。1つはASEAN+3、つまりASEAN諸国と日本、韓国、中国の3カ国の財相会議、更にはアジア開発銀行総会が連続してありますので、その関係、更には幾つかのバイ会談も予定されております。

 このASEAN+3、更にはアジア開発銀行という枠組みは、我が国にとっては、アジア諸国との経済的な関係の、ある意味での非常に大きなインフラとでもいうのでしょうか。アジ銀の総裁は、今、黒田総裁、我が国から出ておりますし、出資も我が国が一番大きい国という形になっております。そういう点で、新成長戦略においても、アジアの成長を我が国の成長に繋げていくという、こういう方向性を出しておりますが、そういった意味では、この枠組みはそういった全体をまさに包含するような枠組みになっておりますので、そういった観点からも、私としてもしっかりと対応していきたいと、このように思っております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)3問伺います。まず1点目ですけれども、財政健全化法案の提出について伺います。
 前回、今週火曜日の閣議後会見で、法案の提出の最終判断について、出来れば今月中にと仰っておられたと思います。現在の状況についてお伺いします。
 2問目ですけれども、冒頭発言でも触れられました消費者物価指数についてですが、今般、今日発表がありましたけれども、13カ月連続の下落と。通年の指数の下落幅としては1971年以来最大だということで、なかなか止まらぬデフレという状況だと思いますが、それについての受けとめを伺います。
 3問目ですけれども、今発言ありましたADB総会等々で、明日からウズベキスタンへ行かれます。意気込みを今伺いましたけれども、具体的に何か大臣として意識されているテーマ、期待している成果、もうちょっと具体的なところで紹介があればと思います。以上3問です。
(答)まず、健全化法、もうちょっと長い名前に、今準備の段階ではなっておりますが、経済成長・社会保障・財政健全化基本法と仮の名をつけておりますが、この法案について、色々な形で準備を進めてまいりました。今月中にもと思っておりましたが、特に総理のほうから、先週、先週といいましょうか数日前に、「やはり色々な意見もあるし、閣僚がかなり海外に出ている今日の30日の段階では、そこまで結論を出すのは少し早いと思うので、もう少し慎重にやってほしい」という御指示をいただきまして、確かにそういう側面もありますので、連休を挟みますけれども、連休明けに改めて対応について、取り組みを改めて進めたいと、こう思っております。いずれにしましても、この法律を出す、出さないにかかわらず、先ほど申し上げた中期財政フレーム、更には、財政運営戦略は6月中に発表するということを、これは仙谷さんの国家戦略室を中心ではありますけれども、そういう約束になっておりますので、内容的にはその2つの、6月にまとめるものと整合的な形の法案ということで準備をしております。いずれにしても、法案という形に最終的に出来る、出来ないというのは、国会の様子も含めていろいろな要件を考えなければならないと思っておりますが、内容的にはいずれにしても、6月にそういうものが発表されるということは、5月中には法案という形をとる、とらないにかかわらず、これらの問題をしっかりと形づくっていかなければならないと、このように思っております。
 物価については、先ほど申し上げたのは、あくまで高校実質無償化の影響ということで申し上げたわけでありまして、物価そのもののこととは、関連はしますが、やや違う性格のものであります。物価の下落の状況は、今指摘もありましたけれども、全般的には下落幅が段々と縮まっておりまして、2011年度については、日銀等の見通しでも、まだ最終的な形にはなっておりませんが、0.0とか、何とかマイナスからゼロないしプラスに、物価の上昇がマイナスからゼロないしプラスに変わっていく可能性が出てきていると、このように考えております。
 アジア開発銀行及びASEAN+3については、あまり予め過大な期待を皆さんに表明してもどうかとは思いますが、1つは日韓中の3カ国の財務大臣の会議というものもありまして、現在この枠組みの中で幾つかの課題が取り組まれております。そのことも1つ重要な要素かなと思っております。それに加えて、これも先ほど申し上げましたけれども、ASEAN+3という枠組みは、ある意味では、我が国がアジアにおいての非常に主導的にこの間も対応してきた大きな枠組みでありますので、インドとか幾つかの国の関係者とのバイでの会談を予定しておりますので、そういったことで、アジアとのより積極的な経済的な関係を進めていく一つの、この政権にとっての再スタートになればと、こう思っております。
(問)更問ですけれども、財政健全化法案が今月中に決められなかった理由というのはどこにあるんでしょうか。今の御発言の中で、総理大臣がいろいろな意見があるというふうに指摘をされたということですけれども、具体的な障害がある、プラス、法案という形をとらなければ、副総理が以前からおっしゃっていた財政再建に向けた国会の場での与野党協議の場というのができなくなると思いますが、その点いかがでしょうか。
(答)私自身、幾つかのところで色々やっておりましたが、多少、党の関係や他の連立与党との関係も含めて、ちょっと最終的に煮詰まるのに時間的にも間に合わなかったというのが1つです。それから、国会の場での議論ということについて、皆さんにはその意味合いを色々な機会に伝えているわけですけれども、なかなか国会での議論ということの必要性について、まだこれも同じことですが、党ないしは他の与党を含めて、内容的にということ以外でも、何故法律という形で出さなければいけないのかと。つまりは、今の国会情勢の中でそういう大きな法案を出してどういう意味があるのかという、そういうところの理解がもう一つ進んでいくのに若干の時間的な制約といいましょうか、不足といいましょうか、それがあったと、そういう状況です。
(問)小沢さんの資金管理団体を巡る問題について伺いたいんですが、先だって起訴相当という判断が検察審査会で示されました。それを受け、世論調査等では小沢さんの辞任論が8割近くになっているわけですが、副総理自身は、小沢幹事長の続投を支持されるんでしょうか。また、小沢幹事長には今後どういう対応を望まれるか。あと加えて、政権運営、参院選への影響をどうお考えでしょうか。
(答)この問題は、国民の皆さんから見て、まだまだ十分な理解を得られる状況にないという意味で、私もある意味で心配をいたしております。やはり、いずれにしても小沢幹事長御本人がもう少し国民の皆さんに説明をされることが必要ではないかと、こんなふうに思っております。選挙への影響というのは、あらゆることが選挙に影響するわけですけれども、やはり国民の皆さんが納得される状況になっていないということは、やはり参院選への影響も心配されるということだと思います。
(問)続投は支持されますか。
(答)やはりこういう問題は、いわゆる党首である総理と、幹事長という立場にある小沢幹事長御本人の判断を待つというのが、今の私の立場からいえば、そのお二人が色々考えておられることだと思いますので、その判断を待つということで、総理のほうからはそのまま頑張ってほしいということの趣旨のことをおっしゃったと聞いておりますので、そういった総理の判断に従っていきたいと思います。
(問)共同通信が昨日、一昨日行った世論調査で、内閣支持率が20.7%、前回比13ポイント落ちると、非常に厳しい数字が出ております。今の小沢さんの数字と関連するんですが、鳩山総理が5月末に普天間決着できなかった場合には辞めるべきだという数字が54%に上っておりまして、小沢さんを含めて、政府・与党のトップに対する信頼度が非常に落ち込んでいますが、そのような状況をどのように受けとめますか。
(答)もちろんその問題も心配しているというか、普天間については、私は直接は関係しておりませんが心配をいたしております。ただ、冒頭申し上げたことが皆さんにどの程度伝わっているかわかりませんが、やはり今の私が置かれている役目というのは、まさに経済であり財政でありということでありまして、この問題は、極端に言えば自民党政権の時代からずっとある問題であり、つまりは今の政権のあり方ということを超えて、日本という国自体がこの対応をしっかりしないと、それこそギリシャのような状況に陥りかねない。ギリシャも政権交代があって、そういう問題が逆に表に出てきたわけでありますから、この問題をしっかり対応できるかどうかということを私は最も実は問われているのだと思っております。ニュース的には、他の問題のほうを皆さん方報道されるのは、それぞれの立場ですから仕方がありませんが、私は、今皆さんが色々質問されたこと以上に、この問題のほうが、国民的には、扱いを間違うとより大きなマイナスを受ける問題だと思っておりますので、そこに全力を集中することが今の私の立場と、こう考えております。

(以上)

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