菅大臣記者会見要旨 平成22年1月20日

(平成22年1月20日(水) 15:38~16:02  於:合同庁舎4号館4階408号室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議が開催されましたので、その概要を御報告いたします。

 景気の基調判断につきましては、「持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」と、先月と同様の判断をいたしております。これは、生産などの上向きの動きが続いているものの、外需や経済対策に牽引されたもので、自律的な回復には至っておらず、雇用の厳しさに表れているように、景気の水準は依然低い、といった、これまでの状況に基本的な変化がないことを踏まえたものです。

 先行きにつきましては、当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待されます。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクに留意する必要があります。

 政府といたしましては、「緊急雇用対策」及び「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を推進することとし、平成21年度第2次補正予算を国会に提出しました。政府は、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な取り組みを行い、デフレの克服、景気回復を確実なものとしていくよう、政策努力を重ねていきます。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず今回、基調判断は持ち直しということで、基調判断の据え置き6カ月連続となりました。足下の個々の指標を見てみると、いいものもあれば悪いものもあって、まだら模様になっているかと思うんですけれども、この1-3月期の景気の見通しは、一時は底割れするんじゃないか、二番底になるんじゃないかというふうに言われていましたけれども、足下の様子を見ながら、この1-3月期の成長率とか景気の見通しはどう見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)まさに質問の中にもありましたように、いろんな要素がある中で、基調判断は先月と同様としたわけであります。そういった意味で、二番底のリスクについても、私としては、何とかそれを回避できるというふうに思ってもおりますし、期待もしておりますけれども、そのリスクが去ったわけではありません。多少、気持ちの上で少し楽になったのは、やはり昨年の暮れから年明けにかけて、株価がかなり上昇したことによって、何か世の中の雰囲気が少し、そういう面では明るくなったのかなと、そんなふうに感じています。
(問)2点目ですけれども、デフレの見通しに関してなんですが、昨日発表された指標で、これから1年後に物価が上がるというふうに見ている消費者の割合が、下がると見ている消費者より初めて少なくなったということが示されたんですけれども、それと世の中全体がだんだんデフレの認識が広まってきているかと思うんですが、今後デフレは、そうした予想のとおりに深まっていくのか、これからの見通しを教えていただけますでしょうか。
(答)まさに、消費動向調査の中で、物価が下がるという見方が上がるという見方を超えるというのは、私の記憶の中では多分初めてのことではないかと思います。そういった意味では、最近のいろんな意味の安売りなどが、一般の皆さんにも、そういう将来に対する見方を強めているのかなと思います。
 ただ、政府としては、日銀とともに昨年来、デフレ状態を脱するために、いろいろな手を打ってきておりますし、まさに2次補正も、今日、委員会で提案を今してきたところでありますし、そういうものの効果によって、デフレ状況を脱却の方向に向かっていきたいと。見通しというよりは、そういう努力をしていきたいと、こう思っております。
(問)3点目ですが、ここの会見に集まっている記者は、主に6階の経済研究会の記者が多いかと思うんですけれども、財務大臣になられてしばらく経たれましたけれども、財務大臣になられてからの感想みたいなものがあったら伺えますでしょうか。
(答)これまでは、経済財政担当であると同時に、国家戦略担当ということで、例えば成長戦略の策定など、国家戦略室を中心とした仕事も多かったわけですが、財務相の仕事というのは、どちらかといえば、そういう夢を語るというよりは現実そのものに対して対応するという、やや、そういう仕事が多いなという感じがしております。私としては、経済財政担当も続けさせていただいていますので、現実的な対応と同時に、夢を語ることもあわせてやっていきたいなと思っています。
 それと財務省で、先日、ある意味での仕事のあり方、ビジネスモデルを変えられないかということで、PTをつくることを事務次官に指示をいたしました。そういう意味では、一番、霞が関の中でも象徴的な財務省から、ある意味で霞が関改革をスタートさせることができないかということで、そういう形でスタートを少なくとも着手したと、そういうところです。
(問)2点あるんですけれども、月例とそれ以外なんですが、配布されました会議の資料をいただいたんですが、今回、太陽光の発電について、特出しして資料をつくったことを御説明されたようなんですが、これは何か理由があったのかどうかというのが一つと。
 あと、月例と直接かかわりなくて恐縮なんですが、今お答えがあったのは成長戦略の件ですけれども、先日の担務の変更でも菅大臣が引き続きやるということが発表されましたが、これまで成長戦略をやってきたのは、国家戦略室が中心になってやってきていて、今度は担当は仙谷大臣に代わっていると思うんですけれども、これは仙谷大臣とどういうふうにすみ分けしてやっていくのか、その辺をちょっと教えていただければと思うんですけれども。
(答)太陽光については、前回のこの月例報告のときに、特に仙谷大臣のほうからどうなっているんだという質問がありまして、それを受けて事務方が用意したものです。
 それから、成長戦略を含めて、私と今回国家戦略担当となった仙谷大臣との役割分担について、先日も仙谷大臣さらには古川副大臣、3人でいろいろ相談をいたしました。総理から指示をされているのは、成長戦略については私が、それから環境さらには雇用といった、それぞれ動いているいろいろな本部等がありますが、それは仙谷さんが担当するという位置づけになっております。ただ、これまで私もそれぞれにかかわってきたこともありますし、特に古川副大臣のほうから、やはり副総理という立場もあるので、総理が例えば本部長のところに私が代行でいるようなところは、そのままにしておいて、そして、事務局長的な仕事を仙谷大臣が担って、そしてその事務局を戦略室が担うという形のほうが有効に動くのではないかということも意見として出され、3人で相談した中で、基本的には、成長戦略についても、成長戦略策定会議の議長はもちろん鳩山総理で、私が議長代行で、そして、その事務局長、あれをつくるときには荒井さんに事務局長役をお願いしましたが、その事務局長を仙谷大臣になっていただいて、その事務局は戦略室が担うという形でこの問題も進めていこうと、そういうことにいたしました。
 環境や雇用については、基本は同じような形ですが、他省庁が関係をしますので、他省庁との関係も含めて、私が形としては、総理に次いで、その代行のようなことを務めて、事務局は少なくとも仙谷さんが責任のもとの戦略室で担う、あるいは他の環境省が一部担ったり、厚労省が担うということもありますけれども、そういうようなやり方で、私と仙谷さんのところが緊密な連携のもとに進めていこうということになりました。
 ただ、財務省の仕事、それから国家戦略室固有の仕事がありますので、例えば、これからやる中期財政フレームとか、そういったものについては戦略室が中心になって、それを財務省としては必要な部分で協力をしていくと、そういう位置づけですので、ちょっと皆さんから見ると複雑に見えるかもしれませんが、私と仙谷さんの間では一つのイメージが共有できたと、こう思っております。
(問)月例経済報告とはちょっと関係のない質問で恐縮ですが、昨日、会社更生法の適用を申請した日本航空の件なんですけれども、なぜ金融機関ではない一事業会社に対して、政府として巨額の公的な資金を使って経営を支援する必要があると判断されたのか。その根拠を、特にこういう前例をつくることが、自由な経済活動をゆがめる心配があるのかないのか、この点について、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)経緯は、皆さん御自身よく御存じのことだと思いますが、企業再生支援機構という、ある意味での政府の責任のもとに企業を再生することを支援する機構が誕生したわけです。そこに、一つのルールとして支援要請があった場合には、その支援機構の委員会で判断するという仕組みになっております。そういう意味で、手続き的には、政治そのものが何か決めるという、少なくとも厳密な言い方で言えばそうではなくて、支援機構がそういう形のルールの中で、物事を支援決定をするという仕組みになっていることは、御存じのとおりです。
 しかし、もちろんその支援機構そのものも、広い意味では、どういう表現をしたらいいんでしょうか、場合によっては国民の負担になる、しかし支援がうまくいって再生された場合には負担にならない仕組みになっておりますが、そういうこともありますし、また一方で、政投銀という100%国が出資の銀行が既にかなりの融資をしているということもありますので、そういう仕組みの中での、今回の支援決定から、今日の状況になっているわけです。
 ですから、今の質問について、私は、どういう表現をしたらいいんでしょう、必要性という意味でいえば、まさにアメリカではGMの破綻という中で、それを放置するのか、政府が何らかの救済的な行動をとるのかということでの判断があったわけですが、やはり日航という、非常に大きな、もし単純な意味での破産ということになったら極めて大きな影響、マイナスの影響も出得る企業について、支援機構に支援要請があった中では、ここは日本全体の経済等を考えた中で、支援機構の判断のもとで支援をするということは、私はそういう観点から適当ではないかと思っております。
 あまり単純に、「国の金」とか「国民の金」というふうに言われるのは、ちょっと仕組みをよく見ていただくと、かつての銀行救済のように、国債でも発行して何かやるとかいうようなことではありませんので、支援がうまくいって再生されたときには、少なくとも支援機構については、負担はうまくいけば残らない、負担はしないで済むと、そういう形になると、それが望ましいと、このように理解しています。
(問)すみません、あともう1点。これも財務大臣としてのお尋ねになるんですけれども、昨日、総理が国会の答弁の中で、税法の附則に、麻生政権時代に消費税を初めとする税制改革の道筋を定めた「中期プログラム」というものを、税法の附則に書いたものが法律として今あるわけですけれども、これを今の政権の消費税を4年間上げないという方針と矛盾する内容なので修正するのかどうかという質問に対して、総理は直ちに修正するお考えはないというようなことをおっしゃっていたわけですけれども、これはなぜそのままにしておくのか。例えば藤井前大臣は、修正するのが自然であろうというようなお考えも示されていたわけですけれども、ここは何か政治判断のようなものがあったのか、その理由をちょっとお聞かせ願えないでしょうか。
(答)ちょっと私は、その問題は把握していませんので、もし必要なら、また把握した上でお答えします。
(問)2点、月例と経済全般をお伺いしたいんですけれども、6カ月、かなり長らく判断が据え置かれておりますが、上方修正に転じるとすれば、それはどういったものが一つのきっかけや基準になるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
 2点目に、中国のGDPが近日中に出る見通しなんですけれども、かなり2009年のGDPは日本に近づいて、2010年には抜くのではないかと見られています。月例の判断の中でも、中国経済はかなり好調に推移しそうだという見通しなのですが、一方で、日本がちょっと停滞する中で、世界第2位の経済大国が3位になってしまうんですが、経済財政担当大臣として、それについてはどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
(答)最初の質問の6カ月間、いわば判断を変えない、足踏み状態であるということは、理由はもう冒頭から申し上げていますが、やはり自律的な成長というものがうまくいっていないというのを象徴しているのが、やはり雇用情勢だと思います。やはり雇用が大変厳しい中にあって、他の要素が多少よくなっても、なかなか上方に変えるということは難しいのかなと、こんなふうに私は感じています。
 それから、GDPが中国が世界第2位になる可能性は、2009年も含めてかなり高いのかなと思っています。日本が戦後の高度成長で世界第2位になって、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」というような本が出て、「21世紀は日本の世紀だ」と逆に警戒をされたころが何となく懐かしいような気も、私にとってはしておりますが、もちろん中国は人口も大きい国ですから、抜き返すというようなことを必ずしも目的にするかどうかは別として、日本のみずからの成長が、いわば止まってしまっていることについては、昨年提起した成長戦略などを実行に移すことによって、やはりそこで目標とした名目3%程度の成長路線には、ぜひ乗せていきたいと、このように考えています。
(問)先ほどJALの問題で、日本経済全体のことを考えて支援を決定したというお話があったと思うんですが、そうはいっても、大型の経営破綻ということで、今後の日本経済にとっては下押しのリスクになる可能性があると考えているかどうか、お伺いしたいんですが。
(答)あまり、どこまで申し上げていいかわかりませんけれども、まさに政権交代があったんですよ。これまでJALがいろいろ言われながらも、生ぬるいといいましょうか、そういう、何か最後は親方日の丸で何とかしてくれるというような感覚の中で、結局いろんな問題を先送りしてきた。さらに、前原大臣に頑張ってもらっていますけれども、オープンスカイも含めて、あるいは日本の97とか98といわれる飛行場のあり方も含めて、すべて、これまでの、まさに私流の言い方で言えば第1の道、どんどん飛行場をつくってくれ、飛行場をつくるから、飛行機を飛ばしてくれ、つまりは、そういうことが経済の原則を超えて、悪い意味での政治との癒着の中で進んできた結果が、私は今回のJALの破綻の根本的な原因だと思っております。
 ですから、ちょうどその時点が政権交代と重なったことは、私は再スタートのチャンスに、JALにとってもなるし、日本の航空行政にとっても、私はオープンスカイの問題や、そういう飛行場のあり方も含めて、抜本的な、ある意味での新しい1ページになると、このように思っています。そういう意味で、私は下押しということよりは、このことが日本経済のある意味での再生の一つのモデルになってくれるんではないかと、また、そういうふうになるように、国交大臣も頑張っていますし、私たちも頑張りたいと、こう思っています。

(以上)

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