菅大臣記者会見要旨 平成22年1月15日

(平成22年1月15日(金) 11:09~11:34  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は閣議では、18日に行う財政演説について若干の説明をしました。正式には18日に内容を含めて閣議決定ということになることになっております。

 それから1つ、私のほうから報告というのか、皆様お手元に資料が配られている「繰越制度の一層の活用に向けた取組について」、若干の報告をしたいと思います。

 これは国家戦略室で最初に取り組んだ「予算編成等の在り方の改革について」という中で閣議決定された項目でありまして、つまりはよく言われることですが、年度末になると道路がいつも掘り起こされている、どたばたと何か工事が行われる、無駄も多いのではないかということを言われておりました。そういったことで、将来的には複数年度予算ということでそういうものを構造的に改質をしていきたいと思っておりますが、少なくとも来年度予算においてもそうした無駄といいましょうか不合理が起きないようにということで、これまでありました繰越制度を使いやすいような形に変えるというのがこの「繰越制度の一層の活用に向けて」という中身として方向が出されることになったということであります。多少簡単に申し上げると、財務省のほうで内容を検討してくれたわけですが、まずは明瞭、簡素、迅速と。これまでは、繰越手続がルールがはっきりしてなくて複雑で時間がかかったと。それを明瞭、簡素、迅速の観点から見直していったと。お手元の資料でわかるように、具体的には3点を大きく改善をいたしております。

 1点は、繰越承認における審査要領の周知徹底、新たな審査マニュアル・事例集の作成、配布、こういうことによって明瞭になったと。こういうときはできるんだなということになります。

 2番目が、繰越手続におけるヒアリングの原則省略、添付書類の撤廃。これは非常に手続が複雑だったというのを簡素にしたということであります。

 そして3番目が、繰越申請から承認まで原則として10日以内とする期限を設定したと。つまり迅速に必ず結論を出すということを行うことにいたしました。

 財務省としてはこの見直しによって国家戦略室で提案され、昨年10月23日の閣議決定で決められたこの方針が具体化されて、予算が円滑・効率的に執行されるもの、それに資するものと、このように考えております。

 あともう一言だけ申し上げますと、いよいよ18日から国会が始まりますけれども、当然ながら予算の成立が何にも増して優先されることになります。特に景気がまだまだ完全な回復基調に乗っていない中では、24兆円の事業規模の二次補正を早急に成立させて早速に執行過程に入る。それにつながる形で本予算を成立させ、ある意味では予算が成立した時点ですぐに執行できる、4月1日から執行できる体制をつくっていきたいと、こう思っております。

 と同時に、国会が忙しくはなりますけれども、各省庁の大臣に、先日長い閣僚懇でお互いの意見交換をしましたように、やるべきことは国会開催中であってもどんどん積極的に準備をし、提案をすることが必要ではないかということも今日も閣僚懇の席で申し上げておきました。

 昨日就任の記者会見といいましょうか、就任後の各社からの記者会見も受けましたけれども、その場でも申し上げた納税番号等の問題とか、場合によれば年金の抜本改正といった問題は極めて大きな課題でありますけれども、そういう問題も何か落ち着いてから始めるというのではなくて、将来を見通したときに、かなり急いでスタートさせることが必要ではないかと思っておりまして、そういう問題も含めてこの国会開催中であっても、それぞれの省庁で、あるいは大臣の中で、必要なことはどんどんある意味で土俵の上に乗せていこうではないかということを提案をしておきました。

 また今日の閣僚懇の中で、これは期せずしていろいろな方から出ましたけれども、やはり特に直嶋大臣のほうからも、海外でのいろいろな経済活動において、やはり大臣が出かけるあるいは副大臣が出かけるということは大変意味が大きいと。一つの例でありますが、最近アブダビでしたか、原子力発電所について韓国勢が入札を落としたわけですが、そういうときも日本もそれなりに頑張ってはいるんですけれども、やはり韓国は大統領を上げてかなり熱心に動いたということもありますし、それに類する話は数多くあります。そういった意味では、アジアの成長を日本の成長につなげていくという観点からも、国会という重要な場ではありますけれども、同時にそうした活動についても、大臣、副大臣が積極的に参加できるように、これは国対を含めた党のほうにもある意味でお願いをしながらそういうことを実現できるようにお互い努力していこうと、そんな話も出たところであります。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)民主党の小沢幹事長の資金管理団体をめぐりまして、政治資金規制法違反容疑で東京地検による関係先への家宅捜索や、小沢幹事長の元秘書であった石川衆議院議員の事情聴取とかが相次いでおります。今回の一連の東京地検の捜査の動きについて、政権への影響、あるいは18日から始まる国会審議への影響を現時点でどのように見ていらっしゃるでしょうか。
(答)まず、事柄の性格上まさに捜査が進んでいるところでありますので、あまり予見を持っていろいろなことがまだ言えない状況だということを御理解いただきたいと思います。
 その上で、国会という場はいろいろな議論が当然出されるわけでありますから、そういった意味では、野党のほうからこういった問題を取り上げるということは十分予想されます。
 ただ昨日も申し上げましたが、この時期の日本の状況というものは国民の皆さんはよく理解されていると思うんですね。非常に経済も難しいときでありますし財政運営も大変、過去の政権から今日に至っても大変簡単ではない状況でありますし、そういう意味ではまずは予算そのものをどういう形で形づくっていくのか、そこに議論が集中すべきだと私は思っております。そういった意味で、影響がないとまでは言いませんけれども、より重視すべき問題は、野党の皆さんも予算や経済政策であるということはこれまでも言われてきたわけですから、それはそうした姿勢で臨まれるであろうと、またそのことを期待をいたしております。
(問)有権者に向けた小沢幹事長の説明の内容、あるいは姿勢について今の状況で十分だというふうに副総理の見方としては評価されますでしょうか。あるいは注文等はありますでしょうか。
(答)冒頭申し上げましたように今捜査中のまさに渦中でありますから、今のこの時期の状況の中であまり十分だとか十分でないとかというコメントをすることは控えておきたいと思います。
(問)今の点ですけれども、今朝鳩山総理が、政治と金の問題に対してはクリーンな体質をつくるために努力をすることも当然必要だというようなことをおっしゃったんですが、鳩山政権として政治をクリーンにしていくために具体的にどのようなことに取り組むべきだとお考えでしょうか。
(答)これは本当に長い間あらゆる政党といってもいいでしょうし、政治にかかわるあらゆる立場の人がいろいろな提案やあるいはいろいろな改革を進めてきたわけであります。
 そういう中でいろいろな制度が生まれているわけですけれども、私はこういう時期にこういうことを言うと逆に場合によっては批判をいただくかもしれませんが、やはり国民の皆さんが、自分たちが政治を動かすんだというときに、もちろん選挙という場に投票という形で参加していただくことはもとよりですけれども、場合によっては自分みずから立候補するということもあっていいと同時に、自分はほかの仕事で頑張るので、それでは自分に近い考えの人を応援しようという形で個人として献金をしていただく、こういうことも極めて大きな力になるわけです。残念ながらアメリカの大統領選挙などでは大きな額のカンパが国民から集まるわけですが、なかなか日本ではそういう風土が生まれてきません。
 そういう点で、もちろん制度的に税額控除とかいろいろな制度の問題もありますけれども、そうした意味では誰もが志と能力と努力をすれば、あるいは多くの皆さんに支持されれば政治の中で議員とかいろいろな立場で活動できるんだという、そういう条件を国民の皆さんにもおつくりいただけるよう、そうした個人献金の拡大という点で、協力という表現がいいのかどうかわかりませんが、そういう風土をつくることについてもぜひ積極的に取り組んでいただけないかなと。もちろん政治の立場でも取り組みますけれども、国民的な、場合によったらマスコミの皆さんも含めて国民的な形で取り組んでいただけないかなと、こんな思いがいたしております。
(問)関連して、鳩山総理が今朝記者団に、鳩山総理と小沢幹事長の件で政治と金の件で、総選挙前から出ていた話でこういう問題があるにもかかわらず、民主党を国民の皆様の多くは選んでいただいたと。小沢幹事長も、先日、法に触れるようなことをしたつもりはない、国民も理解していると思うと。つまりこの政治と金のこのお二人の問題は選挙前から出ていた話で、選挙においてみそぎは済んだんだと解釈できるような見解を述べているわけですが、副総理も同じような考えでしょうか。
(答)これも冒頭申し上げましたように今非常に捜査の渦中でありますので、あまりそういう一般的なことも含めて私の立場で今この時点でコメントするのは控えておきたいと思います。
(問)先ほど納税者番号について国会の開会中でも議論を進めていくというふうにおっしゃったと思うんですが、それは議論の中心としては税調を考えているのかというようなことと、スケジュール感としてはどういうふうに進めていきたいのかというのを教えていただければと思います。
(答)実は納税者番号については税調の決定の中にも入っておりますし、また国家戦略室の役割の中にも入っております。そういったことで、今仙谷さんと私ということもありますし、関係者がどういう形で場をつくろうかと今相談をしていただいています。何らかの両方を含めた場の中で検討したいと。
 スピード感は、私も過去の例、あるいは他の国の例を見ておりますが、ドイツがごく最近納税番号を入れておりますけれども、それ以外の国はもう10年前、20年前あるいは30年前にそういう形で透明で公正な税制度のための番号を導入しております。そのパターンも幾つかに分類されますので、内容的なことはそんなに時間がかからないんではないかと。
 例えばA案、B案、C案というような形で、A案でやろうと思えばこのぐらいの費用とこのぐらいの時間がかかります。そしてメリットとデメリットはこうですと、それぞれについてある段階まではそう時間をかけないで煮詰めた後、逆にそれから国民の皆さんに、あるいは専門家の皆さんにそのA案、B案、C案の中でどういう形が一番いいのかということを問いかける、そういう形じゃないかなと思っています。
 そういう意味では1年以内にということが税調の方針といいましょうかそういうのも出ておりますので、そういう時間感覚でできれば1年もかけないでもできるようであれば、そういう時間の感覚で進めることができないかなと、今関係者と協議に入っているところです。
(問)ちょっと先ほどの話に戻るんですが、総理は小沢幹事長に参議院選挙の陣頭指揮といいますか、それは引き続きお願いしたいという趣旨のことを発言をされていますが、小沢幹事長のままで参議院選挙を戦うべきだと副総理もお感じでしょうか。
(答)我が党は総理と副総理といっても全く違うわけでありまして、党の代表は総理でもある鳩山代表ですから、代表が党の役職も決める。総理としては内閣の構成も決めるということであります。そういった意味で総理がそういう立場で発言されていると思います。
 私自身先ほど来言っていますように、こういう渦中でありますので、別にこの問題に限りませんが、あまり踏み込んだコメントは差し控えたいと。少なくとも総理の判断は、私は総理の判断として妥当なものだろうと、そのように受けとめております。
(問)2点あるんですが、経済財政担当と支援機構の担当ということで伺いますけれども、1つは今日一部報じられていますが、通信大手のウィルコムについて企業再生支援機構が支援を検討していると報じられていますが、担当大臣としてその件を把握されているんでしょうか。仮に事実だとすると、企業再生支援機構は地域経済の再生ということが目的だと思いますが、JALとかこういった大企業の支援をするというのは設立の趣旨に合っているのかどうかちょっと疑問もありますけれども、この点についていかがお考えなのかというのが1つと、あとJALの件で立ち返るということで伺いますけれども、昨日の株式市場で、JAL株の出来高が市場の全体の3分の1を占めている異常な状態になっていることについて、政府の方針が法的支援について政府がある程度認めているんであれば早急に上場廃止させるなり何らか形で措置をすべきだと思いますけれども、この点についてJAL問題を担当されている副総理としてどのようにお考えなのか、その2点について伺います。
(答)この支援機構の形はこれは御存じかもしれませんが、支援機構に一般的にいろいろ支援要請があった場合に守秘義務がかかっておりまして、支援機構がほかに漏らすということは基本的にしないという制度設計になっております。ただJALの場合は、JAL自身が公表をされているということを含めて、私たちもコメントしてきました。
 この問題は、私のところには、今日報道がありましたので、その後には多少の事務方からの連絡はありますが、それ以前はどういうところからそういう要請が来ているというのは、このウィルコムに限らず、もっとほかにあるのかないのかも含めて私には特に報告は上がっておりませんし、そういうものだという理解をしております。
 それからJAL株の乱高下についてどうすべきかというのは、ここはちょっと私がどうこう言うのは多分そういう立場ではないんではないかなと。市場には市場の一つのルールがあるはずですので、どこが判断されるのか、東証とかそういったところが判断されるべきなのかどうかあれですが、いずれにしてもある段階での支援機構としての一定の結論が出るわけでしょうから、それを見越していろいろな動きがあることは聞いておりますが、私が市場に対してこうすべきというのはちょっとこれも控えたほうがいいんではないかと思います。
(問)ウィルコムの件で、事務方から報告というのは支援について検討しているということについて報告があったという理解でいいんですか。
(答)というよりもこういう報道があるので、という報告です。
(問)世界銀行についてなんですけれども、金融システム安定化のために日本円で約5,000億円から7,000億円の増資を考えている模様です。4月の会議で同意を得ることを狙っているようなんですが、日本としてはどういった立場をとられるんでしょうか。
(答)一般的にそういう国際的な支援というものを担う立場の一つであるし、世銀がより大きな財政的な背景を持つことは一般的には私はいいことかなと思っております。
 ただ、個別的に我が国にとって云々という話については、ちょっと私もまだ財務大臣になって2週間足らずでありますので、また必要に応じて内容を精査したいと、こう思っています。

(以上)

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