菅大臣記者会見要旨 平成22年1月8日

(平成22年1月8日(金) 11:26~11:49  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日の閣議はあまり大きな案件はありませんでしたが、来週12日の閣議後の内容に関したこととか、閣僚懇談会の中でどういう議題で議論しようかという話が出ました。私のほうからも、民主党のマニフェストにあります207兆円の総予算の組み替え、これには当然ですが特別会計とか独法とか公益法人とかいろいろな問題が絡んでおります。それぞれの省庁が、自分が管轄しているものについて、それまでにできるだけ精査して、そして場合によっては、自分のところはこういうふうにしていこうと思っているといった意見交換をするというのは1つではないかということを申し上げました。それに関連して私自身も、ある意味では、先ず隗より始めよということもありますので、財務省についてのそうした関係する特別会計等について、来週の火曜日までに若干の取りまとめをするよう事務方に指示いたしております。

 また同時に、特に直嶋経産大臣のほうから、成長戦略についてもいろいろ意見交換をしたいという提案もありまして、場合によってはそうした問題も含めて、なかなか国会が始まるとゆっくりした時間がとりにくくなりますので、閣僚間の意見交換あるいは基本的に一つの方向性を共有化する、大きくいえばそういった2点の問題で進めたい、そんな議論があったところであります。

 あと今日のいろいろな報道が出ておりますが、昨日の私の会見の中で、予算について、景気刺激的な予算が必要だという認識を申し上げたわけです。そのときに併せて申し上げればよかったのですが、当然のことですが財政の健全化ということも同時に考えなければなりません。御承知のように補正予算、本予算の中でもいろいろ議論がありましたが、私としては本予算で言えば44兆円の国債発行を、それにとどめるといいましょうか、そういうことを基本にして、藤井前財務大臣と協力してぎりぎりその線がマーケットに対しても財政のぎりぎりの規律を守っていく、そういうことになるという認識で取り組んだところでありますし、これからも景気対策と財政健全化というある意味では狭い道ではありますけれども、その2つを常に念頭に置いていろいろな経済運営、財政運営をしていかなければならない、改めてそう思っているところであります。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日の財務大臣の就任会見における発言について、円相場について言及されました。これについて、今朝首相が記者団に対しまして、基本的に為替について閣僚は言及すべきではないのではないかというような認識を示されました。これについての大臣としての受けとめを伺いたいというのが1点です。
 併せて2問目ですけれども、本日閣議前に前原国交大臣が官邸に入られました。副総理と会談されたのではないかなと思われますが、議題もJALではないかなと思いますが、日航の再建についていろいろ報道は飛び交っておりますけれども、改めて見通しと、これは副総理という立場ではなくて、あくまでも財務大臣の立場として法的整理が望ましいのか私的整理が望ましいのか、そこら辺の御認識を伺いたいと思います。
(答)為替については、まさに基本的にはマーケットが決めることでありますので、マーケットがまさに決めるものという認識の中で、それを頭に置いて申し上げればよかったのかなと思っております。と同時に、ある意味でこれも昨日申し上げましたように、いろいろな輸出関連企業を中心とした経済界の皆さんは、そういう皆さんなりにある水準の為替相場を想定して事業計画を立てられるわけでありまして、そういう点ではそれが大きく変わってくると、景気にいろいろな影響を与えることも同時に実際に起こり得ることであります。そういった意味で総理が言われたことは、原則としてそのとおりだと思いますが、同時にそうしたことに直接かかわっている立場からすれば、経済界の皆さんのある意味での期待というか希望も、十分勘案しなければならない立場だということで申し上げたところです。
 2点目のほうは、この間もJALに関して、国交大臣を中心にいろいろご心配いただいておりまして、従来から財務大臣になる前から、経済財政担当という立場で支援機構の所管大臣ということもありまして、さらには副総理という立場もあって、この問題についてある意味調整の役割をやるということは総理からも言われておりましたので、それを続けているところであります。その中身についてどういうやり方が良い悪いというのは、私はいろいろな方、関係者が議論されるのは大いに結構ですけれども、私自身、ある意味そういう場をうまく作って、関係者の合意が得られるように後方支援のような形でやっておりますし、またそれが私の役目だと思っておりますので、直接どういう形が良い悪いということはこれまでも申し上げておりませんし、今も申し上げることは差し控えたいと思っています。
(問)今の為替の発言に関してなのですけれども、これは結果論ではありますが、財務大臣としておっしゃった発言のとおりに、為替が円安の方向に進みました。その結果は結局望ましかったというふうにお思いになっているのかという確認が1つと、それから今後もそういった発言をされていくおつもりがあるのかどうか。
(答)望ましかった望ましくなかったというのは、昨日の発言を聞いていただいていれば、それは皆さん方が十分お分かりになることではないでしょうか。
 それから、確かに為替はマーケットの問題ですから、先ほど申し上げたように基本的にマーケットに任せる姿勢は当然でありますけれども、同時にいざというときには為替に対して何らかの行動をとるということも、財務大臣の権能の中には入っておりますので、そういう権能があるということも自覚しなければいけないなと。逆にいえば従来よりもより重い立場にあるということの自覚は必要だなと、改めて思ったところです。
(問)その点でまた追加で質問なのですが、財務大臣としての介入する立場もあるので、今よりも慎重にしなければいけないということだと思うのですが、昨日の発言については少し軽率だったなというか、そういったお考えというのはありますでしょうか。
(答)慎重にしなければいけないと言ったのではなくて、そういうより重い責任のある立場だなということを自覚しなければならないと申し上げたのです。
(問)では特に昨日の発言については責任というものは感じていらっしゃらないということでしょうか。
(答)どういう意味でしょう、責任というのは?
(問)それによって為替相場が動いてしまったので、いわゆる市場の公平性を乱したのではないかということだと思うのですが。
(答)それは皆さんの評価、認識だと思います。かつて藤井財務大臣が就任されたときも、いろいろと皆さんが、皆さんがという言い方は失礼かもしれませんが、当時の財務大臣の発言をいろいろな形で報道され、それが一部為替にも影響したというふうにも報じられたわけですけれども、そういうことを含めて私自身の発言でありますから、その私自身の発言については常に責任を感じていなければいけないというのは当然だと思います。
(問)先ほどのお答えの関連で、為替に対して行動をとる権能があるというお話ですが、要は大臣としては、急激な為替相場の変動に対して介入も辞さないという態度をとっていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。
(答)いやいや一般的にそういう権能があるということの自覚が必要だと言っているのです。今の状態について言っているわけではなくてですね。かつてドバイショックの頃には、84円というような段階もあって、そのときにいろいろ議論がありました。ですから基本的にはそういった権能は財務大臣というふうに当時も理解しておりましたので、当時は私がその所管大臣ではありませんでしたけれども、それは当然のことですが当時の財務大臣もそういう権能を持っておられたというか、それは仕組みの問題ですから、仕組みの問題を言ったのです。
(問)では去年のように急激に動いた場合に、菅大臣としては介入も含めた対応をする決意があるという理解でよろしいでしょうか。
(答)いやいや何度も言いますように、権能を与えられているということを申し上げたのです。そのことを十分に自覚しなければならないなという感想を申し上げたのです。少しわかりやすく言えば、財務大臣になる前は、権能という意味でいえば直接的にはなかったわけですけれども、それでも経済財政担当大臣としてはある意味で関連はしていましたけれども、財務大臣になることによってそういう権能を持った立場になったのだということを申し上げたのであって、別にそれ以上でも以下でもありません。
(問)もう1点確認なのですが、JALの件で申し上げることは控えたいというお話だったのですけれども、機構は法的整理の方向にかなり傾いているようですが、法的整理の場合に運航への影響といった航空業界全体への影響がかなり考えられると思うのですが、政府として法的整理の悪影響についてはどのように御認識されているのでしょうか。
(答)ですからそういう問題も含めて、国交大臣という直接航空行政を担当している前原大臣も含めて、あるいは当事者のJALそのものも含めていろいろ議論が行われているわけですから、当然今の御質問のようなことについても十分考えた中での方向性を出していかなければいけない、こう思っています。
(問)特別会計について、来週火曜日までに取りまとめを指示されたというお話がありましたけれども、これは予算の削減とかあるいは財源を捻出するという観点での見直しを検討されるというお考えなのでしょうか。
(答)来週火曜日というのは、先ほど申し上げたように比較的長い時間をとった閣僚懇談会を予定している中で、財務省についても、取りまとめという表現を使ったかもしれませんが、まずはどういう財務省に関連する特別会計等があるかという資料を用意してくれと、そういう意味での指示を出したということです。こういう議論をしようというのは、これも既に申し上げましたが、民主党のマニフェストの中で一般会計、特別会計等を含めてダブりを除くと、今数字が少し動いているかもしれませんが、当時207兆円の総予算と、その総予算の中身を見直す必要があると、そういうことをマニフェストでもうたってきたわけでありまして、昨年の段階ではまだ十分な見直しというところまでいっておりませんので、そういった議論をする上での財務省としての準備という意味で申し上げました。
(問)たびたび為替の発言についてで恐縮なのですけれども、昨日発言される前に、発言については注意しなくてはいけないのだということを前置きした上での発言だったと記憶しているのですが、この反響、批判というのは、御覚悟というか想定された上での御発言だったのか、それとも今朝のいろいろな各紙報道なりエコノミストの反響というのは、あの当時の発言する前の想定を超えたものだったのでしょうか。
(答)先ほども申し上げたように、藤井財務大臣が就任された直後でしたか、いろいろな議論があったことは私も報道を通してですが見ておりましたので、そういう意味で昨日の会見でも、そういうことには注意深くしておかなければならないということは申し上げました。ただあまりマーケットといいますか、エコノミストとかいろいろな人がいろいろなことを言われるのは、よく読んだり聞いたりはしなければいけないと思っていますが、あまり気にすると逆になるのではないか。それによって自分の判断が正しい点では、逆におかしくなりますから、私は、さっきどなたかの質問にありましたけれども、望ましい方向かどうかという中で、つまりは経済界の多くの意向がどうあるかということも申し上げたわけですから、そういう経済界の皆さんにとっては特に私の発言で何か大きなマイナスを与えることになったとはその意味では思っていません。
(問)確認ですけれども、為替の昨日の発言について、総理や平野官房長官は、直接の言及は好ましくないと言っていましたが、菅副総理御自身としては端的に言うと問題ないというふうにお考えでしょうか。
(答)いやいやだから最初に言ったではないですか。一般的にはマーケットが決めることですから。それから総理も言われているように、あまり大きく変動するということは、経済にとって悪影響を及ぼしますから、それは安定的に推移するということが1つあってということはそのとおりだと思っています。
(問)JALの件で、今まで財務省というのは、やはり私的整理では今後もまた追加の公的資金の注入みたいなことが必要になるので、抜本的な公的資金の注入という意味では法的整理のほうが望ましいというような立場だったと思うのですが、この国民負担というか公的資金の注入に当たっては、やはりJALというのはどういうふうにならなければならないとお考えでしょうか。
(答)公的資金というものの中にいろいろな性格があります。かつて私も、あれは1998年でしたか、金融危機のときには、当時の民主党ですが旧民主党で新金融再生法をつくって提出して、当時野党ではありましたけれども、それを自民党が丸のみして成立させたと。その中ではまさに金融機関に対して直接に、まさに税なりあるいは国債発行して資金を注入するということもあったわけです。
 ただ今議論されているのは、一方では政策投資銀行からの融資、一方では支援機構が何らかの決定をしたとすれば、支援機構からのいろいろな形の信用、支援の供与、提供でありますから、公的資金という中にも、それぞれのそういった組織のやはり判断というものがあって、その判断の中にどういう形でやることが一番JAL再生に向けて有効かということがありますから、先ほど申し上げたようにそのことについて、今の私の立場で、こういうやり方が有効でこういうやり方はまずいとか、そこまで踏み込むことは、私の立場ではする立場にない。
 ただ一般的にいえば、国民の皆さんにきちんと説明できることは当然必要ですから、それはそれぞれの当事者がそれぞれ議論した中で、こういう方向でいきたいというときには、それがちゃんと国民の皆さんに理解してもらえる形でなければならない、こんなふうに思っております。

(以上)

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