菅大臣記者会見要旨 平成21年12月22日

(平成21年12月22日(火) 11:43~12:05  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は朝からいろいろな会議が立て込んでおりましたけれども、閣議のほうは比較的スムーズに進行しました。閣議については特に私のほうから申し上げることはありません。

 昨日マニフェストに関するいくつかの項目について、鳩山総理の最終的な決定をいただきました。新聞等には暫定税率と子ども手当について大きく報道していただいていますが、実はそれに加えて、農業のいわゆる戸別的所得補償、それから高校の無償化、そして高速道路の無料化という、合わせて5つのマニフェストについての少なくとも来年度予算に関する最終的な方向性を総理に判断していただいて決定をしていただきました。

 マニフェスト以外の問題でまだ幾つか要素が残っているといったら、総理からの特に指示で、景気等の対策について2兆円の規模の何らかの手当てをするようにといったことも含めて、まだいくつかの大きな要素が残っておりますが、少なくともマニフェストで掲げたものについての来年度の実現のための方向性は、これではっきりとしてきたというふうに申し上げることができると思います。

 中身についてのいろいろな御意見はたくさん私の耳にも入っておりますし、またこれについては総理御自身がいろいろな形で答えられていますので、この場で私から中身についてあれこれコメントすることは差し控えたいと思っております。

 また、成長戦略策定会議の作業チームもずっと動いておりまして、これは予算が予定どおり今週中に固まれば、総理が外遊される日程がありますので、そのあたりなかなか微妙なんですけれども、これも年内には成長戦略の骨子を、かなり意欲的な骨子を、打ち出すことを目指して現在作業を進めていると、そのことだけ申し上げておきます。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)予算編成についてお伺いをいたします。今副総理からも御発言がありましたとおり、民主党のマニフェストの主要事項に当たる暫定税率等々の方向性については昨日でほぼ決着した形かと思います。民主党幹事長室で取りまとめた党のいわゆる重点予算要望が、ある意味決着のきっかけというのか成案のたたき台になったように見えますが、本来税財政の骨格を決めるのは内閣の国家戦略室、あるいは担当の副総理ということだと思うんですが、戦略室あるいは副総理の主導権というか関与が結果的に薄かったように思いますが、その点大臣御自身はどのようにお考えでしょうか。
(答)そういうふうに見えてよかったなと思っております。
(問)それはなぜそのように見えてよかったんでしょうか。
(答)いろいろと私のところは調整事項をする立場ですから。多少の感想を申し上げると、皆さんもいろいろな機会に私に質問をされましたけれども、私自身は当初から考えていた幅の中に全ておさまったなというふうに思っています。暫定税率についても、関係閣僚とは何回か打ち合わせをしておりましたが、いくつかの案があった中で今回の結果も、もちろん党の要請もさらにそれに加えて検討したことは検討しましたけれども、その範囲の中でおさまったなと、こういうふうに思っています。子ども手当も同じです。
(問)ただそのたたき台が、いわゆる民主党から出てきた党要望という形で、ある種初めてテーマというか見える形で出てきたものかと思うんですが、それははじめ党がつくったもので出てくるのか、あるいは戦略室なり菅さんを中心に各大臣の折衝を経て出てくるのかによって全然意味が違うかな、見え方が変わるかなと思いますが、いかがでしょうか。
(答)ですから先ほど申し上げたように、私の段階ではもっと早くから言っていましたから。いろいろなメモ的なものはもちろん私自身の手元にありましたけれども、それは一切表には出しませんでした。やっぱり調整の段階というのは、あるところまで調整して最後の判断をいただいて出すというふうに思っていましたから。党は党で要望ですから、それは要望という形で出されたのは十分理解できます。私はあくまで閣内で調整している立場ですから、調整の途中を、こんな意見があってあんな意見があって、こうだああだと表に出したら決まるものも決まらなくなりますから。私の段階での調整のプロセスは、最後は出れば国民の前にはきっちりと伝わると思っていますので、それに加えて今党のほうからもありましたので、それを踏まえた形で最終的な取りまとめをして、昨日は、昨日だけではありませんが、最後にいくつかA案、B案のような形でどちらにするかというところで、いくつか重要な点で総理自らが判断されて決定されたということです。
(問)先ほど冒頭にお触れになりました総理指示の景気等の2兆円規模の手立ての件なんですが、その辺の財源なんですけれども、いわゆる暫定税率にかわる新しい部分で手当てするのか、それとも新たな財源を何か捻出されるのか、その点についてと、あと雇用とか景気となりますと、以前から国家戦略室が経済対策等で言っていることと似通ってくると思うんですが、副総理自身の中で必要な今2兆円でやるべき対策というのはどういったところをお考えかお願いいたします。
(答)ちょっと最初の質問の意味がよくわからないのですけれども、総理として、暫定税率は、昨日の発表のように、仕組みとしては、10年間道路特定財源として延長した暫定税率は、仕組みとしては、廃止するわけですが、負担としてはガソリン税本体の水準を暫定税率と同じ水準まで上げるということですので、まさにそういった点では総理はそのことを認めて、マニフェストでの約束を守れなかったことについては国民の皆さんにお詫びをされ、そしてその理由についてもきちっと表明されたと思っております。
 それとの関連もありますが、やはり今の経済の状況の中で2兆円規模のいわゆる財政上の措置ということであります。今細かいところはそれぞれの部局が詰めておりますが、まだどういう形に最終的になるのか、早ければ今日、明日中には固めたいと思っています。
(問)今回のこのマニフェストの変更に関しては総理がお詫びをされましたけれども、副総理は予算編成を手がけられてどのようにその点はお考えになられていますか。
(答)まだ最終的な全体の規模等が決まっておりませんのでまだ最終的なことは申し上げにくいんですけれども、いずれにしてもナローパスというのか、一方では当初予算としては史上最高額になる44兆、それすらなかなか大変だという、それを超えないようにするという、マーケットとの信頼関係というものを考え、一方ではリーマン・ショック以降税収が今年度、来年度と従来に比べれば非常に大きな落ち込みだという中があり、しかしさらに言えば、景気回復というよりも二番底もまだまだ心配されるというそういう経済情勢もあり、そういう幾つかのある意味で矛盾する要素の中で何とか一つの方向性を出す、まさに狭い道だと思っておりましたし、また現在でも思っております。
 そういう中でマニフェストに関するいくつかの項目について、特に暫定税率については総理も言われるように、マニフェストそのものとの関係では約束を守れなかったことは私も大変申し訳ないと思っております。ただこの理由も総理自ら言われたように、あの暫定税率の議論のころはまだ25%ということについての議論が起きるずっと前、道路特定財源という問題からはじめていますし、また内閣が成立した後に総理の25%削減という目標が、従来のマニフェストにはない目標が、国際的にも打ち出された中にあって、いずれにしても環境税という形になるのか、あるいは今回のようにマニフェストとは確かに違うけれども、結果としてそうした25%削減という方向として整合性のある政策という意味合いが私は一つ大きな要素であったし、総理もそういうふうに言われていると思います。
 もちろんもう一つは先ほどから言っていますように税収の落ち込み、これは単に前政権の責任と言うつもりはありません。しかし少なくとも政権担当以前からの原因が今日まで続いているわけでありますから、それについては誰の責任という以上に、やはり政権を担う政権の責任者としては、そうした大幅な税収の減の中でどこまで国債を出し、どこまで財源を確保するか、そういう大きな要素が2つある中でという最後の総理の判断ですので、私は国民の皆さんにはじっくりその中身といいましょうか、その総理の説明を聞いていただければ、トータルとしては言葉としてどうなるかわかりませんが、やむを得ない判断だということで御理解をいただけるのではないかと、このように考えております。
(問)今回10年度予算では、暫定税率の関連で公約を変更するということで大筋おさまったと思うんですけれども、2011年度予算案編成以降も、子ども手当の全額支給とか、農業の戸別所得補償も1兆円規模に膨らむと思います。高速道路の無料化も段階的に規模を膨らませるというマニフェストの工程表になっていると思うんですが、今後もマニフェストの変更というのはあり得るのか、あるいはそれを見越してマニフェスト全体の検証作業というものは必要なんじゃないでしょうか。
(答)一番必要なのは、やはり今年は9月の鳩山内閣の成立でしたから、予算に関して1年間の準備期間はありませんでした。そういった意味では208兆ですか、いわゆる特別会計を含めた全予算を根本から見直すという点で、やはり制度問題とか組織問題にかかわる問題は、法改正を含めたまさに構造部分そのものに深く入っていかないといけない。まだ来年というか、再来年のことを言うのはちょっと早過ぎるかもしれませんが、来年度の予算が終わればその次の予算についてはまずその部分をしっかりとまさに戦略的にどういうふうに改めていくのか。これは主に仙谷大臣、行政刷新会議のほうが中心となる作業だと思いますが、まさに内閣が一丸となってやらなければいけない次の最大の作業は、すべての制度、すべての組織のまさに洗い直しをやる。その中で当初考えていたような財源が生み出すことができれば、ある意味で再来年度の予算について、マニフェストの方向に沿って進めることは、そういう意味では可能だろうと思っております。
 ただそうはいっても、景気の状況によって税収が落ち込んだ状況がそのまま続くとすれば、そういうことの努力はやった上でもさらに厳しい場面が来ることも十分あり得ると。そういう意味では1年先だからといって楽観しているわけでは全くありませんけれども、この来年度予算の編成が全部決着すれば、いよいよ本格的なまさにこれまでの内閣、あるいはこれまでの行政のあり方の本格的な抜本的な見直しに入っていくことになるし、そこがどこまでやれるかが、マニフェストに沿った、これ自身も約束ですから、マニフェストに沿ったことをどこまで実現できるかのまさに真価が問われる場面だと、このように考えております。
(問)今の質問の確認ですけれども、大臣のおっしゃることはわかるんですが、選挙中は、予算の組みかえであるとか無駄の削減であるという部分で財源は生み出せると、ずっと仰っていてですね、実際は仕分けの結果は7,000億円弱というような、予算を査定大臣がやっても過去最大になってしまうということで、当初想定されていたような財源の捻出というのは非常に難しかったという御感想をお持ちなんでしょうか。今の話ですと来年は本番であるというような話ですけれども、本来であれば今の予算編成からやれるということを皆さんおっしゃっていました。この点については、ほぼ予算編成が最終段階にある中でどのような認識を持っていらっしゃるんでしょうか。
(答)まさに言われるように、厳しく言えば、皆さんのような立場で厳しい見方をすれば当然そういう困難さはわかっていたのではないかというように言われるのも、それはわからないわけではありません。そういう意味ではやや困難さに対する準備が十分でなかったとも言えると思います。
 ただ多少言い訳になりますけれども、選挙がいつあるかも1年間ほどずっとわからない中で、さらには従来のそれこそ情報開示が非常に不十分な中で、我々野党の立場からして、そうした特別会計等をしっかり見直すことでかなりの無駄をなくすことができる、私はその大きな見方は今でも間違っていなかったと思っております。
 ただ先ほど申し上げたように、それをやるには法改正等を含む構造的なまさに切り込みが必要になりますので、そこまでは年内の予算編成ということを、これも景気対策として極めて重要なものですから、9月半ばにできた内閣として12月末までの予算編成ということを考えたときに、残念ながら当初考えていたほど深い切り込みができなったというのは率直に認めなければならないと思っております。
 しかし今申し上げたように、決して逃げて来年が正念場だと言っているわけではなくて、かなりのことが見えてきましたから、まさに見えてきた中で来年はもっと構造的な形でいく。これが単に予算を狭い意味で無駄をなくすということだけではありません。例えば納税者番号の問題とか、幼保一元化の問題とか、いろいろな問題がこの20年間の政権では手がつかなかった問題、そういうものを単に何かの一部の無駄をなくすというのではなくて、それを超えてまさに日本全体のリフォームですから、そういうところに向かってスタートするのは、率直に言って9月の段階から12月までの段階で言えば、皆さんの厳しい見方ではいろいろ言われるかもしれませんが、12月までの段階では、ここまでできたというか、ここまでしかできなったということを率直に認めた中で皆さんに評価をいただくことになろうかと思います。
(問)JAL問題で、11月10日の5大臣の確認事項の中で、関係金融機関の融資について、「適切な信用補完に関する予算及び法的措置を含む方策について検討する」とあるんですが、財務省などは来年度予算でJALの政府保証枠7,000億円というのを考えているようですけれども、これに対して副総理自身どう対応されるんでしょうか。日本政投銀も7,000億円の計上したのに相当動いているようなんですが、その辺どういうふうにごらんになりますでしょうか。
(答)ちょっと取材不足じゃないですか。

(以上)

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