菅大臣記者会見要旨 平成21年12月17日

(平成21年12月17日(木) 11:42~11:58  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は朝から幾つか会議があって閣議もありました。そういう中ではありますが、今日はマーケットのほうが、一時ドル/円レートが90円に瞬間的にはつくといったような場面もあって円安傾向がやや進み、89円台後半といいますか、そんな状況です。従来多くの企業は、90円あるいは90円台を想定していろいろな事業計画を立てているというふうに言われておりましたので、90円に近づいたということでこの面ではよかったなと、こう思っております。またそれに伴って、日経平均も多少上がってきているようで、そういった面でマーケットのほうは、もちろんアメリカのいろいろな数字がよくてということが背景にあることは基本ではありますけれども、我が国としてのいろいろな対応もこうした流れをつくることに寄与してきたと、このように思っております。

 そういう中で、昨日は成長戦略の本格的な検討に入っているわけですが、外部からのヒアリングとして、皆さんにも自由に出席していただいた中で、竹中平蔵元の経済財政担当大臣にもお話を聞くことができました。私は、ある意味で私と竹中元大臣との経済に対する姿勢が非常に鮮明に差が出たと思っております。聞いていただいた方はわかると思いますが、竹中元大臣は「供給だ」と。「供給が需要を決めるのだ」と。私は逆で「需要があって初めて供給が可能になるのだ」と。この差がまさに小泉・竹中路線の失敗と、そして私が第3の道と名づけた道の最大の差です。あまり細かいことをこの場では申し上げませんが、供給が需要を決めるというのはアダム・スミスの時代とか、戦後の焼け野原で何もない時代には、お米がとれればそれは食べたい、洋服があればそれは欲しい、基本的に常に需要がある中で供給が足らないときの経済論です。少なくとも1929年のアメリカ、あるいはこの20年間ぐらいの日本の中で、供給不足で不況になったわけではありません。需要がないから不況になったのです。それなのに供給側の競争力を強める、供給側の効率を高める。部分的にはそれはよいのです、一つの企業にとっては。しかしそれが社会全体の生産性を高めるには、まさにある会社で競争力を高めるためにリストラされた人が、同じぐらいの給料でほかの会社で働いて同じぐらいの効率性が保たれれば全体は上がりますけれども、リストラされた人がそのまま失業状態にあれば、生産性の高まった企業と生産性が極端に言えばゼロの失業者で合わせてみると、それは全くマクロ的には成長したことにならない。結局は、格差は残るけれども成長はしない。つまりは供給サイドの経済が間違ったのが小泉・竹中路線だと、私は従来から申し上げていましたけれども、昨日の議論は、短い時間でしたが、その差が極めて明確に出た、このように思っております。そういう意味では私としては、あの小泉・竹中路線をまさに引っ張った中心人物、まさに経済の専門家と自称している中心人物の竹中元大臣と議論ができたことは、私が今皆さんにこの間言っている「第3の道」のある意味での妥当性、ある意味でのそうした道が今の日本にとって的確な道であるということを、私にとっては、あの議論の中で、ある意味竹中さんのいろいろな議論の中から逆に証明された、このように受けとめているところであります。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、民主党が来年度予算の重点要望ということで官邸に来られました。マニフェストの取り扱いについてかなり踏み込んだ内容になっております。あの内容を見ますと、むしろこれは党主導による政策調整であり、鳩山政権が掲げる内閣と党の政策決定における一元化に反しているのではないかと思われますが、副総理はどのようにお感じになられますか。
(答)この内閣ができる直前に、民主党の政調という機能をなくするということになりまして、その後内閣に入ったメンバー以外のメンバーのいろいろな政策的な意見や、あるいは地元に限らずいろいろな国民からの要望をどのように反映させるかということで、いろいろ政策会議等をつくってきたわけですけれども、そういう点で必ずしもそういったところが十分な機能が果たせない中で、改めていろいろな皆さんの要望を幹事長を中心に聞いて、そしてそれを取りまとめたものを党の要望事項として、昨日持ってこられたわけであります。初めてのこの鳩山内閣としての政権運営、さらには予算の編成でありますので、理屈どおりというか当初イメージした理想どおりに100%いっているとは思いませんけれども、基本的には予算を含む最終的な政策決定は総理大臣を中心とする内閣が行うということは全く変わっておりません。党の要望事項は要望事項として受けとめると、そういうことで昨日もそういうお話をしたところです。
(問)更問ですけども、御説明は非常によくわかるのですが、そうはいえども政権党であって連立の第一党である民主党の要望を果たして内閣として蹴ることができるのかどうか。受け付けた結果は、当然閣議で行うというのは非常によくわかるのですが、あの要望というのは実質的な予算編成方針の決定ということにはならないのでしょうか。
(答)中身に入っていけばもともと内閣の中で議論していた、あるいは私が担当する部分も含めて議論していた幅の中に入ることが大部分であります。ですから私は段取りの問題としてはいろいろありますけれども、これまで積み上げてきた議論が昨日の要望で何か全然別なものに変わる、そういうふうには全く思っておりません。これまで議論してきたことに部分的に幾つかのことが加わるとか、多少の濃淡の意見があるということはありますけれども、基本的にはこの間議論していた範囲の中での議論だと、こう受けとめます。
(問)昨日の要望では、暫定税率の維持であるとか、子ども手当の所得制限を設けるといった、言ってみれば総選挙のときのマニフェストの内容とは異なる、ある意味マニフェスト違反の内容も含まれていると思いますが、その点についての御認識、あるいは結果的に要望に沿わないということがあり得るのかどうか。2点お願いします。
(答)私が見る限り、暫定税率の維持という書き方はなかったのではないでしょうか。
(問)租税水準の維持という意味では同じかと思いますが。
(答)ですからそれは同じではないのです。だから少なくとも暫定税率の維持という書き方はなかったと思います。暫定税率というのは、たしか平成何年まででしたか、あと10年間こういう形で暫定税収を取るという、道路特定財源を前提とした10年間の枠組みでの決定の法律があるわけです。それを通常は暫定税率と言います。ですからその負担の水準、どういう表現でしたかね、税率の水準について、こうあってよいというのはもちろん負担という意味では変わらないということもありますが、今回環境税は要望の中では今年中ということにはしないということもありますけれども、従来からいろいろな考え方はあるわけでありまして、ですから必ずしもその点がいわゆる従来言っていた暫定税率をそのまま残せという主張にはなっていないと受けとめております。
 子ども手当について、第1のポイントは、ゼロ歳から15歳の子供を持つ皆さんに初年度は月1万3,000円ですが、それを支給するということが子ども手当に関する一番大きな公約ですので、所得制限についてはこの間も他の党からもいろいろな意見がありました。ですから最終的にどうするかは来週固まると思いますし、そういう中で御覧いただきたいと思いますが、今から何かマニフェスト違反だとか違反ではないとかと言われるのはちょっとまだ早いのではないでしょうか。
(問)副総理は冒頭で為替の発言を最近よくされるのですが、どうもお話を聞いていると、円安をちょっと志向しているのかなというふうにも感じてしまうのですが、そのあたりの真意は。
(答)先ほども申し上げたように、多くの輸出関連企業を含めて、90円、あるいは90円台と言ってもよいのかもしれませんが、それを予想なり期待をしているということでありまして、一時期円が非常に高くなった時期、それによるそうした輸出関連企業へのある種のダメージが心配されたわけでありますから、そういう意味ではおっしゃるとおりある程度の円安は好ましい、そう思っております。
(問)暫定税率なのですけれども、マニフェストには暫定税率の今の仕組み自体は全廃と明記されていますが、ではこの2.5兆円分は暫定税率とは別の何か名目、仕組みをつくることによって維持するという理解でよろしいのでしょうか。
 それから子ども手当の所得制限ですが、以前テレビの討論番組で、非常に事務的に難しいという趣旨の発言をされていましたが、今はその点はどうお考えでしょうか。
(答)ですからその暫定税率については、多分来週中には一つの結論を出さなければいけないと思っていますが、今の段階でこうなるということはまだ言える状況にはありません。
 それから、所得制限について、一般論的にはなかなか納税番号がない段階ではそれそのものに非常に手数というか費用がかかるのだという、そのことを申し上げたわけです。これも先ほど言ったように、どうなるかはまだこれからですが、例えば児童手当は、現在所得制限がついています。その基準をそのままスライドさせると、12歳まではそのデータがあります。そういういろいろな仕組み、あるいは非常に限定的な仕組み等々、技術的な問題は、私が指摘した納税番号がないことによる手間ということと、それ以外のいろいろなやり方も全く不可能ではない。少なくとも現時点ではそう思っています。
(問)今朝から断続的に藤井大臣らと会談を重ねておられますけれども、テーマについてはやはり暫定税率ですとか、子ども手当の扱いですとか、そういったものがテーマになっていたのでしょうか。進捗状況も差し支えない範囲でお教えいただければと思います。
(答)そういう個別のことというよりも、昨日の民主党としての要望と、今日はさらに3党という形で、社民、国新の皆さんも一緒に来られての要望がありましたので、広い意味では来年度予算について、そういう要望を含めてどういう扱いをするのかと、そういう議論をいろいろいたしておりました。

(以上)

内閣府 Cabinet Office, Governmentof Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)