菅大臣記者会見要旨 平成21年12月8日

(平成21年12月8日(火) 11:30~11:54  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日の閣議で「明日の安心と成長のための緊急経済対策」というものが決定されました。お手元に資料も届いていると思いますが、事業費規模で24兆4千億円というかなり事業費規模では大きなものになっております。国費で7.2兆円ということになりました。この間いろいろ多少の紆余曲折はありましたけれども、内容的に見ても「雇用」「環境」「景気」というものを軸にした経済対策になったと、このように考えております。

 あと、この内容については後ほど古川副大臣のほうから説明をすることになっておりますので、私は以上です。

2.質疑応答

(問)今回の2次補正予算の決定に至る過程においては、予算規模等をめぐり連立与党内で、副総理は紆余曲折と言われましたが、混乱的なものも見られたと思います。今後の鳩山連立政権における与党内の政策調整について、どうあるべきだというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。特にこれから来年度の本予算案の編成が大詰めを迎えると思いますが、来年度の本予算編成において与党内調整を副総理御自身はどのように進められるおつもりなのか、御所見を伺いたいと思います。
(答)今日の基本政策閣僚委員会の場でも私は最初に少し申し上げました。つまり、この基本政策閣僚委員会というのは、言うまでもありませんが3党間の政策調整ということで設けられたものです。特に私が申し上げたのは、よく亀井大臣が「この政権は民主党政権ではない。3党連立政権だ」という表現をされておりますので、私は「まさに3党連立政権であると同時に鳩山政権なのだから、そこはしっかりと3党連立ということをお互いに考えながら、それぞれの党が重視することについては場合によってはある程度その重視していることを認め合いながらやって、しかし同時に鳩山政権なのですから、鳩山総理を支えて政権全体の責任も分かち合ってまいりたい」と、そういう趣旨のことを申し上げました。最終的には亀井大臣も「それは総理の言われることには従います」と、そういう話でありました。ですから基本的には3党の政策的な調整は、これまでどおり、ちゃんと出席していただければ、これまでどおり、この基本政策閣僚委員会で行います。
 また、ワーキングチーム、作業チームも多少のいろいろなこの間の経緯はあったようでありますけれども、昨日改めて作業チームを開いてほしいという要請が国民新党のほうからもあって開きましたので、これからもその場で本予算についても作業チームとしての役割を果たしていただくと、こういうことになろうと思っています。
(問)関連しますけれども、来年度の本予算編成については、まず予算編成についての基本方針的なものを国家戦略室でおまとめになられることになるかと思いますが、その方針についても、今おっしゃられた基本政策閣僚委員会なり、あるいはその下の今回作業チームになったワーキングチームのほうに、検討に付すお考えというのはおありなのでしょうか。
(答)補正予算についてといいましょうか、それが先ほど一応の決着を見たところでありますので、具体的な段取りはこれからまたいろいろな方と相談しなければいけませんが、原則は、今御質問のとおりです。つまりは、最後は閣議ですけれども、今回の手続もそうですが、その前に予算関係閣僚委員会があって、ただこういう大きな問題については、事前に3党で政策調整する。それは基本政策閣僚委員会で。そして予算については、特にワーキングチームを設けているわけですから、そこで話をする。そういった意味では、予算にかかわる経済政策についても、そういう基本的な場での議論は当然行うことになると、こう認識しています。
(問)これから本予算に入っていきますが、一番重視しているマニフェストの見直しの原案というものを戦略室はおつくりになるということですが、この策定のめどと進捗状況についてお願いします。
 それと、この間大臣折衝などが行われたと思うのですが、以前から予算編成の透明化ということを政権として重視されていると思うのですけれども、若干折衝の内容が見えづらいところもあるのですが、それについて透明化という観点でどのようにお考えになっているのか。この2点お願いします。
(答)その前にもう一つだけ、最初の質問に関連して申し上げますと、やはりこの政権が誕生したのが9月16日でありますから、年内に予算編成するというのはかなりタイトな日程でスタートしているわけです。しかしこれは何としても年内で来年度予算を編成するという方針で鳩山政権の方針として進んでいるわけですから、そこはそれぞれの党の皆さんにも御協力いただきたいということも申し上げておきました。ややもすれば「いや、それは議論だけで10日も20日もかかる」などと言われるものですから、それは徹夜でも何でも構いませんけれども、ただ年内に編成するということは、これは鳩山内閣の方針でありますから、そこはちゃんとそれぞれ党を代表される立場なのですから、それも理解していただいた中でお願いしたいということも申し上げておきました。
 それから今の質問ですが、マニフェストについて、これは国家戦略室のほうである程度のまとめをしようということでありまして、副大臣の皆さんからの話を聞き、いろいろ調整を行っていただき、またそれぞれの関係大臣とも順次お会いをして、さらに調整を行っていただいております。なかなか簡単ではありませんが、できれば、そこまでいけるかどうかわかりませんが、できれば今週中ぐらいには大きな意味でのめどをつけたいと希望的には考えております。それができるかどうかはまだはっきりしたことは申し上げる段階まで来ておりません。
 それから、大臣との接触について見えにくいということを言われました。マニフェストについてはもともとが民主党のまさに政権公約でありますので、他の、省庁が概算要求を出すという、もちろんそれに乗ってはいますけれども、ある意味で省庁との折衝というのとやや違っておりまして、民主党のマニフェストを民主党のいろいろな立場にある人が協力していかに実現するかというスタンスであります。しかし同時にマニフェストでは、7.1兆円の財源をいろいろなところの無駄を削る中から生み出すということにもなっておりまして、民主党の閣僚はもとより民主党に属する仲間の皆さんはある意味でまたそれも含めた実現のための責任を分かち合っていると、こういう認識を持たなければならないし、私が各大臣にお会いするときにはそういう趣旨のことを申し上げております。つまりは「自分の担当するものがこれだけかかわるからどうかしてくれ」と言われるのはもちろんだけれども、その財源についてもある意味では共通した責任を共有してもらいたいということを申し上げて、今順次、話を進めております。透明化というのはいろいろなレベルがあると思いますが、多少、事実関係というよりもそういう考え方の調整でありますので、やはり、一定の結論が出たときには当然国民の皆さんに説明しますけれども、そういういろいろな折衝過程については折衝過程ということで、秘密にしているということではなくて、2人で話をしたほうがよければ2人で話をするし、あるいは何人かのお役人を連れてきてもらったほうがよいときはそうするし、臨機応変にやっているということです。
(問)今回の経済対策の取りまとめで、根本的に副総理と亀井大臣の財政運営のあり方についての認識の差があったと思うのです。端的に言えば、財政規律を重視するか財政出動を重視するかということだと思うのですが、とりわけ今回当初予定になかった公共事業等も国民新党の要求で盛り込まれたと思うのですが、そのお2人の財政運営をめぐる差について改めてどういうふうに御認識されているか。本予算編成に対してその認識の差をどういうふうに埋めていこうとお考えか。その辺を伺いたいと思うのですけれども。
(答)私は認識の差ということについて、必ずしもそんなに大きな認識の差ではない、表現の仕方の差ではないかというのが私の実感です。つまり私自身を含めて、今回の補正も来年度の本予算についても、緊縮財政といった言葉を使ったことは一度もありません。現実に大変厳しい財政状況の中ではありますが、逆に言えば前年度以上のまさに概算要求が出ている状況にあって、またそれもこういう経済状況でありますから、ぎりぎりそれを中身はいろいろと議論しておりますが、ある程度は何とか実現するようにしなければならない、そういう認識では私はそんなに大きな差があるとは思っておりません。特に亀井大臣というのか国民新党の皆さんは、「国債はそんなに出さなくて結構です。いろいろなところにたまっているお金があるからそれを使いましょう」と言っておられるわけですから、そこは本当に使えるお金なのかどうかについては、これはいずれにしても、いわゆる特別会計の見直しをさらに進めようということになっておりますので、場合によってはそういうところから、これだけのお金が使えるではないかと、国民的にも納得していただけるような財源を亀井さんなり国民新党の皆さんがお示しいただけると大変ありがたいなと、期待いたしているところです。
(問)今の質問と関連してなのですけれども、1千億円とはいえ新たに国債を発行するという部分で、市場の信認、これが得られるかどうかというところは問題だと思うのですが、これをどういうふうに考えていらっしゃるかということが1つと、それからこの市場の信認という意味では、来年度予算で麻生前政権のときの44兆円以下に抑えるというのは、鳩山総理の常々おっしゃっている大方針かと思うのですが、これについては現時点でどのように考えていらっしゃるか、お願いします。
(答)皆さん御承知のように、私のいわゆる経済財政担当という部門で、古川副大臣を中心に、私もできるだけ出るようにしておりますが、そういう市場の信認をしっかり考えなければいけないということで、定期的といいましょうか、いろいろな専門家の話も聞いているところであります。またエコノミストの皆さんとも、いろいろとマーケット・アイ・ミーティングという形で意見交換を続けているところであります。時々、何か私がそういうところにほとんど出席していないような、皆さんの記事ではないと思いますが出ますけれども、私としては就任以来、そういう会にはできるだけ優先度高く出ているつもりであります。
 そういう中で今回の補正予算で国債を発行しないでやりたいという、これはどちらかといえば財務省の中でそういう考え方が強かったことは私も十分認識しております。そういうことも含めて最終的な場面でどうするかということになったわけでありますが、まさに基本的には、財政規律というものも考え、一方では景気対策というものも考え、そしてもちろん率直に言って3党のそれぞれの主張というものを考えた中で、内容的にはもともと国民新党の要望と言ったらよいのでしょうか、国民新党の5千億円盛り込まれた案に入っていた電線の地中化等について、当初は4千億円ということになっていたのですが、国民新党の原案にありました5千億円に変える、つまり1千億円積み増すという形になりました。結果として1千億円の建設国債を発行するという形で手当てすると、財務大臣がそういうふうに言われております。私は、マーケットの皆さんも、そういう経緯をわかっていただければ、ぎりぎりのところ理解していただけるのではないかと、このように思っております。
 また本予算について、国債の発行についてどのくらいにするか。これについてももう総理御自身からも、あるいは財務大臣等からも言葉がいろいろ出ております。そういうことを含めて基本的な方向を、方向としては今週中に取りまとめて、最終的ないろいろな大きい課題を今週から来週にかけて具体的に決められればと、このように思っております。
(問)経済対策で確認なのですけれども、今回の項目を見ますと金額面で地方支援というのが非常に大きくなっていて、中を見ると交付税の減少額の補てん等が入っていますが、実際は毎年一々その減少額の補てんというのはやっていないと思うのですけれども、かなりこの部分で予算がかさ上げされている点について、ほかの雇用等についても、事項要求等で出ていたものが相当入っていますけれども、要は、前の自民党政権のときの経済対策を民主党は規模をかさ上げしていると批判されていましたが、今回の対策は結果的にはいろいろな合意を考える中で規模を強調するような予算になっているような気もしますけれども、この点は大臣としてどういうふうに整理されているのですか。
(答)質問がやや漠然としているのでどうお答えしてよいのかわかりませんが、地方の減収分については、いずれにしても放置すれば地方は大変困難に陥るわけですから、それに対して手当てをすることも私は必要なことだろうと思っております。
 また事業規模について、かさ上げするという表現がありましたけれども、何度もこの場で申し上げているように、私は1兆円使えば1兆円しか効果のない、そういう事業ではなくて、1千億円使っても1兆円とか2兆円の事業につながってくるような、そういう方向で知恵を出してほしいということを、常々といいましょうか強く関係者に言ってきたところであります。
 ですから、例えばエコポイント、エコカーに加えてエコ住宅といったものも、かなりそうしたレバレッジというのでしょうか、そういう要素があります。金融については従来からよくとられることではありますけれども、少なくともそれ以外のところでもそういう工夫をしたことによって24兆4千億円という規模にすることができたという意味で、単に何か見かけ上膨らませたということとは私は違うと。つまりはそういう財政だけの大きさでこの事業規模を考えるのではなくて、小さい財政でもより大きな経済効果があるものを重点的に盛り込んだと、そういうふうに私は理解しておりますし、ぜひそういう目で見ていただきたい。それが今回の補正予算の、まさに従来の予算とは違う中身でありますから、そこだけはよく見ていただきたいと思います。
(問)対策に伴う経済効果を教えていただきたいのですけれども、今回の場合、デフレへの対応も含めてということで策定されたかと思うのですが、この対策を実行することによる名目成長率ですとか消費者物価の押し上げ効果、特に1千億円積み増したことによる政策効果というものはどのようにお考えなのか。お願いできますでしょうか。
(答)これは率直に言ってやや詳しいいろいろな計算というのでしょうか、そういうものが必要だということでありまして、今申し上げられるのは、そうした事業規模のことは先ほど来申し上げてきましたけれども、もうちょっと時間をいただかないと今の御質問にはちょっと答えるまだ余裕ができておりません。
 それからせっかくデフレという言葉が出ましたので申し上げますが、もう皆さんも、もちろん今のいろいろな経済指数はよく御存じだと思いますが、12月1日でしたか、午前中に幾つかの政策を決定し、午後に日銀が臨時の政策決定会合を開いていただいて、もちろんそのときも私は申し上げましたけれども、私は0.1の3カ月という日銀が決めていただいた金融政策が相当功を奏してきて、少なくとも日米の金利差がかなり縮まって、その中から円高が円安に大きく傾向が変わったと。また株式市場もそういうことも見て、当時は9千円を割るかと言われた中から1万円台を回復することになったわけでありまして、なかなか皆さん方は手放しで褒めるということはしない商売だということは重々知っておりますけれども、少なくとも客観的に結果が出たことについては、やはり客観的にそれをきちんと評価すべきものはしてもらいたい。私はもちろん、日銀総裁が「広い意味での量的緩和とも言える」という言い方もされましたけれども、0.1の3カ月という長期というものの効果について、たしかそのときも私はこの場で皆さんに申し上げたつもりですが、それが私は効果を相当程度上げていると、このように思っていますので、ぜひ率直に評価していただきたいと、そのことだけお願いしておきます。

(以上)

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