菅大臣記者会見要旨 平成21年11月10日

(平成21年11月10日(火) 19:21~19:43  於:合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨

 今、お手元にもお配りいたしておりますように、日本航空の再建のための方策についてという形で、関係する5人の大臣が一定の合意に達して、この確認書を作成いたしました。そのことについての会見を行いたいと思います。

 中身は、見ていただければおわかりだと思いますが、この間、いろいろな動きがあり、またこれからもいろいろな動きがあるわけですけれども、企業再生支援機構に対してJALから、いわば一つの支援要請が出ていることは御承知のとおりですが、これについて結論が出るまで少なくとも2カ月近くはかかるという中で、その間のつなぎ資金について、政投銀がそれを出してくれるかどうかというところを含めていろいろな話し合いが、前原大臣の下、関係省庁の副大臣を中心に、いろいろ議論されてまいりました。そういったことも含めて、ここでこういう形の確認をすることによって、企業再生支援機構が結論を出すまでの間、日本航空の経営や運航に万全を期すことのできる合意が、これによって調ったと考えております。つまりは、端的に言えば、その間のつなぎ資金については、この合意を踏まえて政投銀のほうで手当てをすることになるというふうに理解いたしております。

 今後のことは、今申し上げたように、支援機構がJALのいろいろな中身についての、精査をしている、デューデリというのだそうですが精査をしているわけでありまして、その精査される中からこれからの方針を、支援機構自身が先ほど申し上げたようなタイミングで結論を出し、そしてそれに沿っての対応をしていくであろう、このように思っております。

 私は、この支援機構の担当大臣ということもあり、また副総理という立場もありまして、多少この問題にいろいろな形で手伝ってきた経緯もありますことから、今回はこの5人の担当大臣の中に、そういう支援機構の主管省庁の大臣という立場で加わったということであります。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今回の場合は政府保証ですけれども、公的資金を投入するというような場合には、年金問題がネックになったと思うのですが、この問題は今回の措置ではどのようなことになっているのかということと、今回、13日に株主総会もあるようですけれども、なぜ今のタイミングでこういうふうな措置がとられたのかという、この2点をお願いします。
(答)後のほうは、たしか13日に中間決算がなされて、それについての監査も行われるというふうに聞いております。いずれにしても、そういうことも踏まえて、どこかの段階で、このつなぎ資金については明確にすることが、ある意味でのJALの安定的な運営あるいは運航に必要だろうということから、この時点でこうした合意を公表することにいたしました。
 それから、年金については、この中に書いてありますように、いわゆる政投銀の融資というものも、ある意味では100%、国が株を持っている政投銀でありますので、広い意味では公的資金ということになると思います。また、将来、支援機構が何らかの支援をするとなったときにも、場合によっては支援機構の与信の中での資金が使われることも十分あり得るわけでありまして、この2番目の項目において、「日本航空の企業年金については、公的資金が年金支払いに充てられる形とならないよう、企業年金の削減に関して、法的措置を含む方策について引き続き検討を進める」、このような合意に達したわけであります。この意味内容は、まだ今後の展開の中で何らかの、一時言われていた特別立法といったようなものが必要になるのか、あるいはそうでないのか、そこはそれぞれの立場の中で見定めていくことになろうと思っております。
 しかし、少なくとも、どういう道筋をとるにしても、やはり公的資金を使う場合には、国民の皆さんに理解が得られなければできませんので、まさにここに書かれたように、公的資金によって1企業の企業年金の不足分を穴埋めする、充填するという形はとらない形の措置をとるということを明確にした次第です。
(問)3点ありますが、1つは、先ほど決算の関係のお話がありましたけれども、今回、このタイミングでこういった発表をされたのは、決算をつくるに当たって監査法人の承認が要ると思いますが、こういう形がないと監査法人の承認が得られなかったからではないかという気もしますが、そういうことがあったのかどうかというのが1つ。
 あと、つなぎ融資の件のお話がありましたが、要するにこの2枚目の3.(1)、(2)のところにいろいろ書いてありますけれども、要は、つなぎ融資については、政府保証を必ずやりますということをここで合意しているという理解でよいのか。
 やるのであれば、立法措置をするということだと思いますが、この立法措置は、いつ、どういう形でやるのか、これについて伺いたいのですけれども。
(答)まず、監査法人がどのような判断をするかというのは、まさに監査法人の自主的な判断でありますので、いろいろ一般の方が言われるのは構わないと思いますが、私のような立場でそれをコメントするわけにはいかないというか、そういう立場にはないと思っております。ただ、冒頭申し上げましたように、日本航空の経営や運営に万全を期すという意味では、今回のこの合意が、私は、直接に監査法人の判断にどう影響するかは何とも言えませんけれども、トータルとしては、ある意味でしっかりした支えがあるという認識をいただけるのではないか、このように思っております。
 また、つなぎ資金について、政府保証をするという意味ではないか、あるいは、それをいつするのかということでありますが、まさにこの3の(2)のところに、「認定を受けた日本航空に対する関係金融機関による融資について、適切な信用補完に関する予算及び法的措置を含む方策について検討する」ということであります。ですから、今の時点で、このことがどういう意味で、どの時期にどうするのかと言われるとすれば、まさにこういうことについてどういうふうにしたらよいかを検討しましょうと、そこにとどまっているとしか言いようがありません。
(問)今後、JALに対して、法的整理も辞さない考えで臨んでいらっしゃるのか。
(答)仕組みは、皆さんもよく御存じだと思いますが、現在、JALは企業再生支援機構に対して支援要請を行っているところでありまして、それに対して企業再生支援機構がどのような判断をし、また、その支援をする場合においても、どういった形でこのJALを再生という道に導いていくのかについては、まさに機構の自主的な判断に任されるというのがこの仕組みになっております。
 ですから、今の御質問には、これも私が、こういうやり方でやる、やらないということを決める立場にもありませんし、また、あまりそういうことを言うべきでもない、逆にそういう立場かなと思っております。
(問)この合意ですけれども、これはいつ、今日の朝の例の公邸での会合で取りまとめたものなのか、この5人の方がサインをした場面というのは、どういう場面なのかということを御説明いただきたいというのが1点。
 あと、この合意についての総理に対する報告をどのようにおやりになり、逆に総理からどのようなお言葉があったか。その2点をお願いします。
(答)5人がサインをしたのは、この4号館の私の大臣室というのか、その場でいたしました。それは、1つは、ちょうど偶然ですが、ここで税調の会議をもともと予定しておりまして、財務大臣もこちらに来られていた、私もそれに出ていたということもありまして、他の大臣には御足労いただきましたが、この建物の中の私の大臣室がちょうどよいであろうということで、そこにお集まりいただいてサインをいたしました。
 総理には、官房長官が事前に報告され、了解を得られた、このように聞いております。
(問)集まられた時間は、税調の始まる直前という理解でよいですか。
(答)実は、税調を少し抜け出しまして、私と財務大臣が抜け出しまして、お集まりいただいた5人でサインをいたしました。
 総理に対する説明・了解は、それよりも少し前に官房長官がされたと伺っています。
(問)今日のこの合意は、日本航空1企業に対してのものだと思うのですけれども、大きな企業とすれば、全日本空輸などもあるかと思うのですが、航空業界全体としてではなく日本航空だけのための方策として、こういう形でまとめられたことについて伺います。
(答)いや、それは日本航空が、現在、企業再生支援機構に対して支援要請をしている。もちろん、その背景には、経営が非常に厳しいということがあるから、つまりは、そういう支援要請をしているこの企業に対して、どう政府として対応するか。この間も、前原大臣を本部長とする対策本部をもう既に立ち上げてありますので、そのいわば延長上というか、そういう考え方です。
(問)こうした政府の対応というのは、極めて異例の対応だと思いますが、こういった事態にまで至った経営陣の責任、それからこれまでの自民党政権下での航空行政の責任、これをどういうふうに考えておられるかということが1つ。
 それから、年金の関係ですけれども、OBの団体からは、「ぜひ削減してくれるな」という要請も出ていますが、OBに対してどのように感じていらっしゃるかをお願いします。
(答)経営陣の責任ということについては、先ほども申し上げましたように、これから支援機構がどう判断されるかですが、その判断をされるに当たっては、当然、支援するということになった場合に、これまでの経営陣が大変よい経営をしたということには、もちろんならないと思います。ですから、そこは私がどうこう言うというよりも、その支援機構の判断の中で、もしいろいろな責任があるとすれば、その責任についても何らかの判断が出されるものだと、このように理解いたしております。
 前の政権、あるいは長年の航空行政ということについて言えば、ほぼ同時期に前原大臣も記者会見を、少し私より先に始めておられるはずですので、まさに所管大臣のほうが、当然、私よりも詳しいですし、そういう意味でそちらにお任せしたいと思います。
 また、OBの皆さんについて、個人的には、やはり長年まじめに仕事をしてリタイアした人が、期待していた年金を期待どおり受け取ることができるということが、個人的に言えば、当然望ましいわけですけれども、しかし、この合意でも述べましたように、公的資金ということになりますと、やはりこれは国民の皆さんの理解が得られなければいけませんので、これがJAL独自で支払える力があるのであれば、それをあれこれ言うことはもちろんするべきでもないし、するつもりもありませんが、公的資金については、ここに書かれたような姿勢で臨むしかない。そこは、個人的には大変苦しい立場になる方もおられるかもしれませんが、御理解をいただきたい、このように思っております。
(問)2つありまして、1つは、つなぎ融資については政投銀が手当てすることになるとおっしゃいましたけれども、現段階で年末を超えるために幾らぐらいの資金が必要だというふうに政府としては認識していらっしゃいますでしょうか。
 あと、もう1点は、その支援策の転がり方によっては、これは焦げつかないとも限らないわけでして、そうなった場合の政府の対応と、今度、その責任の所在というのはどこにあるとお考えでしょうか。お願いいたします。
(答)つなぎ資金として必要な額については、いろいろ巷間言われておりますが、私が直接そういうことに責任を持っている立場ではありませんので、私から「誰かがこんなことを言っている」などということを言うのも適切ではありませんので、私からどうこう言うのは控えさせてもらいたいと思っています。
 それから、この支援がうまくいかないときには、その資金も焦げつくのではないかということであります。まさに、だから、それぞれの関係者がどのような形で対応するかで、それぞれ頭を悩ませてきているわけであります。
 今、つなぎ資金が出ないとすれば、まさに運航する、継続することができなくなる状況にあるというふうにも聞いておりますので、ここはそうしたリスクをある程度抱えた中でも、つなぎの融資を行って、そして、その中から抜本的な再生プランといいましょうか、その内容がどんなものになるかは、私にも予想は必ずしもできませんが、中途半端ではない抜本的な改革案をまとめて実行していく。それには、この段階では、まさにつなぎ資金を融資して、そういう抜本的な改革につなげることが、日本国民全体あるいは日本経済全体、あるいは経済全体から見て必要であろうという判断が、この合意の背景にあるということを御理解いただきたいと思います。
 以上です。

(以上)

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