菅大臣記者会見要旨 平成21年10月30日

(平成21年10月30日(金) 9:43~9:52  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 今日は、閣議でいろいろな大臣からの御報告がありましたが、経済の指標が幾つか出てまいりました。心配された失業率が、さらに0.2%低下をしている等、全体としては、従来から言っている持ち直しの傾向が続いているのかなと思っております。多少、デフレ傾向はとまっていないというような面でも、心配はまだまだありますけれども、アメリカの経済の持ち直しも含めて、全体の傾向は、足踏みというよりは持ち直し傾向が続いているというふうな見方ができるかと思っております。

 今日、私のほうからは、閣僚懇談会の段階で、1月に向けての第二次補正予算について、既にそれぞれ、雇用については雇用対策本部で、環境についてはその関係閣僚会議で、あるいはその各機関の大臣クラスのチームで検討しているけれども、そういうことを踏まえて、1月の通常国会に出すことになるであろう二次補正、さらには本予算についての考え方を少し申し上げておきました。

 端的に言えば、3つの幸福と3K補正予算、つまりは雇用と環境と景気、3Kと言うと何となくイメージがあまり一般的によくないんですが、あえて言えば3つの幸福ということで、3K、3つの幸福を実現する第二次補正というものを考えていきたいということを申し上げておきました。既に言いましたように、それぞれの関係する対策本部なり、閣僚委員会ができておりますので、そういったところから各省庁からの意見や、あるいは国民的な意見も受け入れながら、財務大臣等と、また予算に関する閣僚委員会も開いていただいて、そうした方向を具体的に進めていきたいと、こう思っております。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)有効求人倍率についても、0.01ポイントの改善ということで0.43なんですけれども、そちらのほうについての受け止めも一応伺いたいと思うんですが。
(答)まだ、かなり全体的な水準としては低い水準なので、まだ心配するところは大きいわけですが、傾向として、0.01上昇したことはよかったと。ただ、これによって、まだ1を大きく下回っておるわけですから、特に新卒者の雇用の問題などは一切気を抜かないで、緊急雇用対策本部でまとめた方針に沿って、しっかりと対応していきたいと。今、いろんな形で地方自治体への協力要請、これは主にはワンストップサービスから始まっておりますが、これから経済団体、労働団体含めて、そういう新規雇用についても、新卒者の雇用についても、いろんな団体への協力要請をより強めていきたいと、強めなければならないと、こう思っております。
(問)今日、この閣僚懇でおっしゃった第二次補正予算のことなんですけれども、これは各閣僚に、こういうことを配慮した対策を上げてくるようにという指示をしたということになるんでしょうか。
(答)今日は閣僚懇談会ですから、既に先ほど申し上げたように、雇用対策本部や昨日も行った環境に関するいわゆる中期目標達成チーム、これは副大臣クラスが多いわけですが、そういうところではいろいろな政策の、我が省ではこういうことをやりたいというのを出してくれということを言っています。当然、それの中身には予算が絡むものもありますので、既にそういうこともやっているけれども、全体としてもそういう方向で進みたいのでということを全閣僚の前で申し上げたわけで、ある意味では、今の質問のように、そういうことについての御意見をどんどん寄せてもらいたいという趣旨も含んでの、私からの提案だと受け止めていただいて結構です。
(問)2点あるんですけれども、一つは先ほどの消費者物価の件で「デフレ傾向」とおっしゃいましたが、今現在の物価の情勢についても、デフレに陥っているというふうにお考えなのかどうかというのが一つと、あと昨日、JALの再建で、JALのほうが企業再生支援機構への支援を打診していますけれども、所管大臣としてどのように受け止めているのか。企業再生支援機構については、民主党のほうは、前の国会等、ずっと審議で中小企業に重視すべきだという主張をずっとされてきたと思いますが、それとJALという大企業を使うという点で、どうなのかという指摘もあるかと思いますけれども、その点についてどうお考えなのか、この2点を伺いたいんですが。
(答)言葉として、デフレという言葉が適切かどうかは別として、まだ物価の低下が続いているという、そういう認識を申し上げたところです。ただ、ほかの数字がかなりよくなっていますので、ただ、この数字はあまり変わっていないという意味で、そういうおそれを、デフレ傾向に続くおそれを頭の中には入れておかなきゃいけないなという意味で申し上げました。
 それから、企業再生の支援機構についてでありますが、本来、中小企業というものの再生を念頭に置いてこの機構が生まれたということは、そのとおりだと思っております。と同時に、機構そのものの仕組みの中では、かなり大きな規模の企業再生にも耐え得るように、たしか1.6兆ですか、大きな与信の枠を持っていることも事実であります。
 そういう面で、この機構がJALといった大きな企業のいわゆる要請を受けて対応するかについては、多少の議論はこれまでもありましたし今もありますが、当事者の判断も含めながら、また所管官庁としての私や関係大臣とも、多少の意見交換をいたしまして、ここは今これにかわるそういう支援の大きなスキームは見当たりませんので、やはり多少、中小企業を目的としたということから言えば範囲がかなり拡大しますけれども、当事者として、しっかりデューデリジェンスをやった上でやれるということであれば、それは当事者の判断に任せたいと。所管大臣として、そういうことはやるべきでないといったようなことは申し上げておりません。

(以上)