菅大臣記者会見要旨 平成21年9月18日

(平成21年9月18日(金) 11:01~11:35  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。

 閣議後の定例会見ということで、今後ともよろしくお願いします。

 まず、鳩山政権誕生から2日目なんですけれども、非常にスピーディーに、各大臣が脱官僚依存の政治を実践する、そういう行動が始まった、大変ある意味で順調な、しかもスピーディーなスタートだと、このように思っておりまして、大変国民の皆さんの期待も高い状況でありまして、こうした形でスタートできたことを大変喜ばしく思っております。

 そうした中で、私の関係するところについても、順次動き始めております。既に官房長官からも御報告があったと思いますが、閣僚委員会という制度を設けて、各省庁にまたがる問題については、大臣みずからが相互に議論をして物事を決めていく。従来は、官僚が各省庁に根回しをして、上がったものを事務次官会議に上げて、そして閣議に上げるという、それがとられてきたわけですけれども、事務次官会議を廃止する、廃止したことを含めて、全く新しい、そうした政策の調整、ルールがスタートをするということで、そのまず第1回目を今日、総理自ら御出席のもとに、官房長官、財務大臣、そして行政刷新担当大臣、そして私を含めた5人の閣僚によって、補正予算に関する閣僚委員会を開催をいたしました。

 そこで決められたことについて、合意したことについて、総理から閣議で各大臣に対して指示があったことは、もう報告があったと思いますので、もし御質問があればまた申し上げますが、あえて重なると思いますので、その内容については省略をさせていただきます。

 もう1点、皆さんのお手元にお配りをしていると思いますが、「国家戦略室の設置に関する規則」という、総理大臣の決定が本日なされました。これによって、「国家戦略室」というものが正式に、今日から官房の中にスタートをいたします。この中で「戦略室の室長、その他の要員を置く」ということで、室長には、内閣府の副大臣にも決まりました古川元久さんに室長をお願いするということで、これも総理を含めて御了解をいただき、早速、既に動いておりますけれども、この閣僚委員会にもサポートの立場で陪席をいただきまして、出席をいただきまして動き始めたところであります。

 この国家戦略室、将来は「国家戦略局」ということで、鳩山総理が代表の段階からマニフェストに盛り込まれた新しい機関であります。これについては、この第1条にもありますように、「税財政の骨格」、「経済運営の基本方針」、「その他内閣の重要な政策に関する基本的な方針」などのうち「内閣総理大臣から特に命ぜられたものに関する企画及び立案、並びに総合調整を行う」という形で規定をされております。大変重大な任務だと思っておりまして、まさに国家戦略、「戦略室」の名にふさわしい役割を果たしていきたい、このように考えているところであります。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)国家戦略室の設置について、大臣決定、「総理大臣決定」とここに書いてありますが、これはいわゆる、言うところの総理指示とイコールという理解でよろしいのかという基本的な確認が1点です。
 それと、この規則の中で「政策参与を置くことができる」という規定がございます。この「政策参与」というのは、国会議員を充てることを前提に考えておられるものなのかどうかということが2点目。
 あと最後、3点目になりますが、第1条の設置及び任務の中に、「税財政の骨格」という文言がございます。今、副総理からも御紹介がございました。この税財政の骨格という言葉の定義なんですが、いわゆる予算編成の骨格方針というよりは、藤井財務大臣なんかが指摘しておられる、むしろ国家戦略室は、中長期的な戦略を考えるところなんだというようなことをおっしゃっています。むしろ、そちらのニュアンスに近いのではないかという気がいたします。税財政の骨格という言葉の定義について、もう少しかみ砕いて伺いたいと思います。以上3点、お願いいたします。
(答)まず第1点目ですが、私も総理大臣決定とか、あるいは閣議了解とか閣議報告とか、さらには閣議決定とか、いろいろな決定の仕方について、詳細にその差がどうあるというのは、そのレベルまでいくと、なかなか私にも十分に皆さんに説明するほどの知識はありません。ただ、私の理解は、指示と同じであるかどうかは別として、この総理大臣の決定をもって、官房の中にこういう機関を置くことができるということでありますので、今日の決定をもって正式な機関としてスタートをしたと、このように認識をいたしております。
 これも申し遅れましたが、今日の午後には総理も出席をいただいて、この国家戦略室と同時にスタートをする行政刷新会議の2つについて、看板をかけようと、これは非常に連携をしていくということで、同じ建物の「同じ部屋」という言い方がいいかどうかわかりませんが、つながった部屋に2つの看板をかけようということで段取りがされております。
 また、政策参与について、基本的には「民間人など」という認識を持っております。議員の扱いについては、一般的に言えば「参与」という枠には入らないのではないかというふうに、この案を実質的につくられた、そういう方からは聞いておりますので、そういう理解をいたしております。
 それから、税財政の骨格、経済運営の基本方針ということについて、特に何か別個に定義を定めたものがあるわけではありません。まさに、この文言と、あるいはマニフェストに書かれた文言と、あるいは総理大臣の幾つかの発言などから理解をし、また藤井財務大臣とも具体的な取り組みの中で、先ほど申し上げたように、もう既に補正予算についての取り組みでも、閣僚委員会を2人だけではありませんが、少なくとも財務大臣と私も出席した閣僚委員会をスタートをさせておりますので、そういう中で、おのずから一つの役割がそれぞれ連携した役割として進むことができると、このように思っております。
 税財政の骨格ということは、まさに税制、さらには財政、いわば「税」と「財政」は一般的には「入り」と「出」という関係にありますので、まさに入りと出を含めた中には、当然、税制そして財政ということには予算も含まれておりますので、その骨格、さらには経済運営の基本方針、経済運営という言葉も大変幅広いわけですけれども、当然ながら、税財政を考える上でも、経済動向などを含めた経済運営全体の観点が必要だということで、そういった、まさに言葉に書かれたことをベースにして、しかし具体的な形は何度も申し上げていますように、特に藤井財務大臣とはフォーマルな、つまりは閣僚委員会だけではなくて、一緒にお酒を酌み交わす仲でもありますので、そういうところも通して綿密にしっかりと連携してやっていきたいと、このように考えております。
(問)戦略室の陣容と、それから役割分担について伺います。大臣、それから室長、そして室員、政策参与とありますが、これらの方々の役割分担はどのようにされるおつもりでしょうか。そして、当初の人数、配置はどのように考えていらっしゃいますか。また、その戦略局に格上げする法案を提出する場合に、その陣容はどれくらいの規模を考えていらっしゃいますか。
(答)まず、この戦略室というか、将来、戦略局になるとしても、この役割は、実は一昨日、閣僚就任のときの記者会見でも申し上げましたように、実はかなり、既に役割を果たしているというか、つまり、期間は今日スタートですが、実質的な、この国家戦略局というものが、皆さんの報道などを通して国民の皆さん、特に霞が関の皆さんに伝わることで、もう既にかなりの役割を果たしていると、こう思っております。
 その多くは、それぞれの各省大臣、副大臣、政務官の皆さんが取り組まれていることに、ある意味では具体的な形では引き継がれてきていると、こういう認識をいたしております。つまりは、従来の自民党政権では、大臣といえば、そのお役所の官僚の皆さんが省益を軸にして、いろいろと大臣にレクチャーをして、その省益を軸にして大臣がいろいろな機関に話をする、あるいは要求するという形が一般的でありましたけれども、我が党の、我が党といいましょうか、鳩山内閣のもとの大臣は、省益ということではなくて「国民の利益」ということの観点から、場合によっては、従来の省益に対しては、それを切り込むようなこともみずからやるという姿勢を、もう昨日来、示されております。そういった、本質的な意味では、国家戦略室の設立の原点は、相当程度、各大臣、副大臣に引き継がれていると、このように考えております。
 そこで、質問に戻りますけれども、陣容についてもそういうことをしっかり考えながら、これから逐次考えていきたいと思っております。というのは、ここは、私の理解では、役所であって、あるいは役所ではないという、ちょっと微妙な言い方になりますけれども、つまりは、例えば消費者庁をつくるとか何とか庁をつくるという意味での「役所」というふうには考えておりません。ある意味では、鳩山政権のもとでの今申し上げたような、脱官僚政治を、官僚依存政治を脱却するための、ある種の戦略本部であり、それに関連するいろいろな作業なり、実務を担う部隊だと思っております。
 特に重要なのは、これから、いわゆる国会議員の皆さんの役割と同時に、広い意味での民間、それには場合によっては党職員も入りますが、党職員にかかわらず、民間の皆さんが非常にいろんな形で協力を申し出ていただいているわけでありまして、そういう皆さんをどういう形で位置づける、そして既に霞が関のほうからは、いろんな形で「必要であれば要員を出します」というシグナルが届いております。この順番を間違うと、気がついてみたら、かつての橋本政権のもとで「官邸機能強化」ということを言いながら、10年たってみると、官邸内の官僚機能が強化されただけで、官邸内の政治機能は全く、強化どころか減退をしていったということにも、それと同じようなことにもなりかねませんので、そういうところを注意しながら、一つ一つ組みかえていきたいと思っております。
 そういう意味で、かなり広い部屋は用意をしていただいておりますけれども、現時点で何人ぐらいという、そういう外的標準的なことは、まだ申し上げる段階にはないと。民間人をどうするか、あるいは官僚の皆さんにどの程度来てもらうか、そういう中に政治家をどのように位置づけるか、こういうことを含めて順次進めていきたい。これは古川室長を軸にして、順次進めていきたい、このように考えております。
(問)閣議及び閣僚懇で、今回の戦略室の設置に関して、総理あるいは各閣僚から発言はなかったでしょうか。
(答)実は、この決定は閣議事項ではないということを、個別には説明をいただきましたが、閣議の場では、閣議事項ではないものですから、総理のほうからは、特にこのことについて触れた発言がなかったこともあって、各閣僚からも特に発言はありませんでした。
(問)第1条の「税財政の骨格」なんですが、本予算の特別会計の200兆を圧縮するとかというようなイメージがわくんですけれども、当面の問題としての補正予算、これについて戦略室が一番かかわるテーマとして、副総理御自身がお考えになっているのは、イメージとしてはどういうものがあるんでしょうか。
(答)補正予算については何度も申し上げておりますように、今日の関係閣僚会議の決定といいますか、合意を受けて、総理のほうから、まずは一次補正で14兆と言われる歳出が決まっているわけですが、それの見直しということを、総理のほうから提起をいたしました。それは戦略室の仕事であったとか、なかったというのは定義の問題ですから、実は、まだ、この政権ができる前は、直嶋政調会長のもとでいろいろな作業を進めてきていただいてきた経緯もありまして、そういう中身についても、私もおおよそは了解をしておりますので、そういう意味では、ある意味での一番大きな補正予算に関する仕事は、この問題でいえば各省庁にまず移ったのかなと、こういう理解をいたしております。
 また、これをどのような形で今度は予算、歳出につなげていくかという問題は、まだ二次補正をどうするという段階の議論にまで至っておりません。いずれにしても、年度内には二次補正が必要になるということは、これは常識的に考えてあります。年度内ですからね。それはありますので、当然、年度内の二次補正にかかわると思っておりますけれども、しかし、まだそこまでは一足飛びの話は一切いたしておりません。それから、来年度の本予算についても、具体的なことについては一切議論いたしておりません。
 そういった意味では、今の質問を限定的に考えれば、補正予算に関することでは、まずある種の歳入に当たる、今の第一次補正の見直しという大きな作業を、閣僚会議を通して戦略室もかかわってきた。さらに先の問題については、どこまで具体的なことにかかわるかは、まさに「戦略」という言葉にふさわしい活動ということでありますので、あるところ以上のことは、場合によっては財務省に、あるいは財務大臣にお任せすることもあると思いますが、少なくとも「戦略的な」という観点に関することがあれば、それにはかかわっていきたいと、このように思っております。
(問)今の第一次補正予算について確認したいんですが、今の第一次補正予算の見直しの理由、基準についてお伺いできますか。それと、今日の補正予算に関する閣僚委員会のしきり役はどなたがお務めになるのでしょうか。
(答)まず2問目のほうを先にお答えしますと、閣僚委員会というのは、これからいろいろな形で、この形だけではなくて、スタートをすると理解しておりまして、基本的には官房長官、総理が出席されるものは、基本的には官房長官が取り仕切りをすると。具体的なところでは、それぞれのテーマを主にやっているところがやることもありますし、そのように理解をいたしております。
 最初の質問は何でしたっけ。
(問)第一次補正予算を見直す理由と基準です。
(答)見直す理由については、もういろいろなところでいろいろな方が言われていると思いますが、14兆の中には、限定的に言えばメディア館ですか、そういうものとか、あるいはいろいろな役所の建物の新築といったようなことがたくさん入っている。あるいは、3年にわたる費用を積んで、初年度以外に充当されるものは、何か国債を買っているようなところもあるとか、さらにはその団体そのものが天下り団体で、果たして本当に業務が行えるのかなとか、いろんな問題点がもう既に指摘をされております。その意味で、見直すというのは、ある意味では当然だろうと思っております。
 ただ、勘違いをしていただきたくないのは、見直しということは、単に凍結・削減ということではありません。今の補正予算そのものが、多くは複数年度にわたって支出を想定しておりますので、場合によっては同じ種類の支出であっても、今年の支出と来年以降の支出に分けて、来年以降は来年度以降の本予算に振り向けることも例えばあり得るでしょうし、あるいは本当にもうこれはやめたほうがいいという場合も、それに代わる政策に振り向けることもあり得ますので、これはまさに、この経済運営の全般を見るという私の立場からも含めて、経済動向には注意をしたい。特に、皆さんの報道が何か財政支出を止めてしまうという表現は、私は少なくとも間違っている、正確ではない。財政出動の中身を見直すということで、そこだけはしっかりと区別をして皆さんも表現していただきたい、このように思います。
(問)10月2日までに各大臣が報告をするということなんですけれども、例えばある省が1兆円ぐらいの補正予算があって、これとこれは国民生活に非常に影響があるということで、10月2日を待たずに執行してしまいますと、ゴーサインを出しますと、その結果、止めてるのはこれぐらいの事業で予算額でいうと5,000億ぐらい、いわば一応執行停止をやってますという形の報告をするということの解釈でよろしいでしょうか。各大臣が判断をした上で、こういう状況になっていますという報告を求めているということですか。
(答)ちょっと、何かいろいろニュアンスがありそうで、私の答え方がもし、間違ったニュアンスでとらえられると困るものですから、なかなか答えにくいことですが、かなりこの問題では閣僚からもいろんな質問とか意見が出ました。かなりの意見の中で、一定のこの共通認識は出たと思っております。
 まず一般的に出たのは、この省が何%切った、この省が何%切ったという、そういう考え方は基本的にはしない。つまりはシーリング的なとか、つまりは横並び的な発想はしない。つまりは、その事業その事業が、まさに国民にとって本当に必要なのか、あるいは今の時点で必要なのか、あるいは必要だとしても、今の形で執行するのがいいのか、そういうことをそれぞれが自分の役所の関係について、精査をしろと。できれば現場を見て精査をしてほしいというのが、特に官房長官のほうからも指示といいましょうか、意見表明がありました。
 そういう意味で、それぞれの省庁が、自分が担当している補正予算の中で、それぞれがまさに国民にとってプラスなことになるのか、いろんな経緯の問題は、あまり言い出すと、それぞれに経緯があるわけですから、そこは私からこういう経緯のものは仕方がありませんとか仕方がありますということは、少なくとも今日の議論の中ではそれほど出ておりませんし、私が申し上げる問題ではないと思っています。
(問)先ほどの補正の関連で、止めてしまうのではなくて中身を見直すんだという話がありましたが、当然、数字上は公共事業は確かに一時的な影響は出ると思いますが、これはやむを得ないというふうにお考えなのか、それとも絶対出ないようにしたいとお考えなのか。仮に影響が出た場合も中身を見直すということで、国民に理解を求めていくということでよろしいですか。
(答)先ほど言ったことをよく聞いていただいていたんでしょうかね。つまりは、影響の出方には2つあるわけです。歳出が減ったことによって影響が出る場合と、そういう誤解を生んで影響が出る場合とあるんです。ですから、そういう誤解を生まないようにということを私は申し上げたんです。ですから、振りかえという表現も使いました。ですから、先程来、何度も申し上げているように、今の補正予算そのものが今年中、今年度中に全部消化する形になっておりません。相当額が来年度以降に持ち越される形になっています。ですから、極端に言えば、それを同じ目的で、来年度の本予算に、もしつけたとすれば全く変わらないということです、実際上は。別にそうするということではなくて、見直しというのは、そういう意味だということをちゃんと申し上げたつもりです。
 ですから、それが影響が出たからというのは、少なくとも皆さんの報道が間違った形で国民に伝わって、私の趣旨と違った形で伝わって影響が出た、それは私としては皆さん方に「あれだけ言ったのに」ということを申し上げざるを得ません。よろしいですか。
(問)あともう1点、すみません。先ほど「経済動向に注意して」とおっしゃいましたけれども、これまで経済財政担当大臣が、政府の景気に関する公式見解を代表して述べていたと思いますが、これは今後、副総理が代表して述べるという理解でよろしいんでしょうか。
(答)それは私が担当大臣を兼任していますので、副総理という立場というよりも、担当大臣という立場では、これからじっくりと、そういういろいろな意見を内外の、内外というのは役所内だけではなくて、いろんな人の意見、あるいは外国の見方も含めて、しっかり把握しながら、必要に応じては、もちろん私の担当大臣の責任として、表明をしていきたいと。
(問)国家戦略室の関係なんですが、政策参与ということで、先ほど民間をイメージしているというお話がありましたけれども、どういう方を想定されているのか、いつごろ採用、起用する予定なのか。何人ぐらいとか、その辺の具体的なイメージについてお聞かせいただきたいと思います。
(答)先ほど申し上げたように、動きはスピーディーにやっていますが、そういう、人にかかわる問題は、単に急げばいいということとは全く違いますので、これは古川室長を含めて、しっかりと順次検討していきたい。それぞれに腹案を持っておられる方もいます。例えば古川室長自身も、いろいろ腹案を持っておられるのかもしれませんし、ですから、必ずしも今の段階で何かこういう方をとか、いつごろまでにとか何人ということは、今の段階では、ちょっとそこまで煮詰まってはおりませんので、申し上げられないというのが実情です。
(問)科学技術のことで一つ伺いたいんですが、2,700億円のプログラムで先日30課題が選ばれましたが、科学技術の担当大臣として、今後どのように進めていらっしゃるおつもりなのか、お考えを伺えますでしょうか。
(答)実は、科学技術担当大臣を兼任するということについては、私にとっては大変うれしいことでありまして、もちろん、これからの日本経済にとって、科学技術が極めて重要な役割を持っているということも含めてでありますけれども、それと同時に、これも就任会見で申し上げましたが、鳩山総理御自身も、科学技術に深い知識を持っておられる理系の総理でありますし、また、川端文科大臣もそうですし、また官房長官もそういった知見を持っておりますし、私も深くこの問題には関心を持っております。
 今、2,700億円のそういったあり方についてという御質問ですが、これは現段階でまだ予見を持ってこうだ、ああだというのはちょっと早いのかなと、今そういう過去の経緯、あるいはどういうものにどういう形で進めようとしているのか、仕組みの問題等々含めて、いわゆる総合科学技術会議のあり方論も、たしかマニフェストか何かで見直しを述べているという、ちょっと私はまだ細かく見ていないんですが、そういう立場でもありますので、そういう基本に戻って、いろいろと関係者の話を聞きながら考えていきたい。ですから、2,700億を云々というのは、もうちょっとその先の問題だと思っています。
(問)経済財政担当大臣として、現在の日本経済をどういうふうに認識されているかお聞かせください。
(答)私は、まだまだ警戒を緩める段階には来ていない、内容的に、私たちは一次補正を含む財政出動の、内容的には問題があると、私も当時、野党の予算委員として、いわゆるワイズ・スペンディング、賢い支出になっていないんじゃないかということを言いましたが、その財政出動が、ある意味で、リーマン・ブラザーズ破綻の大きな世界的な不況の中で、財政出動の必要性については、私自身も、あるいは党としても、その必要性については十分認めてきたつもりであります。
 そういった意味で、それから1年近くが経過をいたしておりますけれども、ややいろいろな数字がアメリカ等では上向いている部分もありますが、日本の中で言えば、雇用情勢は一層の悪化を来たしておりますし、警戒を緩める状況にはないと、しっかりとした景気に対する対応が必要な状況だと、こういう認識をしております。

(以上)