古川副大臣記者会見要旨 平成22年2月10日

(平成22年2月10日(水) 17:34~18:03  於:合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

1.発言要旨

 まず最初に、新たに行政刷新担当大臣に枝野大臣が就任されました。当初から私申し上げておりましたように、国家戦略と行政刷新はともに総理のリーダーシップを支える車の両輪で、両大臣は官房長官とともに総理を支える3本の矢ということを申し上げておりました。菅副総理が財務大臣に移って、仙谷大臣が国家戦略を担当して、そういう意味では暫くの間、車が1本のタイヤでまた矢が2本になったわけでありますけれども、これまた強力な3本の矢、強力な車の両輪ができたのではないかというふうに思っております。特に枝野大臣は昨年の事業仕分けの統括もしていただきましたわけでございますので、従来からサポート議員として仙谷大臣をサポートしておられましたので、大臣になられても、すぐ対応できると思いますので大変心強く私も思っております。既に先ほど成長戦略のときにお会いしたときには、この後国会答弁があるんだというお話をしておられました。
 私としては再び両大臣を支える補佐役として、国家戦略室と行政刷新会議、体制等も整い、総理の直属の機関としてのリーダーシップが両方において発揮されるように、ギアをもう一段加速させていきたいというふうに思っております。
 せっかくのこういう機会でございますので、少しこれから1カ月ぐらいの国家戦略室と刷新会議のほうの仕事を見通させていただきたいと思います。戦略室のほうでは、まずは一昨日月曜日ですけれども、番号にかかわる検討会を開催をいたしましたが、これは今後概ね2週間に1回程度開催していきたいというふうに思っております。2月中は各省が取り組んでいる関連施策について共通の認識を得たいと考えております。
 そして中期的な財政運営に関する検討会も2週間に1回程度開催ということで、次回も今度の金曜日に開催する予定でおりますけれども、大体3月をめどに論点整理を行ってまいりたいと思っております。
 また先日の記者会見におきましてお伝えをいたしましたが、昨年10月の閣議決定に基づいて、予算制度改革に関する3つの指針の策定を今行っております。こちらのほうもこれまで2週間ほどかけまして外部有識者や政府の関係部局間で集中的に議論を行い、指針案の内容がある程度具体化されつつあるところでございます。私も事務レベルでの案というものを説明受けまして、いろいろ指示をしてそしてまた修正した案の素案も出来上がりましたので、出来るだけ早い時期に、今週か来週には大臣等にも私のほうからこれを上げて、その上で大体内容について了解がとれれば副大臣会合等において各省に対して提示してまいりたいと思っております。中身は、予算執行監視チームの設置と予算執行情報の開示と行政目標達成明示制度の策定に関する3つの指針でございますけれども、出来れば来週の会見のときにでも指針案の概略を御説明できるような状況になればなというふうに思っております。
 今日は成長戦略策定会議が開催されました。この点については、今せっかくなので順番で申し上げましょうか。皆さんのところに今日ニュースリリースでお手元にあるとおりでございますけれども、皆様方プレスが出た後、今後の作業内容について以下の1と2のことを簡単に私から御説明をいたしました。

1.以下の3点について、3月上旬までにそれぞれの担当府省が検討。
 (1)各府省にその実現に向け検討を求める施策及び制度見直し(策定会議事務局(国家戦略室)が中心となって柱立て)【国家戦略室】
 (2)各府省自らの発意で、「新成長戦略」に盛り込むべきものとして検討を行う施策及び制度見直し【各府省】
 (3)「早期実施事項(H22年度予算への反映)」のうち、目標達成に効果的な施策の抽出【各府省】
2.上記3点を踏まえて3月中旬に各府省からのヒアリングを実施するなど、成長戦略策定検討チームを中心に検討を進め、5月を目途にその具体的内容を決定。その際、有識者の意見や国民の声(行政刷新会議との連携)を踏まえる形で、検討を進める。

 今後の進め方についてはここにもございますけれども、3月中旬から成長戦略策定検討チーム、この場で菅副総理、仙谷大臣、そして私を中心にして、各省の副大臣、政務官へのヒアリングを行ってまいる予定でございます。それまでの間、各府省において政務三役が中心となって省内ヒアリング等を行って、ここにあります今後の作業内容の、上記の3点について、3月上旬までにそれぞれの担当府省が検討とありますが、具体的な施策の検討をしていただきたいということのお願いを申し上げました。また、今後地方に出向いて現場の皆様の声を伺う機会も設けてまいりたいというふうに思っております。特に早期実施事項というところ、(3)のところがございますけれども、これは6月を目途に作成する予定でおります成長戦略の実行計画におきましては、2010年内に実行すべき事項、これを早期実施事項というふうに掲げております。それ以外に今後4年間程度で実施すべき事項とその成果目標、そしてさらには2020年までに実現すべき成果目標と、これを時系列で整理することといたしております。その中の早期実施事項をとにかく、まずはこれは22年度予算ということで今審議しているわけでございますから、特に予算だけじゃなくて今年中にやれる制度改革等も含めてでございますが、早くそういう実施体制というものを確認していきたいと思っています。大臣から御意見があったこととしては、とにかく縦割りを廃して制度改革等について横串を通して考えていく必要があるということの直嶋大臣からの御発言、人材や雇用という話も入っておりますけれども、それだけではなくて、スポーツ・文化というものも成長戦略上重要な分野であるというお話も文部科学大臣からございました。そしてまた原口大臣からは民間の中には成長戦略というときには、政府が余計なことをするなというそういう声も強いと。逆に成長を阻害している原因が政府の関与にあるのではないかと、そういう声も強いわけでございますので、成長戦略を考える上では、実は政府の介入とか政府の存在とかそういうもの自体がそれを阻害していないか、それが隘路になっていないかと、そういうところについてよく確認することが必要だというお話もありました。また岡田大臣からは、これは人の問題が重要であって、日系人や外国人研修生の問題さらには外国人労働者の受け入れなどについてもこれも議論すべきではないかと、そういうお話もございました。あと小沢大臣のほうからは、これはデフレの問題の提起がございまして、今デフレギャップの縮小と物価が下落するという意味合いのデフレ、このデフレというのが混同されているところがあるんじゃないかと。特に後者のデフレを、物価の下落という意味でのデフレを止めないと税収も伸びてこないわけでありますから、まずは新成長戦略の中では1%のインフレ率というものを見込んでおるわけでございますから、まずはこの目標を達成するということを共通の認識として持ちたいというような御発言がございました。この今申し上げたような、ブリーフ申し上げたような成長戦略の策定作業もこれから本格的に始まっていくというところでございます。
 これが大体国家戦略室のほうのこれから1カ月ぐらい取り組んでいく主な仕事でございます。行政刷新会議のほうですけれども、刷新会議のほうは総理の施政方針演説等に沿いまして、独立行政法人や公益法人などの事業についての事業仕分け第2弾を実施することといたしております。今それに向けての事務的な準備も始めておりますけれども、同時に次回の行政刷新会議をできる限り早いタイミングで開催して今後の事業仕分けについて御議論をいただきたいというふうにも思っております。
 また先ほど申し上げました国家戦略室のほうで検討しております予算執行監視チームは、これは行政刷新とも深くかかわることになると考えております。具体的には、現在国家戦略室及び行政刷新会議の事務局におきまして、各省の予算執行監視チームの中で、その任務の一つとして自ら行政支出のレビューをしてもらうようにしてはどうかと考えております。この予算執行監視チームのあり方、指針、つくり方については、行政刷新の事務局と国家戦略室のスタッフが一緒になって考えているところでございます。
 こうした問題につきましても、早期に新大臣のほうに御報告は申し上げたいと思っております。
 新聞報道で若干事実と異なるところがあるので、私から正しいところをお伝えしておきたいと思います。私が河野議員の国会質問について、何か助けてほしいとかそういうような形で新聞には書かれておりましたけれども、私は別に助けてほしいと申し上げたわけではありません。経過を御説明をいたしますと、河野議員からの質問要旨に並んでいた中には、私が関係しそうな、年金改革、スパコン、酒類総研などがあったんですけれども、どれがどう関係しているかわからない。質問レクはなくて質問要旨という紙1枚で項目だけが並んでいるものだけでそれ以外はありませんというお話でありました。そこで、どういう質問がされるのかと河野議員は昔からよく存じ上げていて、私は彼に電話をしました。こういうことがあると無意味な形で役所の人たちが残って、ほとんど使うこともない、必要以上に色々な準備をするために、たくさん関係者を徹夜させるようなことを、半世紀も政権にいて一番よくわかっている人たちがやるというのはどうかと申し上げたところ、何か国対の指示で質問レクはしなくていい、要旨だけを配ればいいと言われたんだと。そういうことであればすぐ戻って質問レクをするというので、彼も非常によくわかって、わざわざ当時私が電話した時点では厚木か何かのほうまで戻っていたのを、戻ってきてレクをされたわけであります。彼も非常にそこはおっしゃるとおりだということで対応してくれたわけでありますので、そこについては私も非常に感謝をいたしておりますし良かったと思います。今回私自身が感じたのは、まだやはり自民党の多くの議員が野党に慣れていないのかなと、そういう気もいたしました。
 国会との関係などで考えていきますと、これは与野党とも、特に自民党、公明党は今野党にありますけれども、政権を今まで経験してきたわけでありますから、当然その中で与党にいたときに、こういう部分をもっと改善すれば、意味のないといいますか、作業をしたりしなきゃいけないことも減り、また必要以上の深夜の残業というのもなくなるとか、そういう部分も多分彼らも与党を経験していたからこそわかっているはずだと思いますので、ぜひこういう部分は、与党、野党かかわらず本当に国会での議論を活性化させ、かつ役所の人たち官僚の皆さんも、本当に求められる必要な仕事に時間が割けるようなそういう状況をぜひつくっていきたいなと、そんなふうに思っております。
 ちょっと長くなりましたけれども私からは今日はこれくらいにさせていただきたいと思いますが、あと皆さんから御質問あればと思いますが。

2.質疑応答

(問)今日枝野大臣が就任されましたけれども、枝野大臣と古川さんと、具体的に政策テーマとしてはどういうことをやっていかれるのか、あるいは枝野大臣に具体的な政策テーマで期待することは何かありますでしょうか。
(答)私が枝野大臣を支える部分は行政刷新会議の部分でございますので、従来仙谷大臣が行政刷新会議でやってきていただいた部分、その部分で引き続き今度は枝野大臣をお支えするということになろうかと思います。
 私も枝野大臣とは、政策、ずっとそれこそ初当選のころから、金融国会のときの金融再生法をつくるのも一緒でありましたし、また年金改革の民主党案、法案をつくるときも当時の政調会長は枝野さんで私がネクストの厚生労働大臣ということでありましたので一緒にやってまいりました。ですから色々な仕事を一緒にやっておりますので、お互いそういう意味ではよくわかり合った仲でございますので、仙谷大臣と同じく意思疎通よく仕事できるのではないかというふうに思っております。
(問)JBICの分離を戦略室で検討しているんじゃないかというような話が報道で出ていましたが、現時点で何か検討しているようなことがありましたら教えてください。
(答)まずそもそも今日の新聞に載ったJBICの問題について、現在国家戦略室として特段検討を進めているわけではありません。ただ昨年12月に策定いたしました成長戦略の基本方針におきまして、海外における新幹線や都市交通、水、エネルギーなどのインフラ整備支援や、環境共生型都市の開発支援について官民上げて取り組むというふうに書いてございますし、またこれからの6月に向けての取りまとめの中では、この肉付けをしていく中で新幹線や環境技術をシステムとして輸出していくということは今後の重大な重要な戦略というふうに考えております。そうした課題に取り組むのにどういう形で国家戦略としてできるのか、そのあり方については今後検討してまいりたいと思っております。
(問)政策の話とは違うんでが、今日石川議員が離党の意向を固めたということであるんですが、同じ同僚議員として議員が逮捕・起訴されて、また離党という事態になったということについて受けとめを一言お願いします。
(答)政治家の出処進退は私は御自分で決めることだと思いますので、御本人の判断されることを尊重したいと思います。
(問)成長戦略策定会議の資料にある1の(1)、(2)、(3)がちょっとこれだけ読んでもイメージが掴めないんですけれども、(1)は戦略室がまずどんなものが必要かというのを考えて、(2)は各府省がそれとはまた別に自分たちで自分たちの考えを考えるという、そういうことですか。
(答)まずやはり国家戦略室として大局的な見地からこういったことをやるべきじゃないかと、戦略室のほうでそういう大玉については考えて提示をしていくという作業と、同時に、経産省や国交省のようにそれぞれのところで成長戦略の議論をしているところがあるわけでありますから、各府省でも考えてもらいたいと。最終的にはそういうものを3月以降ヒアリング等をして、全体として取りまとめをしていくことになろうかと思います。
 3番目のところは先ほども申し上げましたけれども、これは来年度、22年度に早期実施する事項について、これも目的が一応掲げられているわけでありますから、これをかなり具体化するために効果的な施策は何をやるのか、予算がついたりとか担当するところが決まっているわけでありますから、それぞれの府省で具体化してまいりたいということであります。
(問)ちょっと細かいことなんですが、成長戦略策定検討チームの開催が3月中旬から予定されていますけれども、このチームのメンバーなんですがどういったメンバーでやっていくんでしょうか。
(答)これは菅副総理、そして仙谷大臣、そして私、あと事務のサポート的には津村政務官と、あと経産の近藤政務官を中心にやっていただきますけれども、それに各省の副大臣クラスの人たちが中心になってやっていくということになります。
(問)昨年来のサポート議員はここには入らないということでよろしいんでしょうか。
(答)基本的にはそういうふうには考えておりません。
(問)枝野さんの起用についてなんですけれども、鳩山総理が決断したことだとは思いますけれども、あえて古川さんにお聞きしたいんですけれども、これまで総理補佐官と言われていた枝野さんがどうしてこのタイミングで大臣起用になったのか、そこら辺のお考えがあればちょっとお聞かせいただきたい。
(答)総理に聞いてください。それは総理が決められた話ですから。

(以上)