古川副大臣記者会見要旨 平成21年12月9日

(平成21年12月9日(水) 18:28~18:45  於:合同庁舎第4号館11階共用第一特別会議室)

1.発言要旨

 すみません大変お待たせいたしました。それでは今から会見を始めたいと思います。
 まず仙谷大臣部局の三役会議のご報告を申し上げたいと思います。今税調で議論が行われておりますけれども、NPOの税制改正要望につきまして、税調における議論の経過報告がございました。内閣府として要望していることの全部というわけではないですけれども、特にNPOのところについては前向きな方向で検討を進めていただいているということの経過報告がありました。その他は当面の課題、日程等についての意見交換を行ったというところであります。
 次に、菅副総理部局の三役会議におきましては、APEC、来年の首脳会議に向けたスケジュールの確認と、日英経済協議、これは事務レベルでございますけれども、これが12月16日に行われるという報告がございました。
 そして、12月16日開催のアジア原子力協力フォーラムへの大臣の出席、あいさつについて今後日程調整をしていくこととなりました。また原子力白書につきましては21年度も引き続き作成することとし、中身については今後検討することとなったということでございます。
 また、IT戦略の進め方について議論をし、IT戦略本部がございますが、その推進体制について今日は議論だけで結果は出ておりませんけれども、引き続き検討することとなったというところでございます。
 今日は、昨日の経済対策の決定を受けまして、経済対策検討チームを先ほど行いました。今回の対策の中で進捗状況を管理するという項目を入れておりました。これは、これまでの政権での経済対策では、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルがきちんとできてこなかった。対策をやって各省庁にそれぞれやるようにと決まると、あとは各役所に任せっ放しで、実際にどういう形で行えているか、行われたのか、現場はどうなっているのか、そういうチェックが行われてこなかったということです。今回は、しっかり決めた対策がどういうスケジュールでどのように行われて、結果どうなっているのかを、各省庁の政務三役が中心となってきちんと進捗状況を管理していく。またその進捗状況の管理を、適宜、国家戦略室及び内閣府のほうに御報告をいただいて、必要に応じて改善の要請を行っていく。また、対策チームを適宜開催して、各省庁からの進捗状況をそれぞれまとめて出していただいて、こうした状況については国民の皆さんにも発表していく。従って、経済対策検討チームを今後とも続け、PDCAのサイクルをつくり上げていきたいということをお願いをし、確認をさせていただきました。
 私からは以上でございますが何か御質問はございますか。

2.質疑応答

(問)今朝ほど発表されました2次QEですけれども、特色として民間設備投資が6四半期連続のマイナスであったと。それから、民間の在庫もなかなか積み上がってこないと、そういったような現象が見受けられましたが、2次QE全体を俯瞰なされて、この中でどういった政策課題があるのか、どのように認識されているのか、それへの対応はいがかかと。
(答)今回の結果は、7-9月期においても景気の持ち直しの動きというものは続いておりますけれども、やはり自律性に乏しく依然として厳しい状況にあることは間違いないということを反映したものではないかというふうに考えております。
 従いまして、まさにそういう現状認識に立って昨日経済対策をまとめたところでありまして、この経済対策を先ほど申し上げたように実効性のあるようにきちんとこれから実施をしていく。同時に、今編成作業を行っております来年度予算、この経済対策、それを実行するこの第二次補正と来年度予算、切れ目ない予算執行によって景気を下支えをし、同時に景気回復の成長の種を植えていくということによって、景気回復につなげていきたいというふうに考えております。
(問)今のお話ですけれども、昨日まとまった経済対策の実効性をあらしめるようにするといった点では全体の景気浮揚の効果というのがどれぐらいかというのがまず示されていないこと、それから個々の施策についても、あるいは達成目標を示していただくということが必要になってくるかと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
(答)まさに今後それをやっていくところであります。特に今回の対策は、もちろん予算がつくものもありますが、ルールの変更あるいは規制の改革、そういったものによって新たな需要を生み出していくという部分も大きい。そういう意味ではいわゆる計量的にこれだけお金を使ったからこの乗数効果でこうだとか、そういう普通の形では計測しにくいものもあると思います。
 だからこそ私どもは昨日の対策を決めたので終わりではなくて、適宜この対策がどういう形で実行されていくのか、その実行された結果がどういうふうに生かされているのか、現場でどうなっているのか、そういうものを今後とも逐次チェックをして、必要があれば中身も含めて正していくという形でやっていきたいと思っております。
(問)繰り返しになりますけれども、個別の施策について目標の数値化ということはなさるんでしょうか。
(答)それは各省の中でどういう形でやっていくか、スケジュールを組んでいく中でそれはそれぞれのところでまた工夫していくことだと思いますけれども、数値化よりも何よりもやはり大事なことはきちんと進捗状況を常にチェックしていく。問題があれば正していくと。これまでの行政というのはPLAN、DO、PLAN、DOとその繰り返しで、CHECK、ACTIONというのがない、PDCAのサイクルがなかったと。そのことが同じようなことを繰り返して間違えてもまた同じようなことをやるというそういうことの繰り返しになっていたんではないかと思います。民間企業であれば、当然やったことの成果、そういうものを確認して問題があればそれを正して次に生かしていくというのは当たり前であります。そういう意味では行政に今求められているのは、PDCAサイクルを確立をすることであるということが大事だと私たちは考えています。まずはこの経済対策をそうしたPDCAサイクルを確立する一つの大きなきっかけにしていきたいと思っております。
(問)本日の2次QEと、それから昨日藤井財務大臣が公表されましたが、09年度の税収見通し、それからこれまでに民間企業が発表した9月中間決算、これらの結果を踏まえられて来年度の税収見通しと、それから経済成長の見通し、これらをこれから策定されることになると思いますけれども、トータルのスケジュールというのはどのようになりそうでしょうか。
(答)これは今後公表されます経済指標等も踏まえつつ、22年度予算編成とあわせて作業をしていき、しかるべき時期に見通しも発表していきたいというふうに思っております。
(問)先ほどあったPDCAサイクルの確立なんですが2点ありまして、1つはこれは22年度予算でもこのPDCAサイクルのことというのは確立していくということで予算の基本方針に盛り込んでいくとかそういった形で示していくかということが1つと、あとは先ほど進捗状況について、戦略室と内閣府に報告をしてもらって必要であればその改善を要請するというような話になっているんですが、そのあたりどういう形で改善を要請していく、どのような立場でやっていくのかという、そのあたりについてお願いします。
(答)これは予算の在り方検討会でとりまとめ、閣議決定した「予算編成等のあり方の改革について」の中でも示してあります。今度各省の中に予算の執行状況を点検するチームを設けるようにということを既に指示しておりまして、具体的にどうするのかというは今後であります。
 この経済対策だけではなくて、本予算も含めて予算の執行状況をきちんとチェックするようなそういう仕組みを入れていきたいと思っています。私たちは、行政全体についてこのPDCAのサイクルをつくっていくということが大事なことであると考えています。これまでの政府というのは、特に役所というのは無謬神話という、政府というのは間違いを犯さないと、そういう前提、だからこそ間違いがあってもそれは間違いでないというふうに言いくるめるというか、強引にそれで押し通すようなことがあったと思うんです。私はかねがねから、政府に対する信頼を回復するためには、そういう無謬神話から脱却をして、いくら正しいと思ってやっていてもやはりこれは人間でありますから間違えることはある。政府だからといって常に間違えないわけではない。しかし大事なことは、その自分たちのやっていることを常にチェックすることが大事だと思ってきました。問題を発見できる問題発見能力と、問題を発見したらそれを自分で修正できる自己修正能力を持つ、政府をそういう組織にしていくということが国民の皆さんの政府に対する信頼を確立するためにやはり大事なことだろうと思っています。そういう意味では、PDCAサイクルというのはまさに常に自分自身を見直す、そして問題を発見すればそれを正していくと、そういう過程であります。予算関係にかかわらずすべての行政のあり方についてそういうPDCAサイクルを確立するようにしていかなければいけないと思っております。
 この経済対策について具体的などういうやりとりをしていくかということでありますけれども、適宜報告を受けた後、先ほど申し上げましたけれども、必要に応じて対策チームを開いてその報告内容をみんなでチェックをしてみて、問題や疑問があればそういうのを問いただしていく。日常の中でも戦略室や内閣府のほうと各省の関係でやりとりをしてまいりますし、時期に応じてどれくらいの頻度になるかわかりませんけれども政務三役の集まりである対策チームで集まって、みんな政治家の集まりでありますから、自分のところの所掌だけじゃなくて各省庁の報告を出してもらって、それぞれの視点で自由に意見交換をする。ここはこれでいいのかとかそういう疑問が出てくればそこを確認するとか、こういうふうにしたほうがいいんじゃないかとか、いやまだこういう話があるぞとか、そういうことであればそういう意見を生かしていくとか、そういう形で適宜やってまいりたいというふうに思っています。
(問)昨日の経済対策で規制改革の関係もかなり多くメニューが出されたと思うんですけれども、そのトータルの議論をこれからどうしていくのか、規制改革会議との関係とこれからの具体的な議論の進め方を改めてちょっと御説明をいただきたいんですけれども。
(答)ぜひよく昨日の対策を読んでいただれば書いてあったと思うんですが。規制改革については、行政刷新会議のもとに重要テーマを議論する場を設けて行っていくということになっております。仙谷大臣の行政刷新会議のもと、今までの規制改革のチームも含めて、これまで大きな岩盤にぶち当たって進んでこなかったものを取り上げてそれを実行していくための体制をつくるべく準備をしておるところであります。そういう体制が近々にも動き出して、そのもとで昨日の対策でも書かせていただいたようなところからまずは手始めとして取り組んでいくことになろうかと思います。
(問)予算編成の基本方針、骨格ですが、上旬というお話をずっとされていましたが、もうすぐ上旬終わっちゃいますが、週内にはまとめたいというお考えという理解でよろしいでしょうか。
(答)今適宜作業しているところでございますが、この辺はほかの問題との兼ね合いもありますので、税制改正大綱とかいろいろ予算全体の段取り、流れもありますので、全体の流れの中でしかるべき時期に決めてまいりたいと思っております。
(問)税制改正大綱は週内ではなくて来週に先送りされているわけですが、予算の方針というか骨格についても今週は難しく来週以降になるという、そういう理解ですか。
(答)それはどういう形になるかわかりませんけれども、全体として予算の今の進行状況の中であわせてまとめてまいりたいというふうに思っております。
(問)もう1点確認なんですけれども、国債というか、国家戦略室でやっていらっしゃるいろいろな検討会等で、この間も財政信認に関する検討会のまとめを出されましたが、副大臣も再三おっしゃっていますけれども、国債発行の上限についてきちんと方針の中に入れたいというお考えを述べられていましたけれども、その上限というのは首相もおっしゃっている44兆円という国債発行額がベースにあられるのか、それともそれより多い場合もあるのか、そこはどうお考えなんでしょうか。
(答)これは今日も多分官房長官も記者会見でおっしゃったのではないかと思いますが、44兆という数字がある種ひとり歩きをしているようなところもございます。もちろんこれは一つのメルクマールであろうかと思いますが、さまざまな状況、市場の状況やあるいは財政状況、いろいろな要素を勘案した中で最終的にどういう形になるのかわかりませんけれども、国債発行額の上限というものを定めていくことになろうかと思います。
 よろしいですか。どうもありがとうございました。

(以上)