古川副大臣記者会見要旨 平成21年11月16日

(平成21年11月16日(月) 18:11~18:32  於:内閣府本府庁舎地下講堂)

1.発言要旨

 大変お待たせいたしました。それでは、定例会見を始めたいと思います。
 まず、私のほうから、仙谷大臣部局の政務三役会議について御報告させていただきたいと思います。今週、刷新会議を開催する予定をしておりますので、そこで議論する項目についての整理を、まだ本当の第1段階でございますけれども、行わせていただきました。また、事業仕分けでは、第1クルーが明日まで行われていますけれども、これまでの状況を確認させていただきました。私どもといたしましては、さまざまな御意見はあろうかと思いますけれども、今回の事業仕分けについては、特にマスコミの皆さんは、結果のところに非常に注目しているわけでありますけれども、そこで行われている議論の中身に、ぜひより注目していただきたいというふうに考えております。例えば、ある事業で、どういうところにお金が流れているかということが明らかになった結果、例えば、天下りが行われている法人にお金を流して事業を行っていて、実は事業費と比べて非常に管理費が大き過ぎる、そんな事例が指摘された事例。また、事業の目的自体は重要であっても、既に過去の蓄積があるとか、あるいは民間や地方でも同様の事業が行われているのではないか、重複しているのではないかという実態が明らかになった事例など。国民目線、外部の目線も入れたスタイルで、事業の中身とかがさまざまな議論を通じて明らかになっていく、そのこと自体が従来の予算編成では考えられない、極めて意義のある取組であるということについては、改めて政務三役において確認を本日させていただきました。私どもは、そもそもこの事業仕分けというのは、今申し上げたような今まで行ってきた事業について、その中身を今までにない視点を入れて、特に、その議論の過程を国民の皆さんにも見ていただけるようにすることによって、今まで官僚と、そして一部の族議員なる政治家の中の、いわば密室の中で決められていた予算編成の過程の一部分を明らかにする、公開の場でやることによって予算編成というものを国民目線で行っていく、そこが非常に大きな意義があるというふうに思っております。また、こういう事業仕分けの中で、今申し上げたような事業の行われている対応であるとか、問題点が見えてくる。例えば、事業自体は非常によいことですけれども、実はその実施している主体が天下り法人であって、実質的にやっている事業費のかなりの部分を天下っている人に給与で支払っている。そういうようなことが明らかになってくれば、そもそもその事業をやることについて、そうした法人をかませる必要があるのかどうかと。まさに、それは独法改革や公益法人改革等の制度改革自体にもつながっていくような着眼点を見つけるというところに、この大きな根本的な事業仕分けの意義というものがあるわけです。その点をぜひ皆様方にも知っていただけるように、この事業仕分けの趣旨をしっかりと皆さんに伝えていく努力を、今後、精力的に行っていきたいということの確認をいたしました。以上が仙谷部局の政務三役会議の報告でございます。
 次に、菅副総理の政務三役会議の御報告をさせていただきます。ここにおきましては、まず各種レポートの公表、それぞれ毎年、経済財政分析担当部局で、例えば地域経済動向、世界経済の潮流、地域の経済、日本経済のレポートが出されておりますが、まとまり次第公表を予定するという報告があり、それを了承させていただいたということであります。科学技術関係では、優先度判定等に係るパブリックコメントを、今、実施しております。その報告がございました。また、この国会に提出予定の国会同意人事の人選についての報告があり、基本的に了としたというところでございます。以上が菅部局の話でございます。
 私から少しつけ加えたいと思うのですが、今週からまた税制調査会のほうがかなり本格的な議論に入ってまいります。既に皆様御承知のように、税制調査会、総会については、インターネット中継を事業仕分けと同じようにいたしております。どうですか、皆さん、税調のインターネット、見ている人はいます?─これは税調のほうの、特に租税特別措置の見直しなどの議論がまた始まってまいりますけれども、いわば歳入面での事業仕分けと言ってもよいようなものであります。予算の編成過程というのは歳出の面でありますけれども、いわゆる歳入面について、どういう形で、本当にそれが必要なのかどうかという議論、まさに歳入面でのいわば事業仕分けに当たるような所得の見直し、こういうものについても、インターネット中継を初めとして、国民の皆さんにも公開の場で議論して決めていこうという取り組みをいたしております。ぜひ皆様には、歳出のほうの事業仕分けだけではなくて、歳入面のほうの事業仕分けとも言える税調の議論のほうにも注目していただければなと思っております。
 もう一点は、本日、私、韓国の大統領直属の組織であります未来企画委員会の委員長でありますカク・スンジュン(郭承俊)さんと面会いたしました。先方から、「この国家戦略室というのは、韓国で言う未来企画委員会に当たるのではないか」と、いわばカウンターパートとしてお目にかかりたいということで、45 分ほどお話をさせていただきました。途中、朝鮮日報の取材等も入りまして、対談するような形の意見交換をさせていただきました。日韓ともに、少子化の問題や高齢化の問題、ある意味で同じような問題に直面しております。こうした問題について韓国側も、日本が今後どういう形で取り組んでいくのかについて関心を持っておられました。私のほうからは、この新政権での国家戦略室の位置づけ、これまでの官僚主導から政治主導へと政治のあり方を変えていく、その原動力である、行政刷新会議とともに総理のリーダーシップを補佐するものだというお話を申し上げました。また、今、行政刷新会議で行われております事業仕分けなどの例も少しお示しさせていただいて、これまでとは違う政治が行われていることだというお話をさせていただきました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほどの事業仕分けなどに比べて、どうも生々しいお話になってしまうのですけれども、今朝ほどのQE公表後の会見で菅副総理が、来年度当初予算と、それから今年度の2次補正について、基本的な方向性というのを今日、明日にもまとめるというふうにおっしゃったのですが、現状、作業の進捗具合はいかがでしょうか。
(答)その点につきましては、政府の中で議論もしていきつつ、また、3党連立でございますので、そこでの、今日ちょうど基本問題の閣僚委員会をやっておったと思いますが、そういうところの調整も踏まえて、最終的に方針といいますか、方向性を定めていくことになろうと思っております。
(問)明日、閣議があるわけですけれども、その件に関しては、閣議の中で何らかの合意といいますか、確認といいますか、そういったところまでお考えなのでしょうか。
(答)これは、ちょっと今日の基本政策のほうがどうなっているか、私も出ておりませんので、それを踏まえて明日以降の対応を決めるというふうに聞いておりますので、その結果どうなっているか、ちょっと承知しておりませんので、今、私がここでコメントすることはできません。
(問)そうしますと、ひょっとしたらお耳にはまだ入っていないのかもしれませんけれども、いや、そんなことはないと思いますが、その基本政策閣僚委員会で、恐らく菅副総理から、2次補正について2.7兆円という規模が提案されたのだと思いますけれども、それに対して亀井大臣が、「これでは少な過ぎる」と首を縦に振らなかったというようなお話だそうですけれども、これについて国家戦略室として、今後どういうふうに対応されていかれるのでしょうか。
(答)未確認情報に対する、今、私も聞いたわけですから、それに対して、今、私がコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
(問)今日のQEの公表された内容を、公表前に直嶋経産大臣が漏らしてしまった件についてですけれども、まず、今日の菅部局の政務三役会議で、この直嶋大臣の発言について話題というか、議題になったのかどうかという確認。それと、これは直嶋大臣が、要は事前に内容を知っていたということになるかと思うのですが、当然、これは情報管理の問題があると思います。これは、なぜ直嶋大臣が知っていたのか、あるいは、その点の検証を内閣府として行う意思があるのかどうか、以上2点をお願いいたします。
(答)私も、朝は連合との協議などに入っておりましたので、ちょっと聞いていなかったものですから、後から、この件については政務三役会議の場で報告はございました。皆さんももう既に御承知かと思いますが、これは事務方が直嶋大臣に対して、公表方法等について事前によく説明していなかったことによるミスのようであります。ただ、公表前の統計データが漏れてしまったことは事実であって、これは極めて遺憾であるということは、官房長官を初め菅大臣も申し上げているところであります。政府部内において、今のお話のあった、情報が事前に知られているのは問題ではないかという御質問があったことについてのお答えでございますけれども、必要な関係者が統計データを公表前に目にすること自体は、情報管理がきちんと行われていれば、そのこと自体は問題ではないというふうに思っております。このGDP統計については、必要な人には事前に知る関係者を限定した上で、発表直前に、これは本当に直前に情報を共有しているところでありますが、今回のことがありまして、今後、とにかく菅大臣の下で、こうした情報共有者からの情報漏えいのないように、より厳しく情報管理を行っていくようにしたいという報告もありました。そういうところです。
(問)補正の額の規模感についてなのですけれども、2.7兆円よりさらに増やすということは、来年度予算の税収減とか、財政規律の観点からいって、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)そもそも補正をどうこうするということも、まだ決まったわけではありません。またその規模というのも、当然、これから決めていく話でありますので、そこはそれこそ今日出たQEの結果等も踏まえ、現下の経済状況を十分に勘案しつつ、同時に、今後の先行き等について、景気が二番底に陥らないように、そのために必要であれば、これは前から大臣も申し上げているように、必要な措置を講じていくというところになってくるというふうに思っております。その中で規模等については、当然、限られた非常に厳しい財政状況の中で、そんな大きなものはできないことになろうかと思います。ですので、よく副総理も申し上げておりますように、「お金を使うのではなくて知恵を使う」、そういうところで考えていくところが大事だと思います。特に今、雇用や環境など、やはり重点的なところに本当に意味のある対応といいますか、対策をするとすれば、ばらまきではなくて、重点的に必要なところに集中的な資源の配分をしていくというのが基本的な考え方であろうと思っております。
(問)確認なのですけれども、先ほどのご説明の中で同意人事のことがありましたが、どういった同意人事なのか。中身はどこまで言えるかわかりませんが、教えてください。
(答)人事の話は、とにかくこれは、決まるまでは外に漏らさないということでございますので、もうすぐ任期が来る委員についての人事の確認をしたということで御勘弁いただければと思います。
(問)先ほどの直嶋大臣の件で、必要ある人には事前に伝えているというお話があったのですが、これは具体的にどういった方に事前にQEの情報が伝わっているのか、公表できれば教えてほしいのですけれども。
(答)まさに、ここも含めて、それは情報管理の一つだと思いますから、御勘弁いただきたいと思っております。
(問)一応、今回、経産大臣が言っているわけなので、経産大臣はその中に入っているわけですよね。
(答)今までは入っていたということですね。
(問)今後は、狭める可能性もあるということですか。
(答)それは、今回を踏まえて、情報管理のあり方、どこまでの範囲を伝えるか等も、検討してまいることになるのではないかというふうに思います。
(問)一部の報道で、今後、政府がデフレに対する認識について、デフレにあるという状況について、何らかの宣言をされるというようなことも言われておりますが、政府として、今後発表される月例経済報告等で、デフレについて何らかの言及をする必要があるとお考えなのかどうか、現在の認識を伺いたいのですが。
(答)今回発表されましたQEにおきましても、実質成長率は確かにプラスでありましたが、名目成長率は相変わらずマイナスです。実質成長率を2四半期連続で下回る結果となったわけであります。ですから、こうした状況については、やはりデフレ的な状況に陥っているのではないかという認識を持っているわけであります。けれども、政府としての判断については、これはそのほかの指標なども含めて精査をした上、 11月20日の月例経済報告でお示ししたいと思っております。

(以上)