福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月14日

(平成22年5月14日(金) 9:23~10:00  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日、幕張の第二保育所に参ります。そして、千葉市長と意見交換を行います。これは、首都圏における待機児童解消のために、横浜市、千葉市、さいたま市といった大きな政令市ときちっと連携を組んでやっていけないかということの一環です。
 横浜市では、市長と一緒に保育園を視察し、横浜市は特区申請をいたしました。これは、横浜市の林文子市長、それから山田副市長が経産省で育児休業を1年とった方ということもあり、横浜市ともコラボレーションしながらやっていこうと。沖縄との待機児童解消のプロジェクトは進行中で、近い将来、結果を発表できると思うのですが、沖縄とのコラボレーション、それから首都圏における大都市とのコラボレーションをしっかりやっていこうということで、横浜市とはやり始めているのですが、今日、千葉市に行き、意見交換から始めようと思っております。1都3県、それから沖縄を含めた待機児童解消ができれば、7割ぐらい解消できるのではないかとも言われており、待機児童はもちろん大都市だけではありませんけれども、大都市に集中しておりますので、そのことを精力的にやって、具体的に待機児童解消や保育の質と量を確保していくことをしっかりやっていきたいと思っています。やはり、現場に行かないと見えないこともありますので、それはやってまいります。
 それから、5月16日日曜日、宮崎に参ります。東国原知事と1時から1時45分の間、意見交換を行います。これは、地方消費者行政の本部を、知事を本部長にしてつくってくれと消費者担当大臣になってすぐ申し上げたところ、知事を本部長にする地方消費者行政本部もすぐつくってくださいました。このことについても意見交換いたします。また、社民党党首として川南町やさまざまなところに行き、お話を聞く予定です。この口蹄疫の件については、7日に東国原知事と話をして、要望も受けているところです。また、社民党の全国連合も、地元の社民党と一緒にヒアリング等を行っており、その結果も聞いた上で、要望等をきちっと受けとめて、またフィードバックしてやっていきたいと思っております。
 次に、自殺について申し上げます。昨日の夕刊で報道されたとおり、平成21年中の自殺者が3万2,845人という公表がなされました。前年に比べ1.8%増加したということです。私自身、自殺担当大臣なので、本当に死に追いやられる人が3万2,845人もいらっしゃるということについて、何とか死に追いやられる人をなくしたいという立場で、今後も頑張っていきたいと思っております。昨年9月以降、鳩山内閣になってからなのですが、8カ月連続して月間の自殺者数は前年を下回っております。自殺対策基本法制定以来の取組に加えて、地域自殺対策緊急強化基金の活用やさまざまなことが、効果があったのではないかと思っております。今年に入ってからも、2月に「いのちを守る自殺対策緊急プラン」を策定し、3月に自殺対策強化月間を実施するなど、自殺対策を内閣挙げてやるということをやってきました。ですから、1つは年間3万2,845人の方が亡くなっていらっしゃる。やはり3万人を大きく超えているということを本当に重く受けとめて、死に追いやられる人をなくすために、今後もさらに強化して頑張るということと、実は昨年9月以降、鳩山内閣になって8カ月連続して月間の自殺者数は前年を下回っていると。これは、理由がはっきりしている訳ではありませんが、内閣が替わって、自殺対策について内閣を挙げてやっていこうと。とりわけ、3月を自殺対策強化月間にして、「いのちを守る自殺対策緊急プラン」を2月につくったことなども、効果があったのではないかと思っております。
 これを、どうやってこれから促進していくかということなのですが、1つ、「いのちを守る自殺対策緊急プラン」の検討と検証、それから失業などが大きな影響を与えているという20代、30代などの方の問題もありますので、雇用も含めた取組を、内閣を挙げてやってまいります。これが1点目です。
 それから2点目は、命を守るためのゲートキーパーということを、大きくキャンペーンをしていきたいと思っております。私も、自殺対策担当になって、共生政策をやっていますと、この間、薬物被害のダルクの活動や、薬物被害で苦しむ家族の皆さんたちの話や、さまざま聞きました。それもある意味、自殺対策と関連していることを痛感しました。また、ドメスティック・バイオレンスに対する取組や性暴力に対する取組、シェルターの活動なども、これまたある意味、自殺対策だと思っております。多重債務の取組もまた言えば、自殺対策の取組とも言えるわけです。そうすると、私がやっている施策は、何か自殺対策に多くつながることと、その立場で日本の中で頑張っていらっしゃる人がいかに多いかということも思いました。ダルクのような薬物被害、DVやセクシュアル・ハラスメントや暴力、性暴力の被害者への支援の取組、それから、いのちの電話といったNGOの活動などです。私は、今週土曜日、福井に行きましてシンポジウムもやるのですが、もう一つ、茂さんという、東尋坊で活動していて、「自殺したらあかん!」という「東尋坊の"ちょっと待ておじさん"」と言われている茂さんと、自殺についてなどパネルディスカッションをする予定です。実にたくさんの人々が、自殺をなくしたいと努力していて、最近、厚生労働省の労働局の皆さんと話をしていると、やはりそういう自殺対策、自殺予防という視点も自分たちは持ちたいと、ケースワーカーやソーシャルワーカーの皆さんたちも多くおっしゃいます。
 ですから、自殺をどうやってなくしていくかというときに、今ある日本の中のそういうさまざまな社会資源の皆さんたちとネットワークを強固に持って、自殺対策という視点からもぜひやっていただきたいという働きかけをより強くしていこうということを決めました。それと、2点目は、何かの職業やNGO活動をしていなくても、声をかけたり支え合うことで、やはり自殺をとめることができる。すべての人は命を大事にするゲートキーパーになれる、こういうキャンペーンも併せてやっていきたいと思っております。ちょっと言い忘れましたが、悩んでいる人たちと文通をずっとやるという活動をしているお坊さんたちにも、大臣室に来ていただいて話をしたのですね。ですから、そういうさまざまな活動をしている人々と連携し、自殺対策という視点をしっかり持っていただいて、自殺対策とも有機的に連携していきたいと思っています。それと、すべての人はゲートキーパーになり得るというキャンペーンもしっかりやって、自殺に追い込まれる人を減らしたいと考えています。
 それから次に、消費者庁としての取組として、厚生労働省から消費者庁に対して、食品添加物等の規格基準の一部改正について、法に則って協議したいという申し入れが4月にありました。これを受けて、消費者庁としては検討してまいります。安全なものを食べたい、あるいは食の安全ということがとても大事という観点から、消費者の立場に立って、この協議に臨んでまいります。その立場から、農薬、ネオニコチノイド系農薬も含めた農薬について、それから残留農薬基準の決め方について、それから今回、厚生労働省から協議を申し入れられている基準値を変えるという点について、この3点について、消費者庁として政務三役の下に担当者を入れてきちっと検討し、その上で厚生労働省との協議をしたいと思っております。せっかくのよい機会なので、厚労省から協議したいとありますので、これだけにとどまらず、というか、この協議をするためには、やはり農薬のあり方、それから残留農薬基準の決め方、今の基準について、それから今回の厚生労働省の提案について、しっかり消費者庁としても見解を大急ぎでまとめて、しっかり厚生労働省とも協議していきたいと考えています。これは、政務三役の下に消費者庁の担当者を入れて、外部の皆さん、これの専門家や、意見のある人や、どういうものかについて、外部の皆さんのヒアリングもやりながら、やっていきたいと考えています。もう既に、食品安全委員会と厚生労働省と農林水産省の担当者とのヒアリングは行っております。今後、それに加え、市民や専門家の皆さんも入れ、また再度、厚生労働省や農林水産省からのヒアリングもあり得ると思いますが、農薬のあり方、使われ方、残留農薬基準のルールの決め方、それから今回の基準の改定についてしっかり見解を出し、消費者を守るという観点から、消費者庁としてはっきり意見を言って協議に臨みたいと考えています。
 また、現在、ネオニコチノイド系農薬についても、いろいろ議論のあるところであり、農薬についてもしっかり議論して、この協議をよいものにしていきたいと思っております。
 今日、閣議で、「高齢社会白書」が閣議決定いたしました。我が国は、世界に例のない早いスピードで高齢化が進み、国民の5人に1人が65歳以上という、他のどの国も経験したことのない本格的な高齢社会を迎えております。今回の白書では、高齢者の社会的孤立と地域社会について、特集しております。詳細は、共生社会政策担当の高齢社会対策担当までお問い合せをお願いいたします。
 閣議で、この点について発言いたしました。65歳以上を高齢者というのも、最近の65歳はとてもお元気で健康ですので、個人的にはこの「高齢者」という定義も、今のような100年の長寿の社会の中では、将来的には見直したらよいのかもしれないと少し思いました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)宮崎に行かれる話で、川南町には消費者庁とか食品安全ではなくて、「社民党の党首として」とおっしゃったかと思うのですが。
(答)立場としては、両方ですね。
(問)両方ですね。別に、深い意味があるわけではないですね。
(答)はい。
(問)農薬の関係なのですけれども、協議であるとかヒアリングであるとか、我々が傍聴できるような公開の場というのはあるのでしょうか。
(答)それは、ちょっと工夫してみます。というのは、ちょっとこれが厚生労働省から消費者庁に対して協議したいという申し入れでありまして、今までは食品安全委員会、農林水産省、厚生労働省のヒアリングは、私自身が大臣室で政務としてやってきたという部分があり、ちょっとこの仕組みについては、できるだけ議論はオープンにしたほうがよいでしょうし、ヒアリングの場合など、皆さんが見えるように検討したいと思います。
(問)今の農薬の件についてお聞きしたいのですけれども、厚労省から依頼があったということなのですけれども。
(答)依頼というか、「法に基づいて協議します」と。つまり、これを決めるには、「食品衛生法第11条第1項の規定に基づき、食品、添加物等の規格基準の一部を別添のとおり改正したいので、同法第65条の2第1項の規定に基づき協議をします」となっているわけです。ですから、協議する前提として、消費者庁は消費者庁の立場で、ある程度見解をまとめて、厚労省と協議しようと考えているということなのです。
(問)これは、では、そもそもそういう法的な仕組みになっていて、それがそのまま実行されているだけということなのですか。それとも、何か新しく……?
(答)それは、法律に基づいて厚生労働省から消費者庁に協議しますということがあるので、これは法律に則っているわけです。これは本当によい機会だと。今まで農林水産省と厚生労働省と食品安全委員会がやってきたことに、消費者庁が消費者の食の安全という観点からきちっと噛めるということなので、この際、ネオニコチノイド系農薬や農薬のあり方、それともう一つは残留農薬基準の決め方が今のままでよいのか。それから、それを踏まえてこの協議に入ろうと。
 つまり、この協議をするに当たっては、そもそも残留農薬基準の決め方はどうなのかという議論をしない限り、やはり協議ができないです。実は正直言うとこうなのです。農薬や残留農薬基準のあり方について、いろいろ考えたほうがよいのではないか、あるいは、どうなのだろうという個人的に検討してきたのと、ちょうど厚生労働省が消費者庁に協議すると言ってきたのが同時並行だったので、むしろ、これはよい機会なので、消費者庁としては消費者の食の安全という観点から、きちっと意見を言っていこうと。新聞の社説でも、「うるさがられる消費者庁であれ」ではないけれども、でしゃばっていけと声援を受けているので、消費者庁は、農薬や残留農薬基準については、消費者の立場からやはり言うべきなわけですから、そのためには、これは非常に大変な問題ではあるので、専門家や市民の皆さんや、それからもちろん各役所の意見もしっかり聞いてやっていこうと思っています。ですから、先ほどの「見える化」をしてほしいということについては検討いたします。
(問)今の話なのですけれども、もう一回整理したいのですが、食品衛生法が改定されるという認識なのでしょうか。まず、それを1点お伺いしたい。
(答)いや、食品衛生法ではないのです。

(事務方)厚労省が決める告示の改正です。

(答)基準値なのです。
(問)基準値とは。
(答)例えば、残留農薬基準が、「何の作物については幾ら」とかというのをどうするかという話なのです。ちょっと言いますと、基準少し下げるという話が出ていて、それが、今までの基準はどうなのか、それは厚労省が言っていることがどうなのかということも含めて、きちっと検討したいということなのです。だから、法律改正ではありません。法律に則って厚生労働省から消費者庁に来て、厚生労働省がつくる告示に関しての残留農薬の基準などをどうするかという議論なのです。
(問)残留農薬基準など。食品添加物の基準と残留農薬の基準ということですか。
(答)そうですね。飼料添加物などが入っているので、でも、主には農薬についての規格基準の設定です、ほとんど。
(問)表示についてということではなくてですよね。
(答)そうです。表示ではないです。
(問)パロマ工業の湯沸器によるCO中毒事故、判決が今週出まして、執行猶予つきの有罪判決が出たわけなのですけれども、結局、一連の事故は28件あったのですが、業務過失致死を問えたのは1件だけと。あとは全部、時効になってしまったわけなのですけれども、特に発覚のきっかけをつくった山陰地方の遺族の場合ですと、96年に事故が起きて、遺族の方が本当の死因を知ったのは10年後だった。もうそのときには時効が成立していて、すごくお気の毒なわけなのですけれども、こういった警察の捜査に何らかの問題、事件性がないと判断してしまった場合、あるいは行政の側が、例えば製品事故でも必要な対策、法規制をとっていなくて事故が頻発してしまったと。行政の側にその落ち度がある場合、その原因究明に若干後ろ向きになるのではないかという懸念があって、事故調査委員会、事故調なるものが必要ではないかという議論が、今、起きていますけれども、ただ、最近の報道で、医療分野でも事故調の話があって、それは頓挫しているという一部報道がなされております。それと、国交省のほうでは、既存の事故調がエレベーターですとか大型遊具ですとか、そちらのほうも対象にしようという動きがあります。各省ばらばらにやっているのですけれども、消費者庁は消費者目線の役所として、どのような事故調を行政として持つべきだとお考えでしょうか。
(答)消費者庁の立場というか、私の立場は、消費者基本計画の中にも盛り込んでいるとおり、そこでも言及しておりますが、内閣府の下に独立した機関としての事故調を設けるというのがよいと思っております。何が重要かというと、国土交通省やさまざまな役所のいろいろなしがらみと切れたところで、事故調が行われるべきだと考えているということです。だとすると、それはやはり内閣府ではないかと思っております。それを、今後どう模索していくかについて、まだ検討会を開く状況ではないのですが、これは消費者庁ができる前から指摘されているところなので、検討していきたいと思っています。
 日航機事故の8.12連絡会や、さまざまな方たちからのヒアリングや、そういうことをいろいろ議論している場所に審議官も参加していますし、記録を私も見せていただいたのですが、どうもやはりJR事故やいろいろな事故の遺族の皆さんは、捜査だけだとどうしても本当の原因の究明ができず、刑事事件というのは個人のこの人に刑事処罰ができるかどうかという観点からやるわけですから、もっと総合的な行政の問題や、何が一体欠けていたのかという、ものすごく大局的な総合的な観点からの刑事処罰という観点からではないアプローチが絶対に必要だと思っています。刑事処罰と刑事裁判だけで、事実が明らかになるわけではないと。一部は明らかになる可能性はあるかもしれませんので、だからなおさら、事故調の必要性は考え、内閣府が一番よいと思いますが、独立した機関というものが持たれるべきだと思っています。消費者庁の下に置くか、内閣府の下に置くか。ポイントは、要するに従来のさまざまな行政とは無関係に、独立してやる場所が必要であるということです。それには、エレベーターもエスカレーターも遊具も、いろいろなものはあると思います。
 ただ、これはものすごい専門家が集まってやらなければならないので、そういう人たちを常駐させるには、お金も場所もないわけです。ですから、多分、私のイメージだと、何か事故が起きて「この点についてはしっかりやろう」となったときに、そのときにやはりチームをつくってやっていくというような形になるのではないでしょうか。ただ、これは私が今、イメージとして持っているので、検討を始めたいと思っています。
(問)消費者基本計画の中にも、網羅的な事故調のあり方を検討すると、今年度検討して、来年度早々に、早い時期に結論を得る、でしたか、たしかそういうふうに決まっていると思うのですが、もう今年度、5月半ばに入っておりますけれども、まだ我々の目には事故調を検討する舞台の準備が進んでいないように見受けられるのですが、これはいつごろ、何月ごろから、実際に検討作業を始めるご予定でしょうか。
(答)消費者基本計画の中にそのように書いておりますので、今は決定しておりませんが、これはやらなければならないと思いますし、事故調の必要性のあり方やさまざまな被害者の皆さんたちの声というのは、いろいろな形で入手したり聞いたりしておりますので、早速始めたいと思っております。
(問)民主党の小沢幹事長の政倫審出席を決めたことについてお伺いしたいのですが、これは社民党がずっと求めてきましたけれども、これについての評価をお願いします。
(答)社民党は、国民の皆さんへの説明責任ということで、きちっと説明をするべきだと言ってきました。できれば、場所は政倫審もあり得るのではないかということで、このことを社民党として言ってきました。ですから、検察審査会や、もう一回、刑事の捜査としての再聴取に応じるという報道がされておりますが、それはそれとして、いわゆる刑事事件という観点からとは別の観点から、政治家として政倫審できちっと説明されるべきだと思っています。
 ですから、今回、政倫審に応じられたということで、そこでやはりきちっと説明されるよう望みます。
(問)普天間の関係なのですけれども、今、ワシントンで日米の実務者協議が行われていまして、いわゆる政府案なるものが、普天間の移設先として辺野古周辺というふうな形で協議していると言われています。沖縄での合意も得られていないまま、理解も得られていない段階で、そういった話で協議が進められているということについての大臣の受けとめをお願いいたします。
(答)総理は、地元、連立与党、アメリカの合意が必要だと、ずっと一貫しておっしゃってきました。もし日米合意が先で、地元や連立与党にその結果を押しつけるのであれば、それは自公政権のやり方と同じだと思います。それは、政権交代の意味がありません。沖縄は、「沖縄県内はだめだ」、あるいは「辺野古の沿岸部に海上基地をつくることはだめだ」ということを強く言っており、私は、これは何十回、何百回、何千回やっても、この結論は変わらないと思っております。
 だとすると、日米で、例えば辺野古の、中身はキャンプ・シュワブ周辺という形かもしれませんが、可能性としては辺野古の沿岸部に海上基地をつくるという可能性が強いわけで、そうだとすると、日米合意を先にとって、その後、地元や連立与党にその結果を押しつけるのであれば、それは自公政権と変わらないと思っております。
 総理は、「できれば国外、最低でも県外」とおっしゃってきました。「辺野古の沿岸部を埋め立てるのは、自然への冒涜だ」とおっしゃってきました。それは、そのとおりです。そのとおりだと思い、ついてまいりました。そのことを実現されるよう、強く望みます。
(問)憲法のことについてお伺いします。18日、国民投票法が施行されて、憲法審査会も動いていない。18歳成人の問題もあると。この憲法の問題は、現状、どのように大臣から見て映っているか、今後どういうふうにしていくべきか、お願いします。
(答)国民の生活が破壊されて、雇用もかなり壊れ、自殺する人が3万2,000人以上を超える今の日本の社会は、憲法の理念、とりわけ生存権、第25条などをしっかり活かしていくことこそ、政治は全力を挙げるべきときだと思っております。二度と戦争をしないと決めた憲法第9条は、私は、日本の戦後の大きな財産だと思っております。抑止力というのであれば、戦争をしないと決めた憲法第9条こそ抑止力ではないか。とりわけ、今後、東アジアでどうやっていくかということについてもそうだと思っております。
 ですから、憲法を変える必要はない。むしろ、この連立政権が、3党合意で1章、憲法という章を設け、憲法理念の実現をするという方向で、この内閣は頑張るべきだと思っております。それが、この内閣だと思います。
(問)憲法審査会とか国会のほうの動きについては、どのように?
(答)憲法を変える必要はないと思っておりますし、今、日本で最も大事なのは、生存権を保障する政治をしっかりやることだと。自殺者が3万2,000人。ちょっと繰り返しになりますが、雇用が壊れ、社会保障が壊れかけている中では、生存権の実現、憲法理念の実現こそ全力を挙げるべきであって、憲法改正を論ずる時期ではないと思います。
(問)さっきのパロマの事故の関係があって、それが一つのきっかけになったと思うのですけれども、消費生活用製品安全法が改正・施行されて3年になると思うのですが、ちょうど1つ、刑事事件の判決が出たという節目でもあるので、その法律の評価というのをどのように思うか。企業が行うリコールの件数なども、前と後でかなり数が違ってきているというような効果もあったのですけれども、そのことについて大臣としてどう思われるか。
(答)私は、それはやはり法律を改正した効果はあったと思います。
 ただ、私は、大事なことは法律というよりも、例えば事故情報の一元化と、それの分析、解析と、それをしっかりどう発信していくかという実際上の機能のほうの評価を、消費者庁としては、パロマのような事故をなくすためには、そのことに全力を挙げたいと思っております。そのための専門的な分析・解析のスキルアップも必要ですし、つまり、法律よりも実質的に消費者庁が担う役割をより強化するということを、これからパロマの事件の教訓としてはやっていきたいということです。まだ事故情報の一元化と、分析・解析と、その広報については、例えばもっと事故情報について、もっと件数も含めて見直したほうがよいかもしれませんし、体制のスタッフの充実も含めて、情報を集めてちゃんと広報していくというのが消費者庁の役割で、事故を防止するというのが役割ですので、法律の意味はもちろんあるわけですが、むしろ実質的に事故防止をするための機能強化を、消費者庁としてさらにやっていきたいと思っております。
(問)間違っていたら恐縮なのですけれども、本日の閣議の後、普天間関係の5閣僚が会議を開いたという話があるのですけれども、大臣はそちらのほうに途中まで同席されたりはなさっているのでしょうか。
(答)それはしていません。
(問)社民党にとっては、普天間は非常に大事な問題の一つだと思うのですけれども、今後、何らかの形で同席を求めたり、日米実務者協議で協議されている政府案策定にかかわっていくようなお考えはありますでしょうか。
(答)関係閣僚に、実は個人的には入りたいのですが、消費者、子育て支援担当だと、ちょっとやはり入りにくいという面もあり、関係閣僚の中に入るのは、望んではおりますが、ちょっと仕組み上は難しいとは思っているのです。
 ただ、沖縄の民意に反するような結論が強行されないように、ちゃんと真の普天間問題の解決をすることの役割を社民党は持っていると思っておりますので、いろいろな形で、今、話をしたり、昨日も国民新党の自見幹事長と社民党の幹事長が行っておりますが、あらゆるチャンネルを通じて申し入れしたり、そうしたいと思っております。関係閣僚については、なかなか難しいかなと思いますが、また私のほうでも考えてみたいと思っております。
(問)民主党がマニフェスト案として、消費税を次の衆院選後に導入するというようなことを決めたということなのですけれども、それについて社民党としてどのようにお考えでしょうか。
(答)社民党は、消費税の値上げには反対という立場です。今、財政逼迫していることは理解しておりますが、所得税の最高税率や他の税制でやるべきで、今のようにワーキングプアが増えていたり、年収200万円以下の働く世帯が4分の1から5分の1になっている状況で消費税を上げれば、本当に生活が困窮する、あるいは可処分所得が本当になくなって困るということを認識しておりますので、社民党は消費税の値上げには反対です。それは変わりません。

(以上)