福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月2日

(平成22年4月2日(金) 9:18~9:48  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず始めに、今朝、「子ども・若者育成支援推進大綱」の作成方針が決まりましたので、これについて御報告をいたします。お手元に資料があると思います。今朝、子ども・若者育成支援推進本部で決定をいたしました。これは、少子化社会対策大綱が「子ども・子育てビジョン」になったように、青少年育成施策大綱がこれはまだ仮称ですが「子ども・若者ビジョン(仮称)」というふうに変えて視点も変えてつくるというものです。上から目線の説教たれたれ少子化対策とか、若者の育成というのではなくて、子どもや若者をきちっと真ん中に置いて、どのように応援もしていくかというものです。
 とりわけ、この「子ども・若者ビジョン(仮称)」は、法律の8条2項に規定された事項を中心になんですが、やはり日本国憲法、それからとりわけ子どもの権利に関する条約を踏まえて、それはやはりきちっと実現をしていくビジョンになるようにと思っています。これは今、すべての子どもたちをやっぱり応援するという視点も本当に大事で、それは子ども手当などもその考え方に立っていると思います。
 もう一つ、やはり困難を抱える子どもたちをどう社会で応援をしていくのか、また子どもの貧困という問題、生活困難な家庭の子ども、あるいは家族のいない子ども、障害のある子ども、外国人の子ども、マイノリティーの子ども、いろんな問題を抱えている、抱えざるを得ない子どもたちをどう社会の中で応援していくのかということを考えるビジョンになるようにと思っています。
 ですから、今までだと前政権のときはついつい、子どもに問題があって非行に走ったり、何かいろいろ問題があると、その子どもをどうやって健全育成するかみたいなことがどうしてもあったと思うんですね。もちろん、子どもが問題を抱えている場合もあると。しかし、子どもや若者の環境整備ということをきちっとやって、基本的な方針、この骨子案のところにありますけれども、子ども・若者一人一人の状況に応じた総合的な支援を社会全体で重層的に実施をすると。すべての子ども・若者に確かな社会生活のスタートを、ニートや、それからひきこもりの子どもに関してもどう支援していくのかというビジョンになるようにと思っています。
 これは夏ぐらいをめどに、きちっとビジョンを6月までにはつくりたいと思っていまして、今の子どもたちの現状に合ったビジョンをつくりたいと思っています。
 この本部では、文部科学大臣から虐待で亡くなってしまった子どもがいて、やはり横の連携などをきっちりとることでやっていきたいという発言や、厚生労働大臣から人生前半期の社会保障ということを、やはり頑張ってやっていきたいという発言がありました。また、中井国家公安委員長からも、警察の対応など、これからも工夫していきたいし、親権の制限も含めて、この内閣でやはりちゃんと動けるようにみんなで議論していきたいというのがありました。
 また、とりわけ横断的に、各省庁間でやっぱり子ども・若者のために、何ができるか連携を強化していきましょうということになりました。20代・30代、20代若者の死因のトップが自殺であるということで、これをやはり変えるべく頑張ろうということで、今朝、子ども・若者育成支援推進本部で決定をいたしました。今、実は精力的にやっているわけですが、それをしっかり生かしていきます。
 今日、私自身、兵庫県に行きまして、子どもオンブズマンをやっている川西市の視察を行う予定ですが、そういうことなどもしっかり活かしていきたいと思っています。
 それから次に、「話そう、働こう、育てよう。いっしょに。」ということで、男女共同参画週間を実施します。今日は、男女共同参画週間のキャッチフレーズが決まりましたという発表です。非常にわかりやすいというか、男性も女性も幅広い層の人たちに、シンプルに男女共同参画を理解してもらえるのではないかと思います。2,915点の応募がありました。
 最優秀賞が「話そう、働こう、育てよう。いっしょに。」で、「すべての人に すべてのチャンスを」、「「理解」からさあ「実践」へ」という2つが優秀作品です。最優秀作品は「話そう、働こう、育てよう。いっしょに。」、ポスターにもこれを入れて、非常にわかりやすい、いいポスターをつくろうと思います。
 このキャッチフレーズなんですが、男女共同参画を広める会というのを4人でやっておりまして、香山リカさん、アートディレクターの佐藤可士和さん、樋口惠子さん、前田新造さんの4人の方と、政務三役により選考を行いました。こういう方たちに入ってもらって、いろいろどのようにしたらよりわかってもらえるかなどの話ができたこともよかったと思っています。
 最優秀作品は、男女共同参画週間のポスターなどへの表記、広報に活用をします。また、6月22日にメルパルクホール東京で、「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」を行います。その日に表彰を行います。この「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」も、いい、おもしろい、役に立つ企画でやっていきたいと思っておりますので、詳細が決まりましたら、また皆さんに御報告をいたします。
 それから、今日は4月2日で新しく新年度になったわけです。消費者担当大臣として、新年度の抱負を一言申し上げます。
 3月の末に消費者基本計画ができました。これの中に「消費者庁が消費者行政の司令塔であり、エンジン役になる」という決意と熱意を込めています。消費者政策が新たなステージに移るということです。5カ年計画である消費者基本計画のまさに1年目が早速始まりました。それぞれ作業体制をしっかり整えて、消費者庁が消費者行政の司令塔、エンジン役として十全に機能を発揮できるよう頑張っていきます。「消費者庁はもっと出しゃばれ」とか言われておりますので、もう大いに出しゃばって、ほかのさまざまな役所から、うっとうしいと思われるような役所を目指して司令塔、まさにエンジン役として頑張っていきます。
 それから、昨日から国民向けの事故情報データバンクの運用が開始をされました。9時30分から開始をして、今までスムーズに運用ができたと思っております。4月1日の9時半から6時までの事故情報データバンクのトップページにアクセスをしていただいた数は、5,987件でした。今後も皆さんたちの、利用者、国民の皆さんの御意見や御要望を踏まえて改善を図りながら、事故情報データバンクが広く利用されて、消費者事故の再発・防止に資するよう着実にやっていきます。
 これは皆さんも見ていただけたでしょうか、ぜひ見てください。私も見ましたけれども、やはり何が違ったかといいますと、一元的に事故情報のデータバンクにすると。今までだとNITEに行く、厚生労働省に行く、いろんな役所を見ると、いろんな情報はあるわけですが、それがこの消費者庁の事故情報データバンクで一元化して見ることができるということがあります。
 それから、2つ目は、例えば企業名が入っていたり事故情報の分析のところで、こういう問題があるとかということもあると。見ていただければ、例えばベビーカーとか折りたたみ自転車とかやると、ではどういう年代がいるか、例えばどういう被害が生じているかということも、どんどん検索することもできますし、とりわけ分析・解析というところを見ていただくと、こういう事故が起きていて、こういうことが原因だということがわかるようになっています。
 ですから、これからもちろんどんどん、もっともっとよくしていきますけれども、消費者庁で4月1日から事故情報データバンクで一元的に見ることができる、いろんな役所に行ったりじゃなくて、国民の皆さんがここにアクセスしていただければ、こういうことについては今こういう問題が起きていて、こういう被害が起きているということがわかって、分析・解析あるいはどういう被害かということがわかるということになっています。ですから、今後、事故情報データバンクをますますよくしていきたいと思いますし、皆さんたちもぜひ見ていただいて、また御意見等もぜひお寄せください。
 今日、兵庫県に行きまして、今日と明日、川西市の子どもの人権オンブズパーソン事務局などの視察を行います。若者支援の取組状況を視察して、子ども・若者ビジョンの作成の参考といたします。今年5月末に、子どもの権利に関する委員会で審議もありますし、子どもの人権オンブズパーソンのところの事務局をしっかり見てきます。

2.質疑応答

(問)「子ども・若者ビジョン(仮称)」の関係で伺いたいんですけれども、今回のこのビジョンの大きな特色というのが、社会的な困難を抱えている子どもたちの支援をどう打ち出していくかというところになってくると思うんですけれども、今まで大臣は、実際に高校生、大学生の方とも意見交換とかなさって、いろんな声を聞いていらっしゃると思うんですけれども、そうした中で特にこういうところが問題じゃないかと大臣御自身がお考えになっている点と、それに対して、例えばどういった対策というのが今のところ必要だというふうにお考えかというのをお聞かせください。
(答)困難を抱える子どもや若者に対しての、いろんな立場からのソーシャルワーク的なことも含めた支援が必要だということを、今までのいろんな議論の中で思っています。
 とりわけ、その作業チームの中に坪井節子さん、カリヨンという行き場のない子どもたちの子どもの家をやっている、子どものシェルターのようなものですよね、それをやっている弁護士さんに入ってもらっていることもこれあり、子どもの貧困や家族のいない子どもたちや、本当にいろんな子どもが問題を抱えていると。そういう問題を解決するには、やっぱりソーシャルワーカーも必要ですし弁護士、保健師、心理療法士も必要かもしれないし、厚生労働省の力も借りなくちゃいけないし、学校の先生、公務員、いろんな人たちの、保護司さんの場合もあるかもしれません。家庭裁判所の調査官も必要かもしれませんし、警察、いろんな場、いろんな人たちの力が必要で、そういう子どもを取り巻く横断的な支援体制をつくっていくことが必要だと思っています。
 その場所をどこにするかということもあるんですが、私は一つは学校というのも一つの拠点になり得ると思っています。というのは、子どもたちは何といってもやはり学校におりますので、今、スクールカウンセラーがいらして、スクールソーシャルワーカーもいるわけですが、ソーシャルワーカー的な機能も強化して、学校の先生だけが子どもの問題を解決しようと思っても、それは無理なので、やはり学校をいい意味で開いていく、学校の中でソーシャルワーカーが子どものためのソーシャルワーク的な観点から、子どもがつぶれたりしないように支えていけるのをやっていくことが大事だと思っています。
 ですから、その場所をつくることと、あるいは学校のような場所も一つの資源なので、そこをどう、いい意味で開いていくのか。ですから、学校の教育の中も、例えば労働法の基本的な知識を言ったり、こういう支援がもらえますよとか、子どもを応援する、エンパワーメントしていく、現状はこうだけれども、こういうことができるよみたいな、そういう教育も本当に必要だと。「シチズンシップ教育」とも言われていたり、あるいはキャリア教育、仕事をするときのいろんな知識とか、そういう学校の教育の中味も変える必要がありますし、学校を開いていく必要もあって、いろんな大人たちが学校やいろんな場所を拠点にしながら子どもたちを支える仕組みをつくることができればと思っております。
 一つは、保育所とかに行くと、地域の中に開いて、例えばそこに主婦の方が子どもを預ける、一時預かりしたり、障害のある子どもが週に何回か、あそこで面倒を見てもらうと、いろいろあるわけですよね。ですから、地域の拠点としては学校や幼稚園や保育所やそういうところが、ある意味、チルドレンセンター的な機能が発揮できるように、これは内閣府のここのセクションだからこそ横断的な仕組みを何かつくり出したいと思っています。学校の教材やいろんなことも、もっと子どもを応援する中身になるようにということも、ぜひ提案していきたいと思っています。
 また、障がい者推進会議をやっておりますが、障害のある子どもをどう応援するかとか、やっぱり困難を抱える子どもたち一人一人のいろんな問題をどう応援できるかということも、きめ細かに出していきたいと思っています。
(問)今回の骨子の中で「子どもの貧困対策」というのを施策に入れた理由について、今の経済状況とのかかわりなどもあれば、ちょっとお伺いしたいのと。
 あと、シェルターやグループホームについて、子どもの居場所づくりの支援として具体的に挙げられていますけれども、具体的にどのぐらいの予算をかけて、どう支援していくかというような見通しがあればお伺いしたいんですけれども。
(答)子どもの貧困は親の貧困でもあったりするわけですが、子どもの貧困問題はやはり大きくて、例えば給食費が払えないとか、払えるのに払わないんじゃなくて本当に払えないとか、教材費なども払えない、修学旅行に行けない。大学生などにも、高校のとき修学旅行に行けなかったという人や、奨学金をもらえたから大学に行けたとか、参考書を買ったことがない、買えなかったから立ち読みで勉強したとか、子どもの貧困の問題は、本当に親の貧困の問題もあって、本当に大きいです。
 そして、人生の始まりから、十数年の間に、しっかりそこでサポートすることができれば、本当にその後にも影響があるわけですから、貧困の連鎖を断ち切るという意味で、子どもの貧困をどうやってゼロにするかということを、このビジョンの中でも取り組んで、はっきり打ち出したいと、こう考えています。
 イギリスのブレア内閣がスタートしたときに、すべての子どもに確かなスタートを、「シュア・スタート」というのを掲げました。すべての子どもが確かなスタートをできるための施策というのを、やはり打ち出していきたいと思います。
 子ども手当は法律が通りましたし、高校の実質無償化も通りました。実は、これもすべての子どもを応援するという意味もありますし、経済的な事情から困るという子どもをできるだけなくしていきたいと思っています。生活保護の母子加算の復活や、児童扶養手当を父子家庭にも支給するということも、実は子どもの貧困への一つの対策だと思っています。
 今後の予算案やそのことなんですが、予算はまだ出していません。ただ、この「子ども・若者ビジョン(仮称)」も、「子ども・子育てビジョン」がそうであったように、今日は閣僚の皆さんたちから、「出せるところは数値目標も出したらいいんじゃないか」という意見もあったので、それも参考にしていきたいと思っています。予算は必要なんですが、学校を開いていったり教材を変えていったりというのには、莫大なお金が必要というよりは、地域の中の資源をうまく横断的につなげていくことが大事だと思っているので、予算を多額にかけるというよりも、その地域の中での大人たちのネットワークをきちっと組めるように、各省庁と話していきたいと考えています。
(問)他党のことで恐縮ですが、自民党で谷垣総裁が執行部人事を行わないという考えを示したことに対して、党内では非常に不満の声が広がっているんですけれども、こういった現状を党首としてどのようにごらんになっていますか。
(答)私は自民党が執行部を刷新するほうがいいのか、執行部を刷新しないほうがいいのか、ちょっとコメントする立場にはないので、申しわけありません。
(問)もう1点ありまして、若林元農水大臣が他人の議員のボタンを押したということで、議員の辞職願を出されました。このことについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)私は、これはびっくりしました。「ああ、こういうことって、あるのだ」と思って、実は大変びっくりしました。
 ちょっと比喩は悪いかもしれませんが、大学のときの「代返」みたいな感じで、やっぱりでも、国会議員は国民の皆さんから選ばれて、一人一人が自分が国民のすべての代表者として採決に加わるわけですから、代替できないものであることは当たり前じゃないですか。ですから、それでなぜ代替ができると思われたのか、なぜそういうことをされたのか、私は謎というか、全くわかりません。
 ただ、報道によると、御本人がそれを重く受け止めて議員辞職願を出しているということなので、それは御本人が、これはまずかったというか、反省をされているのだと思っています。
(問)普天間問題に関して、昨日、仲井眞知事と官房長官が会われて、知事のほうは「地元のほうにもちゃんと説明をしてほしい」と言っていますけれども、一方、連立与党に対しては、政府案というものがいまだ示されておらず、あと、大臣は以前から「ブラックボックス化させないことが重要だ」というふうにおっしゃっていましたけれども、今これから社民党として、どのように政府案の策定にかかわっていけるのか、今の策定の仕方はブラックボックス化していないか、どのように思われますでしょうか。
(答)昨日も、「子ども・若者ビジョン(仮称)」について話しに行ったんですが、総理とは一対一でゆっくり話す時間もありましたし、私とすれば思いは、こちらの考えていることやいろんなことは、共有できていると思っています。ですから、社民党の立場は変わりませんし、どうしてそう思うのか、そして、沖縄の中の例えばホワイトビーチ案にしろ、キャンプ・シュワブ案にしろ、辺野古の案にしろ、それは無理で、問題で、沖縄県民の負担軽減にならないのだということは強く言っております。
 ですから、総理や官房長官と、あるいはきちっと話を続けて、この内閣の中で一番ベストな、そして沖縄県民の負担にならない解決ができるよう、社民党はグアム・テニアンということも言っているわけですが、その方向になるように全力でやってまいります。
(問)関連で、昨日も総理は夜のぶら下がりの中で、普天間問題に関して福島さんに向けて、「いずれタイミングを見て腹案はお話しする。連立政権だから、必ず理解は得られると、そのように信頼している」と総理はおっしゃっているんですね。この言葉は、おそらく社民党の思うようにならなくても、連立政権として納得してもらえるんじゃないかというメッセージにも受け取れるんですが、どのようにお答えしますか。
(答)これは逆に、こちらが総理を信頼しておりますので、それはきちっと沖縄県民のことも、社民党のことをというよりも沖縄県民や社民党のことも、考えも十分理解していただけるようにしたいと思っております。
 社民党は、納得できないことには理解を示すことはできませんので、それははっきり申し上げたいと思います。
(問)事故情報データバンクですけれども、当初、一般の消費者がヒヤリハット情報の事例なんかを書き込んで、それを一般に公表する、見えるようにするような機能を盛り込むということで、国民生活審議会なんかでもかなり議論をしていたと思うんですけれども、今回その機能を盛り込まずにスタートをしたわけですけれども、その理由と、今後その改善の余地があるのかどうか、お願いできますか。
(答)事故情報データバンクを見ていただくと、やはりこういうものでこういうのが起きているとか、全部ではありませんが、企業名とかいろんなものも入っている場合があります。ですから、事故情報データバンクとしては、ここまでは言えるというようにしておりますので、ヒヤリハットの件については、今後検討していきます。
 昨日スタートをして、事故情報データバンクは1万5,000件入っておりますので、この情報だけでも、かなりすごくボリュームのあるものだと思っています。ですから、今後、皆さんの意見も聞きながら、また検討をして、より良いものをつくっていきたいと思っております。
(問)昨日の総理とお話になった件なんですけれども、福島大臣のほうから総理に対して、腹案についてお聞きになって、それを答えていただけなかったのか、それともお聞きにならなかったのか、どちらでしょうか。
(答)意見交換は、しっかり行ったと思っております。
(問)すみません、ちょっと関連になるんですけれども、「腹案」というような表現を総理がされたことについて、関係するような地元の方々に対して、かえって混乱を招いているんじゃないかといったような指摘も一部では出ているようですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)私は、とにかくこの普天間問題を、本当に解決をしたいと、真の解決をしたいと、十数年解決できなかった問題をしっかり、とにかく解決をしたいと思っています。
 沖縄国際大学にヘリが激突した後も本当に行きましたし、すさまじい危険の中で普天間基地があると、世界一危険な基地だと思っています。では、それをどうするのかという問題の解決を、政権が変わり、解決できなかった前の政権と違って、とにかく解決をしたいと思っています。
 これは、水面下での折衝やいろんな協議が十分されないまま名前が出れば、逆にそこがつぶれてしまうということもあるので、私は、とにかく問題の解決をきちっとやりたい。それで、もちろん沖縄県内はだめですけれども、問題の解決をしたい。そのときに、水面下で何をし、どのタイミングで表に出し、どういう形でアメリカと交渉し、それをどう発表するかということも非常に神経を使う、しかも、どれも本当に大事なことだと思っています。
 ですから、私は今は一人の議員としても、社民党党首としても、閣僚の一人としても、この鳩山内閣のもとで、この問題がとにかく成功するようにというために全力を挙げようと、こう思っております。ですから、どういう形で、いつ、どうするかということも含めて、総理は総理の判断もあるでしょうし、それは緊密に意見、思いを共有しながら、成功に向けて頑張りたいと考えています。
 ですから、それはたった今、例えば名前を出せば、それは水面下の交渉ということもできないかもしれませんし、アメリカ側もどういうふうにそれに対応するかということもありますので、それは非常に慎重に、ただし果敢に、きちっとやっていくべきことだと思っています。
 ですから、私から一言言えるとすれば、社民党としても、私個人としても、この問題がとにかく成功して解決するようにということに全力を挙げようと思っているところです。そのためにも、きちっと連携をとりながら、内閣挙げてやっぱり問題の解決をきちっとやって、アメリカとも交渉して、最終的に成功をするようにということに、今全力を挙げているところです。
 一言、これは社民党としてなので、大臣としてではないんですが、日本人が麻薬の件で中国で逮捕され、5日に死刑が行われる、処刑されるのではないかと報道されています。この点について、大変懸念と憂慮を持っているということを、はっきり表明させていただきます。
 死刑に対して賛成か反対かという議論はあると思います。ただ、ヨーロッパや世界の多くの国は、もう既に死刑を廃止している国が圧倒的に多いということも、一言申し上げます。台湾、韓国ももう長いこと死刑は行われておりません。ただ、今日申し上げたいことは、死刑に賛成、反対の立場ではなくて、少なくとも日本も国際人権の観点から、死刑についてはいろいろ批判をされたり、勧告が出たりしております。ただ、日本では麻薬だけで死刑になることはないということです。
 麻薬という覚醒剤ということだけで、死刑になることはありません。確かに麻薬は重大な犯罪ですし、これは重大な犯罪です。しかし、麻薬ということで死刑になるということは、人の命ということからも、量刑上からも極めて問題があると思っております。
 これは日本人だということもあり、私自身は、処刑をされるということは、本当に考え直してほしいということで、麻薬ということだけで処刑されることについて、大きな憂慮と、それから懸念をしっかり表明をしたいと思っております。

(以上)