福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年2月23日

(平成22年2月23日(火) 8:42~8:51  於:院内閣議室前ぶら下がり)

1.発言要旨

 今日は、「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案」の閣議決定について申し上げます。
 追い出し行為をどう規制するかという法律が閣議決定をされました。これについては社会問題ともなっていて、賃借人をどう保護するかということです。追い出し屋の問題については、家賃債務保証業者に法の網をきちっとかけて、監督処分については消費者庁も監督するとともに、追い出し行為そのものについても禁止する内容となっています。
 この間もちょっと質問がありましたが、現在、一部の家賃債務保証業者により検討が進められている弁済情報のデータベースについてはさまざまな意見があり、消費者庁としても、これは消費者委員会も含めて、住宅弱者の方たちの居住安定を損なうのではないか、個人情報が漏えい、悪用されるのではないかという懸念を持っておりました。このような懸念を払拭するために、この法案において、厳格な規制を通じてデータベースの適正な運営を保証していくと。
 つまり、これは随分議論をして、今現在データベースをつくっていると。民間がデータベースをつくることを公序良俗違反として、違法であるから禁止せよということができるかどうか。ただ、これは公序良俗違反で禁止するというところまでは、なかなか法律化はすごく難しいと思います。しかしながら、このデータベースをつくることをしっかり規制をしていくという立場をとっております。ですから、これは消費者庁としては、データベースの管理業者に対して、一時的滞納者に対して安易な保証拒否を行わないよう、きちっと要請をしていくと。国土交通省とも連携をして、確かに住宅弱者の方たちがいらして、なかなか住まいがないということは社会問題なので、国土交通省とも連携をして、公営住宅を初めとする公的住宅等の担当部局の紹介、悪質業者への指導等ができる体制を整備した上で、消費生活センターの相談機能の強化もしっかりやってまいります。
 ですから、これは法案、議論をしてきまして、追い出し行為についてはしっかりと規制をしていく。それから、データベースについては、これは議論があることも、住宅弱者にとってどうなるかという議論も十分わかっていると。ただ、公序良俗違反で違法だからつくるな、という禁止まではできないので、規制をしっかりやっていくと。
 それから、住宅の問題はもっと実は根本的な問題で、やはり公営住宅も含め、住宅の紹介、ハローワークで安い住宅の紹介などもやったりとか、ワンストップサービスでやりましたけれども、もっと国土交通省とも連携を組んで、住宅の紹介、公営住宅の充実など、これはやっていきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)データベースの規制というふうに申されても、具体的にどういうふうな規制をかけるかということはどうか。
(答)これは、この法案に厳格な規制が書いてありますので、データベースの適正な運営をしてもらうように、今回の法案では、弁済情報データベースの管理者に開業規制、まず登録規制をする。それから、業務規定の事前チェックと個人情報保護法により強力な守秘義務等の規制を課す。これに違反した場合は、行政処分や罰則の対象とする。厳しい規制内容となっております。
 それから、今までですと、1回払わなかっただけですぐ追い出しとならないように、データベースをつくっても、判例は3回ぐらいで信頼関係破壊、債務不履行、契約解除となっておりますので、実際、その運用例も見ながら、1回ちょっとおくれたから、もうそれが解除につながらないように、規制によって、この弁済情報のデータベースについての適正な運営を図ってまいります。
 今回はとにかく2つあって、追い出し行為をいかに防止するかという問題。ただ、現にあるデータベースをどう規制していくかという問題、つくるなと言っても裏情報ができたり、実際はあればそれが問題になりますので、それをしっかり規制をしていくというので、今後、ただこのことで負の状況ができたり、問題が起きる可能性ももちろんありますので、それについては相談窓口の充実も含め、しっかり対応してまいります。それは消費者庁の立場で借り主が大変な目に遭わないように、監督を今後しっかりやってまいります。
(問)安易に追い出さないという意味では、先ほど言われた判例に基づいて3回までは認めるのでしょうか。
(答)というふうには条文にはなっていないんですが、今まで問題だったのは、ちょっとおくれたら、鍵をつけかえられてしまって追い出されてしまうということが本当に起きないようにということです。追い出し屋の問題については、家賃債務保証業者に法の網をかけて、監督処分についても消費者庁も共監をするという形でやってまいります。
(問)関連してなんですけれども、データベースを管理する業界、団体といったものには接触はするんでしょうか、何か接触して、運用面について、何か申し入れなどするのでしょうか。
(答)これは今日閣議決定をされましたが、例えば個人情報保護法についての遵守やさまざまな点がありますので、それについてはきちっと申し上げていくという形になると思います。ですから、今の答えに関しては、業者の皆さんとも意思疎通と連絡と、それから問題が生じないように、消費者庁としても連携をとっていきたいと考えています。
(問)まずは、消費者委員会で自動車のリコール制度について少し見直す動きがあったんですけれども、大臣は今のリコール制度について、どういうお考えですか。
(答)消費者委員会で、また大いに議論していただきたいと考えております。
(問)今のところ、具体的な問題点とかは考えていない、問題点があるとは考えていないと。
(答)それも含めて消費者委員会で検討していただきたいと思っております。
(問)普天間問題なんですけれども、北澤大臣が検討委員会としての案を2月中にまとめたいという発言をされたり、官房長官はベストじゃなくてベターな結論という、県内移設容認ともとれるような発言をされていますけれども、こういう状況の中で、社民党はどういうふうに普天間問題に取り組んでいきたいとお考えでしょうか。
(答)これはベターじゃなくて、ベストを尽くしましょうよと申し上げていますし、ベターではなくてベストを尽くすべきだと考えています。
(問)2月中に検討委員会の案をまとめたいというような北澤大臣のスケジュール感については、どのようにお考えでしょうか。
(答)そうですね。今日は2月23日ですので、この問題は確かに期限は一応設定はされておりますけれども、とても重要な問題ですので、拙速ではなく、あるいは絞り方によってはそれで拘束されてしまうということがありますので、まとめるということについてはあまり日がありませんので、幾つかこれをどうするということは必要だと思いますが、拙速にならないようにと思っています。
 それから、政府の中において、国外、県外移設についてしっかり検討したという報告を私自身はまだ受けておりません。国外、県外移設をこのように検討したという報告は受けていないんですね。としますと、やはり国外、県外移設について、しっかり内閣として検討すべきだと思っております。

(以上)