福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年1月8日

(平成22年1月8日(金) 11:15~12:00  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 どうも、皆さん、明けましておめでとうございます。今年も本当によろしくお願いします。
 私は、3日から6日まで4日間、フランスとベルギーに行ってきました。その成果というか、見てきたもの、行政に活かしたいものについて2つ申し上げます。
 1つは、少子化、男女共同参画、雇用の面で行ってきました。フランスでは、その担当のダルゴス大臣と話をし、家族的保育所とそれから集団的保育所と、パリ郊外の2つの保育所の見学をしてきました。
 日本は出生率が1.37でフランスは2.0を超えています。出生率を上げることが政治の仕事ではもちろんありません。しかし、子どもを産み育てることに、やはり夢を持てる社会を政治はつくるべきだと。望む人にはやはり子どもを持てるという社会を政治はつくるべきだと思っています。
 その意味では、日本は子どもを産み育てることに夢を持てる社会をつくりきっていないと。あるいは、女性の活用にまだまだ失敗している社会であると。それから、男性がワーク・ライフ・バランスを実現することが、残念ながら困難な社会であると考えています。
 フランスに行きまして、なぜ出生率が高く、みんなが子育てをある意味負担と考えずにやっていけるのかということを考えました。1つ目は、やはり子ども手当やさまざまな保育サービスの充実です。保育ママさんがたくさんいますし、家族的保育所は、保育ママさんたちが、自分が預かっている2人、3人、4人の子どもを連れてみんなで遊ばせているという空間で、ゆっくりと保育ママさんたちが意見交換したり研修を受けたりしながら、一時期子どもを遊ばせてまた連れて帰るというような非常に家族的なゆったりとしたペースの中で子育てを保育ママさんがやっているということにやはり感銘を受けました。日本にはこういう仕組みはありません。
 ですから、少子化担当大臣としては、多様なというか、もう少し保育に関して保育ママさんの充実や、空き教室の利用を今やろうとしているんですが、またそのネットワークを応援する、もっと言えば専業主婦の皆さんの保育の相談などももっとやっていくとか、子育てが女性の負担とならないことを見習ってやっていきたいと考えています。
 フランスは、子ども基金を10兆円持っています。75%が企業の拠出です。ですから、子どもを育てるということに、応援するということに関して、フランスの企業は、やはり公的な問題だと認識していることも伺えると思います。日本の中で、そういう子ども基金、子ども手当や保育所を全部まとめてできるような形でできるかどうか、この子ども基金は自治体単位でもあって、自治体もやはりそれを子ども手当やいろいろなことを付加して、パリ市などでは、より横出し、上乗せじゃありませんが、それで応援をしているので、そういうことも参考にして、これから子どもをどうやって子育て、応援できるかという仕組みを提案をしていきたいと考えています。
 通常国会が18日から始まります。その中で、予算の中で子どもを応援する部門についてはぜひ与野党を問わず応援してもらいたいと考えています。
 もう一つは、フランスでも消費者問題の担当のノヴェリ消費者担当長官と、それからブリュッセルで欧州委員会のクネヴァ消費者保護担当委員と会談を行いました。消費者保護に関して情報の交換・共有が不可欠であるということを確認して、特にEUとは今後具体的な運営について実務者レベルで協議をしていくことになりました。
 どういうことかといいますと、例えば、食品安全委員会などは、きちんとこのようにメモランダムというか、お互いに意見交換しようということの交換をしているんですね。ですから、この消費者庁もEUの消費者担当、その会談の場所に総局長、実務者も来てくださいましたので、大臣というか委員同士もさることながら、実務者レベルでメモランダムをつくって、覚書をつくって、具体的な情報の共有もやっていきたいと思い、その旨指示をいたしました。
 これについては、むしろクネヴァ委員のほうから、日本とそういう情報交換と緊密な連携を実務者レベルでも組んでいきたい、よろしくお願いしますということがありましたので、それを真正面から受けとめて、そのメモランダム、覚書をつくって、いろいろな情報の共有をやっていきたいと考えています。
 これは、例えばエコナの問題などについても、ドイツからそういう問題提起が始まるということもありますし、いろいろな医薬品や健康食品、これも例えばドイツやいろいろなところから提起がされるというようなことも、ヨーロッパから発信されるというようなこともあります。ですから、消費者庁もその意味でEUの実務者と消費者庁の実務者で緊密な連携をとり、メモランダム、覚書を交わして、情報の共有や交換、そういうことを迅速に瞬時にというか的確にやっていって、日本の消費者行政を本当により強固なものにしたいと考えています。
 それで、来週、香港で子どものおもちゃについての国際会議が開かれて、消費者庁の職員も行くんですが、クネヴァさん自身、中国製のおもちゃの毒性について取り組んで来られた方で、ヨーロッパ、アジアとの連携ということもあるわけです。日本がアジアの中でいろいろな情報収集もしながらEUとも連携を強く結んで、アジアとそしてヨーロッパと、ということで、情報発信と情報を受けとめて、それを日本の中でも消費者行政に活かしていくということを積極的にやっていきたいと考えています。
 その意味で、少子化、男女共同参画では、やっぱり法制度等、女性や子どもにやさしい社会をつくるために政治が頑張るというためのいろいろな刺激を受けました。EUの委員、元チェコ首相のシュピドラ委員とお話をしたときに、やはり出生率などセンシティブな問題もあるけれど、制度が大事だという話になって、アイスランドは男性の育児休業の取得率が5%だったのが90%に変わったと聞きました。その意味では、随分それは変わってくると。フランスもダルコス大臣と話をしていたら、民間企業における取締役やさまざまな管理職において、クォータ制を導入するかどうか考えているという発言がありました。これは、ノルウェーはこういうクォータ制を導入したんですね。でも、もしフランスも民間企業における取締役や管理職におけるクォータ制、割り当て制を導入すれば、それは日本に対しても大きなインパクトを持つと考えています。
 ですから、少子化、男女共同参画、雇用の面と、それからもう一つ、消費者の担当の面で大きく前進をしていきたいと考えています。具体的には、消費者庁に対してメモランダム、覚書をきちんとEUと交わしてきちんと情報交換などできるようにしてほしいということを指示しましたので、今後世界に開かれたというか、世界と直結する日本の消費者庁という形で頑張ってやっていきたいと考えています。
 それで、次に、閣議の中で交通事故防止対策の推進について発言を私がいたしました。これは、昨年の交通事故による死者数は、昭和27年以来、57年ぶりに5,000人を下回りました。これは政府のみならず、国民一人一人の皆さんの積極的な取り組みの結果だと思います。しかし、いまだに多くの方が交通事故で亡くなっていらっしゃいます。平成30年を目途に交通事故死者数をさらに半減させ、世界一安全な道路交通の実現を目指すために頑張っていきたいと考えています。
 次に、障がい者制度改革推進会議が、お手元の資料にあるとおり、1月12日の1時から3時まで開かれます。これは、議題は推進会議の運営についてと今後の進め方についてです。昨日、実は総理官邸に行きまして、総理がこの本部長ですから、中身について説明をいたしました。夏ごろまでに中間取りまとめをしたいと考えています。ですから、条約を批准するために何が必要かとか、日本の法制度で何が必要なのか、障害者差別禁止法も含めてどうしていくのか、夏までに中間取りまとめを行って発表する予定です。第1回目の会議が開かれます。
 お手元に構成員のメンバーの表が配られていると思います。ちょっと見てください。これは障害者団体関係、当事者と当事者を抱える家族の皆さんが14名です。それから、有識者、学識経験者が11名です。それで、11名の中で女性は5人で、約半数を有識者の中で占めてもらいました。それから、障害者団体関係、当事者と家族なんですが、今までなかなか実は障害者の当事者の女性が少なかったんですね。男性は入ることはあっても女性という視点は、いわゆるマイノリティーの中ではあまりなかったので、中西由紀子さんが当事者としてこういうところに女性として入っていただけるということで、14名のうち2人が女性です。有識者、学識経験者の半分は女性にして、別にこれを仕分けする必要は本当はないんですが、当事者、家族の皆さんと有識者、学識経験者の合計25名の皆さんで、とりわけ当事者の皆さんの積極的な参加で、ここがエンジン役として頑張っていきたいと考えています。日本の障害者制度が大きく変わるということがここをエンジン部隊としてやっていけると思います。
 昨日、総理のほうから言われて、この中身について説明に行きました。私は、鳩山総理は、障害者のこの施策についてとても関心があって、もっと早くできないのかとか、いろいろなことをおっしゃって、できるだけ障害者差別禁止法も含めて頑張ってやってほしいというような希望がありまして、この障がい者制度改革推進会議の第1回目、全く新しいメンバーで、肝入りでエンジン部隊でスタートをしますので、成果を上げたいと考えています。室長が東さんという弁護士で車いすの当事者でもあります。ですから、やはり当事者だけではもちろんできませんが、こういう中で頑張ってやっていきたいと考えています。
 障害者自立支援法違憲訴訟で厚生労働省と原告団、弁護団が合意をしました。その中に、総理を本部長とし、官房長官と私が副本部長を務める障がい者制度改革推進本部を設置し、1月12日から障がい者制度改革推進会議が開かれるということがこの合意文書の中で大きな意味を持っておりまして、そこでぜひ頑張ってやっていただきたいということも障害者の皆さんの気持ちとしてありますので、この障害者自立支援法違憲訴訟の合意をされましたので、その意味も十分酌んで、この障がい者制度改革推進会議の中でしっかり期待にこたえてやっていきたいと考えています。
 1月12日、火曜日から消費者ホットラインがいよいよ全国で実施になります。消費者ホットライン、0570-064-370で、消費者ホットラインは、消費生活相談への最初の一歩をお手伝いしますと。一人で悩まずに、消費者ホットラインをぜひ御利用ください。これは従来の地方消費者センターの番号でももちろんいいんですが、ここにかけていただければ一番近いところにかかるということで、これからこの消費者ホットラインを大いに宣伝して、また、今まであまり一度も電話をかけたことがないよという方たちも、何か悩み事があれば、あるいは、出かけられなくても、消費者ホットライン、「ゼロ・ゴー・ナナ・ゼロ・守ろうよ・みんなを!」なんですが、ここの消費者ホットライン、1月12日に、お待たせいたしましたというかいよいよ待望の開通なので、これを頑張ってPRしていきたいと考えています。昨日、副大臣が名刺に張る、つけるというのもありましたし、この消費者ホットラインの宣伝にも大いに努めていきたいと考えています。
 最後に一つ、子どもを事故から守るプロジェクト、いよいよ始動です。その問題をやるに当たって、食品の安全ということでこんにゃくゼリーの問題はやはり避けて通れないだろうということで、食品SOS対応プロジェクト、これ第1回目にエコナのときに協議をしたこの食品SOS対応プロジェクトの中で協議をしてまいります。これは、前回のエコナのときと同じ構成でプロジェクトリーダーが泉政務官で、この食品SOS対応プロジェクトでプロジェクトリーダーを中心にこんにゃくゼリーの問題について協議をしてまいります。
 以上です。今年もどうか皆さんよろしくお願いします。

2.質疑応答

(問)障がい者制度改革推進会議についてなんですけれども、改めて新政権になってこの会議が開かれることで、障害者制度の関係の施策の何が変わるのかといったことと、それからもう一点は、夏ごろまでに中間報告ということでしたが、これは工程表といったようなものでいいのかということと、さまざまな関連する法改正ですとかは夏以降になると考えてよろしいんでしょうか。
(答)何が変わるかと言えば、やっぱり障害者施策に関して内閣を挙げてやっていくということと、それから当事者の方に具体的に多く入っていただいて、エンジン部隊として障害者施策を進めていくということになると考えています。
 今までもちろん自民党政権下でもいろいろな会議はあったんですね。でも、一つは、全閣僚が入って内閣を挙げて障害者施策に取り組むということがまず一点大きいわけです。考えていただければわかるとおり、文科省、教育でも障害者施策で必要ですし、それからバリアフリーであれば国土交通省ですし、外務省も必要ですし、自治体の関係では総務省、まちづくりの点も必要ですし、実はあらゆる役所がかかわっています。ですから、内閣の中にこの障がい者制度改革本部を立ち上げて、本部の中にすべての大臣が加わっているということがやっぱり一番大きいと思います。内閣を挙げて障害者施策をやると。これは横断的な非常にダイナミックな取り組みが今までどうしても不足をしていたので、本部をつくってということが大きいと思います。
 障がい者制度改革推進会議は、25名の方たち、とりわけ14名が当事者あるいは家族の皆さんで、この25名がエンジン部隊となって、具体的に本部のもとにこの推進会議が置かれて、ここでエンジン部隊としてやっていくということで大きく具体的に進むと思います。
 推進会議では、障害者権利条約の実施状況の監視等を行う機関、障害を理由とする差別の禁止、障害福祉サービスについて教育、雇用などさまざまな分野について、今年の夏ごろまでには改革の基本的な方向性について一定の中間的な取りまとめができるようにしたいと考えています。ですから、それをやって、ある意味工程表のような形になって、その後、条約を批准するためには一体何が必要か、国内法の改正について具体的にタイムスケジュールを決めてやっていくことになると思います。
(問)最後に出ました食品SOSのプロジェクトの関係なんですけれども、こんにゃくゼリーといいましても、形状なのかそれともその製品自体の販売をどうするのか、もしくはのどに詰まりやすい食品全般を対象にするのか、いろいろ論点があると思いますが、プロジェクトで何を主に論点としていくのかというのが一つと、あと、いつごろこれに関する第1回を開いて、いつごろまでに結論を出すのかという点についてお願いします。
(答)昨日、政務三役の会議でどうしようかという議論をして、食品SOS対応プロジェクトをつくるということを決め、今日記者会見をする次第です。
 これは子どもを事故から守るプロジェクトとの中でやりますので、やはり子どもの命を守るという観点からのアプローチになるだろうと思っております。どこまでかというのは、その食品SOS対応プロジェクトの中で議論をしていきたいと考えています。
(問)いつごろまでにというのは。
(答)ちょっとそれはまだ食品安全委員会もこれを検討していますし、いつごろというのは、今までの議論のまた精査もしなければなりませんので、いつごろというのは今日の時点ではちょっと申し上げることができません。
(問)今の関連なんですけれども、メンバーですね、こんにゃくゼリーについて話し合う食品SOS対応プロジェクトのメンバー、大体どんな方が想定されるのかちょっと教えていただけますか。
(答)エコナのときは政務三役のもとに食品SOS対応プロジェクトをつくり、プロジェクトリーダーが泉政務官でしたので、今回も泉政務官をプロジェクトリーダーにして消費者庁の中で議論していくということになると思います。
(問)来週にもまた食品安全委員会のほうでワーキングチームが開かれる、こんにゃくゼリーの安全性について開かれるようなんですけれども、今回もまたエコナと別に、消費者庁は消費者庁として踏み込むような形、法改正まで含めて踏み込むような形にもなり得るということなんでしょうか。
(答)まだ第1回目を開いていないので、これについては消費者庁の中の食品SOS対応プロジェクトの中で十分議論していきたいと考えています。ですから、それは食品安全委員会のワーキングチームの報告が出るかどうかというのが来週あるわけですが、どういう形で出るかはまだちょっと聞いていないんですけれども、それとは別の意味で、消費者庁としてこの問題をきちんと検討してまいります。
 去年、子どもを事故から守るプロジェクトをつくりました。子どもを事故から守るプロジェクトをつくったときに、やはり食品の問題ではこんにゃくゼリーの問題は避けて通れないということで、これについてきちんと協議をしてまいります。
(問)エコナのときに、やっぱり食品安全委員会の結論が出るまでは法的措置とか具体的なものはできないという感じだったと思うんですけれども。結論自体は食品安全委員会の結論を待つわけではなく出すということですか。
(答)消費者庁は消費者庁としてやっていくということです。エコナのときの問題は、あれは特保だったわけですけれども、食品安全委員会が結論を出すのとは別に、特保の問題について消費者庁はどう考えるか、あそこはエコナのその部分をどう考えるかということでスタートをしたので、それはお互いに独立してやっていくという、行政としてあるいは政治主導としてちゃんとやっていくということです。
 ですから、今回も食品安全委員会が結論を出すまでは何とかしないということではなく、消費者庁は消費者庁として取り組んでまいります。政治主導としてもきちんとやっていきますし、消費者庁の中でちゃんと議論してまいります。
(問)フランス、EUと覚書を交わされるという話なんですけれども、それはフランスなのか、それともEUなのか、あるいはその覚書をいつ交わされるのか、その情報交換というのは、具体的に実務者レベルが定期的に行き交うのか、どういうことを想定されていますでしょうか。
(答)これはEUのほうと覚書を交わすということになります。これは、EUの中の消費者担当の部局がある欧州委員会の中の消費者保護担当の部門と覚書を交わしたいということです。
 つまり、クネヴァ委員との間でぜひ連携を密にして、とりわけ実務者のレベルでの情報交換も含め、連携を密にしたいということなので、それについては、欧州委員会、EUの側の消費者保護担当と日本の消費者庁が覚書を、メモランダムを交わして、そしてその中で情報交換をしていく。第1回目がどうなるか、いつやるのかというのは、まだ今後です。ただ、しばらくはインターネットやいろいろなことで意見交換をしながら、場合によっては行き来を頻繁にすることもあるかもしれません。
(問)覚書はいつぐらいに。
(答)それはまだちょっとこれからです。どういう中身のどういう形の覚書になるかを含めて、今後実務者レベルでやっていきます。
(問)2点確認したいんですけれども、障害者の関係の推進会議なんですが、これは国内で差別禁止法の制定に向けた第一歩というか、そういう位置づけという理解でいいんでしょうか。
(答)1つは、障害者権利条約を批准するために国内法をどうするかという問題があります。それから、障害者差別禁止法については、鳩山総理も障害者基本法の改正も含めてということをこの発足のときに本部長としておっしゃっていますので、1つは障害者権利条約を批准するための国内法の整備であり、もう1つは、障害者差別禁止法に向けての一歩ということです。ですから、今の質問ではイエスというのが答えです。
(問)わかりました。もう一点なんですが、こんにゃくゼリーの関係で、大臣自身はこんにゃくゼリーの販売もしくはその形状についてどうあるべきだという何かお考えというのはありますでしょうか。
(答)私自身は、とにかく事故がなくなるように、それによって命を落とすということがとにかくなくなるようにと思っております。ですから、形状やいろいろなことについては改善も必要かもしれませんし、それについては、今後食品SOS対応プロジェクトの中で議論をしてもらいます。
(問)今日から官房長官が沖縄のほうを訪問するんですけれども、目的が普天間問題というか米軍基地の視察ということで、政府与党の検討委員会の取りまとめ役である長官が沖縄を初めて就任後訪れるということで御期待される点はございますでしょうか。
(答)官房長官は沖縄を訪問したいと前からおっしゃっていたと思うんですね。官房長官が沖縄に行かれて、沖縄がいかに戦争中から、戦争が終わってから、そして今まで負担が本当にあって、その中で人々が苦しんできたかということをぜひ肌で感じていただきたいと思います。
 私は、沖縄に行かれて、辺野古まで行かれるかどうかはちょっと知りませんけれども、できればきれいな海を本当に見て、辺野古の沿岸部に海上基地をつくるのはやっぱり避けたいというか、このきれいな海を守りたいということを官房長官自身が思っていただけるようにと思っております。
(問)藤井財務大臣が辞められて、今日から初めての閣議だと思うんですけれども、何かそのことに関してお話があったりとか、あと、福島大臣自身がどのように感じられたかというのをお願いします。
(答)これについては、総理からも菅副総理からもそれぞれ発言がありました。藤井前財務大臣が本当に頑張って予算案をつくっていただいて、しかし、健康上の理由から辞められるということで、それについての言及がありました。菅副総理のほうから頑張ってやっていきますというあいさつがありました。
(問)御自身は。
(答)私は残念だという思いはありますね、正直。実は、藤井前財務大臣とは、私は幹事長の時代にとても仲良くて、当時野党でしたが、社民党の幹事長、藤井前財務大臣は民主党の幹事長で、藤井前財務大臣が幹事長の時代はとてもよく野党で会食会をしたり仲良くやっておりまして、同じ神奈川ということもありまして、藤井前財務大臣とは非常に親しくしていただいたと思っております。ですから、非常に残念です。本当に寂しいなという思いはあります。
 ただ、健康上の理由であれば、それは本当に致し方ないわけで、お大事にと心から申し上げたいと思っております。その分、この内閣を挙げて、また一丸となって頑張ってやっていきましょうということが閣議の中で話がありました。ちょっと寂しいですね。でも、健康上の理由ですから仕方がないと思います。お大事にと思います。
(問)障害者団体関係の方が14人とたくさん入られるというのは非常に異例かと思うんですけれども、すみません、細かいことで恐縮なんですが、こちらの開催についての名簿で配られたほうでは、北野誠一さんについては肩書きがNPOの支援団体の理事長という形になっていて、どちらかというと障害者団体関係の有識者の方に入るのかなと思ったんですが、どちらの肩書きのほうが正確というか、
(関障害者施策担当参事官)御本人に確認したときには、公表するときには最初にお配りしてあったほうのリストの肩書きでお願いしますということでした。有識者の方々は、例えば大学の教授等を務めながらいろいろな形で関係していますけれども、14名の方々は、直接の当事者として障害者の関係の団体に入っておられる方という意味です。
(問)先ほどの質問にちょっと関連してなんですけれども、EUと覚書を交わすということですが、これは交わすというところまで合意ができているのか、それとも交わしたいという大臣の希望なんですか。
(羽藤審議官)先方からの発言の中で、文章を整える方向での関係強化があり得ると思うという話がありまして、そして関係強化が非常に重要であるので実務者レベルでの協議を深めるということで合意をされたという、こういうやりとりでございましたので、そういう意味では、文章を整える方向でということも、大臣が御発言されました中でのことで含まれておるものだと考えております。
(問)ちょっと気になったのが、大臣の言葉の中で、情報共有する中にリコール情報という言葉がなかったんですけれども、そこも含むんでしょうか。
(答)恐らくそれは含まれることに、もちろんそれはリコールの情報というのは重要なので含まれることになると思いますが、それも含めて、まだこういう覚書を、お互いこういう合意をつくりたいですねという段階なので、その中身についてはEUの担当者との協議になると思います。でも、もちろんリコール情報というのは重要な情報なので、それの共有もしたいと考えています。
(問)そこで気になるのが、今、例えば、製品分野で言えば、リコール情報を持っているのが経産省だと思います。食品分野は厚労省だと思います。交換する、日本から欧州に出す側として消費者庁が適切なのか。例えば、製品分野で言えば、企業とのリコールするしない含めて、情報は経産省が持っているわけですから、特に中国とかアメリカとかで窓口はもう経産省になっているわけです。そこで消費者庁が出てくることによって、海外から一体どこがリコール情報の窓口なんだと、日本はどこが窓口なんだと、消費者庁が一元化するのか、経産省、厚労省なのかというのが非常にわかりにくいような気もするんですけれども、本当にリコール情報まで含めるんですか。
(答)ここでのクネヴァ委員と、そして欧州の消費者担当の実務者レベルとみんなで話をしたときには、細かく何を盛り込むかというところまでの話はないんです。お互いに情報交換も含めて何らかの合意をつくれればいいですねという話なので、ちょっと私はさっきリコールと言いましたけれども、それも含めて、このメモランダム、覚書をつくる過程の中で協議をしたいと思いますし、日本の他の役所とも調整をしたいと考えています。
 ただ、EUは消費者担当のコミッショナー、委員がいて、日本にも消費者庁があるわけですから、消費者の権利を守るという点では共通項はつくれると思っているんですね。ですから、そこではやはり向こうも出っ張ってきているけれども、こっちも出っ張っていくぞと思いますが、その中身については、正直今後協議をしてまいります。
 ですから、さっきリコール情報も含めたいと言いましたけれども、それは希望的な私の消費者担当大臣としての意見であり、今後協議をしてまいります。実務者レベルとの連携もしたいですねということでの意見交換を行い、私は消費者庁に対して、覚書、メモランダムを合意できるように検討してくれという指示を出したという次第です。
(問)今日の閣議で、通常国会18日召集決定されたと思うんですけれども、通常国会を前に、財務大臣の交代、それから小沢幹事長の一連の問題が盛り上がっているんですけれども、厳しい通常国会になると思いますが、それに向けての心構えといいますか、大臣に直接小沢幹事長に関しては質問はないと思いますけれども、だけど、かなり責められると思うので、その辺の受けとめはどうでしょうか。
(答)政権が変わって初めての通常国会です。この内閣でつくった予算案が国民の皆さんの代表である国会議員の中で議論をされるわけです。完璧な予算ではないかもしれませんが、私はやはりコンクリートから人へ、そして子どもを大事にする内閣である、高齢者を大事にする内閣である。私は、この内閣は、女性、子どもにやさしい内閣というか、女性や子どもにやさしい政治、もっと言えば、女性や子どもや障がい者、高齢者にやさしい政治、とりもなおさず、男性にとってもやさしい政治であるはずですから、そういうこの内閣の非常に良さというのをやはり予算の中にそれは盛り込まれているわけですから、そういう政治を行うと。そういう総合パッケージの中で出てきている予算案だということを国民の皆さんに訴えて、やはり完璧ではないかもしれないけれども、大きく政治が変わろうとしている、それをぜひ応援をしてくださいという、そういう通常国会でありたいと思っています。
 また、実際、その予算案だけではなくて、私の担当分野でも、雇用、少子化や男女共同参画や消費者、食品安全などでも具体的に成果を上げたいと考えています。もっと社民党党首で言えば、平和や雇用や派遣法の抜本改正案もありますし、平和や雇用や人権や環境でも成果を上げたいと考えています。
(問)その政治が大きく変わる中で、小沢幹事長の問題については非常に旧来的な古い体質というふうに見ることもできるんですけれども、その献金問題などについてはどう思われますでしょうか。
(答)小沢幹事長のですか。
(問)ええ。
(答)これはもう捜査を見守るしかありません。見守りってまいります。
(問)もう一度繰り返しになりますが、通常国会が始まる前に、小沢さんの問題がかなり自民党のほうも追求を強めようとしていまして、やはり国会の審議にかなり大きな影響を与えるのだと思うんですが、その国会審議に与える影響についてどう思われるかということと、これに対して、民主党や小沢さん、小沢さんは検察からも任意の事情聴取を要請されていますが、そういう対応も含めてどう対応すべきかというふうにお考えでしょうか。
(答)政治とお金の問題が出るということは本当に残念だと正直思います。それについては捜査をしっかり見守ってまいります。また、これに応ずるかどうかということは、小沢幹事長に委ねたいと考えています。
(問)ちょっと質問が戻って、この欧州委員会との覚書なのですが、経済産業省が数年前にアメリカのCPSC、そして2年ぐらい前に中国と覚書をやっているのですが、その覚書のレベルがかなり微妙に違うと。EUではどの程度のことを考えるのかということと、それと、事故情報は当然だと思うのですが、ほかの分野でも連携がされるのかと。特に、EUの消費者保護政策でこの辺は取り入れたいと思うような話があったかということをお聞かせください。
(答)その覚書をどういう中身にするかはこれからメモランダム、覚書をつくりたいということなので、その中身については、今後日本だけでどうするわけでもありませんから、今後協議をしてまいります。
 私自身は、EUに消費者担当があり、日本にも消費者庁ができたということはやっぱり大事なことだと思います。これは消費者庁がなぜできたかということに、そもそも論になるわけですが、経済産業省やそういう業界の立場の役所だけではなくて、消費者の権利を守るという観点から消費者庁ができたという意味があるわけです。だからこそ、欧州委員会、EUにおいても、これは消費者保護のために何をやっていくのか、例えばインターネット取引についてヨーロッパ中でどうするかとか、あるいは、子どものおもちゃの有毒性についてどうするかとか、いろいろな議論をやっているわけで、その意味では、経産省だけではなくて、消費者保護担当の部局同士における意見交換や情報交換は極めて今の時代必要だと思っています。
 これは、食品安全基本法やいろいろな中でも国際的な中での情報交換の大事さというのは言われているわけですから、それは消費者庁としてしっかりやっていきたいと考えています。ヨーロッパというかEUは食品安全などについて日本とちょっと違っていたり、細かいところなんですが、遺伝子組換え食品の表示の問題とか、日本は5%以下だと表示をしなくてもいいということになっているわけですが、ヨーロッパはトレースされたものでも1%以下でも表示すべきだという意見もあったりしますから、そういうちょっと細かい議論も出たんですけれども、食品の安全や表示などについては、とりわけ日本は違う点もありますよね。ヨーロッパで添加物と認められていて、日本で認められていないのもありますけれども、とりわけ遺伝子組換え食品を初めとしたさまざまな問題については、ヨーロッパの予防原則といったものは日本でも勉強ができるというか、研究すべきであると考えています。これは個人的に思っていることです。
(問)大臣が一番最初におっしゃいました、子ども基金のことについてなんですけれども、これは具体的に通常国会でどういう動きになっているのでしょうか。
(答)私はせっかく少子化担当、男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスの3つを担当する大臣になったので、やっぱりこの内閣のもとで、私のもとで、子どもにやさしい社会を全力でつくりたいと。女性、子どもにやさしい社会というか、安心して子どもを産み育て、男性もワーク・ライフ・バランスが本当にできるような、子どもを持ちたくない人や持たないという人はもちろんそれでいいんです。しかし、子どもを産み育てることに夢を持てるやっぱり社会をつくりたいと。日本は今までの自民党政権の中でそういう社会をつくってこなかったと思っているわけです。とすれば、子ども基金というのは、子どもにきちんと予算をつけましょうと。とりわけ、保育所や学童クラブ、現物支給のほうもしっかり予算をつけようとか、ここをきちんとやっていこうということのために子ども基金ということも考えていきたいと考えています。
 魅力的なのは、やっぱり企業が75%を出しているということなんですね。ですから、子ども基金を具体的に通常国会に出すことは無理だと思います。まだそこまで煮詰まっていませんから。しかし、企業も子育てを応援するという哲学や考え方を持ってもらうということで、フランスの子ども基金などを紹介しながら、日本の中でこれから持続可能な形で子どもの子育てを応援するためにどういう制度があり得るかという中の選択肢の大きなものとして子ども基金ということもあり得るのではないかということを大臣として提案の一つにしたいと考えています。今後これは、あまり煮詰まっていませんので、大いに厚生労働省とも詰めていきたいと思っています。通常国会で法案を出すということではありません。でも今ごろから言っておかないと将来につながらないので、検討してまいりたいと思っています。
 年頭早々熱弁を奮いましたが、今年もよろしくお願いいたします。

(以上)