福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年12月1日

(平成21年12月1日(火) 9:20~9:46  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日、閣議で2点紹介をしました。
 1つ目は、「自殺対策100日プラン」についてで、本日の閣僚懇において私のほうから自殺対策100日プランについて発言をしました。
 これは自殺をめぐる今厳しい状況で、実は閣議が終わった後、長妻大臣ともちょっと話をしたんですが、自殺をされる方が本当に多いというか、20代、30代は死因のトップが自殺であるということを踏まえて、これはきちっと対応しようということも改めて話しました。
 自殺対策を担当する政務三役と、有識者で構成する自殺対策緊急戦略チームにおいて、取りまとめをしたものです。これには自殺者が増えると懸念される年末及び年度末に向けて、3月を自殺対策強化月間(仮称)とした国民運動の展開、失業者などへの相談支援の強化等の緊急対策を盛り込んでいます。これはこの間発表させていただきましたが、今日閣僚懇談会で全員の閣僚の皆さんにもこの自殺対策100日プランをお配りして、理解をしていただこうと思っているところです。担当大臣として、本プランの実施に向けて、引き続き全力で取り組んでいきます。
 今年の自殺者数は、平成21年10月末時点で2万7,644人でありまして、前年同期比で447人増となっています。やはり自殺をされる方が増えているという現状を全力で変えていきたいと考えています。
 昨日も足立区の総合相談窓口、「ワンストップ・サービス」に行きましたが、あそこでも自殺対策というか、心の健康相談、保健師と司法書士、弁護士などによる法律相談をやっていただきましたが、こういうことも成果を上げればと思っています。長妻大臣も、新宿に行ったら、保健師等がいて本当によかったと言ってくれたので、これは本当に横断的に、省庁を越えて手をつないで頑張っていきたいと考えています。
 本日の閣議について、私のほうから、「平成21年度障害者週間の実施」について発言をいたしました。
 お手元に障害者週間、ちょっとダイナミックなポスターが、これはポスターなんですが、これをお配りいたしました。12月3日から9日までの1週間、障害者週間を実施いたします。今年度で6回目です。障害者福祉への国民の関心と理解を深め、障害者の社会参加意欲を高めるために、関係府省、地方公共団体が連携をして、交流会や展示会を行うというものです。
 それから、前回記者会見しましたが、障害者制度改革推進本部の設置についても本日閣議において併せて発言し、障害者週間の実施と併せて、各閣僚に協力をお願いいたしました。ですから、12月中にこれはしっかり障害者制度改革推進本部を設置をすると、年内のできるだけ早い時期に設置をするということで、今日閣議で発言をいたしましたので、12月の半ばぐらいにでも、これはきちっと障害者制度改革推進本部の設置ができると思っています。今、それに向けて取り組んでいる最中です。
 それから、今日またもう一枚チラシをお配りしています。これですね、「女性首長大集合!」というチラシをお配りしています。これは12月19日に「女性首長大集合!~地域・子育て・男女共同参画~」ということで集会を開きます。
 これは女性首長の皆さんが一堂に会するのはこれが本邦初というか、初めてです。今、女性の首長は全国で29名いらっしゃるんですが、この日、12月19日には今現在で22名の方が出席をすると言ってくださっています。ですから、ほとんどというか、かなり来ていただいているので、元気に地域・子育て・男女共同参画ということが大いに議論ができればと思っています。
 全国で29名の女性首長が地域の行政の最高責任者として頑張っていると。29名は少ないと思われるかもしれないんですが、少ないと私も思いますが、ゼロの時代を知っているので、増えていると思っています。これは子育て支援、男女共同参画、消費者行政などの取組について大いに語っていただくとともに、女性首長が集まる初めての機会ということで、この場で宣言をつくる予定です。宣言をつくって、12月19日、宣言を発表したいと考えています。
 男女共同参画担当大臣としては、意思決定の場にもっと女性をということで、特に首長を初め、政治の場にもっと女性をというキャンペーンの一種にもなればと思っています。また、女子大生や10代の人たち、若い人たちにも、こんなに頑張っているんだということをぜひ知ってもらいたいと思い、一般の人たちに来てくださいということを大きく呼びかけます。これが女性首長大集合ということで、ぜひ当日皆さんも、22名以上の女性たちがいろいろな現場の話をされると思いますので、ぜひ来てください。
 改正特定商取引法が12月1日、本日施行になります。昨年6月に公布された改正特定商取引法なんですが、本日施行です。
 同改正法は、指定商品・役務制の廃止など悪質な訪問販売等に関する規制強化や、新たな民事規定を措置するとともに、通信販売における返品ルールの整備なども含め、幅広い内容となっております。
 消費者庁としては、消費者や事業者に改正法について十分に知っていただくことが重要であることから、これまで新たな制度の周知徹底を積極的に図ってきましたが、今後は引き続き周知活動に努めるとともに、改正法のもとで悪質な事業者に対して厳正な対応を行っていきたいと考えています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)障害者制度改革推進本部の関係で伺いたいんですが、これは推進本部という名前になりますと、どうしても全閣僚が参加する形になるのかなというふうに思うんですが、その構成メンバーは今のところどういう方々を想定していらっしゃるのかというのがまず1点で、あと議論、どういった部分がまず課題になってくるとお考えかということも併せて伺います。
(答)これは総理から直々に電話があって、推進本部をつくってほしいということで、どういう方たちが参加をするかということは、今後の議論になると思います。しかし、今おっしゃっていただいたように、障害者施策は多くの役所に関係しているので、障害者施策担当としては、横断的に検討していくことが必要だと考えています。
 障害者施策は、例えば厚生労働省も熱心に取り組んできてはもちろんいらっしゃるんですが、文部科学省は障害者の例えば子供たちや教育の問題もありますし、国土交通省は移動の自由という点では、バリアフリーや交通機関における障害者の皆さんの移動の自由をどう確保するかという問題にもなります。極端に言えば、本当にすべての役所に関係するような、障害を持っていらっしゃる人たちは、あらゆる領域のあらゆる場面で生きていらっしゃるわけですし、生きていくということはいろいろな役所に関係していくわけですから、これは全閣僚になるかどうかわかりませんが、多くの役所がかかわって、きちっとやれるような推進本部になるんじゃないでしょうか。これはまだ検討中です。
 それから、もう一つ、この中で何を議論するかといいますと、条約の批准に向けて、国内法の整備について議論していくことになると思っています。これは障害者基本法の改正の問題、それから可能性とすれば障害者差別禁止法も視野に入れて議論していくことになるんじゃないでしょうか。あるいは、条約の批准ということもこれは必要なわけですから、法律改正や新たな立法も含め、この本部のもとでしっかり議論していきたいと考えています。
 ですから、総理から直々に連絡があり、これをきちっとつくれば、すべての役所というか、横断的に対策本部ができて、日本はまだ条約を批准していませんので、批准に向けて何を整備する必要があるのか、障害者施策について大きな一歩前進になると確信をしています。障害者の皆さんは、こういうことを待ち望んでいたと。対策本部をつくってくれという声も非常にありましたので、内閣府の担当大臣、共生政策の担当大臣として、頑張っていきたいと考えています。
(問)党首選のことなんですけれども、党首として出馬の準備は進んでいらっしゃるかということと、出馬の表明をされるおつもりはあるかということなんですが。
(答)これについては、いずれといってももう余り時間がありませんが、いずれきちっと意見表明をしたいと考えています。
(問)何か出馬の表明を今されない理由というのはあるんでしょうか、障害になっていることとか。
(答)特にそれはありません。
(問)12月1日ということで、消費者庁が立ち上がって3カ月ということなんですけれども、これまで振り返って消費者庁をどういうふうに評価されているかということと、どこにまだ課題があるかというふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。
(答)消費者庁は、本当に国民の皆さんのものすごい期待のもとで生まれてきた省庁です。私自身は、非常に正直に言って、もう少し後で消費者庁発足となると、もっと準備万端整えて、ダイヤルの問題にしろ、準備万端整えて、それからスタートできて、これは正直言うと、前政権がやっぱり9月1日、衆議院選挙が終わった直後に発足でなく、もうちょっと後になっていれば、正直もう少しよかったと個人的には思っています。
 ただ、もう3カ月たちました。私は、202名のそんなに多くない人員の中で、立ち上げから含めて、頑張ってもらっていると思っています。もちろん課題はあります。それはやはりどうしても前倒しで開店したということもこれあり、いろいろなところで、今本当に本格的というか、いろいろ動いてきているので、私自身としては、今までやはり前倒しで開店してしまったために、いろいろ不十分な点とかあったとは思いますし、ダイヤルの問題などありますが、消費者担当大臣としては、今後ダイナミックにもっと動かしていけるように頑張ろうと思っているところです。
 とりわけ、地方消費者行政の推進に関して、各都道府県の知事に対して、知事を本部長にした地方消費者行政推進本部をつくってくれという手紙を出す予定で、できればそれも私自身一筆ずつ書いてお願いしますと。個人的に知っている知事さんも結構いらっしゃいますから、それで地方消費者行政をとにかく動かしていくというところもいろいろ進み始めています。
 それと、私自身は、もう一つは食品の問題で、食品SOS対応プロジェクトをつくって、特保の問題に取り組んで、そしてこれに関しては、今、健康食品、特保の問題についての検討会がスタートして議論が進んでおりますので、そこで十分議論していただいて、今、非常にサプリメント業界というのは大きな業界になっておりますので、検討会を進めていただいて、いずれ結論をきちっと出し、それを私たちのほうで精査をした上で、ある種の結論というか、方向性を政治の場面で出したいと考えています。
 それから、細かいですが、マーガリンのトランス脂肪酸などについても、これは表示を含めて、表示ができるかどうかの検討を指示をしまして、今動いているところです。特保の問題もそうですし、トランス脂肪酸もそうなんですが、今まで実はあまり動いてこなかった、動かなかったと言われている部門で、結構国会の事務所などにも実は反響がありまして、よくぞ動いてくれたというのがあります。
 ですから、食品安全などの点で、今まで消費者庁ができる前はちょっとなかなか動けなかった、でも特保やトランス脂肪酸の表示という部分も含めて、いろいろ動き出して、今までと私自身は一歩違うというか、一歩進めた消費者の立場で、具体的にみんなが思っていることを成果を出したい、もちろん十分検討した上でですが、そう思っております。ですから、食品安全など、特にきちっと成果を、今までとは違う行政をやりたいと思っています。
 また、ベビーカーやライターの件なども、割と機敏に反応できたところもこれありと思っています。
 あと、自画自賛ですみませんが、被害救済のところで、被害救済制度に関する研究会も始めました。いろいろな研究会をもっときちっと動かして、これも成果を出していきたいと考えています。
 だから、今の課題というか、私が思っているのは、消費者庁があって、地方があって、地方を動かしていくというのは大体今いろいろなプログラムを始めているところで、あと消費者委員会、これは10人目(の委員)に入っていただいて、消費者委員会をもっともっとどうやって動かしていくか、これは人員要求もしていて、事務局の強化ということもありますが、消費者委員会をどう動かしていくのか、どう動いていただくかということは、大臣として課題だと思っています。
 もう一つは、国民生活センターと、どう消費者庁がきちっと連携をとるかという部分で、商品テストについて、今までの報告書何年分か、五、六年分全部もらったんですが、消費者庁自身と国民生活センターとの連携を強化、もっともっと強化をし、いろいろなものを的確に消費者庁が広報する、あるいはこういう商品テストをやってくれとか、あるいは商品テストで出た件に関して、消費者庁がもっと行政指導なり要望を事業主に対してしていくなど、やっていきたいと考えています。
 あと、食品安全委員会もやっぱり正直改革が必要だと思っておりまして、私自身は食品安全委員会、それから消費者委員会、消費者庁、それから国民生活センターとこの担当する4つの部分について連携を強めながら改善をし、これを強めることでやはり大きな仕事というか、国民のための仕事ができていくと思っています。
 ですから、3カ月の間にやれたこと、立ち上げてどうしていくかということで、やれていることと、ただ今後もっとダイナックにやれるように、ホップ・ステップ・ジャンプじゃありませんが、やっていきたいと思いますし、課題はもちろんあるということは理解をしています。
(問)民主党の小沢幹事長が昨日の会見で、国会改革について何度も社民党さんのほうに返事を求めているんだけれども、ナシのつぶてであると。選挙協力もしたのに、非常に遺憾だという強い批判というか、そういう発言をされたんですが、今後社民党としてはどのように対応していかれるんでしょうか。
(答)これは幹事長同士、重野さんにある程度任せているところですが、社民党としてもきちっと協議をし、提言もいただいていますので、きちっと協議をし、ちゃんとしたいと思っております。
(問)普天間の件でお伺いしたいんですけれども、社民党と国民新党はワーキングチームの設置を求めていますが、年内決着の可能性も言われている中で、このワーキングチームが開催されれば、まず何を議題としたいと考えていらっしゃいますか。
(答)昨日の基本政策閣僚委員会でも、この点について言いました。菅副総理は検討する、官房長官も検討するということで、ぜひ基本政策閣僚委員会できちっと議論すると同時に、基本政策閣僚委員会のもとでワーキングチームをつくって、きちっと議論をすべきだと考えています。
 今の御質問で、何を言うべきかということでいえば、私自身はあらゆる可能性をこの作業チームでやるべきであると。この内閣の中で、県外・国外移設の可能性についてきちっと議論した形跡は正直ありません。だとすれば、やはり県外・国外の可能性、それはどうなのかということをきちっと検証すべきだと考えています。その検証なくして、前政権がやった日米合意のままでということでは、納得ができないと考えています。ですから、国民新党と社民党で作業チームをきちっとつくれということを言って、その実現のために頑張っていきたいと考えています。
 また、昨日基本政策閣僚委員会のもとで、これは社民党とすれば、辺野古の沿岸部に海上基地をつくることには反対ですと。もし基本政策閣僚委員会にそのことが出てくれば、反対をいたしますということを申し上げましたので、ぜひこれはきちっと、政権にとって、鳩山内閣にとってもこの問題をどう解決するか、それはもう渾身の力を込めてきちっとやるべきだと思っておりますので、作業チームの中で県外・国外移設の可能性も含めてきちっと議論すべきだと考えています。
(問)今政府の中で二次補正について検討が始まっていますが、2.7兆円を超えるというふうに言われていますけれども、国民新党は10兆円を超える案だそうですが、どのぐらいの規模が望ましいのかということと、具体的にどういったことをやるべきか、お考えがあったら。
(答)昨日、基本政策閣僚委員会がありまして、第二次補正予算についてどうするかという議論、金融政策などについて、意見交換とある種の意思の一致を見ました。昨日会議をしたペーパーを、菅副総理のもとで行われたと、打ち合わせなどをするとおっしゃっていて、今朝、菅副総理と話をしましたら、昨日の基本政策閣僚委員会で合意したとおり、それを作業チームに投げるとおっしゃっていたので、基本政策閣僚委員会のもとで、これは予算についての作業チームがありますので、社民党は近藤正道さんが出ておりますけれども、そこで議論をすることになると思います。
 社民党とすれば、これは2.7兆円よりも多く、昨日政策審議会がつくったというか、社民党の議論の中で、また議論をしていまして、5兆円、6兆円規模と考えております。社民党は、ですから2.7兆円よりは多く、11兆円よりは少ないというか、5、6兆円。
 というのは、今、やはりドバイショックや、円高、株安の状況で、経済状況がやはり悪くなっていると。昨日ハローワークに行って、今日もちょっと意見交換を、長妻大臣、原口大臣の意見も聞いたんですが、新卒者の方の求人も非常に減っているので、やはり今ちょっと短期的な経済対策もこれはやる必要があると。
 ですから、2.7兆円よりは超える必要があって、やっぱり積極的にやる面があると。しかし、事業仕分けやいろいろな形で、一生懸命どこから財源をとってくるかということで大変努力をしていて、税収が40兆円を切っていくだろうということも明らかですので、そんなに赤字国債を発行してやるような、そんな状況でもないと考えています。ですから、社民党は、2.7兆円よりは多く、5兆円、6兆円規模と考えております。
 どういうところに力を入れるかといいますと、中長期はある程度見えてきていると思うんですね。コンクリートから人へ、あるいは雇用を福祉や教育や介護やというところは出てきているんですが、短期的に、例えば今エコ住宅の件などを、政権もやっていますし、辻本さんのところでもやっていますが、そういう短期的なところで、地域の需要が出てくるようなところ、あるいは地域へのてこ入れが必要だと社民党は考えています。
(問)普天間の問題は、今日の閣議、閣僚懇の中で大臣のほうから何か発言等はあったんでしょうか。
(答)今日は、昨日基本政策閣僚委員会でしっかり発言をしておりますし、基本的には基本政策閣僚委員会で3党のトップで話すということなので、今朝は特には言っておりません。
(問)ライターの件ですが、先ほど3カ月の消費者庁の成果の中で、機敏に対応できた1つに挙げられましたけれども、私の目には、なかなか消費者庁がこれまでライターの件についてどのように関与してきたかが見えないんですが、経産省のほうで12月15日に消費経済審議会で議論が始まりますけれども、この問題に消費者庁はこれまでどう絡んできて、今後どのように影響力なり力を発揮するのか、お考えがあれば。
(答)ライターの問題に関しては、私自身は消費者庁に対して、この問題について検討してほしいということを言いました。経済産業省のほうで審議会が始まりましたので、それはまたダブルでやるかどうかという話はあると思いますが、経産省と連携をとりながら、消費者庁の中でも取り組んでいきたいと考えております。
(問)具体的にどこでどのようなことをやるかというのは、何かお考えはあるんですか。
(答)いや、それは指示をした後でまた検討します。 もう1回言いますと、このライターの子供に対する安全対策が、11月19日東京都から要請を受けましたので、消費者庁として経済産業省、消防庁と連携を図って、どのような対応が可能かについて検討を進めているところです。
 経済産業省が、これは審議会に諮問し、年度内に方向性を決め、来年夏ごろ取りまとめる予定との報告を受けているので、これは消費者庁として、経済産業省が検討を進めるに必要と思われる事項についても協力して調査、準備をしているところです。ですから、今後も経済産業省を始め、関係機関との連携を図って、提言をしていきたいと考えています。

(以上)