原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月29日

(平成22年6月29日(火) 10:16~10:50  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まずですね、6月中に発表するとお約束をしていた、いわゆる「持参金型」、「人質型」、「創業型」と言われる再就職でございます。総務省は随分頑張りましたけれども、現状は非常に厳しいです。サボタージュではないかと思えるような状況です。出先をたくさん抱えているから集計に手間取っていると。あるいは、出てきた数字が二桁も違うということで、今また精査を再要請するという状況であります。国家公務員の再就職に関して、いわゆる「持参金型」、「人質型」、「創業型」と言われる再就職があるのではないかと、こういう国民の疑念もあることから、その実態調査を実施してきて、6月の15日を締切りとして、各省に資料を提示するようにということを言ってまいりました。調査結果について、一部まとまりつつあるところもありますけれども、今申し上げたような精査をしなければいけないということで、結局、出先ということで本省は把握していない。この間の人事もそうです。だったら出先のガバナンスをだれが見ているのかと。どこにどれだけの補助金が来ているのかということさえ再計算しなければ分からないというのが、これまでの政府の実態だったということが分かりました。今日厳しくですね、総務省の方から各省に要請をするようにということを、指示をしたところでございます。
 平成19年から21年までの3年間で、本府省企画官相当職以上で退職して、再就職した者が約2,300法人に約3,500件の再就職を行っています。そのうち、約1,800件があっせんを受けているということが分かりました。当該法人への金銭の交付状況については、精査中としか発表できない。これが今までの政府の現状ですよ。私は、国民の税金が幾らどこに使われて、そして、出先が何をしているかということさえ、計算しなければ分からない。いや、計算しても締切りさえ守れないというこの状況に、大変危機感を持ちます。つまり、それぞれのところがですね、独立をして、そして、それぞれに天下り団体をつくり、金銭をだれがどう管理するかも分からないで補助金が入っていたのではないかということを、極めて強い疑いを持ったところでございます。
 また、役員への退職公務員の就職状況及び国からの金銭交付状況の調査結果の概要というものもまとめましたので、これも後で幹事社にお渡しをいたします。独立行政法人関係、法人数80法人、役員への就職・就任状況、常勤が123人、非常勤が20人、合計143人でございまして、ここに国から金銭交付がどうされているかという、この額も調べさせていただきました。これは後で、資料で差し上げます。あと、政府関連公益法人3,270法人。このうち、常勤 2,587人、非常勤6,378人、合計8,965人。これも平成20年度決算、平成21年度予算でどれぐらい国からの金銭交付がされているかということも、お示しをさせていただきます。また、国からの主な金銭交付状況、21年度予算、これは、ここからの数字はこれからもう一回精査が必要だということで、今、手元にある数字ということでお願いをしたいと思います。その他の法人ということで、9兆4,574億円が金銭交付されています。額の大きいところを申し上げますと、全国健康保険協会7兆8,099億円、うち補助金等が7兆8,099億円。すべてですね。それから、二番目、これは具体的な会社名ですけれども、三菱重工株式会社2,303億円、うち契約2,290億円。三番目、地方公務員共済組合連合会2,278億円、うち補助金等2,278億円。四番目、国家公務員共済組合連合会1,218億円、うち補助金等1,158億円。五番目、三菱電機株式会社942億円、うち契約917億円。六番目、日本電気株式会社927億円、うち契約900億円。これがその他の法人です。それから、独立行政法人、ここに3兆3,447億円が交付されておりまして、一番目、国際協力機構2,928億円。二番目、宇宙航空研究開発機構2,411億円。三番目、新エネルギー・産業技術総合開発機構2,347億円。四番目、住宅金融支援機構2,240億円。3として、特殊法人等7,182億円、国からの金銭交付されておりました。そのうち大きなものは、日本政策金融公庫2,018 億円になっています。
 今後も、今日、事務次官も直接呼びまして、6月中に出すと言っていたものが、この有様ということは、やはり官の肥大化、天下りや、いわゆるHAT-KZシステムと言っていますが、補助金、Hですね。天下り、A。T、特別会計。そして、K、官製談合。Z、随意契約。この温床が国民に明らかにならないではないかと。行政評価を横ぐしとして、これは2月、3月、4月、5月、ずっと言い続けてきて、そして、この6月15日という締切りでもってこれかということで、大変大きな失望と遺憾を示したところでございまして、次の閣僚懇談会でも各省に強く、今日も総理にも報告をし、改善を求めたいというふうに思います。これが一番目です。
 それから、二番目。労働力調査、家計調査結果及び消費者物価指数。これは公表した資料がございますので、お手元に資料を差し上げたいと思います。
 それから、同じく本日、国の行政機関の「ホームページのバリアフリー化の推進に関する調査」の結果に基づく勧告を全府省に対して実施をいたしました。昨年 8月時点のホームページを中心に調査した結果、日本工業規格に対応しておらず、これは私どもの職員が全部見たのですけれども、実際には、読み取れなかったり、聞き取れなかったり、高齢者・障がい者等に利用しにくいホームページが極めて多数あることが判明いたしました。高齢者・障がい者等が利用しやすいように、障害者基本法及び電子政府推進計画に基づき、日本工業規格の必須項目から優先的にバリアフリー化を進めるなど、ホームページのバリアフリー化にしっかりと対応することを勧告いたしました。
 あと1点。国勢調査について、今日の閣議後の閣僚懇談会において、本年10月1日の実施まで残すところ94日と、100日を切ったところでございまして、総務省では、7月1日から広報活動を本格化するなど、実施に向けた準備を推進しています。国勢調査は、日本に住むすべての人を対象とする国の最も基本的な統計調査であるため、調査の円滑・正確な実施には、政府を挙げた取組が必要でございます。このため、本日の閣僚懇談会において、関係閣僚に特段の御協力を頂くよう発言したところでございます。
 また、閣議後、障がい者の基本的な政策、あるいは国民ID、そして、年金の基本的な考え方について、取りまとめが行われました。その中で、私たちは消えた年金の5,000万件、この政権、今のところ20万人以上の方が年金記録を回復され、額にすると1,800億円以上、これが国民の手に戻る、しっかりとした受給権者が、今、判明している数字だけでも、これだけ泣き寝入りをするところであったということが分かったところでございます。引き続き、総務省といたしましては、年金記録回復の第三者委員会、これを通じて国民の年金の記録を一刻も早く回復させるべく、頑張ってまいりたいというふうに思います。また、年金運用についても、今日の会議の中で、しっかりとした運用、効率、それについても柱を立てて議論をしていただくように要請をしたところでございます。6月 23日に中間取りまとめを行いました。GPIFの運用の在り方については、年内をめどに最終報告をするということも、私の方から報告をさせていただいたところでございます。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社、北海道新聞の中橋です。よろしくお願いします。
(答)よろしくお願いします。
(問)まず1点目なのですが、先ほどの、天下りの調査の関係ですが、まだ精査が必要と。6月一杯では間に合わなかったということですが、これは、発表はいつをめどにできると。
(答)極めて速やかにやりたいと思います。というか、これを今から計算していること自体、幾ら自分のところに、自分が所管する出先にですよ、どこの省のどのお金が入っているかというのを、今計算しなければいけないこと自体が、この国が長い間、政治の責任が、正に不在であったことの証左ではないでしょうか。再就職先と実態調査の結果概要というものは出ました。合計で、20年度、国からの交付金、1,690件で13兆7,578億円入っているわけです。そこにどれぐらいの人が入っていて、どこにどのような理事がいて。それさえも出てこない。あるいは、21年度においては15兆5,061億円も入っているわけです。このすべてのお金が無駄だということは言いません。しかし、そこで官製談合や、あるいは随意契約や天下りといったことで水ぶくれしているのではないかと、国民の皆さんが疑問に思っていらっしゃるわけですから、それに対して答える、答えが何か月も掛けても出てこないというのは、極めて遺憾だというふうに考えています。
(問)もう1点お願いします。参院選が始まって、今、全国各地で大臣も街頭に立っていらっしゃると思いますけれども、まず、それの感触と、あと、今回の参院選の勝敗ラインについて、総理は54、現有議席の確保ということをおっしゃっていますけれども、大臣はその勝敗ラインをどのように考えていらっしゃいますか。
(答)昨日は四国、おとといは東北、その前は関西と、各地を回らせていただいています。特に、この消えた年金の記録、あるいは行政刷新、税金の無駄遣いの徹底的な撤廃ということに対しての大きな期待。せっかくこじ開けた、この古い政治の扉をですね、もう一回元に戻してはならないという強い期待を各地で頂いています。特に年金の問題について、私たち、先ほど申し上げましたけれども、強い期待感を頂いて、政治を刷新するんだと、その先頭に立つようにというお声を頂いているところでございます。
 勝敗ラインについては、私が、党の人間ではございませんので、申し上げることはないですけれども、少なくとも安定的な多数を頂いて、そして、各種の改革を進めていければ、これに越したことはないというふうに考えています。
(問)NHKの太田です。今の2問目の関連になると思うのですけれども、枝野幹事長が選挙後に、みんなの党との政策的な連携について言及されています。これについて大臣はどう受け止められていらっしゃいますでしょうか。
(答)枝野幹事長、党側がどのような枠組みをお考えになるかということは、私は承知をしていません。今、連立政権で、この9か月間の歩みを総括をし、そして、新たに強い安定的な政権をつくるために、国民に、民主党を中心として審判をお願いしているところでございます。民主党を中心とした、政策がもし近ければ、それはどなたとでも連立をするというのは基本だと思いますけれども、基本は、国民新党、民主党、そして、離脱をされましたけれども、社民党の方々に、私たちは多くの同志を推薦をしていただいていますので、そういう枠組みを中心としたものというふうに考えています。今おっしゃる、みんなの党、民主党で一緒にやっていた仲間も数人いますね。だから、排除の論理は、私たちは採らないけれども、それはあくまで政策が一致するということが大前提だというふうに考えます。
(問)共同通信の佐野です。1点目の調査の関係なのですけれども、まだ未完全とは言え、独立行政法人への金銭交付の状況が明らかになったかと思います。これを大臣は、いろいろ今おっしゃっていらっしゃった持参金型の天下りの可能性があるというふうにとらえていらっしゃるのかどうか。それから、そうだとすれば、どのように対策を、今後の対策をされていくかということについて教えてください。
(答)これはやはり精査が必要だというふうに思いますけれども、何人、そして、どのようなところで、先ほどおっしゃいました、「持参金型」、あるいはもしかすると「人質型」、「創業型」といったことについても、精査をする中で、もし出てくれば、基本的には、そこに対する国からの金銭交付というものは大幅に見直すべきだというふうに考えています。天下りのために国民の税金が無駄に使われるということは、一切あってはならないというのが、私の基本的な考え方です。
(問)テレビ朝日の秋山です。よろしくお願いします。鹿児島県の阿久根市長の問題がまた更にいろいろな混迷の度を高めていますが、一般職員が、ほぼ全職員が署名をして、適正な市政運営を求めるよう上申書を出した。ただこの上申書を市長はシュレッダーにかけようとしたりですね、あと、伊藤鹿児島県知事と会談しながらも、知事の改善要請に対してもこたえずに、何かブログで「しょせん役人だな」と批判をしていたりします。こういう状況について、どうとらえられているのかということと、以前の会見で、この状況について、違法状態が長く続くことは許されないと、どのように対応するか検討したいともおっしゃっていますが、どのように対応されるかお聞かせください。
(答)これ、今、秋山さんがおっしゃったように、政務三役会議でも極めて深刻に受け止めている事案でございます。鹿児島県知事から阿久根市に対して、今おっしゃるように専決処分などの適切な対応について、地方自治法第245条の4に基づき技術的助言を行っていただいた、これを承知しています。今月18日に阿久根市におけるこれまでの問題について、事実関係を詳細に把握するよう、私の方から事務方に対して、指示をしたところでございます。鹿児島県とも相談をしながら、この事実関係を把握し、今後の対応を検討することとしております。違法状態ということは続いてはなりません。ただ、現行法で私たちができることに一定の制約があるのも事実であります。それはやはり、地方自治の本旨といったことが一番に考えられるべきだからでございます。しかし、それにしても、違法といったことが許されてはならないので、さらに、この間、全国県議会議長会の金子議長とも国・地方協議の場の終わった後もお話をさせていただきました。鹿児島県の議長さんでもいらっしゃいます。今後の対応について、地元ともよく対応を検討しながら、慎重に事を進めていきたいというふうに考えています。
(問)日本経済新聞の高橋と申します。よろしくお願いします。
(答)よろしくお願いします。
(問)2点お伺いしたいのですけれども、1点目は、今週木曜日ですか、7月1日に、郵政の宅配便事業、これが「ゆうパック」に統合されていくということになるのですけれども、ここまでうよ曲折ありましたが、これについてはどのように、郵政に対してですね、今後の経営について求めていきたいのかということが1点と、それから、もう1点は、光の道構想にかかわってくるかもしれないのですが、予算執行調査というのが財務省の方で出ているかと思うのですけれども、その中で、ICT交付金、地方のインフラ整備について、利用率がかなり低位におさまっているのではないかという指摘がされていると思います。今、光の道構想をまとめていかれる中で、こういった結果についてどのように受け止めていらっしゃるのか。それから、これをどのように、これから政策に生かしていかれるのか。この2点をお願いします。
(答)1点目は、おっしゃるように本年7月1日、郵便事業株式会社、JPエクスプレス社のペリカン便事業を承継し、以降はゆうパックとして宅配便サービスを提供する予定でございます。現在のところ、7月1日の承継に向けた準備、これオペレーションシステムの準備やシステム、研修等は順調に進んでいるという報告を受けています。承継後はサービス内容の改善を図るものと聞いていますけれども、ゆうパック事業は、ユニバーサルサービスである郵便を下支えする上で重要なサービスでございまして、円滑に移行ができ、また、今後順調に事業が運営されるよう、経営陣が適切な舵取りをされるよう、期待をしているところでございます。
 それから、2点目ですけれども、ICTの利活用モデル構築事業は、平成19年度から21年度の3か年で全国にICT利活用モデルを構築し、平成22年度以降、そのモデルを全国に普及させるということにしています。これ、私が光の道構想を出す前の、前の政権の事業ですね。今般の調査では、主にモデル事業採択に当たっては、ニーズの高い案件を採択する。モデル事業の普及状況を適切に把握すること。事前評価及び事後評価を十分に行うという調査の結果を頂いているところでございまして、この事業については調査の指摘を踏まえて、本モデル事業で得られた成果等を全国へ広く周知し、モデルの普及を図るとともに、普及状況の把握についても継続して行っていくということです。基本的に、今までICTはコストだと見られていたわけです。この間、日経新聞さんとクラウドについても共催をさせていただきました。ICTはコストではなくて、チャンスなのです。ICTは負担ではなくて、成長の土台。そのためにも、国が、私が示しているように、基本的なビジョンと戦略を示して、その中で、それぞれの事業についての位置付けを行うから機能的にやれるわけで、今までのように、正にアダプションもアクセスも、国家の意思というものが不明なままでやっていけば、このような結果になるというのは、ある意味自明だったと思います。ですから、前政権の反省に立って、私たちは「ICT維新ビジョン2.0」を出していますから、これを強力に進めてまいりたいというふうに考えています。
(問)朝日新聞の伊東です。よろしくお願いします。消費税、菅首相の消費税発言をめぐって、党内から一部異論も出ておりまして、小沢前幹事長が、昨日、去年の衆院選で上げないと言ったのだから約束を守るべきだと。首相も若干発言を修正しているようなのですが、大臣、実際に閣僚として遊説に全国を回ってですね、こういった小沢前幹事長に対する党内の声、どう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)当然だと思います。私たちは、衆議院選挙で政権を選択していただきました。衆議院選挙でお約束をした、正に政権選択の選挙でお約束をしたこと。それを抜き打ち的に、次の総選挙の前に消費税を上げるなんていうことは、絶対にあってはならない。総理がおっしゃっているのは、例えば、軽減税率を入れる、あるいはインボイスを入れる、いろいろな議論がある。ただ、その議論は今のうちからやっていかないと、この任期の、後3年ちょっとですけれども、その間でも間に合わないのだということをおっしゃっているので、決して矛盾したことをおっしゃっているわけではない。強い財政、強い経済、強い社会保障のためには、ある意味、直間比率の議論から逃げるわけにはいかないわけです。では、その直間比率の議論をどのようにするか。財政が厳しいから消費税を上げるというのは、これ最悪な、私はシナリオだというふうに思います。あるべき税制の姿がこうでなければいけないから、間接税についての負担はこれぐらいになりますよという、その議論というのは今からスタートさせておかないと、3年後、4年後にも、もう4年後ではありませんね。少なくとも3年以内に信を問う、そこには間に合わないわけで、そのような無責任な姿勢を政府としては採ってはならないということを、総理はおっしゃっているというふうに理解しています。遊説をする中でも、そこはよく理解をされていて、私たちは成長なくして財政健全化なしという姿勢を採って、経済成長戦略を出しているわけです。まずは経済を強くしていく。これが大事だというふうに考えます。
(問)毎日新聞の望月です。おはようございます。
(答)おはようございます。
(問)よろしくお願いします。一つは、地デジの経済的弱者へのチューナー配布の件なのですが、申込期間を延長するだけでは、完全移行直前のアンテナ工事の周知の懸念を高めるだけになるのではと思うのですが、それにあと、経済的理由により未対応世帯への支援枠を広げることを検討中だと伺っていますので、新たな周知方法など、手を打たないと間に合わないようにも思うのですが、その辺をどうお考えでしょうか。それから、先ほどおっしゃった宅配便の件で、ユニバーサルサービスを下支えする大事な事業とおっしゃったのですが、これ、すみません、ユニバーサルサービスの対象ではないかと思うのですけれども、準ずるという意味でしょうか。すみません、言葉の意味をもう一度お願いします。
(答)ユニバーサルサービスである郵便を下支えする。ゆうパック事業はユニバーサルサービス事業ではありません。郵便事業を下支えをするサービスであるということでございます。そこは誤解のなきように。ユニバーサルサービスは郵便事業。ゆうパック事業はユニバーサルサービスではありません。よろしいでしょうか。
(問)下支えという意味が、ちょっとよく分からなかったのですが。
(答)つまり、郵便事業会社がやっている事業で、郵便事業はユニバーサルサービスですよね。で、ゆうパック事業というものは、経営の自由度をそこまで広めているわけですけれども、その経営をうまくすることによって、ユニバーサルサービスである郵便事業に資する事業であると、こういう意味です。
 それから、前段の地デジの弱者支援ということで、7月2日としていた本年度の締め切りを、12月28日まで延長するという記事が出ているということですけれども、経済的な理由から地デジに対応できない世帯への支援については、本年度は4月19日から7月2日までを申込みの受付期間としてきました。申込件数は今おっしゃるように、6月25日時点で約20万件で、本年度の支援実施可能件数120万件を大きく下回っています。まだ支援を受けていない残りの世帯が、できる限り多く支援を受けられるよう、申込期間の延長について現在検討をしているところでございまして、今、望月さんがおっしゃるように、実績はこの間初めて上回ったのですね、計画を。しかし、現実にこの弱者支援対策というところでは大きく下回っていますので、更に検討を指示をしているところでございます。
(問)NHKの山下です。よろしくお願いします。
(答)よろしくお願いします。
(問)選挙でもいろいろ議論が交わされています税制の問題に密接にかかわる財政再建についてお伺いしたいのですけれども、先般のG20サミットでは、財政赤字の削減について各国の間で合意が、目標は立てたものの、日本はそこから除外するということになりました。ある意味、日本でその基準を当てはめると、とても削減できないと、約束を守れないということから、除外という例外的な措置が採られたと思うのですけれども、逆に言うと、極めて財政事情が厳しいという屈辱的な結果だとも思うのですけれども、財政再建について、国際的な基準からしても極めて深刻であるという認識が、改めて浮き彫りになったと思うのですが、この辺はどうお考えでしょうか。
(答)屈辱的とかいう言葉は、僕はなじまないと思います。というのは、グロスの債務とネットの債務を考えてみると、私たちは世界一と言っていい債権国なのですね。それを卑下して、世界に対してたくさんのお金を貸している国がですよ、G20でそのように枠組みを外れたからといって、国民が卑下する必要は全くないというふうに考えています。ただ一方で、財政の硬直化の危険というものは常にあるわけで、そこに対しては冷静な財政再建の道筋というものを立てていく必要があると思います。今申し上げているのは、国民に対して、国民の側から見ると、中央政府の借金というのは財産なのですね。ですから、他の国と違って、他国から借金をして、そして、累積赤字を積み上げているという国とは大きく違う。それからもう一つ、G20で大事なことは、すべての国が一気に緊縮財政をしてしまうと、経済全体がシュリンクをしてしまう。まだリーマンショックから多くの傷がいえていない中で、そのことについて、日本は経済の規模のとても大きな国ですから、その大きな国の内需の拡大といったことについても議論がされた。オバマ大統領も、一定の言及をされているということだと思います。その上で、財政再建の道筋ということは、私たちはしっかりと立てていかなければいけない。だからこそ、冒頭申し上げたように、水ぶくれをした天下りや、あるいはガバナンスの利いていないようなお金が1円たりともあってはならないということを申し上げているところでございまして、私も税調会長代行として、昨年の税制改正大綱の中に、歳入と歳出の一体改革ということを入れさせていただきましたけれども、歳入構造そのものの改革も次の総選挙では国民の皆さんにお示しをして、一体的に改革を進めていく。これが大事だというふうに思います。是非、山下さん、卑下しなくていいのです。
(問)共同通信社の福井と申します。1点お願いいたします。大相撲の多数の方が非合法の野球とばくに関係していたという問題があるのですけれども、来月の名古屋場所について、NHKはじめ、中継すべきではないという意見もあると思うのですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)暴力団、野球とばくということにですね、国技とされる多くの人たちがかかわっていたこと、極めて遺憾で深刻に受け止めています。で、放送するかどうかといったことについて、NHKの理事が、私的な意見ということを断った上で慎重な姿勢を示しているということは、私も承知をしています。ただ、これは役所がどうこうということを言うべき問題ではないというふうに考えていまして、大相撲を大事にし、そして、楽しみにしておられる、そういう方々に、一刻も早くうみを出して、そして、スポーツというのは明るく、そして、多くの人たちに勇気を与えるものであります。それがこのような結果、暴力団、しかもとばくと関係しているなんていうことは、極めて深刻で許し難いことでございますので、まずは協会におかれて、うみを出して、相撲全体の信頼回復、これを図っていただきたいというふうに考えているところでございます。

 

(問)大臣の日程がありますので、以上でお願いします。
(答)ありがとうございました。

(以上)