原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月19日

(平成22年3月19日(金) 9:52~10:05  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議後の会見を始めさせていただきます。
 この週末に訪韓をいたします。電子政府・電子自治体の構築にかかわる中央政府や組織との意見交換や、幅広いICT分野における両国政府の協力関係の強化、これが目的でございます。我が国の電子政府、あるいは電子自治体については、政権交代以降、更に推進を図るために、韓国など先進的な諸外国の知見を蓄積し生かすことが極めて重要でございまして、国会に可能な限り影響が少なく、かつ韓国政府が対応可能である日程で、最速な時期を選んだところでございます。今回の訪韓において、22日月曜日、我が国は休日でございますが、韓国は平日でございまして、電子政府・電子自治体分野やICT分野における両国の協力関係の強化を図るとともに、今後の我が国における各施策の推進に必要な知見を得たいと、こう考えています。また、今、FTAや、あるいはEPAの議論がございますけれど、特にその中でもICTの分野は大変大事なところでございますので、議論を更に深め、そして日本に生かしていきたいと、これが1点目です。
 それから2点目、今退職管理の基本的な方針について、階政務官に指示をいたしまして、まとめています。仕事そのものの在り方が問われているわけでございまして、私たちは天下りやあっせんを前提とした退職勧奨を行わないということをマニフェストで明言をしています。一方で、そうすると新卒の方々の採用、新規採用といったことについても、これは一定の考え方が出てくるわけでございまして、今それを3大臣、そして官房を入れてお話をしているというところでございます。今日、私の方から議論のたたき台となる基本的な考え方、あるいは論点というものを出させていただいて、これは来年度における政府の採用そのものにかかわるところでございますので、早急に結論を得て、しっかりとした人事採用といったものを行っていきたいと考えています。
 今日は私の方からは2点です。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信、中島です。1問お願いします。先ほどもお話が出ましたが、今回の韓国訪問の狙いと、それから、具体的にどのような成果を期待されているのか、これについてもう少しお願いします。
(答)正に今回の訪問は、韓国は日本と行政制度が非常によく似ていまして、それからワンストップサービスであるとか、地域における住民票をはじめ非常に簡便に国民が行政サービスの基礎となるものを受けることができる。その電子政府・電子自治体の構築にかかわる正に日本の推進、これの一つの大きな学びにしたい。それから両国政府の協力関係、今回情報化村を視察するとともに放送通信委員会委員長、行政安全部長官とも会談をすることにしていますし、地域情報開発院、ソウル特別市江南区といったところでも実際のICT化を視察したいと思っています。つまりICTの視察を通して、国民がどれだけそれに恩恵を、あるいは利便を、そして自らの生活に生かすことができるか、これを確認する、これが大きな目的でございます。
(問)読売新聞、古川です。昨日、民放連の会長が、総務省が民放5社に自殺報道に関して課長補佐がメールを送った問題について大変遺憾だという表明をされました。この前、大臣は調査をなさっていて時間があるときに近々その内容について御説明をしていただけるということだったのですが、その調査の結果、それから民放連の会長がこういうふうな指摘をしていることについての御感想を頂ければと思います。
(答)民放連の定例会見の発言、広瀬会長の会見については新聞等の報道を通じて存じ上げておりますけれども、具体的にどのような文脈で御発言があったのか、それは承知をしておりません。前回の記者会見のときに申し上げました大体の経過を今まとめさせていただいておりますが、照会する側にその気がなくても受ける側が報道への介入と感じたのであれば、これは遺憾なことでございまして、今後十分に注意するようにさせたいと思っています。
 なお、自殺という非常にデリケートな事案についてでございますので、私たち総務省としても様々な観点から、例えばWTOの群発自殺防止のためのガイドラインなどを参考にしつつ、勉強を深めていると、そういう状況でございます。
(問)毎日新聞の石川です。よろしくお願いします。昨日、滋賀県の安土町長が大臣あてにですね、21日に近江八幡市と合併するのですが、合併の処分を停止して欲しいという要望書を提出しました。平成の大合併は、今月末で一区切りがつくことになりますが、今回のケースは町長も議会も住民も反対する中で合併が進められるという、非常に珍しいケースだと思います。大臣は常々基礎自治体とかですね、住民の意見を尊重することが重要だという、こういうお話をされていたかと思いますけれども、今のところ総務省としては地方自治法の、1回合併した自治体が更にまたもう1回分かれるという分立でやればいいのだというような指導をしているみたいですけれども、そうではなくて、住民の意見を尊重して今回の合併の処分を停止ができるかどうか分かりませんが、何らかの形で住民の意向をくむようなことはお考えになっておられますでしょうか。お願いします。
(答)基本的に個別の事案についての見解は、差し控えたいと思っています。
(問)日経新聞の木原です。昨日、地域主権戦略会議が一括交付金について各省からヒアリングをしたのですけれども、各省の副大臣、政務官から自分の補助金の一括交付金化について否定的な見解が示されたということなのですが、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだ、その具体的な中身について、まずヒアリングですから、しっかりとその結果を精査していきたいと思っています。各府省からは一括交付金化に当たって懸念される事項を含めて様々な意見があったと聞いております。一括交付金化というものは地域主権改革の実現に向けた大変大きな改革であります。正に中央集権をこのままやっておけばいいという、そんな話ではございません。制度化に当たっては様々な意見もあるとは思いますけれども、関係省庁とも十分連携を図りながら、しっかりと実現すると、この決意でございます。
(問)生方副幹事長の解任について受け止めをお願いします。民主党は従来、自由にものを言えるということを重視してきた政党だと思いますが、いかがでしょうか。
(答)これ、私事実関係を承知しておりません。閣僚として、党の中について具体的なことを、しかもまだ伝聞でしか知りませんので、コメントする立場にはございません。
 一般論として言えば、自由な発言の中にもやはり立場というものがございます。あるいは国民から選ばれた、付託をされた、そういう中でしっかりと互いのチームを信じて、そして建設的な議論がされる、これが民主党だというふうに考えています。
(問)日経新聞の高橋と申します。よろしくお願いします。日本郵政の雇用について、亀井郵政大臣が非正規社員を正社員にするように求めていますが、今日の閣議後会見では10万人が上限になるというような見解を示されているのですけれども、これは当然規模によっては3千億から4千億円ぐらいのコストアップになって、しかも恒常的なコスト要因になっていくわけで、そうすると日本郵政の経営そのものの先行きがかなり圧迫されるのではないかという懸念があります。日本郵政の経営を監督する、事業計画を認可するという総務大臣のお立場からは、こうした雇用についてどのような見解をお持ちでしょうか。
(答)亀井大臣は国会でも答弁をされていますように人間らしい働き方を目指すのだと、特に郵政事業における国民の権利を保障するためにも、そこで働く人たちがしっかりとその権利が保障されて、そして安心して働けてこそ信頼も培われるという基本的な考え方を示しておられます。したがって、私も全く同意見でございます。経営の圧迫という観点からいうと、むしろ事業計画やあるいはそこで働く人たちの安心なしに、そちらの方がよほど経営を圧迫してしまうので、私たち自身は、亀井大臣が、今回、日本郵政と詰めているというところだと聞いていますけれども、亀井大臣の決断を支持し、そして逆に3千億円というようなものが仮に生じたというところでも、それをしっかりと賄えるような強い経営体質、これを目指していかれることを期待しております。
(問)共同通信の太田です。先ほどの、退職管理の基本方針のことでたたき台を出されたということですけれども、総務省の素案ということになるのでしょうか。もう少し具体的な中身については。
(答)問題提起というふうにとらえていただいて結構だと思います。あくまでこれは素案でございますので、できましたら、まだほかの大臣とも議論をしている途中でございますので、訪韓のときに少し示せたらと、中身について。それは総務省の案という形ですね。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(以上)