原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年11月24日

(平成21年11月24日(火) 8:55~9:05  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議後の記者会見をさせていただきます。
 まず第1点に、今日から行政刷新会議の第2次の事業仕分けがスタートいたします。特に命に、教育に、地域の暮らしにということでしっかりと財源を各事業の有効性を検討することによって、国民の皆さんがしっかりと中身を御覧になれる形で事業仕分けを更に進めていくということで、その中でも特に留意すべき点ということで、1つは、事業仕分けというのは、これは官です、民ですということをやりますが、その仕分けの中で留意をしてほしいことは、協力してやっている協働事業、様々なNPOや様々な地域の力をお借りしてやっているところ、このことについては現場の意見をしっかり尊重して、協働態勢というものを壊すことがないようにというのが1点、それから2点目はやはり教育の観点、例えば、今日も新聞にスーパー・コンピューターの話が出ていますが、あれは、スーパー・コンピューター自体を作るということが目的とだけは言い切れない。つまりそのコンピューターを作っていく過程において、多くの人材を作っていくわけでございます。つまり目的を狭く捉えて、そして角を矯めて牛を殺すといったことがないようにしっかりとした精査を行い、更に事業仕分けを有効なものにしていきたいとこのように考えています。これは行政刷新会議の委員としての立場から申し上げておきたいと思います。
 2番目は、今日、第2次の、各省に、いわゆる104項目の義務付け・枠付けの撤廃について、政務3役で協議をした第2次の結果が出てまいります。今日が締切りですから前回と同じように、明日には公表できると思いますが、1丁目1番地の改革でございますので、この問題については引き続き、強力な総理の御指示もございまして、前進をしていきたいと、このように考えています。参議院の総務委員会でも議論しましたけれども、何十年もいわゆる義務付け・枠付けにあぐらをかいて、そしてその結果、国民の皆さんが、あるいは教育、未来を担う子どもたちが劣悪な環境に置かれている。その劣悪な環境に長く置かれていることを基に基準を変えるべきではないというのは、私は逆転した考え方だというふうに思います。中央政府が、今までの基準よりはるかに進んだ基準を示し、それは標準基準という仮にあったものでも結構です。更にその中で地域が自らの独自性、自らの判断でより良いものに仕上げていく。こういう形が必要なのではないかと考えています。
 予算編成に向かって、大変大きな時期にやってまいりました。最後ですが、土曜日に日本地方自治学会、京都で行われました学会に参加をさせていただいて、講演をさせていただきました。そこでのテーマは地域力の再生ということでございました。創富力、つまり富を創造する力、これはどこに求めていけばいいのか、正に地域に住まう人たちの力を引き出して、そして協働の中で市民社会を作っていただいている京都府を中心としたところ、あるいは同志社大学や様々な学びの場、そしてNPOの皆さん、その協働の事業について大変大きな示唆を頂きました。中でも生きづらい人たち、あるいは働きづらい人たちに居場所を作るという NPOの皆さん、あるいはNPOそのものを支援していくという皆さんと意義ある意見交換ができましたことを最後に御報告申し上げておきます。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)おはようございます。地方交付税の法定率引上げに関して、藤井財務大臣が論外であるとの見解を示したという報道がありますけれども、これに対する大臣の受け止め方、それから今後の政府内での調整についてどのように進めていかれるのか伺います。
(答)財務大臣とは密接に議論を進めています。この政権の大きな柱は、特に先週デフレ宣言なるものが出されましたけれども、この異常なる経済の事態で今までの中央集権の大型公共事業からそれを地域に、地域経済を発展させることに、あるいは福祉や教育にというのが、私たち鳩山政権の大きな柱であります。その文脈からいっても、地方交付税を大幅に増額する、これは地方と国の協議の場も、もう持たせていただきましたが、大事なことであると考えておりまして、藤井財務大臣とは密接な協議をさせていただいているところでございます。
 また、今後どう進めていくかについても、マニフェストでお約束をしたこと、あるいは3党連立合意、これを基に様々な財源、あるいは税源の調整をしていかなければいけません。先週、私の方から政務3役に指示いたしまして、財務省・総務省の政務3役を中心に次の予算案の骨格となるもの、この骨格となるものの基本的な考え方について、精査をするようにという指示をいたしました。今日、私のところへその第1次原案の素案といってもいいと思いますが来ると思います。それを基に国家戦略担当の菅副総理とも密接に議論をして、連携してお約束をしたことの実現に向けて前進していきたいと考えています。
(問)日本郵政に関する株式売却凍結法案、こちらも予断を許さない状況になっておりますけれども、もう1つ来年の通常国会に提出を目指している改革基本法案、こちらについてもですね、そろそろ作業工程上、スケジュールというのはきつくなっているかと思いますけれども、こちらの経営形態等々、現在の検討状況についてどのような状況になっているのか、お答えできる範囲でお願いします。
(答)これは郵政改革担当と密接に詰めていく、あるいは会社とも、様々なエコノミストや金融の専門家、あるいは郵政事業の国民の権利を保障するという立場でネットワークを作ってきたかたがたと密接に連携して結論を出していく話であるというふうに思います。
 これはもう政権交代前に一緒に場を持ってきましたので、粗方の議論は、尽くされてきていると認識をしています。その上で今は、今回この国会に提出をしている株式売却凍結法案、この国会通過に全力を傾けていきたいと思います。その上で、今お話のところを詰めていく、こういう所存でございます。
(問)鳩山総理の元秘書の方がですね、偽装献金問題で立件される見通しになったという一部報道にも出ているのですが、それに対する大臣の御所見、それから総理の説明責任、十分国会等で説明すべきかどうか、お聞かせください。
(答)政治資金規正法を所管する担当大臣としては、個別の案件について、特に検察が捜査をされている案件についてはお答えを差し控えると、そのように考えています。一般論として言えば、すべての疑いをかけられた問題について、政治家が真しに答えていくということは、とても大事なことであると考えています。
(問)国会の日程もかなり詰まってきて、延長かという話も出てきていますけれども、予算編成ですが、年内に必ずできるというふうにお考えでしょうか。
(答)予算編成を年内に終えるということは、とても大事なことです。大きな変革が起きました。ですから、今行政刷新会議で行っている事業仕分けや補正予算案の見直しのように、大変大きな、ある意味では変革に伴う切り込みが必要です。その作業を行いながらも経済も、国民の暮らしも待ったなしですから、年内で予算編成を終えると、その作業を全力で行っていきたいと考えています。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
(問)ありがとうございました。

(以上)