原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年11月10日

(平成21年11月10日(火) 9:53~10:13  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議後の記者会見をさせていただきます。今日、閣議の後で閣僚懇の中で、私の方から直轄事業負担金制度の廃止に向けて発言をさせていただきました。この直轄事業負担金制度については先の閣僚懇においてですね、地域主権推進の観点から平成22年度の当初予算の概算要求に当たって、その見直しをお願いしているところでございます。また、去る2日、全国知事会と総務大臣、国土交通大臣、それから農水は副大臣でしたけれども、その間で直轄事業負担金制度についての意見交換が開催されました。全国知事会からは国土交通省、それから農林水産省から維持管理費負担金の廃止の方向性が出されたことを評価するという声がある一方で、明細が分からないものについては払えないのだと、直轄事業負担金制度の廃止の行程表を早期に提示するよう、多くの声がございました。それを受けて、私たち鳩山政権では3党連立政権合意書を含むマニフェストで約束した事項は着実に実施する必要があるため、総務省、財務省、農林水産省及び国土交通省の大臣政務官からなるワーキングチーム、これを設置して年内をめどに直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表の取りまとめ、その素案を作成し、地方と十分に意見交換しながらこれを作っていきたいという発言をさせていただきました。これがまず第1点です。
 それから第2点目は、例の義務付け・枠付けですが、これは一次ですが、更に深掘りをするということをやっています。
 そして今日お手元にお配りをしたのは昨日、行政刷新会議の中で私から提言をしたものです。事業仕分けの対象にですね、分かりやすい言葉を言えば、財政運営そのものも事業仕分けすべきだと、これほどたくさんの借金を抱え、そして硬直化した財政を招いたこれまでの政権運営、それについてですね、総括なくして、個々の事業を細かく見てみたところで全体の、木を見て森を見ずということになってしまうのではないかということで、昨日、私の方から提案をさせていただいたのが、お手元にあるものでございます。
 事業仕分けにおいてさらに深掘りを要するものとしてですね、やはり特別会計と、それから独立行政法人、ここの埋蔵金に切り込まない事業仕分けはあり得ない、特に債務残高の増大に対するガバナンス、これ、対GDP比で189.6%にもなっている、先進国中、最悪の債務残高になっている。これは一体どうしてこういうことが起きているのか。あるいは税収見通しもそうですが、毎回ですね、税収見通しを誤ってその結果、国債の増発要因になってしまっている。このことをどう総括をするのか、ひいては国債管理政策あるいは外為特会というものについても聖域なく切り込むべきだと、年金の運用そのものについても切り込むべきだということを主張いたしました。
 最後にこの1番下に書いていますが、執行機関と不服審査、審判等の機関のあり方についても総括が必要だとあります。つまり主権者の側に立って、しっかりとした行政サービスをやるためにも、これらの事業仕分けを追加すべきだというふうに私の方から申し上げました。今回の一次の事業仕分けには、間に合わないのかも分かりませんが、仙谷大臣の方からは、大変大きなテーマなので、この行政財政刷新会議で取り上げて議論をしていくということをおっしゃいました。例えばですね、独立行政法人の国立印刷局、これは平成21年度末で340億円の利益譲与金を積み立てています。あるいは独立行政法人の造幣局、これは104億円の利益剰余金、関税局や輸出入・港湾管理関連の情報処理センター株式会社、これは46億円を支出しているわけです。つまり何がこの構造があるかというと、中央政府の本予算はばんばん細る中で、その先はすき焼きではないですけども、剰余金をたくさんため込んでいることはあってはならない。あるいは国債費についても、平成19年度は1兆円の不用額を示しているわけです。外為特会の埋蔵金については、これは一説には90兆円とも100兆円とも言われるわけですが、それを開示すべきだというふうに思います。
 最後に、総務省は元々、この行政刷新というような役割を持っているわけです。お手元の資料を御覧ください。法文を、中央省庁等改革基本法の法文を書かせていただいています。このときにですね、総務省は内閣及び内閣総理大臣を補佐し、支援する体制を強化する役割を担うものとして設置するものとする。つまり横串なのです。正にこの行政刷新会議の元になるもの、これを私たちとしてはサポートしていきたいというふうに考えています。
 また、昨日、地方分権改革推進委員会の第4次勧告が政府に提出されまして、鳩山総理に手交されました。私自身、この勧告の内容を真しに受け止めて、私たちが主張してきたものに大変多くの配慮をされたものでした。昨日、丹羽委員長の方から、これが終わりではないのだと。地方分権改革推進委員会はこれで最終の勧告にするけれど、なおチェックをしていかないと。正に今まで全く進まないというような状況をまた繰り返してはならないという強い御意向が示されまして、私も地域主権戦略局、あるいは別称会議とも言いますが、そういうものを早く立ち上げて、地域主権というのは民主主義そのものの改革であります。自らのことを自らで決め、自らがデザインをして、自らが財源を作り、そしてその中で責任を負っていくというシステムを早く回復をしたいと思います。地域主権になれば格差が広がるという間違った議論がありますが逆です。今のようなことを続けていたら、各地域の格差を埋める財源さえも無くなっていく。公共サービス格差は更に拡大をしてしまう。そのことを最後に申し上げておきたいと思います。そのために一刻も早い地域主権改革を前進させていきたいとい思います。以上です。

2.質疑応答

(問)今もお話がありました分権会議が昨日第4次勧告を出されましたが、今後どのように、4次勧告を受けてですね、これから1次勧告以降の対応をしていくのかということと、大臣、ちょうど今お話になりましたが、地域主権戦略局並びに地域主権戦略会議を置くということですが、今後これのメンバー構成ですとか、どのような組織のイメージをお持ちになっているのか。また具体的な設置のスケジュールに向けてどのようにお考えになっているかを伺いたいと思います。
(答)昨日の地方分権改革推進委員会の4次勧告では幾つも大事な項目を頂きました。その中で、やはり私がかねてから主張しているように地方交付税、これを大幅に拡充すべきだというのは、そのとおりだと思います。コンクリートから人にというこの改革の流れをしっかりとしたものにするためにも、地域における公共サービス格差を埋め、そして国民の、主権者の生活の保障をするためにも、このことはとても大事だと思います。あるいは一括交付金化に向けた留意事項についても御提言を頂きました。大変有り難い御提言で、取りまとめくださった皆さんに心から改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。
 また、この勧告は地方税財政にかかわる広範な課題を取り上げています。昨日、環境大臣との間で地方環境税といったものについて、どのように考えるかといった話をいたしました。温暖化あるいは気候変動といったものに地域でしっかり対応するためにも、この地方環境税というものを創設して、そして、私たちの地球環境の平和に貢献していくべきではないか、というふうに思っています。この勧告はですね、鳩山政権が地域主権を実現していく上での大変大きなしるべ、参考という形にしたいと思います。
 また、体制ですが、この勧告を受けて、今幾つも会議がありますけれども、それを大体3つくらいに整理していきたいと思っています。1つが、今お話の地域主権戦略局、エンジンですね。これは、そのトップに鳩山総理になっていただいて、その中で各省大臣、あるいは有識者、この地方分権改革推進委員会からも許せばメンバーに加わっていただきたいかたがたがいらっしゃいます。それともう1つは国・地方協議の場、今、法制化に向けて詰めをさせていただいていますけれども、それと財政審のような中長期の議論を深めていく場、この3つに機構改革をしていきたいと思っています。さしあたって、この勧告を受けて地域主権戦略局を作る、あるいは地域主権戦略室を作るための閣議決定を行えればと考えています。この中で、地方との協議を重ねながら、具体的な工程表を提示していこうと思っています。以上です。
(問)事業仕分けについて、改めてですが地方交付税が対象となったことについてのお考えをお願いします。
(答)これは仙谷大臣と協議をして、地方交付税、ただここは幾つも留保事項がついています。昨日の行政刷新会議でも申し上げました。これは地方独自の財源である。地方独自でやっていることまで事業仕分けの対象ではないということが1つ。私たちがなぜ事業仕分けの対象に入れたのかということも昨日の行政刷新会議で申し上げましたが、私たちは補助金もやめて一括交付金化するということを言っているのです。ところが、地方独自の財源である地方交付税を、これまでは逆に補助金のように使っていた。つまり、ひも付きで使っている。そういったことについては、今までの政権が行ってきた地方交付税の使い方については総括が必要だろうと、そういう意味での事業仕分けになるというふうに考えています。以上です。
(問)大臣、今日、人事院人事官候補者の所信聴取が衆参両院の議運で行われますが、民主党は脱官僚を訴えてこられてきたわけですけれども、郵政の社長、副社長に続いて、今回も官僚出身者ということで、割とついこの間まで次官をやってらっしゃった方なのですが、改めて大臣の御所感を。
(答)そうですね。郵政について言うとこれはもう皆さん御案内のとおり、前の前の総務大臣がこの郵政人事で実質上総務大臣を辞めるということに追い込まれるくらいの大きな争点があったものですね。その中で私たちが一番大事にしたいと考えているのは、何回もこれを言っていますが、国民の郵政事業における権利を保障するということです。現在この分社化ありきの郵政改革によってですね、今、利益率は公社時代の2分の1強になってしまっています。このままだと、サスティナブルではない。ですから、よく天下りと言われていますが、天下りを認めたのは私たちの政権ではないですね。その観点で選んでいるのではなくて、世界にごしていくためにも、国民の郵政事業における権利を保障していくためにも、様々なところで、頑張ってこられたかたがたの、パワーエリートと言いますか、そういう人たちの力が必要だと。ですから、今回、亀井大臣は自らおっしゃいませんけれども、経済界を代表する方が2人もその中に入ってくださっている。オール・ジャパンで郵政事業を改革する体制が整ったと、それは官で働いていた経緯を持とうが、何をしようが、正に株主として考え方を示して、1番いい方をここに持ってきたということでございます。
 人事官についてはですね、三人のうちお二人が民間の方で、お一人を官の経験がある方、これは公務員制度改革をこれからやっていかなくてはいけません。公務員の権利というものを、労働三権の問題についてもどう回復するかということも、大きな議論の中身になっていきます。その中での改革の一環として、最適な人材を御提案させていただいているというふうに考えています。
 よく、天下りを一緒くたにされますが、役所の権限を背景に随意契約、特殊法人あるいは情報隠し、こういったものを私たちは追求してきたわけで、私たち政治がそこにしっかりとコントロ-ルをしていくとうことが大事だというふうに思います。
(問)大臣、すみません。先ほどの地方環境税の話ですけれども、課税対象とか具体的な税のイメージと、これはいわゆる民主党がマニフェストに盛り込んだ暫定税率の廃止で、地方分の暫定税率廃止分の8,000億円くらいが不足が出るその穴埋め的なイメージというのもあるのかということをお願いします。
(答)はい、後者から言うと、穴埋めの話ではありません。環境税というのは、マニフェストの中でしっかり示しているものであります。なぜ、それを地方環境税かというと、より身近な、いわゆる税の世界はバッド課税、グッド減税なのですね。環境に対して様々な負荷を与えるものについては、国民の合意の下、もちろんこれは税制調査会の中で相当議論をしなくてはいけないテーマだと考えていますけれども、バッド課税というものを入れて、そして地域主権の、地域の皆さんの監視の中で、地球環境に対する回復を図っていこうという考え方です。いずれにせよ、これは私たちだけでやれる話ではなくて、税制調査会全体で議論を進めていきたいと思います。暫定税率とは関係ありません。
(問)税制調査会には大臣から御提案されるという形になるのでしょうか。
(答)環境大臣とよく相談をして、そして各省、これはいろいろな考え方がありますので、私が総務大臣としてということではなくて、税制調査会会長代行としてどのような提案ができるか検討していきたいと思います。
(問)地方環境税ですが、全国知事会が提案していますけれども、それと同じ制度を提案するということなのでしょうか。
(答)全国知事会からも提案を頂きました。そして、この間の税制調査会でも同種の御提案を頂きました。ただそれをどういう税目にするか、どういうものに掛けていくのかということについても、まだそこを詰めて話をしているわけではなくて、環境税というものの1つの形態として、地方環境税というものがありますねということを環境大臣と議論をして、一定の方向性を見定めようしているところであります。
(問)この大臣の出された資料は、詰まるところ、財務省改革が必要ではないかというふうにおっしゃっているようにもとれるのですが、そういう意味合いはあるのでしょうか。
(答)財務省改革という、そういう狭いものではなくて、財政運営そのものの総括が必要だろうと。経済、財政は2次関数で切れる話ではないのですね。その年の歳出を切り詰めたからといって、経済が死んでしまえば逆に言うと翌年の税収は減って、かえって財政赤字は拡大するのですね。そのためにマクロ経済モデルというものを、これは前の前の前の政権からやってきたものです。あのとき、私はもう亡くなりましたけれども、宮澤当時の財務大臣と議論をして、経済成長が一定以下であれば税収の弾性率を1.1に仮置きしたとしてもですね、1.1という今でいうととても大きな数字ですけれども、それで仮置きしたとしても財政赤字は発散するのですね。つまり、私たちの財政はサスティナブルではないということになって、では、何が持続可能性が高いのかということをしっかりと議論しないで、目先のあるフェーズにおける整合性だけを追い求めるとですね、今のような状況になってしまうわけです。そのことを申し上げているわけです。有り体の言葉で言うと、財務省も聖域ではありませんよと。あなた方だけが査定をして、どこか雲の上から人をたたききる、亀井大臣は人斬り以蔵という言葉を使っておられましたけれども、そのようなのんきな話はできませんねと、すべてが聖域なき改革ですということでございます。別に財務省を狙い撃ちしているのではありません。

(以上)

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