原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年10月23日

(平成21年10月23日(金) 10:36~10:45・11:20~11:26  於:官邸エントランスホール)

1.発言要旨

 今日、少し盛りだくさんなので早口で言いますが、1つは、本日の閣議で相模原市を指定都市として、指定する政令が決定されたところでございます。今後、相模原市におかれては、神奈川県との連絡・協調に、特に意を用いるとともに、行政区の設置、神奈川県からの事務の引継など、来年4月からの指定都市への移行に向けて準備を進め、引き続き適切な行政運営をされることを望んでおります。これが1点目です。
 それから、タスクフォース、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」、正式に発足させます。4つの分野で、ペーパー、もう皆さんに差し上げていると思いますが、過去の競争政策のレビュー、電気通信市場の環境変化への対応、ICT産業全般の国際競争力強化、そして、地球的課題の解決への貢献。この中で私が特に、気持ちを込めたのは、ICTは言論の自由、あるいは民主主義の基本です、インフラです。その中で、特に人間に視点を置いた、いかなる科学技術も人間そのものの本質をわきに置いた科学技術はありません。それを中心にですね、議論をしてくださいということをお願いしたところです。
 それから、総務省の顧問について、今日、正式に発令をいたします。これは地域主権改革や言論の顧問はまた別でありますけれども、まず9名、総務省の顧問ということで、前衆議院議員の亀井久興先生、名城大学教授でコンプライアンス研究センター長、弁護士でもいらっしゃいます郷原信郎先生、関西学院大学教授、地方財政審議会の会長であります神野直彦先生。それから、株式会社ベネッセホールディングス取締役会長、小さな島から文化を発信されておられます福武總一郎会長。それから、前衆議院議員、一緒に地域主権、あるいは郵政について取り組んできました、社民党の保坂展人前衆議院議員。それから、民主党の元衆議院議員でありまして、精神科医であります水島広子元衆議院議員。北海道大学教授の宮本太郎先生。公共サービス基本法等、私一緒に作らせていただいて、公共サービスにおける国民の権利というものをどのように保障するかということを議論してきました。また、元衆議院議員の、一緒に障害者基本法を作らせいただきました、八代英太先生。それから一般社団法人太陽経済の会代表理事の山ざき(1)養世さん。この9名の方を正式に総務省顧問として発令をしたところでございます。
 それから、昨日の行政刷新会議でもお話をしましたが、今、予算を切り詰めるということを一生懸命やっています。それとともにですね、各府省や独立行政法人の契約における実質的な競争性を確保するための緊急調査、総点検を総務省で実施いたします。物品調達等についてですね、競争性のあるものと言われているものも実質は1社入札。非常に不透明な入札が行われているのではないかということで、総務省の行政評価局にプロジェクトチームを編成し集中的に取り組むことにいたしました。今日、閣僚懇談会でも各大臣にお願いをいたしましたが、独立行政法人等の随意契約、1社応札、1社応募案件についても各法人に幹事と外部有識者を構成とする契約監視委員会を設置して、総点検を実施するように要請をしたところでございます。
 その上で、各府省において、政務三役がイニシアティブを発揮して総点検をされる。この結果を総務省でまとめて行政刷新会議で。ただただその事業仕分けをするというだけではなくて、今、どのような執行になっているのか。例えば、100万円で済むものを、150万円で入札していたのでは、お金がいくらあっても足りません。
 また、年金についてもキャッシュフローマネジメントといって、去年だけで、9兆6,000億円も運用に失敗しているわけですよ。なぜそんなことになっているのかということで、総務省でも問題意識を持って調査をさせているところでございます。これも行政刷新会議の大きなテーマの1つにしてくださいということを、お願いをしたところでございます。
 最後ですが、今日、経団連の御手洗会長をはじめ皆さんと意見交換を道州制、それからICTの活用、特に電子政府の推進ということで議論をさせていただいて、今日、御手洗会長との間で、私たちとですね、共通のタスクフォースを作って、そして、この2つのテーマについて前進させていきましょうという合意がなされたことを最後に申し上げます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)総務省の顧問のお話がありましたけれども、この顧問の方たちにはどのような役割を期待されますでしょうか。
(答)ここはですね、総務省、今、大きな霞が関解体、これをやろうとしています。あるいは消えた年金についても、年金記録確認第三者委員会を所掌しています。コンプライアンス全般、先ほど申し上げました、随意契約のあり方、あるいは公共サービス、郵政における今までの状況を総括することもお願いをしたいというふうにも思っておりまして、この9名のかたがたには今までを総括し、そして新しい時代を開くための様々な御専門におけるですね、知見を生かしていただいて、正に国民主権、地域主権の先頭に立つためのガイド役を務めていただきたいというふうに考えています。
(問)すみません、顧問の名前にですね、地域の首長の方たちが入っていませんでしたけれども。
(答)これはですね、先ほど申し上げたように、言論の自由の部分と、それからコミュニケーションの部分と、それから、地域主権の部分の顧問はまた別途発表させていただきます。
(問)経団連との懇談会の中で、タスクフォースのお話がありましたけれども、これはどのような形なのでしょうか。
(答)今、これから、もう合意をしましたので、今までの内閣のやり方というのは、審議会を作って1年ぐらい議論して、その間に内閣が変わっているという状況で前に進まない。で、私たちは広く衆知を集める立場でですね、今すぐ合意できること、今すぐ前に進めること、その共通基盤を作っていきましょう。特に道州制、これは地域主権改革という文脈の中での道州制、私たちは基礎自治体ということの重視を言っていますが、経団連がお考えの活力ある経済、そのために道州制がどのような位置付けなのかといったことも、共通の認識が今日持てましたので、そこでタスクフォースを作っていく。あるいは、電子政府については、これはもうずっと掛け声が挙がっていました。議員連盟も、前の議員連盟は麻生前総理が会長で、今の総理が幹事長という形でしたが、それにしてもまだ進んでいるものがありませんので、まだ乏しいので、実際に前に進めていきましょうと、協力し合いながらやっていきましょうということです。
(問)すみません、経団連とのタスクフォースの関係で、道州制についてのところで、共通の認識を持てたというその意味をもう少し詳しくお願いします。
(答)そうですね。それはですね、いわゆる、中央でなんでも決めて、私たち義務付け・枠付けを変えるべきだと言っています。それから原則地方の出先機関を廃止すると。そういう中で多くの無駄なことがあって、そして、経団連の皆さんのお言葉を借りれば、本当に、例えば、九州だけでも、もうそれだけ十分決められるものを地域で決められない。あるいは、全体で港湾やあるいは空港といったことも計画できるものが全部中央に行かないと決められないと、そういうことは変えていこうと、この共通認識ですね。
(問)顧問のメンバーの中で、前職、元職の議員だった方がかなり多いと思うのですが、その辺、選ばれた基準等はどのように。
(答)そうですね、それぞれのエキスパートですね。地域主権改革、郵政改革。特に郵政事業における国民の権利を保障するということで一緒に歩いてきたと。それから、水島さんについては、もう正に、ドメスティックバイオレンスと戦ってこられた方だし、今、私たちは働く人たちの権利を保障するために、心身の健全な状況をどうつくっていくかと。対人療法の心理学、アティテュードナル・ヒーリングということの権威でもございますから、正に命を大切にする鳩山政権の中で大事な方だと思います。八代先生についても障害者の権利条約あるいは基本法という形で、一人一人の人権を守る形で頑張ってこられた方。それぞれのエキスパートを選ぶことができたというふうに思っています。4人ですね、元職。いずれも私と一緒に、これまで志を共に法律を作り、あるいは改革を前に進める、変革を前に進めてきてくださった方です。
(問)大臣、経団連とのタスクフォースは、議論のスケジュールとしてはどういうことになるでしょうか。
(答)まずは今日事務局でですね、2つについてやるということを決めましたので。1つは電子政府。電子政府の進め方についての時系列。正に工程表を1、2回議論をしていく過程で出せたらというふうに思っています。
 その工程表の中でみなさんにスケジュール感を示していきたい。いずれにせよ、先ほど申し上げましたように審議会を作って、審議会の結論が出たときには、もう内閣が終わっているというような形には絶対したくない。できることからやっていきたいと思っています。
(問)ICTのタスクフォースで競争政策、競争政策を考える、この作業部会、第2グループだと思うのですが、NTT関係の方がメンバーとして入っていると思うのですが、NTTの組織再編等々ですね、議論していく中でそういった影響は。
(答)これは当事者の意見無くして結論無し。NTTだけではなくて、KDDI、あるいはソフトバンクのかたがたもお入りいただいて、しっかりとした競争政策について考えていただきたいと思っています。
(問)すみません、各閣僚の資産が公開されますけれども、御自身の資産に関する御感想と、資産公開制度についてどのように評価されているか、改善すべき点とか、もしお考えであれば教えてください。
(答)そうですね。もう、資産については開示をしているとおりです。政治を使っていろいろな利益を得ない、当たり前の話ですね。そのことのためにも大変大事な制度であるというふうに思いますし、私たちの場合は、もう、子供の資産まで開示するということになっています。11歳の子供の資産も出すということですけれども、そこについては少し議論があるのかなと思います資産は無いのですけれどもね、有るわけないので。無いのですけれども、考えるところがありますけれども、原則はやはり全部公開。開示をしっかりして、政治に対する信頼を培っていくということが大事だと思っています。
(問)分かりました。ではありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

※(1)は山へんに立・可

(以上)