大島副大臣記者会見要旨 平成22年5月6日

(平成22年5月6日(木) 15:05~15:24  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。質問がありましたら、よろしくお願いします。

2.質疑応答

(問)ワールドカップのチケットに関するトラブルがどうも起きているようで、それに関して旅行業法を一応、消費者庁でも共管しているということもあって、何か消費者庁でできることというのはあるのかなというのをちょっとお聞きしたいんですが。
(答)具体的に何をするかは、今回も新聞報道で皆さんに取り上げていただいたので、こういう事件の再発防止をしていきたいということと気をつけてほしいというのが第1点。
 もう一つは、先ほどもこういうトラブルについて、記事で見ると前回のドイツ大会でもあり、今回は南アフリカであったわけです。今、上海万博でも起きているということで、大きな国際的な行事には日本からも多くの人が行かれるわけですから、そういう事故について、国民生活センターのPIO-NET等で事前にどういう傾向にあるのか予知できれば、事前にそういうトラブルを察知してとりうる対応をとっていきたいなとも考えています。
(問)特に今の時点で消費者庁とか、あとは国民生活センターに寄せられた情報とかで把握されているものというのはありますか。
(答)PIO-NETに登録された相談情報ですと、5月5日までの登録分で1件あります。ネットで海外パックツアーを申し込んだんだけれども、販社と連絡がとれない、解約して返金してほしいというのが1件ありました。詳しい内容は、今はまだここまでしかわかりません。
(問)今後、何か対策としてすぐに動くかどうかというのは、今のところはまだわからないですか。
(消費者庁長官)南アの件で今動くことについては、特別の対応は考えておりません。むしろ、これからある問題について、よくPIO-NETに注意するように、国民生活センターと連携をとっていきたいと考えています。

(答)そのホームページについても、非常によくできたホームページだと聞いていて、一般の方にはなかなか見分けがつかないそうです。ですから、本当に注意すべきことやトラブルが起きたことについて、先ほど長官が申し上げましたとおり、早目に私たちが気づいてアナウンスすることが大切だと考えております。
(問)ゴールデンウィークも無事終わったわけですけれども、ちょっと思い返すと、中国製冷凍ギョーザ事件の発覚がおくれたのも、年末年始で行政がお休みになっていたというところが、一つの一因にあったと私は記憶しております。
 このゴールデンウィークも、例えば兵庫だったでしょうか、子どもがホテルの窓から転落したりとか幾つか事故が報じられていますけれども、消費者安全法で、この連休期間中に何か消費者庁に通知された重大事故というのはあるんでしょうか。
(野村消費者安全課長)ちょっと、まだお昼までで精査中ですけれども、ゼロではないと思います。また週明け、来週の水曜日には、連休中の通知情報も含めまして、件数、内容を御報告させていただければと思っております。
(問)副大臣会見で聞くべきことではないというのはわかっているんですけれども、担当者に今日何度か電話したんですけれども、担当者が今日1日いないということで、ちょっとこの場をかりて質問させていただきました。じゃあ来週の公表でしっかり確認したいと思います。
 それと、先週の会見でも、ちょっとやや過ぎた言葉でお尋ねしましたけれども、消費者安全法と消費生活用製品安全法の足りない点については、消費者委員会に設置されている消費者問題の専門調査会のほうで議論していくということなんですけれども、本日、消費者委員会のほうに確認したところ、まだこの専門調査会の日程が決まっていないということです。
 近々開いてほしいとは思うんですけれども、11日にパロマ事故の刑事事件の判決もあります。そこでもやはり事故情報の一元化とか、そうした教訓は生かされているのかということは必ず問われるわけでして、今現在、まだ消費生活用製品安全法も消費者安全法も完全ではないという認識があるのでしたら、消費者委員会の消費者安全専門調査会はいつ開かれるかわかりませんけれども、それを待つのではなくて、みずから消費者庁が自発的に改善していくということはできないものなのでしょうか。
(答)確かに、これまでの経緯を見てみれば、28件の事故のうち27件は、時効が過ぎてから判明して、最後の1件についての判決が近日中に出されるということですよね。
 先ほどのゴールデンウィーク中の事件も非常に痛ましいですよね。ホテルに泊まってベッドが2つあって、そこで飛び跳ねていたら、たまたま誤って窓から落下してお亡くなりになったという件も非常に痛ましい事件だと思っていまして、ですから、そうすると、いつごろ会議を開催するかについては、一回ここで引き取りまして、できるだけ早いタイミングで会議ができればなとは思います。

(消費者庁長官)2つ申し上げたいと思うのですけれども、たびたび申し上げておりますが、私どもも決して9月に発足して完全なものができたとは思っておりません。したがって、その後も、例えば3月に消防庁と相談をして、各消防に事故の通知について通報を出したり、あるいは公表の制度についても、先週、医療事故についても制度の改正を御説明させていただきましたけれども、何度かそういう改善は講じております。もう一点は、消費者委員会でやっていただいたほうがいいのかなと。今私自身が思っておりますのは、この間も申し上げたように、今のこの情報の一元化のシステムはいろんな方の協力、判断が重なって動いているシステムでございます。半年過ぎたので、そういう方たちの意見、それから消費者団体、つまり利用者のいわば代表なんでしょうか、そういう方たちの意見も聞いてみたいと思っているのですけれども、できればそれを公開の場でいろいろお話を聞く仕組みがいいのではないのかなと私自身は思っておりまして、そういう意味では消費者委員会の場を使うというのがいいと、今は思っております。もちろん、それまで何もしないということではありません。私の中にも問題意識はありますので、その問題意識の点検等は常にやっていきたいと思っています。

(答)公開の場で、しっかり議論をしていただいたほうがいいと思うので、私からも一言、委員長に伝えます。皆さん、努力はされていると思うので。
(問)一つ、消費者安全法のことについて、ちょっとまだ僕も調べている最中なので、あんまり詳しくは言えないんですけれども、いわゆる「誤使用」と言われるような、製品の誤使用はたまにあると思うんですけれども、誤使用に関する消費者安全法の考え方について、ちょっとお聞きしたいです。
(答)技術的な質問については、事務方から答えさせますので、もう一度御質問をお願いします。
(問)誤使用というのは、一般的には「消費者安全法の中の『消費者事故』には入っていない」という説明を僕はたまたま今日受けたんですけれども、誤って何かをしてしまって、例えばパワーウィンドウで誤って挟んでしまうという、これは消費者事故ではないのかどうかという議論が多分そのうちまた、以前の消費者安全法のときにも出てきたと思うんですけれども、それについて副大臣のお考えをちょっとお聞きしたいなと。もちろん事務方からでも結構なんですけれども、ちょっと後ほどお考えをお聞きしたいなと。
(野村消費者安全課長)消費者安全法では、誤使用に関連する言葉といたしましては、「消費安全性を欠いていないことが明らかな場合」、これは通知義務などの対象から除くという定義の置き方をしてございます。
 ですから、誤使用という概念の定義自体、ちょっとそういう複雑な定義の仕方をしておるんですけれども、明らかに通常、想定されるような使用方法なりを逸脱したような使用状況での事故というものは、これは消費者事故からは除かれるということであろうかと思います。ただあくまで社会通念に照らしてということではありますので、概念自体、流動的な性格のものであろうとは思いますけれども、誤使用は消費者事故ではないのかという御質問に関しては、そういう細かいところ、厳密なところを捨象すれば、御質問に関してはそのとおりだということかと思います。

(答)長官から補足をお願いします。

(消費者庁長官)すみません、専門家の説明の後に間違うといけないんですけれども、今、彼が言ったのは、誤使用ということがはっきりわかったそれが消費者事故かと言われれば、それは事故ではないということだと思うんです。彼が言ったように、消費者事故としての通知は、製品起因の事故でないことが明らかな場合を除いて出しなさいということですから、その時点ではかなり広くとっていると思っていただいていいと思います。それから、何をもって誤使用というのか、これはまた個別に、おそらく一つ一つ当たってみないとそれがわからないという概念のものだろうと思います。
 したがって、あいまいであるので、消費者事故はそれが製品起因でないことが明らかであれば出していける。ところが大体の場合にはまだ明らかでないでしょうから、おそらくその時点では消費者事故にとりあえず当たるということではないかと思います。
(問)ちょっともう少し、僕も調べてからなんですけれども、そうすると一般的に今、長官のおっしゃった言い方だと、消費者事故かもしれないものはとりあえず出しておこうということなので、最初に消費者安全法に基づいて通知されたものの、多くは最初は公表されていて、途中からそれが、実は違ったということで削れていくんだったらわかるんですけれども、逆になっているような気がするんですけれども。
(消費者庁長官)通知と公表とは別で、うちにまず通知をするのは少し広めて、ただし、そこは先日来指摘をされているように、その判断は一義的には、情報をつかんだ、入手した方が判断をしている。その問題があるので、そこはなるべく、もっと客観的な指標をつくらなきゃいけない。それでマニュアルをつくってはいるのですけれども、もしかしたらそれが漏れているかもしれない。したがって、点検をしなきゃいけないという議論に今なっているんだと思っています。
(問)その議論の中には、いわゆる担当者が、これは消費者事故であるか、事故ではないかという判断を、今、一応、通知側に任されているということなんですけれども、一応僕が今調べている中では、どちらかというと「これは消費者事故ですか」というふうに消費者庁に聞いてきて、「これは消費者事故ではありません」、「これは消費者事故です」と通知を受ける、受けないという判断が、今担当者任せになっていると思うんですね。これですごく回るような仕組みであればいいとは思うんですけれど、実際には消費者事故じゃないかと、ほかの府省が思っているケースでも―として通知されていても、それを消費者庁は「消費者事故ではありません」というふうに断っているケースが多々あるんではないかと思うんですけれども、こういうことが起き得るという可能性は、今の現状のシステムではどうでしょうか。
(野村消費者安全課長)消費者安全法に基づく通知という状況になる以前の情報の共有を関係省庁とやりとりをしている事実があるというのは、そのとおりであります。
 やりとりをした上で、通知情報が今週三十何件でしたというような整理をしましたというときに、通知としてカウントされたのがこれだけですということと、カウントされなかったものが、こういうものが何件でしたということは、担当課長までには報告をさせるようにしております。
 非常に難しいようなものに関しましては、さらに上部まで御相談申し上げるべきことかと思いますけれども、いずれにしましても、担当任せにしているということは、少なくともきちんと組織として判断した上で、取り扱いをさせていただいているということにはしているのが現状かと思っております。
(問)副大臣の誤使用に関するお考えはありますか。
(答)基本的なスタンスとして、事故が起きたときに類似の事故が起きるおそれがあるかどうかを、私たちはまず念頭に置かなければいけないと思うんです。
 私が副大臣として最初にここに臨んだときに、当時、札幌で本屋さんの本棚が倒れて、子どもがけがをした事件があって、すぐに消費者庁の職員に札幌に行っていただいきました。それは次から次へ起こる事件ではなかったので、安心したというわけではないんですけれども、そういう事件があったという確認して、起きる可能性が極めて高い事故かどうかを判断することが大切だと思っています。それが基本的なスタンスですから、すべてについてもう一回確認しなければいけないんだけれども、そういう見方が一番求められているのかなと思います。一般論なんですけれども。
 それは、すぐには判断できないかもしれないですよね。いろんなケースを扱っている中で、この事件というのは、こういうことがあったから類推されるから、前回のご指摘どおり早目に公表した方がいいという判断をできるのがベストなのかなとは思います。
 今の誤使用とか誤使用の範囲について何がグレーゾーンか、まだ明確にはわからないし、これは議論してもわからないと思います。だから、それが起きる可能性があるということを、やっぱり認識することが大切だと思います。
(問)ここは持論を述べる場ではないので控えますけれども、ライターの事故は、まだ救われているんです。というのは、消費生活用製品安全法の対象なので、まだ子どもの誤使用、子どもの火遊び火災による事故は、ようやくNITEが事故情報を集め出しまして、毎週金曜日に速報という形で公表され始めたので、まだ救われているんですけれども、パワーウィンドウのほうは、これは消費生活用製品安全法では対象にならないので、どこも集めるところがありません。
 まさに、こういうところこそ、消費者庁が発足した意義だと思うんです。こういう、これまでの法律ではカバーできていないところこそ、まさに消費者安全法でカバーできるところだと思うんですけれども、パワーウィンドウというのは安全基準がないんです。ライターと同じです。つまり、事故が起きても製品に安全性が欠いているかどうかというのは、判断する基準がないんです。だから、消費者事故としても消防当局も簡単に判断できず、消費者事故として上がってこないんです。だから、突き詰めて言えば、安全規制、基準がないものは、消費者事故になり得ない。だから、いいというんじゃなくて、じゃあどうするかというところが消費者庁に問われているわけですから、早急に考えていただきたいと思います。
(答)わかりました。

(以上)