大島副大臣記者会見要旨 平成22年3月11日

(平成22年3月11日(木) 15:31~15:55  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 今日は質問を受けながら答えたいと思います。

2.質疑応答

(問)消費者基本計画、随分議論がされていまして、議論というか、だめ出しばかりという感じなんですけれども、今日、専門家のほうからは、無理に今年度中にまとめなくてもいいのではないかという意見も出るぐらい、聞いていて大丈夫なのかという感じなんですが、それは副大臣、どうご覧になっていますか。
(答)まず消費者基本計画は、今月中には閣議決定まで持っていきたいと考えていますし、持っていかなければいけないものだと承知をしております。
 今回の消費者基本計画は、一番最初の段階において、消費者基本計画の項目立てからパブリックコメントをいただいて、さらに2回目のパブリックコメントをいただいてという運びで今まできました。
 今、政務三役も中心となって消費者基本計画について、案文に対して政治主導で意見を盛り込んでいくとともに、議会でも今日、明日ともに質問研究会があります。これも消費者特別委員会の与党の議員を中心に、消費者基本計画に熱い思いを入れていただくということで、非常にすばらしいことだと考えております。
 運びとしては、明日、政策会議の分科会を開いて、一度これまでの議論、今日の質問研究会で出た意見も踏まえ、各与党の議員から意見が出ますので、それも反映していきたいと考えています。来週金曜日にもう一回政策会議の分科会を開き、もう一度そこでもんで、最終的には再来週の火曜日の午前中の内閣府政策会議で最終的な意見を伺う予定です。
 一つには、これは5年計画ですから、まずは項目立てをするということ。今回は、1年ごとのローリングの計画、検証と見直す内容も入れさせていただいておりまして、それは閣議決定で毎年見直していくということにしております。まずは項目立てをして、その項目立てに従って消費者庁及び各府省が議論、検討をして、それを踏まえ、来年の今頃には検証作業と、これから1年間どうするかという具体的な作業をしていきます。一番最初の案文だと、毎年ごとの閣議決定が必要かどうかという議論はあったのですが、私としては、閣議決定というのは非常に重いものですから、閣議決定をすることによって、各府省が責任を持ってコミットメント、約束をするということになると考えています。今年はまずは5年間の総論と各項目立てがあって、具体的にそれに基づいて1年間議論をして、来年、成果を議論して、同じように政策会議と質問研究会などを通じて、議会との意見を調整し、政府内での意見をまとめて、新しい2年目が始まるということで、私としては、最初から100点満点というわけにはいかないんですけれども、そういうシステムを組むことによって、今後さらに充実していくと考えております。
(問)絶えず見直して改善を図りながら進めていく、ただ5年間これでいくよとスタートさせるんじゃなくて、ちゃんと検証、見直し、改善という形でやっていかれるという。
(答)今までそこまで強く5年計画で意図したところはなかったかなとは思います。一回5年計画で出すと、総理大臣なり官房長官をヘッドとして、会議体はあるんだけれども、そこでオーソライズすればいいじゃないかということだったんですけれども、そこはやはりしっかり検証する過程を入れるということが大きな違いかなと思います。
(問)そこは大変評価したいと思うんですけれども、今日も消費者団体の方がパブコメで2回にわたって意見を申し入れしているんだけれども、全く反映されていないと、ちょっと怒っていらっしゃいまして、だから、そういう意見を吸い上げる仕組みはつくっているんですけれども、反映していない。反映していないのは、なぜそれが反映できないのか。何でもかんでもというわけにいかないというのはあるんでしょうけれども、その辺の説明が足りなかったように思うんですね。
(答)今回は、末松委員長と辻筆頭を中心に質問研究会を2回開催して、前回の質問研究会には私も陪席し、弁護士会と消団連の皆さんの意見を聞いて、その意見を踏まえ、今回の政策会議の分科会は2回開いた方がより多くの意見をいただけるだろうという判断のもとに今回政策会議の分科会を設定いたしました。
 質問研究会もそういう直接的な意見が出るということは非常にいいことだと思っていて、これまでだとまとまってからこうなりましたということで、それ以降、なかなか加筆訂正などできなかったと思います。今回はちゃんとフルオープンで、これは議会の判断ですから、私の判断ではないですが、一議員として申し上げれば、そうやってマスコミの皆さんにも入っていただいて、政策会議の分科会もフルオープンで、さまざまな議論がなされ、消費者庁はまだ努力が足りないんじゃないかという意見も私たちとしても真摯に受けとめながら、よりよい方向にしていくことができるのかなと思っています。
(問)今日昼に政務三役会議が開かれましたが、今日はどういった議題を扱われたのかというのと、簡単なブリーフをできればお願いします。
(答)今日は三役会議ということではなくて、三役が集まって、本会議もあったので、30分ほど意見交換をいたしましたので、決定事項等はありません。
(問)意見交換というのは何をテーマに。
(答)消費者庁あるいは国民生活センターのあり方などについて意見交換をさせていただきました。
(問)問題が多かった消費者情報ダイヤル、なくすことが決まったわけなんですけれども、なくせば一件落着ということでもないと思うんですね。つまり、これまで行政処分につながる端緒を得るという目的があって、現に政策調整課のほうから各省庁に関係があるものを情報提供していたわけです。送りっ放しだったわけですけれども、そのフィードバックが今のところないというのはわかってはいるんですが、これで送りっ放しで、送ることも3月でやめて、じゃもうこれでなしにしましょうというのは、ちょっとかけた税金がもったいなさ過ぎるので、何かフィードバックの検証とか、そういったもののお考えは何かないでしょうか。
(答)今回の消費者情報ダイヤルについては、所期の目的がはっきりしていなかったことも誤解を招いた一因かなとは思います。やはり私も「消費者情報ダイヤル」と聞けば、消費者庁が身近な消費者の相談に乗ってくれるというふうに理解するわけです。そういうわけで、皆さんのお悩みが多く消費者庁に寄せられ、1万5,000件を超える情報が寄せられたと伺っております。
 目的としては、法制度はどういうふうに解釈すべきかという、各消費者の相談窓口あるいは行政当局からの法解釈についての相談、あるいは、特商法や景品表示法の法執行について、こういう事件があるんだけれどもどうかねといった事件の通報的なものも予定をしていたわけですが、消費者庁の消費者情報ダイヤルというこの名前を聞いたときに、それは法解釈あるいは法執行についての情報提供よりも、一般消費者の消費生活相談に関するものが多かったということは事実だと思います。
 今回、当初、一日170件ぐらいピーク時にあったのが120件ぐらいまで減少してきたということと、1月から消費者ホットラインも全国での運用を開始して、相談窓口もこれからもう少し直接つながる件数もふえてくるかなとは思います。今までだと代表番号が案内され、直接つながらないところが少し残っていたところが、徐々に解消してくる方向にあると聞いているので、ホットラインも当初予定していたところまでは立ち上がってくると思うので、移行をさせていただくということで、このダイヤルについては法解釈とか法執行に特化して運用していきたいと思っております。
 ただ、この1万5,000件の情報を得たということと、その情報によって具体の事故なり事件なり、あるいは一定の解決が図られたということもありますから、その検証はしていきたいなとも考えております。また対応をするためにはそれなりの人員の確保が必要だったということもハンドルが難しかった要因の一つなので、それも検証の中にも入るかなとは思いますが、これらについては検証していきたいと思います。

(消費者庁長官)御懸念の法執行情報ですけれども、これについては、今まで大体1日5件あるかないかだったと思うんですけれども、これについては大代表、今回、昨日御説明申し上げたと思いますけれども、大代表をバックアップするための案内係というチーム、これは情報ダイヤルを扱っていたチームのメンバーの一部になると思いますけれども、彼らのところで受けていきますので、そういう大変重要な情報については従来どおり受けていけるのではないかというふうに思っております。
(問)検証作業は今後していただけると。検証結果については公表していただけるということでよろしいですね。
(答)もちろん検証結果がどういう内容になるかというのは私もちょっと見てみないとわからないんですけれども、検証結果については、今後の対応もあるでしょうから、報告はしていきたいなと思います。
(問)それと、4月以降、大代表で消費者行政全般に関する情報提供も受けていくということですけれども、この受けたものも今までどおり政策調整課から各関係省庁に流していくということでよろしいんですか。
(消費者庁長官)法執行にかかわるようなもの、関係各省にあるものについてはそういうふうにするつもりでおります。
(問)今の関連なのですが、案内窓口、案内係という表現なのですが、どうも景表法とか特商法とか、持っている、所管がはっきりしている課ははっきりしていると思うんですが、この案内係というところで受けつけて、どうもまたたらい回しになるのではないのという、名前のイメージがそういうふうにちょっと受け取れてしまうところがあって、それをきちんと消費者庁で受けとめて、最後まできちんとやるんだというような、そういうことですよね。
(消費者庁長官)いい名称があったらお教えいただきたいと思いますけれども、役割は、交換にまず大代表で入ってきます。その段階で、不分明なものについては、すぐたらい回しにならないようにむしろ案内係で一たん受けて、どこが正しい窓口であるということを判断しておつなぎするというのが我々が今案内係と言っている係の機能だと思っています。
 2つ考えられて、大代表が余りじっくり考えてしまうと、昨日の御質問でも心配があったようですけれども、大代表の回線が塞がってしまいますから、さっとまず渡してもらう。
 それから、逆に大代表が直接回してしまうと、誤ったところに行ってしまってたらい回しになってしまうということを私ども懸念いたしましたので、そこで一たんすぐ、よくわからないなというものは案内係に回していただいて、そこで的確な場所を判断してそちらに御紹介をするということを考えました。
(問)ただ、消費者庁が持っていない法律とかも消費者問題でいろいろありますよね。そういうもの、何か大代表に回されて、案内係に回されて、またどこかに回されるんですか。
(答)今の御指摘はそのとおりだと思います。やはり電話を受けたときに、情報ダイヤルという名前は使用しなくても、消費者庁ということで、これまでどおり、消費者の消費生活相談に該当するものもかかってくると思いますし、先ほどの特商法や景表法の関係、あるいは他省庁の事案に関するものについても、まずは消費者庁へ電話してみようというふうに、そこまで消費者庁が存在感を示すことが私は必要だと思っています。
 そのときに長官にお願いしたいのは、電話というのはどうしても大きな会社だと軽く見がちなところなんです。でも、そのインターフフェースの部分が私は一番大切だと思っていて、そこの対応如何によって組織風土が外に対して伝わる面が多分にあると思っています。ですから、4月から消費者情報ダイヤルをやめて、大代表に移行するんですけれども、そのときの消費者庁の大代表の受付については、制度設計を綿密にしてほしいので、よろしくお願いします。これはものすごく大切なことだと思います。
(問)食品SOS対応は泉政務官だと思うのですが、昨日、こんにゃくゼリー、一応今からパブコメにはかかるのですが、こんにゃくゼリーでとりあえずリスク評価を食品安全委員会の作業部会はまとめたのです。それを受けて、消費者庁として、食品SOS対応チームでどのくらいまで検討が進んでいますか。、今のところちょっと何も見えてこないので、少しお話を聞かせていただければありがたいのですが。
(答)わかりました。今回のこのこんにゃく入りゼリーを含む窒息事故の多い食品の安全性については、昨年4月27日に、当時の内閣府国民生活局、すなわち現在の消費者庁から食品安全委員会に対して評価の要請を行っています。
 これを受けて、食品安全委員会では、食品による窒息事故に関するワーキンググループを設置して、公開で精力的に調査審議を進めて、昨日開催された第7回ワーキンググループにおいて評価書案がおおむねまとまったと報告を受けています。
 その概要は、1として、食品による窒息事項の実態の把握、窒息事故が発生しやすい食品の特定並びに食品の物性と及び接触者側等の要因の分析、海外における対応等の把握を実施するとともに、2として、1口当たりの窒息事故頻度は、検討した食品群の中では餅が最も高く、こんにゃくゼリーは飴と同程度と聞いております。
 なお、窒息事故の低減や防止について、ワーキンググループでは、専門家の間でいろいろ議論されましたが、出された意見はさまざまだと伺っておりまして、中には正反対なものもあったことから、提言のようなものは取りまとめず、科学的な評価書案のみを取りまとめたと聞いております。
 食品安全委員会では、ワーキンググループが昨日取りまとめた評価案を審議し、今御指摘があったとおり、国民からの意見、情報の募集を30日間行った後に評価書として取りまとめ、評価書の要請に当たる消費者庁に通知するということになっておりますので、今後はこの評価書の内容を踏まえながら具体的な対応を速やかに検討することになると考えております。
 この結果、最終的に食品安全委員会のほうからこの答申に対する回答を受けて考えることになるかなとは思うんですけれども、その点は政務官を中心に今対応を検討していただいておりますので、若干今言ったトーンとは違うかもしれませんが、概ねそういうことを伺っております。
(問)今後食品SOSチームの具体的な動きとか、検討状況とか、消費者庁の動きが知りたいのですが。
(消費者庁長官)先日申し上げたと思うのですけれども、今はいろいろな事故の状況の把握とか、そういう基礎的な調査を政務官の指示で進めております。
 それで、今、副大臣から御説明あるいはお話があったとおりでありますけれども、ワーキンググループの報告が出て、恐らく近いうちに親委員会といいますか、食品安全委員会に提出をされるんだろうと思います。食品SOSが動き出すのは、そのときを待ってからではないかなと思っております。政務官の御判断を仰がなければいけませんけれども。
(問)それは会議か何かがスタートするという形になるんでしょうか。
(消費者庁長官)食品SOSチームで検討するということになると思います。

(以上)