大島副大臣記者会見要旨 平成22年3月4日

(平成22年3月4日(木) 14:01~14:43  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 まず、子供のライター火遊びに関して、子供が使えないようなライターへの規制のあり方等については、現在、経済産業省において検討が進められていますが、これが円滑に行われるよう、一昨日3月2日、増子経済産業副大臣のところを訪ねてお願いをしてきました。
 その際に、私の方からは、ライターの火遊び事故を防ぐため、子供が使いにくくする機能、チャイルドレジスタンスは重要であるということと、ライター規制の検討が適切・迅速に進むことを期待しており、増子さんのリーダーシップをお願いしたいことをお伝えしております。それに対して、増子経済産業副大臣から、連携して進めたいとの回答をいただいております。今後とも消費者庁は、ライター規制の検討が適切・迅速に進むように経済産業省と連携して鋭意取り組んでまいります。
 このライター、見たことありますか。チャイルドレジスタンスという機能はご存知ですよね。ちょっとつけてみてください。こっちが普通のライター、こっちがチャイルドレジスタンス。一工夫があるんです。普通のライターと違って、一つ動作が入ってやるものやこのライターのように大人じゃないとつかないように非常に重くなっている。今、経済産業省も一生懸命問題意識を持って検討していただいているので、エールを送ってまいりました。
 次に、米国においてダイソーが基準を上回る鉛を含む子ども用の玩具を輸入・販売していたとの報道が昨日あったと思います。大創産業がカリフォルニア州やワシントン州で基準を上回る鉛を含んだ子供用おもちゃを販売していて、205万ドルの罰金を科されたという報道です。
 皆様も御承知かと思うんですけれども、今年1月13日に米国で販売されている中国製の子ども用アクセサリーからカドミウムが検出されたという報道があって、1月14日に私から、消費者庁においても国内で流通している子どもが口に含む恐れがあるもののサンプリング調査を行うように指示をしております。当時の基本方針としては、まず子どもが口に含む恐れがあるもの、または輸入品を対象とする。2つ目として、100円ショップやディスカウントショップなどの店舗を中心として、製品の価格がそれほど高くないものを対象としてサンプリングするという方針で、3月中には結果を取りまとめるように指示を出しております。
 昨日の報道を受けて現状について確認したところ、日本とアメリカでは基準が違います。前回はカドミウムについて指示を出したのですが、カドミウムと併せて鉛も一緒に国民生活センターでは検査をしていただいております。まず皆さんに申し上げたいのは、日本とアメリカでは基準が違うということです。日本の基準は製品から溶け出した量なのですが、アメリカの基準は製品に入っている量なので、日本の基準でクリアしていても、アメリカの基準ではクリアできない製品もあるということを承知してください。詳しくは事務方に確認してほしいのですが、その違いがあります。
 国民生活センターがダイソーで購入したものは、全部で4品目・12種類あり、そのうち鉛が入っているものが2つありました。ただ、この基準というのは、さっき言ったとおり日本の基準とアメリカの基準が違うので、日本の基準には合致はしているんだけれどもというところです。
 ただ、国民生活センターではサンプリング検査をしたので、現在、第三者機関にもお願いして、本当にこの数値でいいかどうかを改めて検査している段階です。ですから、3月中にできるだけ早く皆さんに結果を報告していきたいと考えておりますということで、指示をしておいてよかったなと思います。これが一点です。
 もう一点が、iTunes社ですが、一昨日同社から回答が来ています。詳しい内容については会見後に改めて事務方から説明させていただくことにしておりますので、事務方に聞いていただければ助かります。
 私たちとしては、消費者の安全・安心を確保して、良質な市場をつくり上げることが消費者庁の重要な任務だと考えておりまして、今回の事例を見た上で、消費者の現状について改めて振り返ってみれば、最近の製品や食品、取引などは、多様化・高度化・複雑化、さらには国際化もしておりまして、消費者にとってインターネットを始め、携帯電話など、高度な情報通信技術によってさまざまな利便性も向上しているわけです。
 その反面、故障や不具合が生ずると、どこが原因なのかはなかなか消費者には分からない、あるいはどのような責任を誰がどこまで負っているのか分かりにくいなどの課題が広がっていることも事実だと思います。
 このような状況のもと、問題意識として、事業者にとってはビジネスのチャンスもさまざまに広がっている一方で、消費者・生活者が不安定な立場に陥りやすいという状況もあるのではないかと考えたりもします。かつては、今もそうですが、事業者と消費者との間にあると言われていた情報の質や量の格差、交渉力の格差が、特にインターネットをめぐる取引に現れているように、消費者が直接に確かめることの限界領域が広がることによる格差とも言えるような状況があるのではないかなと考えております。
 そこに消費者トラブルの背景もあるのかなと考えております。今後、こういう問題意識に立てば、消費者、生活者の視点に立った安全・安心を確保していくためには、これまでこの場で皆さんから御指摘いただいたとおり、消費者庁として、事業者に迅速に適切に対応していただきたい、分かりやすく説明をしていただきたいということを所管する省庁や事業者に対して働きかけていくことも不可欠だと思いますが、併せて、インターネットをめぐる消費者問題について、先進的な事例を調査する必要があるのかなと考えております。
 前回のマクラーレン社の対応とiTunes社の対応を比較しながら、やはり私たちとしては、先ほど言ったインターネットをめぐる取引については、我が国としてどう対応していった方がいいかは一つの課題かなと認識させていただいておりまして、今後、このことについてもどういう課題があるのか抽出するよう事務方に指示をしたところです。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)iTunesの関係からまずお聞きしたいんですが、一昨日、夕方回答があっということですけれども、以前5項目にわたる照会をなされていて、それに対する回答について教えてください。
(消費者庁長官)いただいた回答と、それから、これに基づいた再質問を考えておりまして、これについては後ほどお配りをして御説明をしたいと思いますけれども、ざっと申し上げますと、5つのことを聞きました。
 一つは、現状をどう把握しているのかということですね。これについては、先方からは、プライバシーの問題があるということで、今数字を教えてもらっておりません。これは当然プライバシーにかかわらない部分について再度聞くことになります。
 ただ、これに関連しては、現時点でiTunes社から情報の漏洩を示すような状況は彼らの調査の中では見つかっていないというようなことは付言してございます。
 それから、原因をどう考えているのかということを聞きました。これについては、今の時点で彼らは、クレジットカード詐欺とか、利用者のアカウントが漏洩したとか、利用者がアカウント情報を誤って他人に知らせてしまったようなことが考えられるけれども、その3つだと考えていると言っておりますので、私どもはこれのそう考えた根拠をさらに聞く必要があるのかなと思っているところでございます。
 それから、個人情報保護につきましては、いろいろな対応はしていて、第三者の認定審査機関の審査も受けて、十分だと考えていると言いつつ、2つほど新しい対応を講じたと言っておりますので、さらにその詳細を聞くことと、どのような効果があったのかを聞くのだろうと思っております。
 それから、相談等がユーザーからあった場合にどう対応、サポートしているのでしょうかという問いに対しましては、幾つかのことが言われておりますが、この中で、彼らの判断で、課金が不正であるということがわかったものについてこういうサポートをするということが書いてございました。さらに、どういう場合を不正ととらえて、実際どう対応しているのだろうかというようなことを聞きたいと思っているところでございます。
 それから、我々の問題意識としては、電話での問い合わせができない、メールでのやりとりになって、ユーザーとしてはやや不便な思いをしているという声がありましたので、これへの対応について聞きましたが、彼らからは、メールで速やかに対応していると、数字も挙げてございますけれども、メールによって十分な対応をしていて、顧客満足度は高いというようなことを言っておられますので、その判断の根拠等をお伺いをしたいと思っております。
 以上のような分析をしたところでございますが、先ほども申し上げたように、後ほど回答と再質問については皆様に実物をお示しして御説明したいと思っております。
(問)今、長官が読み上げてくださいましたけれども、今簡単に御説明という感じだと思いますが、ちょっと簡単過ぎて、ただでさえゼロ回答に近いものですから、もう少し具体的に言っていただくか、回答というのは配布されるわけですか。
(消費者庁長官)後ほど、向こうの回答と、こちらの再質問の現物をお渡したいということを申し上げました。
(問)それは速やかにこの後ですか。
(消費者庁長官)速やかに、この後。
(問)わかりました。
 はっきり言って、ほとんど回答らしい回答をしていると思えない。つまり正式に文書でもって照会したにもかかわらず、そんな対応で顧客というか消費者は満足しているととても思えないですし、再度照会をされるということでありますが、その程度の回答であったということに対する見解は副大臣、いかがですか。
(答)回答を寄せていただいたことは評価するんだけれど、内容として、日本の消費者が今の回答で満足するかどうかとは思えないと考えております。もう一回再質問、再度照会をさせていただいて、誠意ある回答を求めていきたいと考えております。
 先ほど述べましたとおり、インターネットの取引については、私たちの社会の中でもまだそういう事例が積み上がってきていないのかなと思っております。ですから、今後はインターネットの取引についても、消費者庁の中でどういうことが考えられるのか、課題の抽出作業が必要なのかなと考えております。
 それについては、日本もあり、アジアもあり、ヨーロッパもあり、米国もあるんですけれども、おそらく米国に非常に先進的な事例があるかもしれないし、あるいはないかもしれないし、そこは私も不案内なものですから、そういう事例について研究する必要があるということを今回の一連の対応を見ながら考えさせていただいているところでございます。
(問)特に消費者に対して注意喚起をするよう求めたいというような話も前回我々からもあったし、副大臣もそういうようなことをおっしゃったと思うんですけれども、その点については、彼らはホームページ上で、今日は見ていませんけれども、たしか何らなされていないと思うんですね、こういう被害が起きているから注意してねというのは。そのあたり、注意喚起をするように求めることはどうですか。
(答)これは、iTunes社以外にも言えるかと思うのですが、こういう商取引があるときに注意喚起をするということは、私としては必要だとは思います。ただ、それが強制力をもってできるかどうか、あるいは事業者の誠意に委ねられているかどうかというと、多分事業者の誠意に委ねられていると思います。
 ですから、その誠意が注意喚起というところで現れてくるのかなとも思えます。
(問)それについて言うと、前も法的な権限が直接ないというお話でした。ですから、これも強制力のない照会ということだと思うんですけれども、確かにそうなんでしょうけれども、やはり消費者庁の役割と考えた場合に、実際に多くの被害が出ている、ユーザーが非常に困っている、あるいはメールに対してメールで回答しているのが向こうとしてはいいということの判断だと思うんですけれども、本来であれば、双方向で電話で質問もしたいでしょうし、そういうことも考えると、その事業者の誠意にゆだねるというだけで、果たしてどの程度実効性があるのか、本当に消費者のためになるのか。
(答)一つには今回、私たちから照会させていただいて、機敏な対応を期待していたところもあるので、その対応については、残念ながら私たちが期待していたものには適わなかったかなとは思います。ですから、再度の照会をさせていただくのが一点。
 もう一つは、電話での照会が私は必要だとは思っています。やはりメールなど文章に書いてものを伺うというのは、その時点で諦めてしまう人が多いわけですよ。私もメールで質問してくれとあったときに、まずはやめてしまいますよね、面倒臭いから。問題が起きているかもしれないけれども、文章、あるいはメールで質問、相談するのは面倒臭いなと思ってやめてしまう方が私は多いと思います。
 電話での照会の方がストレスなく伺えるということがあるわけです。それは一問じゃないわけですよね。文書で聞く場合は、全ての質問項目をストーリーとしてまとめて出さなくてはいけないですし、回答が来ても、もう一回メールで打ち返してというものすごく手間がかかるのがメールによる質問だと思います。電話で相談を受け付けるというのは、私は最低限必要なのかなと思います。今後どうするかは全体の問題として考えなければいけないし、どういうことがインターネットの商取引の中でできるかは課題だと思っているので、どういうふうに道順立ててそこに到達するかというのを検討しなければいけないなと思っています。おっしゃるとおりだと思います。私も質問しないケースが多々あるものですから。
 一部のインターネットのプロバイダだと、電話の受付をしてくれたところがあるので非常に分かりやすく説明していただいたのでよかったんですけれども、これをメールで受け付けるとなったら面倒くさいからやめたかなと思うので、電話によって双方向でその場で解決するのが極めて必要だと思います。
(問)今のお話、もう少し明確に理解したいと思いまして、メールでの問い合わせより電話のほうがストレスも少なくてというのは当然だと思うんですけれども、今回それをアップル社に求めていらっしゃるというのは、不審な請求が数十件少なくとも出てきているという事態が起こっているから電話で対応すべきだというお考えだと理解してよろしいんでしょうか。
 それとも、もう少し一般的に、ネット通販とかいろいろなものがありますけれども、そういう業者はサービスとして電話でやるべきだと、何かちょっとそういう広い印象を受けたものですから。
(答)一つには、こういういくつかの事例が起きているわけですから、気をつけてくださいという注意喚起は必要だと思います。これはiTunes社に対してそのような注意喚起をした方が顧客のサービスにはつながるかなとは思います。
 今の電話での対応というのは、今、電話の受付をやめているとか、メールでしか受けつけていないところが増えているものですから、それについては、やはり電話で受け付けることも全体の問題として必要であると思います。
 ただ、それをどういうふうにやっていくかは私たちの課題だと認識しているということになります。
(問)副大臣の回答につけ加えるわけではないんですけれども、なぜ電話の窓口が必要かという話で、私が取材している限り、要するに被害者が怒っているのは、iTunes社がまともに回答してくれていないということであって、つまりメールで親身になって回答してくれていれば、それほど問題もないと思うんですけれども、質問に対して複数の人に同じような回答を返しているんです。それはコピーアンドペーストしたような、質問に対してピント外れのような回答を 48時間後ぐらいに送っているものですから、自分が知りたいと思って質問にしているのにピント外れの回答が来て、どうなっているんだといって、また怒りを増幅させてまた次のメールを送ると。
 そこのところが非常に問題になっているわけであって、文字にすると思いも伝わらないところもあると思うので、やはり電話でちゃんとリアルタイムでやりとりするのが一番いいと思うので、私も電話の窓口というのは絶対必要だと思います。
 それと、私の質問なんですけれども、まず被害の総数、件数と金額がプライバシーの問題があって明かせないということのようなんですけれども、ちょっと回答と再質問を見ていないのでよくわからないんですが、この総数がプライバシーの問題で明かせないというのは、これは妥当な判断と言えるんですか。
(消費者庁長官)これについて、どういう回答だったかというと、弊社では現在、利用者様より御連絡いただいた御懸念につき調査を継続しておりますが、特定の利用者様に関わる問題につきましては、利用者様のプライバシーの問題等がございますのでコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。弊社は特定の事例にかかわる利用者様の御氏名またはアカウント情報なしに特定の問題に対応することができませんので、何とぞ御了承くださいという回答でして、ちょっと私どもの質問を取り違えたのか、私どももここは腑に落ちませんので再度質問させていただきたいと思っています。
(問)確かに質問は、そうすると、金額を尋ねていたような気がするんですけれども、再質問するということですね。わかりました。
 それと、原因として3つ挙げていたので、身に覚えのない請求をユーザーがされているということ、つまり不正利用があったということ自体はアップル社も認めているということでよろしいんですか。
(消費者庁長官)こういう文章がございます。弊社は、日本において請求の問題が異常に増加しているとの認識は有していないというのが出ている。ここも確認しようと思いますが、ということは、そういうのがあるということは認識しているということだと思っています。ただ、いずれにしろ、どのぐらい来ているのか、そういったものをはっきりと再度お伺いしたいと思います。
(問)そうすると、一応不正利用があったということは認めているということでしたら、日本の刑法でいうと不正アクセス禁止法違反に該当する疑いがあるということで、やはり抑止効果、こういう被害をふやさないためにも抑止効果という点で、事業者が毅然とした対応をとることも一つの手かなと思うんですけれども、そういった対応を消費者庁として求めていくということはあり得るんでしょうか。
(答)そこの対応は長官から答えてもらうとして、要はiTunes社も被害者なわけです。iTunes社のサービスを利用することによってクレジットの被害が起きているとすれば、決してそれは故意に事態を招いているわけではないわけですから、それは消費者のことを考えれば、その立ち位置に立ちながら対応をとっていただくことは必要だなとは思います。

(消費者庁長官)毅然とした態度で、実は再質問の中には、先ほど言ったようにちょっと答えが違うんじゃないの、もっと教えてよというのもあるんですが、もう一つは、実はこういう措置を講じたというのが幾つかあるんです。
 一つは、例えば、昨年12月時点より、漏洩したアカウントにおける購入を防止するために、利用者のパスワードが変更された場合には、常にその利用者は購入の注文の前にクレジットカード番号を再度認証することを求める仕組みを入れたとか、それから、アカウントをつくったり、アカウントの請求先情報の変更のリクエストのすべてを不正検出に対応した新しいシステムを通じて処理する予定だというのがあるんですが、この中身がよくわからないので、実はこれが評価に値するものなのかどうかがやや今の時点では判断はできない。どういうものなのかを聞いてみたい。それから、その効果がどうだったのかを聞いてみたい。それで彼らが顧客の不安にしっかり答えたのかどうかは、これを見ないと判断できないかなという点が一つあります。
 それから、お尋ねの件に関係すると思うのですが、別途個人情報保護法の主務大臣として、経済産業省、総務省も当たっておられると思います。私どもも一応この答えをいただきました。お互いに答えを持ち寄ってどう対応するかは相談したいと思っております。どういうことを要求していくのかも含めて。
(問)最後に、クレジット協会にも今質問されていると思うんですが、今アップル社からの回答で、総数とか金額、被害の全体像がわからないので、これやはりクレジット協会からの回答が頼みかなという気もしますので、これはいつごろまでに入手できるかわかりますか。
(消費者庁長官)個別会社ではなく、クレジット協会を通じてやりまして、協会の内部の中、多分意思決定みたいなのかあるので、3月中旬になると言われております。
(問)副大臣、冒頭でおっしゃっていたと思いますが、調査をされるというのは、インターネットにおける買い物であるとか、商取引に関する調査をしたいということなのか、その調査を行われるとしたら、改めてインターネットにおける買い物であるとか、そういったことに今どういった問題意識をお持ちなので調査をする必要があるとお考えなのか、改めて教えてください。
(答)繰り返しになりますが、事業者と消費者との間に情報の質や量の格差とか、交渉力の格差と言われてきたことが、特にインターネットをめぐる取引に現れるように、消費者が直接確かめることの限界領域が広がることによる格差とも言える状況にあるのかなと。
 例えばサーバーだってどこにあるか分からないわけです。日本にあるサーバーなのか、日本の商取引でやっていてもサーバーはアメリカにあるかもしれないし、インドにあるかもしれない。今、新しい商取引の時代に入っていて、メールによる対応も誠意を持ってしていただければよいという人もいるかもしれないし、あるいは電話で受け答えいただいたほうがリアルタイムに質問に答えていただけるので非常に顧客にとっては満足するし、安心するというのもあると思うんですよ。
 新しい時代に入ってきているので、この領域について、そういうことは消費者トラブルの背景にもあると思っているので、これまでどおりの対応に加えて、インターネットをめぐる消費者問題を中心に、やはり日本だけではなくて、米国が進んでいると思うので、これはまだ私たちとしては知見がないものですから、どういう事業者あるいは行政の対応があるかについては、調査を行う必要があると思っています。今後もこういう事例が多く出てくるおそれもあるので、これに対して消費者庁としては、一つの考え方を持ちたいなとは考えております。
 まずは調査と項目の整理はいつまでかというのはまだ言えませんが、そういう整理をしてほしいという指示を事務方に出して整理をしてもらうようにします。まだこれは、私たちの政府の中でも新しい領域なのかなと思っておりますので、この領域について一歩踏み出したいなということになります。
(問)全然違う話なんですけれども、今日、千葉県警の管内で、教材販売会社、経営者等が逮捕されるという事件がありました。全国1,700人ぐらいの被害者で5億2,000万円ということなんですけれども、この事案について、副大臣御承知のところというのは何かあるんでしょうか。
(答)今日、報道によってこの事実があったことは確認しております。ただ、今回は詐欺事件だと認識をしていて、特商法に該当するかどうかは、事務方から答えていただきたいと思います。

(消費者庁長官)今、当該会社について、特商法違反の事実を私ども承知しているわけではありません。今、この一報がありましたので、私どもがやっているのか、この種の被害が最近ふえているのかどうか。実はこれまでも、たびたびこういった手口の被害については国センも注意喚起などしておりましたけれども、再度広がりとか増加傾向とかを今点検しているところでございます。その上で、どうも最近増えているなということであれば対応するのかなと思っております。
(問)今を踏まえてですけれども、副大臣、内職をやって5万円稼げますよみたいな語り口でやっていたということは、不況とかも背景にあるのかなと。こういうことに、やはりおいしい仕事だというふうな感じで消費者の方も飛びついてしまうんじゃないかと思うんですが、そこら辺についての注意喚起とかはお考えでいらっしゃるんですか。
(答)今回は内職ということですが、これまでもこういう事例は、私の記憶の中でも、他の目的でもこういう詐欺事件は多かったと思います。
 ですから、これは消費者庁、あるいは国民生活センターや相談員の方を通じて注意喚起をしていきたいなと思います。
 前回の会見で、特商法の摘発事例が増えているという話がありましたが、それも不況の中で少しでも生活のプラスになればということで、こういう詐欺に遭われる方が増えているかもしれません。ですから、消費者庁としても注意を図りながら、今回は詐欺事件ですが、特商法あるいは景品表示法の違反事例も増えており、さらに増えるおそれもあると思いますので、それはしっかりと注意喚起をしていきたいと考えております。
(問)今、iTunes社のことについて整理したいんですけれども、現状においては、要するに消費者庁として、再度誠意ある対応を求めるとともに、今回送られてきた回答においては、誠意ある回答ではではなかったということでよろしいんですかね。
(消費者庁長官)先ほど副大臣から申し上げたのは、まず回答したことは評価をする。それから、中身について、答えられるのではないかなというのが答えられていない点については、そこは問題ありかなと。再度聞きますが、一方で、もしかしたら大きなことをやってくれたかどうかはわからないので、そこを聞いてみると申し上げたんですけれども、そういう意味では、まだ評価できないというのが正しいところではないかと思います。
(問)先ほどから言われている電話での対応であったりとかですか。
(答)それは今後の話です。電話での対応や注意喚起、インターネットの商取引の先進的な事例と、それに対する規制がどうなっているかというのは今後の話として、消費者庁として、iTunes社に関わらずこういう問題の設定は必要だと、そういう認識です。
 だから、今回ここで皆さんとお話ししていて、やはりメーカーの対応と、インターネット商取引の会社との対応の違いというのがあるのかなと今回私は思っていまして、ですから、インターネット取引のビジネスにおける事業者、あるいは政府の対応がどうなっているかは、今後、日本の商取引の中でも一つの課題としてあるのかなという認識を持ちました。
 ですから、どういう課題があるかについて、事務方でまとめてほしいということを今日指示したところです。
(問)iTunes社には求められるんですか。
(答)誠意ある回答と事実確認は今後も求めていくということになります。
(消費者庁長官)先ほど申し上げたように、対応については個人情報保護法の主務大臣のところと相談しながら考えていくと申し上げました。
(問)今日の政務三役会議の内容は。
(答)今日は時間が短かったことと、決定事項はございません。

(以上)