大島副大臣記者会見要旨 平成21年12月25日

(平成21年12月25日(金) 14:33~15:00  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

(副大臣)政務三役についての決定事項はございませんので、記者会見から始めます。
 平成21年12月9日に取りまとめられました「消費者情報ダイヤルに寄せられる情報の公開に関する基本的考え方」に基づきまして、本日、消費者情報ダイヤルに寄せられた情報の概要等の1回分を公表いたします。公表する資料につきましては、後ほど皆さんにお配りをして担当課長から説明させますので、詳細については、そのとき問い合わせてください。これが一つですね。
 あともう一つが「消費者行政の充実・強化のためのプラン」についてということで、「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」については、工程表で年内にお示しすることとしておりましたので、本日この概要案をお示しさせていただきました。本体はまだ公表できていないんですけれども、こうやってまとめておりまして、これはまだお渡しできないんで、すみません。今、素案をつくっておりまして、本日お示しするのは現時点でのプランの概要で、これを各地方公共団体に広く見ていただいて、意見を求めることといたします。国民生活センターを通じて、消費生活センターの関係者、相談員にも広く見ていただけるように工夫をいたします。
 今後、年明け早々に、このプランをまとめて、一般消費者、消費者団体始め関係者、関係団体からの御意見を伺った上で確定、そして公表していきたいと考えております。
 消費者庁では、プランの策定のために、10月23日に庁内に「地方消費者行政強化プラン策定本部」を設置いたしております。この本部には、国民生活センターの職員の方にも参加していただいて、消費者庁の職員の皆さんとともに手分けして、今のところ30以上の地方公共団体を集中的に訪問して、地方自治体の幹部、職員、消費生活センター、相談窓口の相談員、地方の消費者団体との意見交換を重ねてまいりました。
 その中で、地方自治体によっては、消費生活センターや相談窓口の新設・増設や、相談員の処遇の改善・向上に積極的に取り組んでいる事例が少なからず見られていることを改めて確認しております。プランは、こうした地方自治体の先導的な取組の事例と、その意義を明らかにしながら、主なテーマごとに当面の3年を中心に、二つの点から整理いたします。一つは、地方自治体に大いに期待し、関係者、関係団体などの協力・連携を広く呼びかけることが適切と考えられる取組、もう一つは、消費者庁が国民生活センターとの連携・協力も含めて取り組むことが不可欠と考えられる取組でございます。
 ずっと各消費者庁の職員の皆さんと国民生活センターの職員の皆さんに参加していただきながら、30以上の地方公共団体を集中的にこれまで訪問させていただいて、そのヒアリングをさせていただいております。この内容については、まだちょっと具体的に公表できることではないんですけれども、これをもう一回精査して、ある段階では公開させていただきたいと考えております。
 もう一つは、ヒアリングを今日概要を事務方から説明する「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」につなげていくということで、消費者庁独自にプランを作成するというのは、それよりも各地方公共団体でそれぞれの取組をしているものですから、それをすべて網羅して意見を伺った上で、それをもう一度、地方公共団体に返すことによって、ヒアリングをさせていただいていない地方公共団体の方も、こういう問題点があったとか、こういう取組をしている自治体もあるということで、もう一回それを消費者庁として受けとめて、「充実・強化のためのプラン」に結びつけるという取組をしていきたいと考えております。
 これは、都道府県とか市町村で消費者行政の行政上、恐らく意識の中での優先順位を上げてもらうという行為かなと思っております。消費者行政として、各市長さんとか町長さん、村長さん、県知事さんに問題意識を持っていただくということを、これまで福島大臣も試みられております。今回もまずはヒアリングをして、その情報を消費者庁としてまとめて、それを介しながら、皆さんのプランを作成する過程においても、地方消費者行政の取組を広く広めたいという、その運動の一つとして考えて取り組んできたところでございます。
 詳しくは、後ほど事務方から皆さんに御説明させていただくようにしております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)まだ具体的にお話しできない段階だということですけれども、もう少し30以上の自治体はどの辺に行かれたとか、何か代表的な意見とかあれば。
(答)では、羽藤さんのほうから説明してください。

(羽藤審議官)これは私ども例えば近郊ですと千葉県あるいは市川市、長官を初めとして伺っております。また、北は北海道から南は九州の例えば熊本県、人吉市などに集中的に11月に参りました。
 また、それに先だって、私どもには、品川参与池本参与、加藤参事官、かねて消費関係団体で活動を重ねてこられた方々もおられますので、その方々を通じていろいろなヒアリングを行ったり、あるいは文献をいただいたりしております。例えば埼玉県のネットワークでの取組をご紹介いただいたことは一例です。これらを総合的に整理して、具体的な事例として盛り込むという作業をしております。
 ただ、そのことについて公表ということになりますと、正確性あるいは当事者の確認、了解が必要になってまいりますので、そういうことで時間がかかっております。また1,800の自治体が全国ございますので、私どもが気がついている、あるいは認識を改めてしたというのは、そのうちの一部にしかすぎないだろうと思っておりますので、引き続き、先導的な取組を広く求めていくということを並行してやって参りたいと考えています。そのための時間を、もう少しいただきたいということでございます。
(問)関連で、その30以上の自治体というのは、先進的な取組をやっているような自治体を中心にピックアップされたのか、それとも苦労しているような自治体を選ばれたのかとか、そういう点をお願いします。
(羽藤審議官)実は、国民生活センターにも意見などが寄せられており、非常に苦労をしておられる自治体あるいは「国にはもう頼らない」というふうにおっしゃっている自治体も一部ございました。今それらの自治体名を特定して申し上げるのは適当でないと思いますけれども、課題として、それらのご意見をどのような意味合いでおっしゃっておるのかということを、このプランの中で指摘をしたり、また、特に現場の相談員の方々が、いろいろな悩み、あるいは要望ということをお寄せいただいたので、そういうものを具体的に、このプランの中で引用しながら、私どもの取組、あるいは地方に求めたい取組というものを明らかにする、そういう中身で今作業を最終的に行っております。
(問)タスクフォースですけれども、先週……。
(答)事故情報分析タスクフォースですか。それについては、メンバー表のほうはこれからかしら……(「お配りしております」と呼ぶ者あり)お配りしていますよね。
(問)これ以外で何か決まったことというのは。
(答)一応今回、タスクフォースの人選を決めさせていただいて、各委員の方を見ていただければわかるんですけれども、製品、食品、施設等の分野で発生する様々な消費者事故について、消費者庁としての原因分析あるいは究明を進める際に必要な助言とか指導をしていただくように、バランスをもって選定させていただいたのが一点目です。
 二点目は、メンバーで必要十分なのかと多分お感じかとは思うんだけれども、原因究明とか分析を強化するに当たっては、必要に応じて、さらに関連する専門家の御協力を得たいなと考えておりまして、適切に取り組んでいきたいなと考えています。
 年明け早々には第1回の会合を持っていきたいなと考えております。ちょっと詳しく補足してくれますか。

(野村消費者安全課長)今日の段階で決まりましたことは、今おっしゃるとおりです。
(問)今のタスクフォースメンバーの関係なんですけれども、これはたしか副大臣の会見でも、子どもの事故防止に絡めて、タスクフォースを設置してという話があったと思うんですが、すみません、私の勉強不足もありますけれども、ざっと見て、子どもの事故防止の専門家って、もしかしてこれはいないんじゃないかという気がしているんですね。製品安全系の話とか、お医者さんはいらっしゃいますけれども、そのあたりの人選というか、具体的に言うと、経産省はこれまで3年間進めてきた、この間の申し上げたサイペック(CIPEC)、あのメンバーの先生は一人も、それには入っておらなかったということなんですけれども、そのあたりというのは、ちょっと細かい質問ですけれども、どうなのかなと。
(羽藤審議官)経済産業省でも、いわゆる第三者による事故の原因究明について、例えばそれが製品に起因するのかどうかという判断を重ねてきたと承知しております。これは、常設的に学識経験の方々が、個々個々の事案に即して、その原因について検討を重ねてきていると、こういう機関であると承知をしております。
 実はこのタスクフォースは、前回も御質問があった際にお答えをさせていただいたところがあるわけでありますけれども、このメンバーだけで、すべての個々個々の事案の原因を究明し、把握するということよりも、このタスクフォースをベースにしながら、例えば子どもの遊具についてのことであれば、このメンバーの方からさらに紹介をいただいたり、専門的な知見を持っている方々にお集まりいただいて、そしてアドバイスをいただく。つまり、類似の事例を通じまして一体何が共通する要因であるのか、そして、そこから導かれる予防的な要素としては何が必要であるのかという、そのような議論を重点化していただく。このためには、柔軟に機動的に、これは附帯決議にもございましたけれども、私どもが行ってまいります情報の一元的収集・分析・公表につなげていく、そして注意喚起や情報を提供していく、そのための外部のサポートをお願いしたい、そういうことで機動的に、学識経験、専門の方々にテーマ、テーマによってまた集まっていただくということを考えている。そのためのベースの方々として、まずお集まりをいただこうという、そういう趣旨でございます。
(問)当初、子どもの事故防止ということの中でのタスクフォースという発表をされたことがあったと思うんですけれども、別にいけないとかと言っているわけじゃなくて、広く子どもの事故も含めてなんでしょうけれども、事故の分析をこういうメンバーを中心にしてやっていくという理解でいいですか。
(羽藤審議官)まさしく、このタスクフォース自身は子どもの事故に限らないということで、これから動いていくということであります。
 ただ、当面、「子どもを事故から守る!プロジェクト」を大臣から発表されておられますので、まず主要なテーマとして、例えば遊具について取り組んでいこうということを具体的にテーマ設定をするという意味で、「子ども」という重要な課題がある、そのように御理解いただければと思います。
(問)消費者庁に関係ないんですけれども、いわゆる偽装献金事件で昨日総理が会見をされましたけれども、副大臣の受けとめを。影響とか、その部分を含めて、何かあれば。
(答)足もとの膨大な仕事をこなすのが正直精いっぱいという状態で、特に予算があり、税制があり、各案件がありましたから、私も報道でしか首相の記者会見については承知していないところがありまして、これは首相が語られたとおりかなとは思っておりまして、改めて、私としてどう思うと問われても、首相の会見によるところが大きい、会見どおりかなと考えておるところです。
(問)プランの2ページ目の「消費者庁としての取組み」というところで、「「基金」の運用について検討・整理」をすると。基金については、いろいろとこれまでもありましたけれども、これをもう少しわかりやすく、どうしていかれるのか。
(答)今回基金としては全部で230億円積んでいるんで、その基金のあり方について、個々の地方自治体及び都道府県に対して、まずは現状どうなっているかというのを把握することが1点と。今後、把握をさせていただきながら、求められる地方消費者行政の充実・強化に向けて、すり合わせを行っていくことと考えております。
 あとは、羽藤さんのほうからお願いします。

(羽藤審議官)基金について、いろいろな御要望が寄せられております。そして、その中には、実は各地方自治体で工夫をしていただければ、もっと使っていただけるのではないかということを、現場の相談員あるいは消費生活センターや相談窓口の方々にお答え申し上げることができる、そのような御要望もありました。それから一方で、国として制度の運用をやはり見直していかなければならない点もあるのではないかということも、改めて認識をいたしました。
 ついては、以上申しましたようなことについて、一体どこまでが地方自治体のサイドでできることであって、あるいは努力をしていただくことによって前へ進むのか、あるいはこれはやはり制度を変えないといけないということがどうあるのかについて整理をして、必要なことを、平成23年度の要求に向けて整理をしていくというのが、年を明けてから新年度に入っていくまでの間に必要なことではないかという考えておりまして、それをここにございますように「運用について改めて検討・整理します」ということとして打ち出して、そのような今作業をしておりますが、プランの中については準備しています。
(問)具体的に、どのあたりをどう見直すべきだというようにお感じですか。
(羽藤審議官)これは、各論については、この「プラン」の中で寄せられた御要望、それから我々としての考え方の選択肢ということをお示し申し上げていくことで今整理をしております。例えば現場の相談員からは、人件費に対する充当の考え方、あるいは細かくなりますけれども、消耗品に充てられないのかという御指摘、あるいは地元の負担の割合の考え方、これらの御指摘や御要望がございますので、今回寄せられたもの、あるいは既に関係団体から指摘されているもの、そういうものを全体的に、包括的にカバーをして検討していくということを考えています。
(問)それは3年の時限に関しても、同じような考え方なんですか。
(羽藤審議官)今の御質問につきましても、私どもは検討課題であるというふうに考えております。したがって、繰り返しですけれども、それは一体どういう原因で、例えば3年というふうに限られていることについての制約があるのかということは、実は一方で自治体サイドの取組も促す、あるいは期待をするというところもありますので、そういうこととあわせて検討のテーブルに載せて整理をしていくというふうに考えています。
(問)関連してなんですけれども、その3年の時限立法というものがある中で、どういうタイムスケジュール感で改正に至るのかというところを確認したいんですけれども。
(羽藤審議官)3年という期限が特に立法措置で決められているというわけではないと認識しておりますけれども、これは予算の措置でのことでありますので、まず制度の仕組みがそういうことであると申し上げた上で、実際にこれまで、今年の7月1日付でございますけれども、当時の内閣府国民生活局において、この基金にかかわる使い方、これは交付金ということでありますので、具体的な見直しを行って通知をしております。このように見直すことも、今後の検討課題の一つだろうというふうに思っております。
 したがって、その中で今お話がありましたように、何年間でどう使えるのかとかということ、あるいは対象の事業の費目などについて検討していくということでございます。
(問)その下にある「相談体制の法制度上の位置づけのあり方を検討・整理」ということなんですけれども、これは相談員の処遇と関係してくるんでしょうか。つまり、非常勤職員の方というのが、この相談員だけじゃなくて、いろんな例えば法律関係の問題の常勤職員がいたりとか、各自治体に応じて位置づけが違ったりするんでしょうけれども、このあたりの整理というのは、どのように検討されていくのかなと。
(羽藤審議官)この後、また改めてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、要するに繰り返しですけれども、法律あるいは法令上の制約は何で、そして一方で首長のリーダーシップによって解決されて、あるいは乗り越えていけることは何かということを、まず私どもとして分析をする、あるいは整理をしたということを広くお示し申し上げることが必要ではないかというふうに思っております。
 そういう中で、今の相談体制の話あるいは処遇改善について、何が制約になっているのかということについて整理し、長期的な課題は、これは消費者委員会で検討するという方向も打ち出されていますので、そのいわば前提となる材料、あるいはファクトファインディングというか、事実関係ということをよくこの中で整理をしていきたいと、そういうふうに「プラン」を活用していただけるようにしていきたいというふうに思っております。
 詳しくは、また後ほど御説明をさせていただきたいと思います。

(答)来年度の予算の中だと地方協力課の設置を「地方消費者行政強化」として考えていて、7月とか9月、7月いっぱいは難しいと思うので、地方協力課ができて、その体制は整ってくるものですから、今回この「充実・強化のためのプラン」をつくり、かつこれが今ヒアリングをした結果を踏まえて作成して、またそれを地方自治体のほうに、もう一度御意見を伺って、それでまとめていくことになると思うんですよ。
 そうすると、政務三役がヘッドになって、「地方消費者行政推進本部」などを1月中に立ち上げて、今、羽藤審議官から申し上げた基金のあり方とか基金の運用のあり方とか、あるいは消費生活相談体制の充実、この相談員の処遇の改善、これはなかなか、相談員の処遇の改善を図るために、首長のリーダーシップがどのようなことができて、法制度の制約とか限界で何ができないかということも整理して、新しい地方協力課の推進体制の中で充実をしていこうかなと。
 そうすると、今の基金が3年間ですから、その基金についても、その中で相談させていただきながら、ただ一回、地方に基金をつくっているので、国から「あれしろ、これしろ」というのは今言えない時代になっているものですから、それはいろいろと、そういういい取組を皆さんにところに広げていくということと、問題点もさらに抽出していくことかなと考えております。
 あと詳しくは、羽藤さんから聞いていただければなと考えております。
 以上です。

(以上)