林 芳正 内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月4日

(平成21年9月4日(金) 10:34~10:50  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は、私のほうからは、特に御報告する事項はございません。

2.質疑応答

(問)経済指標について、本日の朝、財務省からの四半期別の法人企業統計調査が出ました。経常利益は、前年同期に比べまして53%減で、依然として企業部門の収益性が厳しい状況にあります。特に設備投資は、依然として前年を下回っている状況でして、季調済みでもちょっと厳しい数字になっているんですけれども、これについての所見を、特に民間部門は、まだまだ経営環境が厳しい状況のように見受けられますけれども、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
(答)そうですね。今回のこの法人季報というのを見ますと、今お話があったように、経常利益や設備投資は、前年比で大幅な減少が続いているということです。経常利益は、前年比の減少幅は縮小はしているということですし、前期比では増加ということでありますが、ただ設備投資は、ちょっと会計基準の変更等がありますので、もう少し詳しく見ていく必要があると思っておりますが、そういう数字が出ております。これは、売り上げが持ち直しているということもあって、企業収益が最悪期は脱したということでありましょうけれども、水準自体が非常に低いので、設備投資の抑制が続いているという様子が読み取れるんではないかというふうに思います。
 企業部門は、こういうふうに引き続き厳しいというふうに認識をしておりますけれども、今申し上げましたいろんな結果を踏まえて、8日に、全体の基調判断については、月例の経済報告でお示ししていければというふうに思っております。
(問)続いてなんですけれども、政権移行が間近に迫る中で、内閣府等の経済財政担当部局の取り組み状況と、今日及び来週に向けた課題について、お伺いできればと思います。今日と来週、あるいは来週の動きが、もし何か予定されていることがあれば。
(答)ここで。
(問)はい。
(答)今申し上げましたように、来週の8日になりましょうか、月例経済報告というものがございます。そのほか、特に若年PTも取りまとめができましたし、それから市場と国家もこの間御報告いたしましたので、月例以外に今のところ予定していることはございません。
(問)政権移行に向けた、何か準備とか引き継ぎとか、そういうものは特には考えていないと。
(答)そうですね、御要請があればきちっと協力するようにという指示が官房長官から来ておりますので、ちゃんと対応してまいりたいと思っております。今のところ、特に御要請はございません。
(問)民主党政権になると為替市場で円高になるんじゃないか、あるいは円高を容認するんじゃないかという観測、内需主導ということをうたっていますので、そういう意見が出ているんですが、ただ、今、日本経済を見ますと、政策効果もありますけれども、外需を起点にして持ち直ししている中で、円高をどう腰折れさせないかというリスクもあると思いますし、デフレ懸念がある中で、円高になるとさらにデフレを深刻化させるんじゃないかなという懸念もあると思うんです。大臣はこの時点で、円高になるところへの経済の影響、あるいは円高を志向する、もしそうだとしたら、志向するという政策については、どう思われますか。
(答)ちょっと民主党の政策で円高を志向しているというのは拝見したことがないので、ちょっとコメントしようがないのですが、基本的には前も申し上げたように、政府から家計へ、例えば子ども手当ですとか、それから暫定税率をやめる、高速道路の無料化等で家計へお金を流していくと。それでもって、それが消費に回ってという成長の考え方、内需主導でというのがマニフェスト等に書かれておられるようなので、そういうお考えなのだろうなというふうに思っております。
 私は、我が党もそうですが、内需と外需の双発のエンジン、これは白書にも書かせていただきましたけれども、そういうことで、外需に軸足が置き過ぎていたというか、輸出に依存した成長であったことが、今度のリーマンショックで非常に脆弱であったということがわかったので、内需は大事であるということはもちろんですが、内需と外需の「双発エンジン」ということを言っているので、そこがちょっと違うと言えば違うのかなというふうに思っておりまして、そのことの違いは認識しておりますが、それがちょっと為替にどうなるのかというのは、今の時点でちょっと申し上げにくいのではないかなというふうに思います。
(問)昨日、91円台をつけたわけですけれども、民主党とは関係なしに、円高と今の実体経済に与える影響についてはどう思われますか。
(答)そうですね、当然、双発のエンジンで外需・内需両方で引っ張っていくという場合に、外需のほうに為替が与える影響というのは、きちっと見ていかなければいけないというふうに思います。
 それは、今までもそうでしたし、今後も我々の考え方はそう変わらないわけですが、一方で、市場と国家のレポートで書かせていただいたように、前回のデフレ局面といいますか、量的緩和ゼロ金利政策というものをやっていただいたときは、我が国だけがそういう状況であったということで、比較的、世界の中で我が国だけがそういう政策をとるということに対するアクセプタンスというのがあったと思うんですが、今回は米欧、日本ともにそういう状況にある中で、我が国だけがそういうことをやるということ、もしくは我が国の量的緩和政策の出口がほかのところに比べて、少しおくれて出ていくというようなことが政治的に許容されるのかとか、それから政策の効果が一国でやっているときに比べて同じように出ていくのかということは、よくよく注意をしなければいけないというふうに思っておりまして、そのことは、この間の市場と国家のペーパーにも問題意識として書かせていただいたところでありますので、そこは十分留意をする必要があるというふうに思います。
(問)先日、内閣府のほうでGDPギャップの試算が出ているんですけれども、ギャップは多少縮まっていますがかなりまだ大きいということで、それに対する所見と、今後どのぐらいその解消に時間がかかるとお思いなのか、その辺を伺いたいんですけれども。
(答)少し縮まってきてはいますが、まだ、かなりの数字だったというふうに思っておりまして、これは妙薬というか、すぐにすっとなくなるということはないと思うので、地道な政策努力、経済運営をしていく中で需給バランスというのが、需給ギャップというのがだんだん少なくなっていくということをせざるを得ないと思うんですが、それは要するにギャップですから、需要が増えていっていただければ一番いいわけですね。ですけれども、なかなかそれだけというわけにはいかないので、では供給のほうを少し減らしていくということになりますと、これは調整を伴ういろんな摩擦、痛みというものがありますから、こういうところをどうこの政策で包容しながらやっていくのかということも出てきますので、基本的にはやっぱり需要がふえていくことによって、ギャップが少なくなっていくということに主軸を置いて、丁寧な政策運営をしていくと。
 市場と国家にも少し書いたかと思いますが、財政もこういう状況ですので、余り財政だけに頼るということではなく、財政はあくまで「呼び水」であって、その財政を呼び水として使うことによって、自立的な回復に乗せていくということで需要が回復していくと。それが主軸になってギャップが少なくなっていくということが、望ましい姿だというふうに思っております。
(問)経済と直接関係なくて恐縮ですが、政権移行に関連して、昨日、民主党の人事で小沢幹事長ということが内定というか、事実上決まったわけですが、春先の一つの代表辞任のいろんな経緯とかあって、あと小沢さんをめぐった前回の連立のときのことがあったわけですけれども、今回、小沢前代表が幹事長になるということで、今後の政治状況、それに与える影響とか、今回幹事長になったことについてどう思っているか、それについて伺いたいんですけれども。
(答)ほかの党のことですので、特にコメントすることはございません。
(問)OECDの経済見通しで、厳しい内容というか、10-12でマイナスになるんじゃないかという予想になっていますけれども、要するに、景気対策の効果が切れてしまうんじゃないかという見方もされているようですが、これについて大臣はどういうふうにごらんになっていますか。
(答)そうですね、OECDは、割と我が国に対して厳しい見方だったなと、こう思っておりまして、6月時点でも、これは暦年なので、なかなか比べにくいところがあるんですが、2009暦年ではマイナス6.8というので、ちょっと厳しめだなということをそのときも申し上げてきたと思いますが、今回それが5.6ということになっているということで、そっちは少し近づいていたのかなと、我々の見方でこう思っておりますが、10-12はおっしゃったようにマイナスの0.9で幅をもって見るということなので、その0.9を中心にプラマイ2.8ということになっていますので、ちょっと我々の見通しに比べると、そこは厳しめだなと、こういうふうに思っております。
 どういうふうな分析をされているのかということをもう少し詳しく見てみなければいけないと思いますが、多分雇用とか、それから中小企業の数字等々、厳しいものがあるということかなというふうに聞いておりますので、その辺は見方の違いというのもあるでしょうし、そういうふうにならないように、しっかりと経済運営をしていく必要があるというふうに思います。
 また、日本の民間のエコノミストの方の機関も、総じてプラスの、これは1.8ですか、見通しの平均が10-12はそうなっておりますので、いろんな見方がいろんな機関によってあると思いますので、なるべく実際の運営としては、いい数字になるように運営していくということだと思います。
(問)先ほどの需給ギャップのお話の関連で、民需を伸ばすための「呼び水」として財政を使っていくと。その中で補正予算にも盛り込んだ数々の、いわゆる基金ですね、これもやはり呼び水としての効果は期待されているところではあるんですけれども、民主党は、この基金について全面的にとめるというようなことを言っています。
 ただ、足元を見るとかなり執行が進んでいて、全面的にとめるというのはかなり技術的には無理な面もありますが、ただ政権移行を控えて、拙速な予算の執行というのが懸念されると。結局、みんなやってしまえば、それで逃げ切れるのかといったような、やはり拙速を危ぶむ声、懸念する声というのもあるかと思うんですけれども、こういった意味では基金等の追加予算の執行について、やはり適正に執行していくというようなことを、政府内できちっと確認をする必要があるのかなと思うんですけれども、個々の基金の所管というのは、それぞれに省庁にあるわけですけれども、経済対策全体を取りまとめられた部局の大臣として、適正な執行ということで、今どのようにお考えなのかということを、御所見お願いします。
(答)そうですね。補正予算は、緊急対策という部分と、それから複数年度にわたって成長戦略の一環としてやっているものと、いろいろあると思っております。基本的には、やっぱりきちっとスケジュールに従って、特にお相手のあることが、県とか結構あるわけですね。ですから、現場で混乱を来さないように粛々と執行していくということが非常に大事ではないかなというふうに思っております。
 一方で、こういう政治状況ですので、大きな判断については、私も報道で見たのですが、八ツ場ダム等については少し見合わせると。ですから、それは全体としては、今申し上げたとおり、必要なことを決めて既に手続きをやっているものを、いたずらに全部サスペンドして現場が混乱するということがないようにしなきゃいけないというのは基本ですが、個々の判断でそういう判断というのはあり得るのではないかなというふうに思います。それは、なかなか一概にどれがどうだというのは各省で執行されておられるので、一律に言うというよりは、各省で適切に判断をしていただきたいということですし、官房長官から、政権移行に関して、いろんな情報提供等であった場合は協力するようにという指示も出ておりますので、その範囲の中で必要があれば必要な対応をとるということではないかと思っております。

(以上)

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