鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月24日

(平成21年4月24日(金) 9:26~9:48  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。現地時間23日午前10時、日本時間24日午前0時、総理特使として、ペルー訪問中の山口内閣総理大臣補佐官は、ペルーのガルシア大統領と会談を行いまして、寺崎総務審議官と鳩山政務秘書官と行きましたが、日伯方式の採用決定を伝えられました。
 その後、現地時間午前10時30分から記者会見が行われて、私が2度ほど親書をお送りいたしております、コルネホ運輸通信大臣から正式に、日伯方式の採用決定が発表されたところでございます。
 これは麻生内閣総理大臣が昨年11月にAPECが、ペルーで行われたときに、ガルシア大統領に直接お話をされておられます。それから、総理親書を2月、4月と2回出していただいております。2月、4月と2回、ガルシア大統領と電話会談をしていただいて、4月の電話会談のときに非常に総理からのお話に対していい返事がございまして、正式決定になりました。これは、私が全力を尽くすのは当たり前ですが、日本方式をペルーが採用をしてくれることに決まりましたのは、正に麻生太郎総理大臣の熱意の結果だと思います。経済産業大臣、外務大臣にも感謝しなければならないと思っております。
 今後ですね、ブラジルが日本方式、したがって日伯方式という表現もできる、日本・ブラジル方式、ブラジルが日本方式になり、ペルーが次いで日本方式を採用するようになりましたから、ペルーに対してはですね、デジタル放送の円滑な導入に向けて、技術協力をするし、人材育成などの支援をしていこうと、こういうことでございます。
 あとは、アルゼンチン、ベネズエラ辺りもぜひ日伯方式になってもらいたいと思いますし、それからフィリピンもぜひとも日本方式になってもらいたい。その他、エクアドル、ボリビア、パラグアイにも強く働きかけております。ぜひアルゼンチンを、今最終段階なので日本方式にしたいのですが、なかなかヨーロッパも強いですかね、押し合いへし合いのところのようでございます。
 それからですね、私、昨日、地デジに影響があることに強く懸念をしまして、草ナギ(1)さんの逮捕の話を聞いて、はらわたが煮えくりかえったもので、言ってはいけないことを言いました。最低の人間だと言ったことは取り消します。というのは、人間は人間を評価できるものではありません。草ナギ(1)さんは、大変、国民的な人気もあって、実績もあるし、環境の問題や日韓友好の問題にも力を尽くしているという意味で、人間は多面的に評価しなくてはならない。人間が人間を評価することはできませんので、恥ずべき行為、イメージキャラクターとして頼んで活躍してもらっているときに、最悪最低の行為をしてしまったということを言おうとしたわけで、人間は人間を評価できないということについて、率直に反省を私もしてですね、最低最悪の行為だというふうに言い換えさせていただきたいと思います。
 なおやはり、私はあまりテレビを見ないから分かりませんが、それだけの彼への期待というのがあったから、地デジのメインキャラクター、イメージキャラクターになっているわけですから、それだけ期待が大きければ、やはり我々の失望や怒りが大きいということは、草ナギ(1)さんあなた自身も理解をして、反省して出直してもらいたいなと、つくづく思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)地方分権について質問します。先日、民主党が地方分権の方針を決めました。粗っぽく言うと、全国の自治体を700から800に集約して、そこに国の権限をどんどん移していくと。そして、出先機関は原則廃止をする。あと、しばりのある補助金はやめて自由に使える一括交付金にしていくといった内容ですが、これに対する評価と、「こういった改革は自民党政権ではできません。」と言っているのですが、これに対する反論があればお願いします。
(答)「自民党政権では地方分権が実現できない。」というのは、正しい意見ではありません。これは国の形の重要な部分を占めるものですから、今、お話をいただいた民主党の基本的な地方分権についての考え方について、私が全く理解しないわけではなくて、例えば、直轄事業の地方負担を基本的に廃止しろというのであるならば、今、即全面廃止ではありませんが、私は、部分的には理解できるところがあります。ただ、自治体の数が700とか800とかというのは、私の構想とは違います。こういう問題は、マニフェストで争うというよりは、国の形ですから、場合によっては、憲法を改正、例えば道州制であればですね。国の形などはもっと謙虚にお互いが話し合うという姿勢が必要ではないかなと。国の形で理念をぶつけ合うのはいいのですけれども、それはもっと話し合って、それこそ国の形は大連立で決めるような方向の方がいいですよね。だから、民主党的な考え方、今話された中で、2割、3割は、私は理解するわけですよ。でも、例えば、補助金などは全部一括交付金化するのでしょう、違う。そうなった場合に、教育とか、高齢者福祉とか障害者とか、お金が回らなくなったらどうするのだという問題もありますよね。2割くらいの部分は理解できるから、大いに話し合っていきたいので、マニフェストでぶつけ合って戦うテーマかどうかというのはちょっと疑問がありますね。
 最後に付け加えさせていただくならば、私は、この麻生政権において、地方分権をかなり進めなければいけない。地方分権改革推進委員会が、勧告は今まで2 回。今日、意見書をいただけるのかなと思っています。直轄事業の在り方、あるいは、直轄事業負担金の在り方等を突破口にして、工程表はできていますから、年末にかけて立派な地方分権の道を示すことができるように、麻生政権として頑張りたいと思います。
(問)大臣、また民主党の政策で恐縮なのですが、世襲制限に関して、昨日民主党も方向を取りまとめまして、先日、前回の会見で大臣がおっしゃっていたような、徹底されたものではないのですけれども、先手を打つ形になったと思うのですが、それについてどう受け止められていますでしょうか。
(答)非常に中途半端な内容だと思いますね。確かに世襲というのは、職業選択の自由の問題がありますから、法律で規定することはできないのかもしれないけれども、世襲の弊害があるのかどうか、あるかもしれない。私も兄も「超」の付く世襲政治家ですから、まず一つは選挙区で考えてはいけない。同一選挙区だからという考え方は、まず、すごく中途半端。親が国会議員であった場合は、みんなそれが影響されて政治力、選挙力になってくるわけだから。それと、一番に言いたいのは、自分たちまではいいけれども、後は駄目だというのは、愚の骨頂だと申し上げている。自分たちは腹一杯飯を食べるけれども、食糧危機だから、これから生まれてくる子供たちは、御飯のおかわりは駄目よと言っているような話で。だから、どうせ提案するのであれば、次の選挙に、小沢一郎さんも鳩山由紀夫さんも出ないから、麻生太郎さんも鳩山邦夫も出るなよというようなものをやれば、徹底していますがね。ものすごい中途半端。自分たちはいいけれども、後は駄目なんてそんな理屈がどこに通用しますか。
(問)大臣、直轄負担金の関係なのですが、今日、分権委員会が意見を出しますが、積算根拠を示せとかですね、そういう運用面とかは改善されるのでしょうけれども、やはり制度設計を抜本的に変えられるのかどうか、特に維持管理負担金を廃止できるかどうかというのが一つの焦点なのですけれども、地方としては、選挙前までにはある程度一定の方向性を出してもらいたいと思っていると思うのですが、選挙前までに政府として方針を出せるのでしょうか。
(答)どこまでできるか分かりませんが、本来ならば、あなたがおっしゃるように制度が変わらなければ意味がない。退職金は地方は負担しませんとか、庁舎を修繕した分は負担しませんなどという程度のことでは済まないので、それは当然のことであって、直轄事業の地方負担をゼロにするのが目標だし、一気にゼロにできなかったら、まず維持管理。国の直轄事業で維持管理に10分の4.5を地方に負担させていると、これはもう廃止まで持っていきたい。でも、本丸は違うのでしょう。本丸は、やはり直轄事業自体を減らさなくては。川が2県にまたがったら直轄だというのは、今はそうなっているのでしょう。そうではなくて、全国主要河川は直轄と。主要な港は直轄と。しかし、それは主要河川を選ぶことができるわけで、それから主要な道路は直轄ということで、うんと減らしましょうよ、直轄事業を。それが地方分権だと思います。
(問)「草なぎ君」は、キャラクターからも降板という理解でよろしいのですか。
(答)それはやむを得ないですね。だから、彼はあれだけの人気もあったのですから、酒の失敗であるとするならば立派に出直してもらいたいと思うけれども、それは地デジのキャラクターとして期待をした我々からしてみれば失望もまた巨大でしてね、それは怒りが巨大であることをお許しください。やはり使えませんね。
(問)これで、いろいろポスターなどを回収したりだとか、新しいキャラクターを選んだりとか、相当国費をまた投入することになると思うのですが、その辺はどう思いますか。
(答)できるだけ安上がりの方法を考えるしかない。
(問)その補てんとかという損害賠償とかは。
(答)多分Dpaが行っていることが多いものですから。Dpaというのは国民の皆様にはお分かりにならないかもしれませんが、あれはNHKと民放とかが全部お金を出し合っていると思うので。結局、テレビ局にしてみれば、例えばトヨタ自動車のコマーシャルを流せば、トヨタ自動車からお金が取れると。ブリジストンのコマーシャルを流せば、ブリジストンからお金を取れる。その何十秒かという時間帯に、草ナギ(1)さんを使ったテレビコマーシャルというか、周知の番組を流していたわけですから、負担していたのはむしろ民放ということになるのですかね。基本的な枠組みとしては。民放が出血サービスをしていた、まあ、自分たちのやること、アナログ停波、地デジへということを、そういう形だと思うのですね。ポスターやパンフレットを作ったのは総務省だから、そちらの方がもろに総務省の負担になる。だから、できる限り、安上がりというのはあれですけれども、作り直さなくてはならないのは仕方がないですよ。だから、はらわたが煮えたぎって私もちょっと言い過ぎたと申し上げているのです。
(問)大臣、住基ネットの関係で、今、違法状態が続いている、国立市の是正をなんとかしようということで、地方自治法の改正等を検討されていると思うのですが、その検討のねらいとですね、改正がされることによって、国の関与が強まるのではないかという地方側の懸念の声もあるようですが、その点についての大臣のお考えをお願いします。
(答)私は、地方自治に関して、何から何まで知っている人間ではもちろんないので、今までどういう例があったかは、あまり理解しておりません。したがって、法を遵守すべき自治体の首長さんが法律を守らないで、しかも国と地方が対等の立場で作られている、係争処理手続も無視する。したがって、そうなると政府というか、総務大臣としても、例えば住基ネットであれば、全く強制できないと、是正の勧告止まりになってしまうという極めて法治国家としては難しい問題を抱えました。ただ、やるとすれば、住基ネットだけの問題でやるのか、一般的にこういうケースで、各閣僚が、例えば裁判を起こせるとかいう仕組みにするのか、私の頭はまだまとまっておりません。ただ、一般的にやるとなると、地方自治、地方分権という大原則を犯してはなりませんから、やはり慎重なやり方が必要だと。ただ、住基ネットのような、正に郵政ではないけれども、広くあまねく行き渡ることに最終的な価値がある部分で、二つの自治体がそれに参加しないということは、あまり今まで想定しなかったのだろうと思うのです。ですから、非常に難しい問題なので、それは住基ネットが接続されていないところでは、例えばマイナス点としては、年金受給者は毎年の現況届が従来どおり求められてしまう。パスポート申請などの際の住民票の添付が従来どおり必要になってしまう。それから年金未統合記録の住基ネットを活用した解明の道が閉ざされてしまうなどの不利益がある。だから、本当に困るのです。だから、公益が損なわれていると私は思うのですが、どういう方法がいいのか、考えているところです。ただ、あまりに一般論的に範囲を広げ過ぎて、地方自治の原則が崩れるようなものは避けなければならないという、そういう気持ちはあります。
(問)大臣、関連で地方自治法の改正でやるのか、特別法で個別の対象自治体を限定するのかという論点もあるのですけれども、そこはどうですか。
(答)それもまだ、まとまった考え方を示すに至っておりません。今、検討中としか申し上げられません。
(問)大臣、そういう意味ではスケジュール感はどうでしょうか。年内にとかというような目途は。
(答)放っておけないという気持ちはありますからね。できるだけ早くとしか言いようがない。
(問)大臣、地デジのキャラクターの話に戻るのですが、これは選び直すということになるのか、どうでしょうか。
(答)そういうことでしょうね。ただ、Dpaとの関係ですから、よくDpaと話し合わないとならないですね。総務省も選ぶのには関与していたようですから、Dpaとよく相談をして決めていきます。
(問)今のだと誰かしらは選ぶと、もう無しというのではなくて、誰かしらは選ぶということですか。
(答)まあ、それはサイバンインコみたいな、地デッチとか地デジ君とか漫画でやったらいいのではないかということを私にアドバイスされた閣僚もいますけれども、やはり選ぶのではないでしょうかね。漫画の方が安いのかな、必ずしもそうではないのかな。
(問)ありがとうございました。

(1)は弓ヘンに前の旧字体その下に刀

(以上)