鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月24日

(平成20年10月24日(金) 9:42~10:09  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。まず、地方を元気にするために、地方自治体・住民・企業等の協働により「地域力」を高める取組を支援する施策を進める必要があると認識しておりまして、私が主催する「地域力創造有識者会議」を11月4日火曜日に開催いたします。座長には東京大学名誉教授の月尾嘉男先生、この総務省におられた方でございます。私の環境革命の議論の中で、大変大きなお知恵をいつも授けてくださる月尾嘉男先生が、「地域力創造有識者会議」の座長に就任をされることになります。詳細は、資料配付いたしますけれども、この御議論を総務省の施策に反映をしてまいりたいと思います。
 それから本日、国務大臣等の資産が公開されますが、私の資産については、お配りしている資料のとおりでございます。

2.質疑応答

(問)第二次補正予算の関連で、地方対策をどうするかという話がいろいろありますが、まず臨時的な交付金の話がありますけれども、総額をどれくらいにするのかというのが、いろいろな意見が出ていますが、地方の疲弊を何とかするために、何とかしたいと日ごろ、大臣がおっしゃっていますが、どのくらいの額でもらえばいいとお考えでしょうか。
(答)麻生総理の追加指示というのが、昨日出ておりまして、その中には道路財源の一般財源化に伴って1兆円を地方へ、という御指示が出ております。それが、どういう性格のもの、もちろん一般財源化ですから、その1兆円というのは地方が独自の判断で使えるお金ということだと思いますが、その性格付けとかですね、あるいは臨時交付金という名前なのかわかりませんが、疲弊している地方に財源をお渡しするという経済対策、これの額や方法、財源等については、まだいろいろな考え方が飛び込んでくるものですから、結局、これは、来週、まず与党協議が2、3日続くのではないでしょうか。私は月曜日は、夕張へ出張しなければなりませんが。
 それから予想ですが、政府与党で最終的に決定するのは30日くらいではないでしょうか。その間に詰めていく段階で、私も意見を言う時があるのだろうと思いますが、まだすごく粗い枠組みですので、それが少し定まってまいりませんと、私どもの考えを公式的に表明できないという感じでしょうか。私としては、地方を元気にするためには、それは、できるだけ大きな額を地方にお配りをしたい。しかも、できる限り自由度の高いお金をお配りをしたいと思いますけれども、片や財源という話もあります。それに来年4月から、道路財源の一般財源化というものが加わってきますでしょう。そこがちょっと複雑に絡んでおりますので、少し整理をして議論が進んでいくのを待たなくてはならないという面があります。
 今日の閣議で、住宅ローン減税の拡充というのでしょうか。総理指示は、今までのものを、うんと拡大した住宅ローン減税をやれという御指示があったと。これは住宅ローン減税というのは非常に意味のあることだと思います。思いますが、所得税減税で、「あなたの住宅ローンの減税分はこれだけですよ。」と示したのに、所得税から住民税に3兆円移った時に、所得税が安くなって、住宅ローン減税分を引き切れないという事態が生じたわけです。その時は、住民税に移った分から、例外的にこれの残りを引いたということがありました。住宅ローンというのは長いので、これはまだ続くわけです。ですが、住宅ローン減税を拡大した場合に、住民税も減税しろということは、まだ慎重に我々は考えなくてはいけない。つまり、住民税というのは、地域社会に生きていく会費で、自治会費とか町会費というのがありますが、それの公的なもののような色彩があるわけです。しかも税率は一本にしたということですから、その性格と住宅ローン減税の性格がどういうふうになるかなという問題がありますので、そう簡単に、「よし、分かった。」とは私は言えない。それは、家を建て替えるのは大いに結構です。ピカピカの家があってですね、片や、建て替えることができない古い家があって、ピカピカの家の方は住宅ローン減税で会費が安くなる。これは景気刺激のためとはいえ、古い家の方が会費が高いという形になるわけです。
 そこのところが、住民税というものの基本性格を私もよく勉強をしていかなくてはならないと思っております。できれば、所得税でやってもらいたいものです。住民税から引いたのは、あくまでも例外的で、所得税から引き切れなくなったという税源移譲があったからですから。
(問)大臣、今日で携帯電話のですね、ナンバー・ポータビリティーが始まって2年たったのですが、これについてコメントをお願いします。
(答)案外、多くないというのでしょう。私、非常に意外なんですよね。2年間で利用率5.5%止まり。私は、新聞でこの記事を見たときは、これは皆、やるのだろうと思ったら、意外とそうでないものですから。平成18年10月24日から本年9月までの間に573万件の利用があったということで、携帯電話契約数全体1億483万件のうちの5.5%ということでございます。意味はあると思うのですが、利便性の向上には明らかに貢献をしているわけですし、新しい端末の発売という意味で、番号が持ち運べるわけだから大いに結構と思ったのですが、意外と低いなと思ってます。
(問)資産公開の件でいくつかお伺いしたいのですが、就任後に保有されている株価が下がっていると思うのですけれども、何か実感等、御自身の資金の影響とかがあれば教えていただきたいのが1点。それからもう1点が、1年前と比べて定期預金が3,000万円ほど増えているのですが、何か特別な理由があれば教えていただきたい。それからあと、全般に資産公開について、何か改善が必要だとかというお考えがあればよろしくお願いします。
(答)私や兄の祖父はブリジストン創業者の石橋正二郎という人でございまして、元々久留米で足袋を作っていたのです。地下足袋を発明して、それからタイヤにいくわけですが、15人の孫にずっと贈与税の範囲内で、我々が生まれた頃から分け与えられた、まだ当時大きくなかったブリジストンという会社の株式、これが兄も私も財産の過半を占めているのだろうと思います。何か、物入りのときには、その株の売却ということで生きてきて、先祖に感謝する日々でございます。日経平均が大きく下がれば、直撃はしております。閣僚は株の売買をしてはいけないというので、今はどうということではないのですけれども。それから、定期預金については、これは調べて御返事します。資産公開は、要するに閣僚であるということで、特別に区別して見るべきものではないですね。閣僚であれ、衆議院議員、参議院議員、皆、私は同じように透明性と信頼性が求められていると思います。閣僚は、いろいろな行政権限を持つから、格別厳しいという点はあるのだと思いますけれども、閣僚であるとないとにかかわらず、政治家が不正蓄財とは言わないけれども、そういうことを私から言うべきではないと思うけれども、「政治家をやっている間にあの人、資産が増えたな。」などというと、やはり疑いを持たれますから、そういった意味では閣僚が格別厳しいことに異論はないが、国会議員全般、皆が同じように透明性、信頼性のある資産公開をして、国民の政治への信頼を裏切らないようにするということが大事だと思いますね。
(問)先日、都内で妊娠中の女性が搬送後に亡くなられたという事案があったのですが、今、厚労省と都が調査をしているようですけれども、総務省としてもこれまで救急搬送に取り組まれているのですけれども、今回の事案についてどのように思われますか。
(答)非常に残念ですね。救急救命というのは、厚労省だけの仕事ではなくて、我々、消防庁を通じて大きな働きをしなければならないというふうに考えますと、病院の様々な事情で、たらい回し、あるいは、脳出血があることさえ気が付かなかったとか、分からなかったという報道がありましたね。ちょっと全般に日本の医療の、現在の産科婦人科医の不足なのか、医師全体の不足なのか、この間の銚子の市立病院のように、経営もうまくいかない、人もいない、閉鎖か、今度は、公設民営に賛否両論とか、いろいろ聞きますと、ちょっと非常に寂しいというか寒い、寒い事情があると思いますので、懸命に我々も努力をしたいと思います。ちょうどそのたらい回しの話をいつも舛添厚労大臣が、いつも委員会で言っておられたわけでしょう。それが繰り返されるということが残念ですね。
(問)大臣、最初の経済対策の話に戻ってしまうんですけれども、道路特定財源を1兆円地方に配るという話なんですが、今、すでに臨時交付金として7,000億円が地方に交付されているのですが、これは。
(答)その議論を実は私もしてるのですが、その意味内容の確定がまだしておりませんので、先ほど私が申し上げたのは、総理指示を今日、総理に確かめようがないのですよ。道路特定財源の一般財源化に伴って1兆円を地方へという、その1兆円が何を意味しているのか、つまりガソリン税の、今、あなたの言ったのはガソリン税の4分の1の話でしょう。これが、約7,000億円くらいあるわけです。これが残るのか残らないのか、法律的にどうなるのかという問題がある。
 多分、地方道路整備臨時交付金というものは、それは道路目的財源でなくなるわけだから、当然制度的にはなくなると思うのですよ。これがあって1兆円くれれば、すごいプラスだけれど、これがなくなれば、1兆円というのは3,000億円を意味するわけです。しかも補助金できているのがあります。道路特定財源から地方へ補助金が、20年度で、予定で5,500億円くらいあるわけです。これがどうなるかということも、真剣に検討しなくてはいけないわけです。
 いずれにしても、地方に金が回る。地方で道路をばんばん作りなさいという形は取りません。地方にお金は回します、しかし自由に地方で使ってください、道路を作りたいところは道路を作ればいいでしょうという考え方、これを徹底したいということなのですが、その金額は、増える部分は大いに結構だけれど、減る部分があるのではないかと思うわけで、ちょっとその詰めはまだはっきりしないのですよ。昨日の夜も今朝も私に聞かれたけれども、まだ与党間でも詰まっていないような感じがしますね。
(問)月内にはまとめられるのでしょうか。
(答)30日までには確定します。恐らく28日から大激論になるのでしょう。その時には、こちらも戦線に参加するというのは変だけれども、地方にはお金が少しでも多くくるように、そしてそれが自由度があるようにと。元々、都道府県が道路をやっている場合、都道府県、市町村を併せれば、36~37%が道路特定財源なのですね。地方税分、それから今、言ったように国からきたもの。正確には、県で40%、市町村で34%なのですよ。ということは、道路特定財源として、都道府県や市町村にきたものでは、道路は3分の1しかできないということですから、これからさらに自由度を増しますから、道路を作るかどうかは完全に都道府県や市町村の判断にかかわるわけです。例えば、私の地元の久留米市でも、うきは市でも、バイパスとか環状道路とか、いろいろあるわけですけれども、これが早い方がいいですか、それともほかに商店街の活性化とか、あるいは教育とか医療とか、どれがいいですかと。これは市長や市議会がこれから大いに判断していただくということになります。
(問)すみません、麻生総理は有数の資産家でですね、庶民の気持ちが分からないじゃないかみたいな批判も出てますけれども、資産家が首相を務めることに対してどう思われますか。
(答)私も兄も庶民の気持ちは理解する政治家だと思っておりますので、総理も同様ではないでしょうか。それは政治家の心掛けの問題と思います。兄を立てているでしょう、ちゃんと。
(問)最近、麻生総理の夜の行動についていろいろ言われていますけれども、これについてコメントを。
(答)結局、警備の問題等があるし、極めて地味で、私も2、3回、ああいう最後のクールダウンですね、1日の最後に葉巻を吸われる、葉巻を吸って、お酒もほんのわずかしかお飲みにならない。わきで私ががばがば飲んでますけれども。大体非常に地味でして、私は、いつもフライドポテトぐらいしか食べさせてもらっていません。料理は、ほとんど取っていないですよ。サンドイッチがたまにあるくらいで。私は、大体いつもフライドポテトしかありついてないです。
 警備とかの都合でああいう場所を選んで、そこで葉巻を1本、お吸いになるということで、それが、場所がホテルだから、庶民性があるかどうかという議論をされますが、場所は庶民的でないかもしれないけれど、高級料亭ですごいお金を使うという話ではなくて、実に安いと思いますよ。喫茶店でお茶を飲むのに毛が生えたような話ではないでしょうか。私が行くと、焼酎のオンザロックを3、4杯飲むから少し高くなるかもしれません。総理は大体1時間で1杯ではないでしょうか。
 私は、だから、そういう場所で1日の終わりを、気楽にしておられるというのは。たくましいですよね。ほんとに元気すぎるほど元気で、たくましい総理です。睡眠の取り方が上手なんですね、きっと。ぱっと寝られるのじゃないですかね。歴代総理が、総理大臣の巨大なストレスで寝られないという悩みをおっしゃった総理が随分多いのですよ、意外なほど。しかし麻生総理という方は、自分は寝るのは瞬間的に寝られると。例えば飛行機だとか車の中でも、10分の移動でも瞬間的に寝られると。不眠というのは誰だってあるではないですか。私だって、全然ないわけではないですよ。それはやっぱり死刑執行を予定している前の日は寝られません。全然それは寝られません。それはやはり、いろんな思いが錯そうしますからね、人の命を絶つわけですから。
 そういう点では、総理は、この間も国会で「俺は睡眠の取り方だけは絶対自信があると、寝方がうまいから。」といつもおっしゃっています。
(問)よろしいでしょうか。

(以上)