鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月17日

(平成20年10月17日(金) 10:00~10:18  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。一つは、昨日、「平成20年度補正予算」と「地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律」が両方成立いたしまして、地方の道路特定財源の、今年4月の減収分656億円を全額補てんするということで、地方税等減収補てん臨時交付金というのを配る法律、これが補正予算とともに成立いたしましたので、本当に野党にも幅広く御支援、御賛同いただきましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。
 地方からは、4月一月分の暫定税率分ではありますが、一日も早い補てんを求める声が寄せられておりましたので、法案の成立を受け速やかに交付手続に入ることといたしており、今月22日水曜日には交付金の決定通知を行って、その翌日に現金を交付する予定といたしております。
 それから、補正予算で地方へ1,000億円とよく申しますのは、656億円足す、260億円足す、40億円であります。私は地方再生の担当大臣でもありますし、また、実際の事務作業は内閣府よりも総務省が中心となる部分もあります。今回創設された「地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金」260億円は、これは各地方公共団体に、こういうことに使いたい、ああいうことに使いたいということを言っていただいて、上限を決めてお配りするというお金でございますので、有効に使ってもらいたいというふうに思います。制度の周知徹底も図りますし、関係省と連携して速やかに執行していきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)昨日、総理から追加の経済対策をという指示が出ていましたが、総務大臣といたしましては、これから地方の経済も、実体経済も悪くなっていく可能性もあるのですけれども、どういう具体的な対策を打っていくか、お願いします。
(答)昨日の新しい経済対策でも、重点の一つは生活者重視、もう一つは金融と中小企業対策、三番目が「地方」と、こう書いてあるわけですから、昨日の政府・与党会議では、細田幹事長からも、地方と言っている以上は、みんなで頑張らなくてはならないし、総務大臣もきちんとやってほしいと、こういう発言がありました。私はお願いをする立場かもしれませんが、国税5税の影響、調子等で、地方交付税も厳しい状況にあります。これに穴が空く、つまり予定のものが配れないようなことになると、地方に大きく響きますから、まずその予定のものがきちんと配れるように、地方の税財源を手配する。それに加えて、地方を元気にするためには、更にその上乗せのプラス部分が要るわけでありますから、そのことは政府全体の課題でもあり、総理にもいろいろと、あるいは与党にも御決断をいただかなければならないというようなことで、昨日の会議でもそういう旨の発言をいたしました。
 例えば定額減税をいたしますと、地方税も、特に住民税の減税が入ってくるだろうと、所得税だけで定額減税ということはあり得ないと。しかも所得の比較的高くない方に恩恵が大きいようにするためには、どちらかというと、住民税に寄った定額減税ということもあり得るわけです。所得税で7の減税をやって、住民税で3の減税をしますと、7の減税分の32%が地方交付税の減になります。したがって、10の減税をするとすると、所得税で7、住民税で3という場合に、お互いの負担は5:5になるわけです。国の収入が5減って、地方の収入が5減る。これがもし5:5の減税だったらどうなるかというのは、所得税で5減税して、住民税で5減税すれば、所得税の32%の1.6で、結局地方が6.6、国が3.4となって、地方にしわ寄せがうんと行く。したがって定額減税というのは、地方へのしわ寄せが非常に大きい可能性がある。あるということは、それは完璧に補てんをしてもらわないと、これは、やっていけなくなるということを昨日の会議で御説明申し上げました。
 今申し上げている部分も、平成20年度中に定額減税をやるということでしょう。これは緊急対策として必要だからやると。その定額減税した分、もちろん消費意欲が出てくることを期待するけれども、減ってしまった分を、元へ戻す話をしているわけですから、それよりプラスにいくような話というのが何とか出てきませんと、地方を元気にすることは難しいかもしれません。
(問)先日のNHKの経営委員会で、2012年度以降に実質10%の受信料値下げというのが決まったのですけれども、この10%という幅をどのように感じておられるのかというのが1点。あと、これは経営委員会の修正動議という形で決定したのですが、ここら辺についてコメントをいただきたいのですが。
(答)個人的な思いを言えば、10%受信料の値下げ、今まで値下げというのは行われたことはないわけですから、4年後からということでしょうが、明記されたことは非常にいいことだと私は思います。執行部と経営委員会の間で様々な議論があったということなのですが、これが経営委員会のあるべき姿ではないか。つまり、いつもなあなあで、何も話題にならないで物事が決まってしまうのでは良くないわけで、経営委員の皆さん方が、しっかりと仕事をしていただいたというふうに私は思います。
 10%という数字がどうであるかについては、私が今コメントできる立場にはありませんが、徴収率というのでしょうか、今71%ですか、保険とか年金でも問題がよく出てきますね。保険とか年金で、例えば国民年金、基礎年金、どれくらい支払っているのだという議論がよくありますけれども、要するに支払っている人の率が低いから、一般の人が損をするというのは、これは絶対良くないパターンです。そういう意味で基礎年金の、全額国庫だとか、半分国庫という議論が出てくるのもそこからくるわけでしょうけれども、NHKだって同じなので、受信料は払わなくてはいけないものを契約をしなくて払わない人がいるから、一般の受信料が下げられないとか、高くなるのであっては、これは正義にもとります。そういった意味ではNHKもいろいろ不祥事があったりして、信頼を失うようなこともあったので、懸命に立て直しを図ってくれていると思っておりますが、受信料の徴収率を上げることは、NHKにとって喫緊の大課題だと思います。これを9割まで上げれば、分かりませんが、2割の値下げだってあり得る話ですから。
 義務化の話が前にありました。しかし、放送法には契約しなければいけないと書いてあるわけでしょう。テレビ受像機を持っておったらNHKと契約をしなければならないと。契約をしないというのはどういうことかというと、これは、もし訴訟になると不当利得を得ていることになるわけです。訴訟という道も検討はしていないわけではないと聞いておりますが、私、元法務大臣として申し上げれば、不当利得を得ているわけですから、やはり国民はみんな払う必要があるし、NHKは自らの身をもっと引き締める必要があることだと思いますね。
(問)菅大臣の時には、義務化とセットで2割という話だったのですが、それについては。
(答)私はそういう考え方は、方向として正しいと思います。
(問)大臣、倉田副大臣の件なのですが、パブで働くフィリピン人女性のビザの発給を外務省と法務省に働き掛けていたという話があるのですが、これは大臣が法務大臣の時のことでもあるので、これについての所感と、これからこれについて事情を聞くとか、そういう御予定があるかどうか、お伺いします。
(答)私には、事実関係が全く分かりませんから、いずれ事実関係が明らかになっていくものと思いまして、私の方から今どう動くということではありません。ただ、昨日たまたま地方分権改革の質問があったものですから、そこで私は航空管制の話もしたかな、答弁で。つまり地方航空局が管制も行っているとすれば、これはやはり国全体が統一して管制をやる必要があるから、それぞれの地方自治体が管制をやったら、何か不安ですよね。そういうことを申し上げ、税務署の場合も同じような部分があろうかと思います。その時に私は法務大臣をやっていた者として、入国管理局についても触れたのですね。そうでなくても、入国管理局によって多少扱いが違うのではないかなどという噂が出ることがあると。だから、入国管理行政というのは、厳しく統一的であるべきものである。実は、入国管理を分権している所があるのです。私が見に行ったドイツがそうでした。入国管理まで分権しているのです。これは、要するに不法滞在の人を留め置きますね。東京入国管理局ならば、東京入国管理局の施設に入れておきますね。ドイツでは州が、全部が全部かは分かりませんがやっていますので、したがって待遇も違ってしまうわけです。そういうのはやはりまずいのではないか。入国管理などというのは、全国統一基準が厳しくあるべきだということを昨日答弁して、地方分権にはなじまない分野かなと。地方分権改革推進委員会で400項目、15系統と、全部まだ詳しく、私が検討して知っているわけではありませんけれども。そのような答弁をしておりましたから、入国管理というのは、そういう意味ではなじまないということは、全国統一基準であるべきだという答弁をした翌朝の新聞なのでちょっとびっくりはしましたけれども、全く事実関係は分かりません。新聞に、いつごろの日にちと書いてありましたか。
(問)いや時期は。
(答)時期は書いてないから、それは、私の法務大臣の頃ですか。
(問)07年ですから、去年です。
(答)去年の後半は私がやっておったけれども。
(問)国会で、民主党の前田議員や野田消費者行政推進担当大臣などで持ち上がっているマルチ商法の関係なのですけれども、大臣御自身の政治団体が、マルチの関係業者から献金を受け取ったり、パーティー券を買ったりしたことがあるかどうかということと、マルチ業界に関する質問を国会でしたことがあるかどうかというのをお聞きできますか。
(答)後者は全くありません。前者の質問については、ないとは思うけれども、調べてみなくてはいかんでしょうけれども、私、いわゆるマルチ商法をやっているような会社とのお付き合いが全くありませんから、おそらくないはずです。
(問)先ほどの倉田副大臣の件ですけれども、大臣の部下である副大臣が、そういうことを指摘されているわけですけれども、大臣として事情を聞くということはされないのでしょうか。
(答)今のところ、どういう事案であるかもはっきりしておりませんから、これが明らかになって、仮に何か非常に大きな問題があるということになれば、そういうことはあるでしょうけれども、今のところ私の方から動くことはありません。おそらく、彼自身から国民に向かって説明するでしょうし。
(問)今朝、倉田副大臣とはお話はされたのでしょうか。
(答)しておりません。私は、朝、今日は閣議からこちらへ直行ですから、連絡はありません。
 事実として、私が確定して知っておりますことは、倉田さんが私のもとで現在総務副大臣であるということと、私が法務大臣の時に委員会の理事をお務めだったことは、はっきり知っております。
(問)よろしいでしょうか。

(以上)