鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月3日

(平成20年10月3日(金) 9:15~9:32  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)昨日、麻生総理が国会で、政局よりも景気対策の実現を優先させると答弁されましたけれども、総務省に関しては、補正予算とともに重要案件の関連法案もあります。これについての見通しをお伺いします。
(答)麻生総理は、基本的に日本の現在の経済状況、もちろん、アメリカ発の金融問題もありますけれども、やはり日本の景気をできれば地方まで含めて回復させる。そして、この日本を強く明るい国にする第一歩を築く、これが喫緊の課題だと。緊急に手を打っておくべきものがあるという観点で、補正予算は成立させなければならないというお考えなのです。実は麻生総理は政局については一言もおっしゃっていない。私のように総裁選挙から、総裁候補、総裁、総理と比較的近くにいる機会が多かった者にとっても、麻生総理から、解散についてという、「か」の字も承ったことはないわけです。メディアがいろいろな勝手な想像でいろいろな日にちを流すわけですが、解散権は総理の専権事項であって、本会議でお答えになっているように、「私が決めます。」とおっしゃっているので、我々も全くお話を聞いたことはありません。まず、緊急に治療すべきところは治療する。全治3年といっても、今、手を打っておかないと、3年で全治しないかもしれないので、まず緊急にとりあえず景気、経済に対して治療をしようという、それが補正予算だろうと思います。
 総務省関連でいえば、いわゆる石油関係ガソリン関係の上乗せ分が、1年間で9,000億円分あるわけですが、地方に入らなかった4月分が、656億円といわれています。自動車重量譲与税は期限が来ていなかったから大丈夫、石油ガス税はそもそも上乗せ分がなかったから大丈夫。しかしながら656億円分はもろに穴が空いてしまうので、これを埋める法律案の提出をする。これを補正予算とともに成立をさせませんと、地方の穴が埋まらない。したがって、地方の財政が非常に厳しくなるということで、是非ともこの穴埋めはやらなければならないと思っております。ただ、私自身が心配しておりますのは、臨時地方道路整備、要するに揮発油税の4分の1が地方に入る仕組みがあります。これが6,800億円くらいあるわけです。当然、この6,800億円というのは、揮発油税が暫定税率で倍になったものの4分の1、これが暫定税率のない4分の1ということになれば、全然額が違います。そういった意味でいえば、今後の財務省との交渉もあるでしょうが、656億円以外にも、実は地方財政の穴はあるんです。それから、私の頭の中ではまだうまく計算できないのですが、前にも御説明しましたとおり、基準財政収入への算入の関係で、この穴の開いた状態を埋めましても、都道府県が市町村から120億円を奪った形になってしまうのです。技術的な話ですが、この都道府県が市町村から奪った形になっている120億円を市町村に戻すということも法案に書き込んであるんです。だからこれを成立させないと、市町村がとりわけひどいことになるということです。地方を元気にすることが私の仕事ですから、地方を明るくするために絶対に穴は埋めねばなりません。
(問)大阪で15人亡くなった火事についてですが、総務省に関係する部分も多いと思いますが、総務省としての取組と関連法案について見直し等の必要性があるかどうか、どうお考えかお聞かせください。
(答)私がテレビを見てというのはどうかと思うけれども、テレビ、新聞等を見て、非常ベルは短く鳴ったけれども切れたというのは、どうしてなんだろうと、特にヘッドフォンをしたまま亡くなったりしている人が多く、しかも、ほとんどが一酸化炭素中毒、もし、非常ベルが鳴り続けていれば、そういう人が起きて逃げ出せたかもしれない。非常ベルはあったんですね。国会でも時々ありますよね、非常ベルが鳴って、「間違いでした」ということが。そう思ってしまったのでしょうね。それを考えると、設備をきちんと作っていても、これが作動しないと大変なことになると思いました。
 総務省としましては、火災が発生しました10月1日に消防庁の職員7名を現地にすぐに派遣をいたしまして、大阪市消防局と連携しながら、原因調査や防火対策の現状、状況についての調査をしております。また、各都道府県のそれぞれの部局を通じて、全ての個室ビデオ店等についての緊急調査を実施するとともに、防火指導を徹底するようにお願いをしました。10月1日施行の改正消防法施行令により、全ての個室ビデオ店等に自動火災報知設備の義務付けられているわけですが、既存の建物については1年半の猶予期間があります。こういうことは猶予期間があるといっても、できるだけ早期に設置をしてもらえるように、進めなければならないと思います。猶予期間があるといっても、あまり悠長に構えていてはいけないと私は思います。
 これは私の担当ではないかもしれないけれども、問題点の一つに個室ビデオ店やカラオケボックス、ネットカフェとかいろいろあると思いますが、ネットカフェ難民ではありませんけれども、実際にそこで寝泊まりしてしまうことになれば、より一層厳しい規制が必要になるわけです。ところが、旅館業法は適用されない、風俗営業法の適用がされているのがどの程度あるのか分かりませんが、これも無届であれば、風俗営業法の適用はされないというようなことで、今後、総合的に考えていかなくてはならないのではないか。つまり、そういうところが寝泊まりの場所になるなどというのは、少なくとも20年前には考えられなかったことなんですよ。人が寝泊まりするところは旅館、ホテルであると、そうでないところで寝泊まりするという状態であるならば、旅館、ホテルに適用されている法令が、ある程度適用されるようでなければならないと思いますが、雑居ビルですから、そこのところの難しさはあるのだろうと思います。特に雑居ビルだと、それぞれが勝手なことをやって、非常階段に荷物が積まれて出られないようなこともあると思いますから、総合的にやらなくてはならない。悔しいのは、火災が起きて後追い、後追いというふうになりがちですが、できれば、先読みして行動したいです。
(問)旅館の関係の省庁とのやり取りというか調整というのは、今後考えられますか。
(答)私も思いつきで言ったわけではありませんけれども、いろいろ研究させたいと思います。今まで考えられなかった業態の出現ということなんですよ。法務大臣をやっておりましても、これは福田総理からも対処方法はないのかと私は聞かれたんですが、インターネット殺人なんて、考えられない殺人形態ですよ。だから、これは社会、風俗、文化、科学技術の発展によって新しいものが出てくると、それに迅速に手を打たないと間に合わないということだと思いますね。旅館とは何かとか、あれは定義があると思うんですね、私は詳しくは知りませんが。
(問)昨日、自民党の有志の方で郵政の民営化の見直しを求める議連が発足しましたけれども、これについて大臣の御見解をお伺いしたいんですが。
(答)自民党の郵政研究会で、民営化に関する緊急決議を行ったということですが、その決議について、総務省としてあるいは大臣としてコメントする立場にはないというふうに思います。今、郵政民営化委員会で郵政民営化法に基づいて、進捗状況についての見直し、あるいは調整審議を行っているわけでございますけれども、郵政民営化委員会が3月末までに取りまとめるので、審議結果を踏まえて適切に行動していきたい。
 いつも申し上げておりますように、郵政民営化に陰の部分があるとするならば、それは陰を消していかなくてはならないと思っております。もちろん郵政民営化は、いろいろな行政学的観点とか、公の資金を民間へという活性化の素晴らしい役割とか、いろいろあるわけですけれども、民営化ゆえに、例えば成績の善し悪しは別にして、郵貯銀行やかんぽ生命でも、新しい商品を売るということはできるようになっているわけです。だから、民営化ゆえのプラス要因はいっぱいあるが、他方、簡易郵便局が例えば433閉鎖されていたのも、いろいろ手を尽くして、今、その数は410程度というふうには聞いている。そういうユニバーサル・サービス面では徹底して努力していきたいと考えております。
 民営化されたわけですから、印紙税分の値段が上がってしまうのは、やむを得ないかもしれません。陰の部分をどれだけ消していくのかというのが基本方針であって、郵政民営化自体を株式の売却を含めて、方針を変更するという考えは、私には全くございません。
(問)大臣、野党が各省庁、総務省に対して、資料を請求する際にですね、その役所がですね、自民党の国対に相談するようにとの指示をしているというような話が出ているんですが、これについて、大臣、どうお考えですか。
(答)新聞が「検閲ではないか」と書いていますが、そういう状況には全くない。恐らく、少し私の想像が混じりますけれども、資料要求についての一定のルールというものはあってもいいのではないかということで、自民党国対委員長が、民主党国対委員長に申し入れたり、話し合ったりしているということだろうと思うのでございます。例えば総務省にある資料は全部出せといっても無理でしょう。資料要求に応えるだけで役所の機能がまひするということが、もちろんあってはならないし、そういう状況は今まで生じてはいないと思いますけれども、そういう意味で民主党にも適切な資料要求をしてもらいたいということで、一定の話し合いをしたいということが両国対の間で話し合われたのではないか。実際、今までの資料要求の状態はどうですか、という実態把握について総務省にも話があったということだろうと思っております。まだ総務省では何の反応もしたことがありません。つまり何ら、アクションはとっていないわけで、そういう会議があって、資料要求についての実態把握はしなくてはならないと、自民党の国対から民主党国対に申し上げたというようなことがあったことについては、総務省内に情報は流しましたけれども、実際に具体的なアクションを取ったことはありません。つまり資料要求があったから、自民党に相談するとか、国対に相談するとかいうことは一切しておりません。資料要求が適確に行われることが国会にとって重要だろうと思います。その辺は民主党もわきまえてくれるだろうと思います。
(問)では、ありがとうございました。
(答)はい。

(以上)