甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月12日

(平成20年12月12日(金) 9:29~9:48  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 どうぞ。

2.質疑応答

(問)雇用・能力開発機構ですけれども、先日、舛添大臣とお会いになられて、別法人に統合ということが決まりましたけれども、改めて今後、どのような段取りで進めていくのかということについて、ご説明いただけますでしょうか。
(答)年内に先般示した基本方針に向かって作業を進めていただきまして、政府としてこういう形にするということを確定をしたいというふうに思っております。
(問)まだ、統合の時期というのでしょうか、その辺のことは見通しとしてはまだ見えてないんでしょうか。
(答)作業していく過程で、まず私のしごと館を売却をすると。これもコスト増にならないように、できるだけ実入りが多くなるように進めていくということになると思います。そういった中で、身売り先を探すわけでありますから、ある一定の期間は必要かなと思いますが、もう廃止して切り離すということは決まっているわけであります。
 あわせて、地方の希望をとらなきゃならない件があります。それは、ポリテクセンターを引き取りたいという希望と、それからカレッジについても希望があるかどうか、これを具体的に打診をしなければなりません。
 あわせて、今、総合大学校について、これは私はものづくりのセンター・オブ・エクセレンスというふうに思っておりまして、ここは極めて重要になると思います。そこで、その費用対効果を更に上げていくためのどういう改革があるかと。これは大学校自身のほうに要請をいたしました。
 それから、まだ設計をするのに高齢・障害者雇用支援機構と合併をさせると。それによって、役員、人員を含めたスリム化が図れるということ。それから、全く独法では新しい試みとして、運営委員会のようなもの、ここはある種の区分経理といいますか、高齢・障害者雇用支援機構のほうとは区分して、今回持っていく部分について、運営委員会というようなものをつくって労使が入って、本来目的とするもの以外に余計なものに勝手に役所のほうがお金を使うということがないようにするという仕組み。
 それから、この運営委員会を設ける私の思いは、今まで雇用政策だけの面しか語られなかったものを、企業の競争政策、つまりスキルアップ、時代が求めるスキルを備えた人間を1人でも多くつくり出すということが、失業率を下げるという雇用政策に資するわけでありますから、そこの点が若干今まで欠けていたんではないかと思いますから、そこの点をプラスして、日本のものづくり産業の競争力を強化するというために資するような、真の組織にしたいと。これぞ改革だと思っております。そこの設計をきちんとしていかなきゃならないわけでありますから、そういう諸々のものを通じて、いついつまでにこれが完了するかというスケジュールが見えてくると思っております。
(問)今のに関連して、全国で61カ所あるポリテクセンターについて、厚労省の検討会などがまとめた案では、都道府県に1カ所、47カ所は国の責任で残すというような方針を出しました。これに対して、自民党の中ではかなり反発もあったようですけれども、今回の厚労大臣との合意によって、現時点で甘利大臣が目指している数字、どのぐらいになるのを想定されているんでしょうか。
(答)確かに、連合からもヒアリングのときに、セーフティネットとして1県1つは残してほしいという話がありましたが、私はこれにはこだわりません。希望があれば、それは61マイナス47じゃなくてもいいと思います。それはもっと増えてもいいと思っております。
(問)47よりは、さらに少なくなるというイメージでしょうか。
(答)それでも、いいと思います、私は。
(問)逆に、希望がなければ47以上残ることもあり得ると。
(答)知事さんと話をしてましてですね、もし受けてもらえるんなら受けてもらえますかと、もちろん予算もつけますよといった場合に、国から押しつけられて対応ができるかどうかの検討ですかとか言われるから、それは違うと。押しつけるんじゃなくて、主体的に考えてくださいという話をしました。
 ここは、知事さんがお考えになるのは、自分の体力との見合いをお考えになると思うんですね。お金と人がついたとしても、県の規模で言えば、それこそ80万人から1,000万を超えるところまであるわけでありますから、受皿というか、キャパが随分違うわけですね。そこで、それだけのものを回して切れるだろうかということの不安をお持ちのところがあるんだと思います。ですから、押しつけるわけではありません。あくまでも、自分のところで回していけるかどうかということを検討していただければいいんでありまして、回していくだけの体力がないというところについては、ちゃんと国が責任を持ってやっていきますからということでありますから、そういう上で、希望を募りたいというふうに思っております。そこそこ出てくるんではないかと思います。
(問)税制改革の中期プログラムについて、首相は昨日、3年後を明記するよう求めましたけれども、与党のほうでは明記しないということを決めたようですけれども、これで首相の指示に与党が従わないということでは、求心力の低下も懸念されますが、大臣としての受け止めをお聞きしたいと思います。
(答)最終的には、総理が執行部と話し合って、総理の意向に最大沿うように落としどころが見つけられるというふうに思っております。総理御自身は、この財政の健全化の旗はしっかり掲げつつ、百年に一度の事態にどう対処するかと。一見矛盾するこの2つをどう整合性をとっていくかということに心を砕いておられるんだと思います。いい、わかりやすい絵図ができればいいと思っております。
(問)本日、夕刻に首相が記者会見されるというふうに聞いているのですが、その位置づけは・・・。
(答)そうなの。これは、中身はよく知らないです。そうですか。何を期待されています?
(問)雇用・能力開発機構にまた戻るんですけれども、弊社も含めて、この前の合意については、比較的厳しい見方が多いと思いますが、今後、自民党等に対して説明をどのように進めていかれるおつもりでしょうか。
(答)産経が一番社説で厳しく書かれていましたけれども、厳しく書かれていましたけれども、党は、この行革本部に、あるいは独法化委員会に説明する段取りは今とっております。非公式には、独法化委員長には、こんな形にするというお話をしてあります。
 それで、あの社説、本当におわかりをいただいているのかなと。じゃあ、要するに何をすれば改革が進むとお考えなのか伺いたいと思います。なくしてしまう、つまり私が一番懸念していますのは、10年後に日本のものづくり政策が枯れ果ててしまったと。そのときに、そういう馬鹿な選択をした政治家は誰なのかということだけでは言われたくないというのが私の思いです。
 私は、25年間、ものづくり政策、経済産業政策に携わってきました。国富を増やすという政策がすべての政策の原点であると。福祉・社会保障政策も教育政策も、予算がなければできないわけでありますから、予算を生み出す政策が何かということを、政策の中の政策として、国会議員になる前から掲げておりました。でありますから、1年生議員から商工委員会を希望したわけであります。これは私のライフワークであります。ですから、社説を書かれた方よりもはるかに私のほうがよく知っていると思います。
 そういった視点で、どうやって日本の経済産業の競争力を高めていくかと。これはやっぱりシェアは別として、コアはやっぱりものづくりの競争力だと思うんです。ものづくりの競争力を高めていくという視点を能開機構に求めたかったわけであります。だからこそ、この使用者側、出捐側の希望がきちんと反映できるような組織体にしたいということ。
 それから、どこに一番ものづくりの競争力があるかということをしっかりと分析をしたいと思ったわけであります。だから、総合大学校の理事者に来てもらって、どういう点に力点を置いて、何を心がけているかということも聴取したわけであります。聴取した際に、どこかでお話をお聞きしたいと言われましたかと言ったら、全く呼ばれておりませんという話でありました。つまり、当事者抜きに進められている改革は改革ではありません。
 でありますから、ここは5年後、10年後に日本のものづくり競争力がさらに強化されたということのために今何をすべきかという視点でありますから、そこはあれを書かれた方とよくお話をしていただきたいと思います。
(問)そうすると、党のほうや行政減量・効率化有識者会議のほうに・・・。
(答)年内に説明いたします。
(問)意見は一致できるというふうに。
(答)そういう自信はあります。
 これは、スリム化を図っていくことは確かであります。これは、間違えて報道されているのは、スリム化することによって、国に何かお金が返ってくると勘違いされている人が多いです。これは報道の間違いです。返ってきません。どこに返ってくるかというと、保険料が下がるだけの話なんです。つまり、企業負担と企業が委託している本来業務は何かということの関連なんであります。でありますから、どんなに、例えばなくしたとしたって、国にお金が返ってくるわけではないんです。国にお金が返ってくると思っているところから間違いが生じるんでありまして、そこがつまり預かっている金を自分の金と思うようになっているから、勝手なものをつくるんであります。そこの精神が違うんです。これは預かっている金なんだと。人様のお金なんだという意識を持たないと、自分の金だと思うから、国の金だと思うから、預けている人の意思を離れて、勝手にいろいろなものをつくったり始めるんですね。そこの意識改革をしなきゃならんというのが私の思いです。
(問)預けている人の意思を反映するという部分では、先ほどの運営委員会の部分があると思うんですが、それは厚労省のほうのペーパーだと、第三者委員会という言葉もあったんですが、この第三者委員会がほぼ運営委員会に該当するということでしょうか。
(答)そうです。名前がどういうふうになるかはこれからですけどね。運営に関して、きちんと発言権を持つというところです。
(問)与党が、今日未明までかかって税制大綱をまとめられましたけれども、ほぼ内容が固まったということを受けて、さっきも質問が出ましたけれども、総理の消費税に関する指示、これが通らなかったということを、今後の麻生政権の政権運営にどのような影響をしてくるかの分析をお願いします。
(答)それぞれ財政再建と景気の両立ということについては、考え方は一つだと思うんですね。そこをどういう表現ぶりにするかというところで分かれていて、だから総理の思いと党の思いというのが全く別の方向を向いているということではないと思うんです。いろいろ具体的な表現ぶりについて、考え方が完全に一致していないということだと思います。
 でありますから、それをもって麻生内閣の求心力がなくなっていくというとらえ方はしないほうがいいんだと思います。求心力に関しましては、各政策グループ、これが総会の席でそれぞれ麻生内閣を支えていくということを確認しておりますし、昨日、事務総長会議があったと思いますけど、その事務総長会議の席上も、私の所属しております近未来政治研究会も含めて、麻生内閣を支えるという意思統一をしてありますから、そこは心配はないと思います。

(事務局)先ほどの能開機構の第三者委員会について補足なんですが、厚労省の報告書の第三者委員会というのは、これまで多くの無駄な施設、そういうものを作っているので、そういうものを資産の効率的活用の徹底を図るための外部専門家の第三者委員会でございます。
 ただ、厚労省の報告書にも、中小企業団体や、そういう方の声を反映できる協議会を設けるというようなことを言っておりますので、そういう意味では何らかのボードらしきものが設けられると思いますが、第三者委員会というと、厚労省の報告書では、そういう資産の効率的な活用の運用を図るものとして、第三者委員会という名称を使っていますので、ちょっとそこは誤解のないようにお願いします。

(答)訂正します。

(以上)