甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月21日

(平成20年11月21日(金) 9:32~9:52  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私から特にありませんが、どうぞ。

2.質疑応答

(問)最近の総理の発言なんですけれども、道路特定財源の問題や郵政の株の売却、医師への問題発言など、いろいろ発言によって波紋を広げるケースが増えております。麻生内閣の閣僚のお一人として、今この現状について、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)総理は、かつて企業経営者として、トップダウンでスピードある課題への解決を指示してこられたんだと思います。ですから、方向性をすぐ示すと。あとその具体的な対応の仕方、処理の仕方について、関係者に協議させるというおつもりでおっしゃっているんだと思います。そういう中で、具体的な手だて、手続について、質問等が出た際に言及されているんで、恐らく私見として、例えばということなんだと思いますが、そこの部分を関係者間で方向性だけは示して、それを実行していく手続については、協議させるというお話し方になれば何の問題もないんだと思うんですけどもね。恐らく自分なりに、自分としては、例えばこういう方法があるということまで親切に言及されるから、後でいろいろ指摘をされるんじゃないかと思いますが。トップダウンで方向性を示すと、詳細は関係者に検討させるということでしていけば、一切問題はなかったんだと思うんですけどね。御本人の親切心がその後若干の混乱を起こしているということになるのかなと思いますけど。
(問)ちょっと話変わるんですが、規制改革関係なんですけれども、今、金融庁のほうで代引きサービスとか、送金サービスに新たな規制を設ける検討をされているというふうに聞きます。業界などは反発しているというようなこともありまして、規制改革担当大臣として、この問題については、どんなような受け止め方なのでしょうか。
(答)基本は、事業者の努力によって附帯サービスとして開発されてきたサービス、それが定着をし、信頼性・安全性に問題がないと、消費者利便に資するということであれば、そこを第一に尊重すべきではないかと思います。理屈の世界からさかのぼっていくんではなくて、それが本来業務じゃない、本来業務に附帯するサービスとして開発されてきたと。その間、定着していく間に何らクレームをつけていないと、関係当局がですよ。それが、もう社会生活に定着をしていると、その利便性を広くあまねく国民が享受しているわけでありますから、そういうことは認識として、きちんと見詰めていくべきだと思いますけども。規制改革会議が、今日、それに関してコメントを出すと承知しております。
(問)規制改革関連ですけれども、国交省のほうでタクシー規制というのを検討されていると思うんですが、12月に最終的な結論を出されると聞いています。一部地域、特定地域に対して、過剰であれば行政介入するという方向で今検討をワーキンググループが進めていると聞いていますが、8月の規制改革会議の意見書もありましたが、規制改革大臣としては、タクシー規制に対しては、どのようなスタンスなんでしょうか。
(答)私、昔、予算委員会で規制改革の光と影というんですか、つまり規制改革というのは魔法のツールで、お金をかけないで世の中を元気にすると。なかんずく経済の活性化にとっては極めて有効なツールだと。ただし、使用上の注意があって、そこは安全・安心を損ねていないかということにはしっかり目配り、気配りをすべきだということで、確か小泉さんに私、予算委員会の代表質問でしたことがあるんですね。そのときには、確かテレビで、これはNHKさんだったかな、タクシーの参入規制の緩和とタクシー運転手さんのそれに連動する悲惨な生活状況、もう子供の高校生の学費を払うのも大変だという特番が確かあって、あれを見ておりましてですね、正に規制改革の使用上の注意にかかわるところではないかということで質問したことがあったんですね。規制緩和というのは、それをすることによって、経済のパイが大きくなるとか、あるいは新しい業がそこに生まれてくるとか、イノベーションが起きる、そういうことが大事なんであって、単なる過当競争しか起きなくて、そこの関係者の生活環境が劣悪になるだけだということであるならば、慎重にすべきだという質問をしたことがあるんです。
 規制改革会議では、国交省のほうが指摘をしている、本当にその参入によって生活レベルが落ちていったのかとか、事故率が上がっていったのかと。因果関係を調べて、国交省が指摘をされているようなことの因果関係はないという確か結論になっていると思うんですね。担当大臣としては、使用上の注意の部分は引き続ききちんと因果関係を確認をさせるという努力はさせていきたいと思いますが、それ以外の例えば景気自体が後退してきたために、その業に限らず、すべての業界で待遇が悪化していったというようなことであるならば、経済全体の問題でありますけども、そのことと、規制改革との因果関係をきちんと負の部分は検証するという作業が引き続き重要だと思ってます。
(問)先日、行政減量・効率化会議のほうに厚労省が雇用・能力開発機構の改革の方向性という資料を出してきましたけれども、以前、行政減量・効率化会議でまとめた大綱とは大分相違点のある内容だったと思うんですけれども、ポリテクセンターを県に1つ置くとか、あるいは組織自体は残す方向ということであるとか、大分違いがあったと思うんですけれども、そのあたり大臣としては、どういうふうに御覧になっていますか。
(答)私は、上からつくった組織じゃなくて、下からつくった組織にしたいと思っているんです、この件に関しては。というのは、雇用・能力開発機構というのは、独法という形態をとっていますが、その運営原資というのは企業側の拠出によって運営されているんですね。国費は全く入っていないという中で、一番大事なことは、何のためにつくっている組織で、出しているほうは何を期待して、お金をわざわざ払っているのかと。つまり、払っているほうの期待に応えていないんだったら、その事業は止めちゃって、その分保険料を下げたほうがいいんですね。あるいは全く必要ないんであるならば、なくして保険料をゼロにすれば一番いいんであります。そこで、事業側、お金を払っている側、なかんずく能力開発を自前ですることができない、例えば装置型のものなんていうのは、なかなか中小企業は自分でできないわけですから、大企業もお付き合いで払ってはいますけれども、より深刻な課題に直面しているのは中小企業なんですね。なけなしのお金を払って、みんなでそのお金を集めて、自分たちができないことを託しているという共同運営事業として見たほうがいいと思うんです。そこで、私は、これは雇用政策と中小企業政策の両方から組み上げていく仕組みにしたほうがいいんではないかと思っております。つまり、中小企業者にとって、次の時代に生き残るための能力開発とはなんぞやと。それは、産業政策上、中小企業政策上、世の中の変化を先取りして、能力開発事業にそれを設けていくということですね、これはものづくりを中心に。そこに対して、費用拠出者である事業者が運営にかめるような意見を少なくとも言えるような組織体にすると。その形が全国ネットでするほうが、より時代を先取りできるような仕組みになっているのか、高度な職業能力をつけるようになれるのか、そこで考えていくということではないかと思うんです。そういう意味で、資金の拠出者側からしっかり意見を聞くべきではないかという話をしたんであります。これは、お金を出している人たちがなけなしのお金を出して、競争に勝っていくための人材をつくってくれということを要請しているんだと思うんですね。そういう体制に上から組んでいくんじゃなくて、下からというと語弊がありますけれども、お金を出して自分たちに資することをしてくれと言っている人たちが、どういう仕組みが時代を生き残るのに大切なのか、そういう人材を供給しているのかということを、きちんと意見を反映できるような仕組みにすると。ですから、雇用政策と中小企業政策というのは、表裏一体ですけれども、その両面からそれに資する組織にするということが大事ではないかと思っております。
(問)そういう意味で言うと、9月の時点で会議としては大綱という形で方針をまとめているわけですけれども、いろいろ聞いた中で、大綱を変えるということもあり得るんでしょうか。
(答)要するに減量するという視点しかないんですね。中小企業の競争力を引き上げるという視点がないと。これは、中小企業の競争力を引き上げるために、中小企業が、企業側が出しているお金ですからね。それは自分たちが生き残るのに必要な、次の時代に生き残れる技術を持っている人材を自分たちに供給してくれということでお金を出しているんじゃないでしょうか。
(問)そういう意味でいうと、雇用・能力開発機構というのは、改善しながらでも残ったほうがいいということなんでしょうか。
(答)これは、一旦解体して、もう一回どういう組織がいいかということを解体的に見直しをすると。要するに、今やっているのは上から目線ですよね。上から目線で、お金を、コストをかけないようにしましょうと。その減ったコストは保険料に還元してあげましょうという発想なんですね。お金を出している人たちが何を望んでいるのかということの聴取が全くされていないんですね。だって、お金を出している人たちから考え方を聞かないで、上からこうしろ、ああしろということって何かおかしいと思いませんかね。私が中小企業の経営者だったら、それ文句言いますよ。
(問)関連ですが、意見を反映するということは、例えばイメージとしては、機構にアドバイザリーボードを設けるような、こういった中小企業の代表者を想定されているんでしょうか。
(答)まず、地域ごとにやったほうがいいのか。全国ネットでやったほうがいいのかという中小企業側の意見もあります。そこで、まず組織形態が決まりますね。そうしますと、中小企業の考えていることが反映されるような組織、つまり要望もしていないものをつくるということは、そこでなくなるわけですよね、中小企業側が要望もしていないこと。それから、これは産業政策との連携をしてもらいたいと思うんですね、中小企業政策として。つまり雇用政策としてという考えにプラス、中小企業政策の視点を盛り込むと。つまり中小企業が必要としない人材を幾らつくっても、雇用にはつながらないんです。中小企業が競争の中を生き抜いていくに足る人材を育ててくれれば、就業率は上がるわけですね。私が実は労働大臣をやりましたときに、これはまだ機構とはいいませんでした。あのころは雇用促進事業団で、このポリテクセンターでいろいろな研修講座があるんですね。そのときに、私は全部を見直せという指示を出したことがあるんです、労働大臣として。なぜ見直せと言ったかというと、必要がない、つまり先生を雇うためだけの講座というのはないのかと。そんな研修しても、どこにも就職に結びつかないし、そんな陳腐な技術は誰も使わないと。だけど、そういう教える人がいるから、先生を養うために、そういう講座があるというものはないのかと。全面的に見直せと。それで、時代がどういう技術者を要求しているかを全部見極めろと。陳腐化したものは、全部止めさせろと。先生は生き残りたかったら、自分自身が、先生をつくる学校があるわけですから、勉強して、自分自身が新しいのに備えろと。そして、新しい技術を教えろというので全面見直しをしろという指示を、労働大臣のときに直感的に思って出したことがあるんです。よく大学には、10年間同じノートで教えている先生というのがいますよね。10年前も同じだったという、そういう先生にしちゃ絶対駄目だということを指示したことがあるんですね。それは、正に中小企業政策とのリンクでやっていかなきゃいけないという感覚が私にはありましたから、必要のないものを教える、先生の生活を支えるためだけにそんなものを設けるなと。先生だって日々自己革新してなかったら生き残れないということにしなきゃいかんということはやったことがあります。だから、そことの関連性から考えて、常に時代を先取りした技術を中小企業がつけていかなければなりません。ということは、そういう人材を常に養成していくところでなければ、ポリテクセンターはならないんだと思います。10年間同じノートで教えているような大学では駄目なんですね。そういうふうに変えていくべきじゃないかと。単なるコストを下げるだ何だなんていうことだけでなくて、より効率よく新しい時代のニーズを供給できる場所にするというふうな視点で変えていきたいと思っています。ですから、それをもって解体的出直しと。

(以上)

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