甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月17日

(平成20年10月17日(金) 10:02~10:21  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私から、1点、報告をさせていただきます。
 今日の閣僚懇で、規制改革担当大臣として、1点、提案をさせていただきました。規制改革といいますと、すぐ痛みが伴うというようなことがくっついて出てくる言葉のようですけども、私は、規制改革というのはいいことばっかりあるということが結構あるというのが持論でありまして、規制改革会議事務局、有識者の方々に大変なお骨折りをいただいておりますが、併せて、政治主導でやりたいと思っている項目が幾つかあります。その大所は、年内に発表させていただきますが、今日は触りだけというか、少し小さい玉でありますけれども、提案をさせていただきました。
 その内容というのは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の大宗であり、胃がんの原因のかなりの部分を占めると、これは医学の世界で常識に今なっておりますが、それはピロリ菌という菌がなせる災いなのでありますけれども、このピロリ菌を退治する、あるいは検査するのが、保険適用外になっております。厳密に言いますと、胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍、潰瘍認定がされた場合に、そこにピロリ菌がいるという場合には保険対象になりますが、単に検査をしたら菌がいて、それを除去するということは、自費でやらなければなりません。日本人の50代以上の50%以上は、ピロリ菌の保菌者であります。ですから、皆さん――は、まだ持っていないかな。これが、悪さをする主要因であります。でありますから、ピロリ菌除去を図りますと、胃潰瘍・十二指腸潰瘍はほぼなくなると。胃がんは、3分の1以下に減ると、30%に減るというのが、医者からの報告であります。この総体的な医療費を考えますと、はるかにコストが安くなるはずでありますので、その提案をいたしました。
 私自身が、実はピロリ菌による多発性ポリープというので悩まされてきまして、随分前、10年以上前ですけれども、臨床で行いまして、それまでの医学の常識だと、摘出手術、全摘手術をしなければならないというようなものが、2週間薬を飲んだだけで解決という、劇的な、革命的な変化でありますから、これをぜひ対処してもらいたいと、舛添厚労大臣に提案をさせていただきまして、すぐ資料を持ち帰って、検討するというお話でありました。
 年内に行う、もっと大所の経済の活性化にもつながる案については、今、鋭意詰めているところであります。冒頭申し上げましたように、有識者の皆さん方の英知を集めてやるというのはもちろんですが、併せて、私の政治主導でもやらせていただきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)中山前国交大臣なのですが、次期衆院選への出馬の意向をまた固めているようですが、これまで大臣辞任とか、次期衆院選への出馬しない意向とか、わざわざ会見を開いてまで表明しているのですが、このような一連の中山前大臣の発言について、どういうふうに思われるかということをお聞きしたいのですが。
(答)あきれましたけれども。公認しないでしょう、党は、まさか。御本人がおっしゃっているだけじゃないですか。
(問)先日、顧問会議で大臣としての所信を述べられたと思うのですが、今週、顧問会議の下にワーキンググループが開かれて、今後の議論の進め方というか、そういった、大臣としてはワーキンググループというのを、今後、どのように考えているかというのと、初会合では、11月中旬の要綱決定というのが取り決められたというふうに聞いていますが、そのあたりも含めて、今後の顧問会議、ワーキンググループの議論の進め方について、どのように考えているかお聞きしたいのですが。
(答)私は、顧問会議を、あえて大臣が代わったのだから開くようにという指示をいたしました。そこで、政治主導で行うからということを御理解をいただきました。その中では、器を早くつくること、もちろんそれは法律で縛りがかかっていますから、法案を提出をするというのは、来年の6月までに出すということなんですけれども、その中身の議論をしっかりせよと。そして、その中身を入れる器を適切に立ち上げよという指示をいたしました。ともすれば、器論だけ先に行って、中身が何をやるのかということが決まらないで、新しい器だけつくろうという議論になるのではないかということが懸念されていましたから、それはまかりならぬということであります。
 それから、その中身の議論をするときに、私なりに思っている5点についての指示をいたしました。その5点というのは、もう御案内だと思いますけれども、政治主導で事を進めるために、国家戦略スタッフ、政務スタッフを設置するということでありますが、この規模、それから人材の供給源、どこから供給するのかと。いろいろな専門分野からですから、経済界からとか、学会からとか、官界からとか、あるいは政界からとか、いろいろその人材供給源はあろうと思いますが、そこも含めてしっかり議論してもらいたいと。それから、公募などによって、幹部への民間登用をやるわけでありますけれども、どのくらいの規模でやるのかと。それはなぜかというと、それによってプロパーの数をどう絞るかということと関連してきますからですね。それから、幹部レベルの官民交流の拡大について、これは役所によって、かなり積極的にやっているんですが、安定的になかなかできないという要素というところもあります。それから、幹部の任用、給与の弾力化、そして定年まで勤務できる環境の整備。併せて、そうすると、人事の停滞ということとどうしても向かい合わなければならない。これをどうするかということですね。
 現状では、組織運営上、ピラミッド型にならざるを得ないと。そうすると、幹部人材が上に上がっていくにつれて、ポストの数がないわけですね。課長の数ほど局長のポストはないですから。その外れていく人、優秀であるのに外れていく人をどうするかということの設計がなされていないから、どうしても勧奨退職ということになるわけですよ。公務員には、身分保障というのが法律で付与されているわけですから、身分保障のある人を勧奨退職するということは、つまり、了解をもらわないと退職してもらえないんですね。そこで、了解をもらい、再就職の手伝いをするということにつながっていくわけであります。
 そうすると、省庁別にやると、予算とか権限を背景に、押しつけにならないかという議論になる。だからこそ、省庁とは中立した機関をつくると。しかも、透明性を高めるということで、官民人材交流センターというのをつくるというのは、その辺からの発想なのでありますが、これをどこか1つだけいじって全部が解決するということではないですから、全体像として、じゃあ、定年までいられる体制にするとすると、どういうポストとどういう役割を設けるのかと。そうすると、行革推進法の5.7%減らすというのと、どう整合性をとるのかと。一気に新規採用をほとんどゼロに近いようにしたら、組織はもう活性化しないと。あっちをやろうとすると、こっちがうまくいかないという問題がありますから、全体で議論していただかないと、この問題は解決しないということなのでありまして、そういう諸々の問題提起を私からさせていただきまして、その上で器を設計してもらいたいというお話をしたわけであります。
 その意は、顧問会議からワーキンググループにも伝わっております。時間が、そういつまでもという具合にはいきませんから、頻度を上げてもらいたいということであります。基本的に、毎週金曜日6時から開催ということを決めていただきました。これで決めきれない時には、予備日までとっても、ぜひ精力的にやっていただきたいというふうに思うわけであります。
 その中身を詰めて、それから器、その器たる人事局設置時期、これはもう最終的には政治判断をしなければならんと思います、進み具合によってですね。それから、法律上、来年6月に設置するための法を出すと。そのときに設置ということになれば、予算と絡むということですし、議論をしていただいて、まだこれもあれも盛り込まなければけしからんという議論になれば、そこでまた、どういう判断をするか考えなければならんと思います。
 私の思いとしては、とにかくできるだけ密度を濃く頻繁に議論をしていただいて、中身の議論をしっかりとやってもらいたいと。そして、その議論に足る器をつくってもらいたいというところであります。
(問)冒頭に、大臣から御説明があったピロリ菌の関係ですけれども、これは今後の検討は、厚生労働省側でやるということで。
(答)ええ。舛添大臣が、検討してくださるそうです。
(問)では、これ以上、規制改革会議とかで何か議論するというものでは……。
(答)ええ。頭越しにやって申しわけありませんけれども、これは怒られる話でもないと思いますんで。
 年内までに検討している大きい玉は、ちゃんと規制改革会議でも議論していただきます。一生懸命やっていただいているんですけれども、最近の出てくる玉が小粒で、よくわからないのが多いんですね。やっぱり夢を与えるような、「この規制改革をすると、こういうところに業がばっと起きるのではないか」とか、あるいは「利用者にとってもこんな利便性が出る」という、そういう夢がすぐイメージできるようなものにしたいんですね。最近、ないですよね。ボイラーの資格のどうたらこうたらとか、何か「これにどういう経済効果があるの?」という――まあ、それもいいんですよ、現場からの知恵でいいんですけれども、もっと「おもしろいな」と思うような、夢を育むような、閉塞感を打破するような玉がないんですよね。それを、私は、もう前々からやりたいと思っていまして、実は経済産業大臣のころからやりたいと思っていたものがありまして、それでこの職に就いたものでありますから、それをやりたいと。今、少し詳細設計が可能かどうか、ちょっと今詰めているところです。
(問)ピロリ菌のほうは、いつぐらいまでに厚労省側で結論を出してくれるとか、そういうようなことは。
(答)いや、今日の閣僚懇で、舛添大臣に――舛添大臣も、いいことはどんどんやるという姿勢の方ですから、すぐ資料はお渡ししました。それで、すぐ受けとめて、検討してみるということであります。
(問)何か法改正とか、そういうものが必要なものではないのでしょうか。
(答)ないでしょう。これは、省令とか政令レベルの話ではないですか。
(問)若干細かいことですが、もし保険適用されると、例えばコスト的に、コスト負担とかはどれぐらい軽減されるようなものなのでしょうか。
(答)これは、胃がんの治療、手術、それと薬代の保険カバー部分、検査代の保険カバー部分と、それをプラス・マイナスすれば出てくると思いますが、その専門的な計算は、厚労省にやっていただきたいと思います。
(問)政治主導でやりたいという部分なのですが、大体、項目としてどのぐらいを考えておられますか。
(答)私は、ライフサイエンスの分野をやりたいですね。今、頭にあるのは、3つぐらいあります。
(問)マルチ商法と政治家の関係が、問題になっていますけれども、大臣自身は、マルチ商法の業界から、献金あるいはパーティー券の購入などを受けたことがあるのかというのと、あと、マルチ商法に関して、国会で質問されたことがあるのかというのをお聞きしたいのですけれども。
(答)全く、質問とかも全くありません。献金もありません。私自身が、何かパーティー券を買ってくれ、何をしてくれと依頼したこともありません。
(問)直接の所管ではないかもしれませんけれども、先ほどの人材交流センターの関係で、再就職等監視委員会の同意人事が、今回、出されていませんけれども、今後、年内には立ち上げないといけないということですが、どのようにしていくおつもりですか。
(答)もう、委員会の質問の中でも、ぜひ早く同意をしてくださいということをお願いをしているんですけどもですねえ、正直、これは国会日程のことですから、国会対策にお願いしてですね、早くやってくださいよと。それじゃないと、双発エンジンなんですけどもね、人材交流センターと監視委員会というのは、チェック機構ですからね。会計検査院のない財務省みたいになっちゃうからなあ。
 まあ、早く理解をお願いするというところですね。
(問)労使関係制度検討委員会ですが、先日、メンバーが発表になりましたが、その初会合というのは、いつぐらいというのは設定されているのでしょうか。
(答)10月中にもと思っているのですけれども、今、調整しているので、何とかしたいと思います。

(以上)