野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年8月25日

(平成21年8月25日(火) 9:14~9:31  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議については、特に報告することはありません。
 私のほうから1つございまして、お手元の資料のとおり、本日付で、河村内閣官房長官、塩谷文部科学大臣、二階経済産業大臣と私の連名で、「GXロケットの今後の進め方について」を取りまとめました。
 これまで、技術、需要、全体計画・所要経費の見通しなどについて検討を行った結果、技術的には見通しは概ね得られたものの、他の2項目については、現段階では判断に足るデータが示されていないのが現状です。
 このような状況を踏まえ、平成22年度概算要求においては、LNG推進系の地上での開発に係る経費を計上することとし、需要、全体計画・所要経費に係る課題への対応に進展が見られた場合には、予算編成過程において必要な対応を行うことといたしました。
 詳細につきましては、宇宙開発戦略本部事務局までお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)本日の閣議で、各社の世論対策、選挙のことはかなり厳しい情勢が伝えられているのですけれども、それについての何か総理大臣以下の御発言などはございましたでしょうか。
(答)閣僚懇で、麻生総理からは、前回の選挙で、報道を通じて見る限り、自民党が圧勝したというふうに伝えられているけれども、実際のところの得票数というのはかなり拮抗していたということを踏まえ、とにかくしっかり、あと残り5日ぐらいですか、取り組むようにという御指示がありました。
(問)それに対して、閣僚からは何か。
(答)何もありません。
(問)それに関係して、今回、野田大臣御自身は、前回選挙は非常に厳しい戦いをされましたけれども、今回もかなり厳しいと思いますが、実際、肌合いといいますか、街頭に出てどのように捉えていますでしょうか。
(答)前回同様、私の支援者の皆さんは、この猛暑の中、前回以上に御活動いただいています。
 ただ、活動量はかなり頑張っているのですけれども、皆さんからいただく調査の数値が実際の肌合いとちょっと違っていることに苦慮しています。
(問)そういった声というのは、ほかの候補者からもいろいろ聞こえてくるのですけれども、どうしてだと思いますか。かなり厳しい数字がずっと出ているが、街頭では反応は悪くないという印象をお持ちですか。
(答)私は分析できません。厳しいことは、マスコミのデータがほとんどそうですので、謙虚に候補者として受けとめて、覆せるように努力をするだけで、分析する余裕はありません。
(問)GXのこの書類についてなのですけれども、ちょっと読んでもよくわからないのですが、これは本格着手するか否かの判断を先送りするという理解でよろしいのでしょうか。
(答)端的に言えば、そういうことになります。やはり、いろいろお金のかかる問題ですから、軽々しく決定しては納税者の皆様方に失礼に当たりますし、今回、LNGの開発自体は大変すばらしい実験の成果が上がっているのですが、幾らかかるかとか、どのくらいの需要があるかについて、今日までに、明確な、皆さんに自慢できるような答えをしっかり出し切れていない中で、今後、民間なり公なり、どういうところで使われていくかとか、いろいろと検討は出てくると思うのですね。それもしっかり踏まえながら、多少時間をかけてでも、エンジンそのものは、世界で突出した、それこそiPS細胞に匹敵するぐらい日本が頑張っている技術ですから、それをしっかりと支えていきたいなという、今、そういう立場にあります。
(問)一方で、昨年12月には、本部としてこの概算要求までに判断するという決定をしていたわけですよね。そうすると、約束不履行と言うと変ですけれども……。
(答)今申し上げたように、判断に足りるデータがない中で、軽々しく、約束していたからアバウトに決めてしまうというのは、むしろ国民に対して申しわけないので、肝心のエンジンの技術自体は既によいのだということはわかっているのだけれども、日本の国だけではなく、世界でもどれだけ御理解いただけるかとか、価格競争とかいろいろな面がありますので、そういうところをしっかり出して、それで判断をお示ししたほうが、むしろ正しい方向ではないかと思っております。
(問)薬物乱用の防止の関係でお伺いしたいのですけれども、芸能界の逮捕が相次いでいることで、警察庁の長官が、芸能界から薬物を一掃するということで、芸能事務所とか、そういう関係者に働きかけるという考えを示されたのですが、芸能界への政府としてというか、行政としての働きかけとか、そういうことについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)芸能界だけではなく、身近な学校現場とか大学とか、そういうところも網羅的に取り組まなければいけないということであるわけで、芸能界だけを突出させてやるという方向性ではなく、全て等しくやらなければいけないと思います。
 ただ、やはり露出される割合が、はるかに一般人より多い方たちなので、そこである意味逆手にとって、そういう人たちが率先してやってはならないという方向で動いていることが、皆さん、メディアを通じてわかれば、多くの一般人にもよい啓蒙活動になるのかなというふうには理解しています。
(問)GXに戻ってしまうのですが、1号機というか、試験機の打ち上げの時期なのですが、これまで「23年度の打ち上げが24年度となることを想定」とあったのですが、これはもうまるっきり白紙になってしまうということですか。
(答)いや、そんなことはないですよ。例えば、今は、申し上げたように幾つかの条件をきちっとクリアできていなかったので、今回の概算要求には、LNGのロケットのほうのこれまでの技術に関して予算をつけることになるのだけれども、将来にわたって、やはり別なところで、月探査も、今勉強会もつくったところで、そういうところでも利用可能だというような話も出ている中で、「いつ」というのは明言できませんけれども、白紙にするということではありません。
(問)でも、時期は、ちょっと白紙に近い形になるわけですよね。
(答)その辺りは、ニュアンスの違いですよね。今回の概算でも、しっかり予算は、その分はつけていますので、先々にわたって白紙にするということではないと。
(問)関連して、これが戦略本部の決定ではないのはなぜなのですか。
(答)これにつきましては、宇宙開発戦略本部の決定ではないのですが、そもそも私たち、各省で、各大臣で話を進めてきたことであり、各大臣とそれぞれ本部での話の中で、今、戦略本部を開ける状況でもない中で、それぞれがきちっと話をする中で結論を取りまとめてきたものです。
(問)これは、やはり戦略本部が開ける状況になかったということですか。
(答)今、現時点はまさにその状況にありますので。ただ、概算要求がもう差し迫っていましたので、それがやはり大きな問題でしたから、皆さんそれぞれの立場で意見を交換し合いながら、結論として、概算要求の締め切りが今月末ですから、そこまでに、やはりこのGXロケットというのは皆さんも気にされていることだったので、しっかりと今の時点で事実関係を確認し合って、繰り返しになりますけれども、技術に関しては問題ないものの、これからの費用についても、民間から話は来ているけれども、しっかりした裏づけがない。そして、需要に関しても、2機、3機、4機、いろいろあるわけですけれども、それについてもまだ、例えば中期防衛力整備計画も出てきていない中で、今の時点で大きな予算をとっていくというのは国民目線に耐えないだろうという、そういうきちっとした、それぞれ司、司の意見をまとめて判断させていただいたというのが、この取りまとめになると受けとめていただければと思います。
(問)最先端研究支援プログラム、今週27日で、ワーキングチームが一応終了しますけれども、以降のスケジュールの見通しは。
(答)まだ未定なのですけれども、9月の頭には一番上の会議を開かせていただいて、今、ちょうどワーキングチームが作業中なので、それができ上がってからでないと次のスケジュールが立たないので、なるべく9月の前半には会議を開こうというふうに考えています。まだ未定です。
(問)1週目ぐらいのイメージでよいのでしょうか。
(答)かなりたくさんの御応募もいただきましたし、ワーキングチームの専門家の人たちが、本当に連日、大変な勢いで頑張っていただいているのですけれども、まだその結果が出てきていないので、日にちありきではなくて、やはり先にプロセスありきでお待ちしたいと思っています。できる限り早いほうがよいと思っています。
(問)さっきの選挙関連の質問とちょっと重なるかもしれませんけれども、4年前は無所属で戦った非常に厳しい選挙でしたが、今回は、事実上、民主党の候補者との一騎討ちなのですけれども、前回と今回を比べて、意味合いは違うのですけれども、どう厳しさが違うのかというのが1つと、あと、今、現職閣僚というお立場ですので、公務と応援遊説が、今日も東京、神奈川で予定されているようなのですけれども、本当を言うと、そんな余裕はないと思うのですけれども、これをどう受けとめていますでしょうか。
(答)前回の選挙は、明確に政策の違いを問う選挙だったと思います。郵政民営化が、この日本の長く続いている不景気を解消する手だてだということに対して、私は、そうではないだろうというスタンスで戦いましたから、争点がはっきりしていました。今回は、政策面で争点があるようで、無い。マニフェストが出ているからという話なのですけれども、実際のところ、選挙戦でマニフェストを争点にしていろいろと有権者から問いかけることはなく、むしろムード、政権交代というムードと戦っているという感じで、相手の候補者の人柄そのものというよりも、候補者としての政権交代という看板と私とが対峙しているような、そういう不思議な選挙になっていると思います。
(問)あともう一つ、掛け持ちの件について。
(答)実は、今日は閣議があるということで、上京しなければならない状況だったので、帰りに、お世話になりましたから、特に消費者庁をつくるときにはかなり後押しをいただいた公明党の方ですので、ぜひお礼を込めて、また、消費者庁をつくるに当たって、我々の政策行動は正しかったということも、やはりぜひ有権者に知っていただきたいなというチャンスだと思って御披瀝したいということと、もう一方も、私の大親友です。お互い、今、厳しい選挙ですけれども、やはりこれまで自民党の中で支え合ってきた大親友ですから、自分も苦しいけれども、別に一日中いるわけではなくて、帰り道に、新横浜に行く途中に立ち寄らせていただくという形で、夕方には岐阜に戻りますから、それは許容の範囲かなと。もう、申しわけないけれども、これまであった予約は全部キャンセルして、あとは全部、最終日まで岐阜にとどまるということになっておりますので、しっかりやっていきたいなと思います。
(問)関連して、8月31日が概算要求ということで、選挙の日程ともろにかぶってしまったのですが、その辺、大臣として、政府の国政をただす選挙と人の応援等、いろいろな兼ね合いがあって大変だったかと思うのですけれども、関係するレクとかはどのようにこなされたり、例年との違いをどのように感じられたでしょうか。
(答)秘書官の皆さんに御苦労いただいていて、幸いICTが進歩していますので、当然、メール、電話、さまざまなそういう機器を駆使して、ほぼ24時間、2人の秘書官とは連絡をとり合って、私も、別に1日1分、2分、時間がないわけではないので、そういうことでしっかりやりとりをさせていただいて、今日の記者会見にも臨んでいるということになります。
(問)予算の概算要求の作業で、やはり昨年等とはかなり違うなという感じではあるのでしょうか。
(答)これは、やむを得ない事態でありますから、全力で私のできることはやらせていただいて、進むべき方向というのは、それぞれもう既に、概算要求、今の時期以前に決まっていることばかりですので、それに着実に肉づけができるようにということで、事を運んでいきたいと願っています。
(問)GXのことで、もう一つお伺いします。現時点で、需要の見通しも、全体計画や所要経費の見通しも、説得力のある材料が出てきていないということが、本格着手に至ることができないという判断材料にはならないのでしょうか。
(答)今の段階、ここで皆さんに御報告する段階では、「やはり確たるものが定まらない中で、予算要求というのはできないでしょう」ということなのですね。だけど、今後、やはり今申し上げたように、防衛省なりさまざまなところも検討はしていただいていますので、そういうところが明らかになってきた段階で、また常にフレキシブルに対応していけばよいのではないかと私は思っております。

(以上)