野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年7月24日

(平成21年7月24日(金) 10:39~10:59  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議については、御報告することはございません。

2.質疑応答

(問)総選挙に向けて動きが活発化する中で、民主党が政策集をまとめまして、マニフェストの基になると言われてますけれども、その中で、大分、現実路線の修正が目立つというか、特に海賊対策での自衛隊派遣を事実上容認するような表現もあったり、そういったマニフェストが予想されるんですけれども、そういったことについてどのようにご覧になっていらっしゃるんでしょうか。
(答)総理もおっしゃったと思いますが、民主党のほうから、ずっと総理の言動に対して、「ぶれる」ということで、かなり批判的であったけれども、そうおっしゃっていた方たちが国会で示しておられたあり方と、今回総選挙に向けて提出されるマニフェストがぶれて、結果的には麻生政権寄りになったわけで、そういう意味では褒めてあげなければいけないんでしょうが。言行不一致なところは若干気になりますけれども、結果的に、麻生政権がやってきたことは正しかったということを裏づけしていただいているようで、感謝もしなければいけないかなと思っています。
 私も、民主党政策集「INDEX2009」を、昨日、時間のある限りずっと読みましたけれども、ありとあらゆるものに対してコミットしておられて、特徴的には、「施しの政治」というか、何でもかんでも差し上げます的なイメージが強かったです。私たちは、基本的には、少子化対策一つをとっても、施せば子供が増えるわけではなく、子供を産みたい人のやる気を喚起させるということに眼目を置いてきたので、その辺りで、「施し」vs「やる気」ということで、いいマニフェストができていけばいいなということで考えているところです。
(問)一方で、自民党はまだきちんとしたマニフェストは出ていませんけれども、大臣としては、どのようなマニフェストを目指してほしいのでしょうか。
(答)今日も、閣僚懇が少し延びた理由は、マニフェストのあり方について、それぞれの大臣が担当している分野について、私は発言しませんでしたけど、どうあるべきかということについて話があったからです。基本的には、前にも申し上げたかもしれませんが、マスメディアを挟んで、自民党は国民に対して冷たいみたいな一方的な感情があるとするならば、それは、実はそうではなく、マニフェストを通じて、例えば、これまでの取組の中で、多くの皆さんの意見を反映して政策実現をしてきたとか、そういう前回の総括、また、前回のマニフェストに比べて軌道修正したところは何なのかと。例えば、総理がおっしゃった「行き過ぎた市場原理からの決別」、これについて、前回こうだったけれども、やはり熟慮した結果こうあるべしとか、安心実現社会をつくるということを今回のマニフェストは目指しているとか、そういうことを率直に申し上げればいいのかなと思っています。
(問)大臣の所管の中では、どんなことを入れてほしいというのはありますか。
(答)たくさんあるので、個別具体的というよりも、先ほど申し上げたように、やはり少子高齢社会の中での一番のかぎは、国民一人一人のモチベーション、いわゆるやる気ですね、それを喚起できる、エンカレッジできる政策。例えば、子育て、少子化でも、象徴的なのが、民主党が例えば「子ども手当」などをあげる、一方、私たちは、やはり少子化の一番の原点は雇用の安定、若い人たちがしっかりこの国で職を得て収入を得るということが原点だと思っている、そういうことをしっかり訴えていきたいなと思っています。
(問)民主党の政策集を読まれて、民主党には政権担当能力はあるとお考えですか。
(答)裏づけが見えないんですよね。これだけのことをやるとおっしゃっているけど、差し当たってどういうふうにという。
(問)それは財源ということですか。
(答)財源も含めてです。あと、党内事情で、「反自民」で集まっていることはわかるんですが、イデオロギー的に融合しているかどうかというと、例えば、私がずっと取り組んでいて挫折の限りを尽くしている「選択的夫婦別姓」につきましても、非常に保守的な議員がいることは確認しているので、果たしてそれが、出ているけれどもやれるのかどうかというのはまた全然違うことだと。正直、書くだけならだれでもできるけど、実際それが本当に実行、約束できるかどうかというのは、また次元が違うのかなという若干懸念はありますね。
(問)最先端研究開発支援プログラムの2,700億円の基金のことですけれども、常々、麻生総理大臣が、最終的に私が決めるとおっしゃっていたわけで、仮に総選挙で信任が得られなかった場合でも、現政権のもとで最終的に30課題を盛り込むべきだと、決定すべきだとお思いですか。
(答)仮の話はやめたいんですが、今のプロセスは、まず、国民からご意見をいただいたものが集約されて、どういうことを最先端の科学技術に望むかという、国民の意見を取りまとめたものも一つの参考にしつつ、最先端研究開発支援ワーキングチームで、今どんどん応募が来ているので、それを目利きの人たちで精査していただく、これも極めてニュートラルに、政党に関係なくやっています。最先端研究開発支援会議の方たちも、最終的に政府でいろいろなことをしっかり検討した上で選ばれた、決して自民党の人ではなく、政府の中で確たるキャリアもあるし、実績もある方が入っておられて、そういう方たちがしっかりと意見集約をしていただく中での最終決定になります。総理自身、科学技術の達人ではありません。最終的な決定は総理がするけれども、そこに至るプロセスは、国民の代表、また、最前線の目利きの人たちにお決めいただくことになるので、問題ないと私は思います。
(問)今のスケジュールですと、ちょうど総選挙のころにワーキングチームで60課題ぐらいに絞られて、その先、最終的に支援会議で30にしますと、そこには、総理大臣と科学技術担当大臣が入られるわけですが、そこについては、最終的に総理の判断ということですか。
(答)総理のオリジナルですから。これまで、戦後必要だと感じていたのに、だれもできなかった新しい基金でありますから、やはり、その思い、そういう考えを一番強くもっている総理自らが決裁するべきだと思います。ほかの政党からはそういうアイデアがかつて出たこともないし、そういうことがわからないところに任せるほうが危険かなという感じがしますね。流れがわからずに政権が変わったから選ぶのでは、ちょっと問題があるかなと。
(問)選んだ課題が期待どおりの成果を上げるかについては、選んだ側にも責任の一端があると思うんですけど。
(答)それを言い出したら科学技術は進みません。これまでは、これからの日本を、世界を変えていくチャレンジャーに対して、十分な資金がなかった、冷たかったと。社会も、政府も、国民の思いも。そういうところを改善して、科学技術立国として、今閉塞感漂うこの国のブレイクスルーを期待するのであって、最初からだめかもしれないとか、そういうことでスタートを切るのはいかがなものかなと。
 これまでも、いろいろな科学技術の歴史の中で、荒唐無稽だと言われていたものが大化けすることもありましたし、例えば、京都大学の山中先生のiPS細胞の研究一つをとっても、さほど皆さんも注目していなかった。マスコミも政府も、また業界も関心がなかったものが、そういう人たちの努力でここまで来たのですから、そういうことを予め先にできるかどうかわからないということで科学技術を縛ってはいけないと、私は思っています。
(問)今回、選挙を迎えるわけですけれども、前回4年前と比べて、どちらが大変だなという御自身のお気持ちは。
(答)私個人がですか。
(問)はい。
(答)私は、前回のほうが大変でした。無所属でしたから。政権放送にも出られない。ポスターも張れない。ないないづくしで差別感漂う選挙をさせていただいたので、今回は自民党の公認候補として、きちんと正規のルートで選挙戦を戦わせていただくことは、本当にうれしく思っています。
(問)逆風というのは強いのではないかなと感じるんですが。
(答)常に逆風の中に生きているので。

(以上)