野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月3日

(平成20年10月3日(金) 9:18~9:33  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 皆さんおはようございます。
 本日の閣議については、特に御報告することはございません。私から2つあります。
 初めに、本日の閣僚懇談会において、9月30日に「交通事故死ゼロを目指す日」を実施したことについて発言いたしました。47都道府県のうち死亡事故がなかったのは33都府県でした。大変痛ましいことですけれども、当日発生した交通事故により、全国で17人の方が当日中に亡くなられ、また、当日亡くなられた高齢者の方は15人でした。
 今回、交通事故死者数をゼロにすることはできませんでしたが、この運動が交通安全に対する国民意識の更なる向上につながるものと確信しています。引き続き交通安全対策の推進に取り組んでまいりたいと思います。詳細については、共生社会政策担当までお問い合わせください。
 2つ目に、お手元の資料にありますように、10月5日に「科学技術関係大臣会合」を主催いたします。今回は、地球規模問題の解決に向けた科学技術国際協力のあり方等を議論します。続いて、10月8日には、「日本アフリカ科学技術大臣会合」を主催いたします。本会合は、アフリカ各国の科学技術大臣と科学技術協力に関する政策対話を行うもので、今回が第1回目となります。今回会合では、日本・アフリカ双方の科学技術政策に対する理解を深めるべく、双方の科学技術の現状の紹介及び今後の協力のあり方等について議論することとしております。詳細については、科学技術政策・イノベーション担当までお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、こんにゃくゼリーのマンナンライフの会長と社長を呼ばれて、お話を聞かれましたが、その経緯とどのようなご感想を持ったか、改めてご紹介下さい。
(答)御承知のように、先日、17件目のこんにゃく入りゼリーによる窒息死、2歳に満たないお子さんの死亡事故がありました。
 現在、消費者庁設置に向けて取り組んでいますが、実は、その幾つかある契機の一つに、こんにゃく入りゼリーの事故がありました。こんにゃく入りゼリーに関しましては、1995年に最初の事故が起きたのですが、典型的な「すき間事案」ということで、今日まで国として具体的に消費者にとっての抜本的な解決策が見い出せてこなかったという、そういう忸怩たる思いがありまして、消費者庁をしっかり作り、消費者安全法案の中で、こういう事案をなくしていこうという、そういう流れがありまして、私が大臣になる前、自由民主党にいたときから、これは大きな事案の一つとして議論されてまいりました。当時は、当面、食品ということでありますから、農林水産省が受け持つということで、昨年3月から4月にかけて、立て続けに起きた事故以来、農水省において業界団体に対して、例えば表示をするですとか、抜本的な取組を要請していましたが、残念ながら、そうした措置が消費者に対して効果的ではなかったということもあり、改めてその状況について御報告をいただきました。
 マンナンライフからは、この17件目の死亡事故を受けて、農水省からの要請もあり、袋の警告表示が、小さな2センチぐらいの表示だったものをもう少し大きくする、また、一つひとつはカップ単位となりますが、カップには全くそうした表示がなされていないことについても、カップの上にもそういう警告を載せる、更には、凍らせて食べたということから、これもより危険になるということで、「凍らせて食べないように」という表示も付けたいという内容のお話をお聞きしました。
 ただ、世界各国のこんにゃく入りゼリーに関する規制の動きの中で、形状や大きさなどについて積極的に議論されており、アメリカ、ヨーロッパ、そして韓国でも、その結果として規制がかけられているという実態がありますので、警告は当然記載するとしても、形状や大きさも見直したほうがよいのではないかという要請と言いますか、お話を、命令はできませんので、させていただきました。
 また、先方からは、警告を、今まで2センチぐらいの大きさだったものをかなり大きく袋に打つということでしたので、それならば、現在、市場に出ている小さな警告しか付されていないものについては、自主的に回収されることがよろしいのではないかと申し上げました。また、私どもに対しまして、数多くの消費者団体、そして各政党から、こんにゃく入りゼリーの販売や流通を止めてほしいというような要望・要請が来ているというお話もさせていただきました。
(問)硬さや形状の話について、現在、規制する法律が無いということだと思いますが、例えば(野田)大臣所管の食品安全委員会でリスク評価という形で評価を行うのは、やはり無理というか、難しいのでしょうか。
(答)食品安全委員会という機関は、形状ではなく、残留農薬ですとか成分面で評価を行う委員会です。残念ながら、形状といったところに着目して担当している官署が基本的には無いということが問題で、消費者庁になればそういうことも含めてできるということなんですね。
(問)来年5月に宇宙基本計画が策定されることになりましたが、その策定に向けての大臣のご所見をお伺いできますか。
(答)先日、有識者の皆さんの第1回目の会合がありました。私は、残念ながら国会に出席中で出られなかったのですが、その場にも、当然、宇宙に関する専門家もいれば、そうでない、本当に消費者を代表されるような民間人の方も入られています。そこで、いろいろと熱のこもった議論をしていただけるということで、その議論の上に立っての計画づくりですから、担当大臣個人として、この方向でというお話をすることは差し控えたいと思っています。
(問)麻生総理が国会の代表質問に対する答弁などで、消費者庁の関連法案について、民主党との議論の俎上に乗せると明言されています。汚染米やこんにゃくゼリーといった事案が相次いだということもあるのでしょうが、自民党の国会議員の皆さんからも、消費者庁という言葉が多く聞かれ、今回の国会でも民主党と議論されるべきだとされています。こういう雰囲気というか流れというのは、やはり、消費者に対する自民党内の意識というものが変わってきたと見てもよろしいのでしょうか。
(答)率直に、そう思います。昨年の11月30日に自民党内で消費者問題調査会を立ち上げたときには、ほとんどご関心がない国会議員が多かったと思いますし、福田政権下では、福田総理が一生懸命取り組んでおられましたが、今仰られたような雰囲気が余り感じられなかったことを思えば、麻生総理のリーダーシップで、ここまで、消費者庁というものが国会議員の中はもちろんのこと、国民の中にも浸透してきたということですから、とてもよい兆しだと思っています。
(問)大臣として、民主党に対して、改めて望むことというのはありますでしょうか。
(答)たびたび申し上げているのですが、これは自民党オリジナルの法案ではなく、本当に主婦連さんなど数多くの消費者団体の方や日弁連の方が、もう長い方で20年ぐらい前から提唱されておられる、そういう話なんですね。その過程で、自民党が十分に対応しなかったこともあり、民主党の皆さんとタッグを組んで進められた経緯も聞いておりますし、そもそも野党、民主党の方のほうが熱心であった、そういう中身であります。政争の具になる法案というものも中にはあると思いますが、この法案自体は決して折り合いがつかない話ではないので、ぜひご理解とご協力をいただきたいと思います。
(問)先ほどの発言の中で、マンナンライフの社長の方などに、形や大きさも見直したほうがいいのではないかというふうに要請したということと、あと、実質的に小さな警告のものについては回収するのがいいのではないかということを仰ったということなのですが、それに対する会社側の回答はどのようなものでしたか。
(答)形状については、私が昨日唐突に申し上げたものではなく、昨年相次いで事件が起きた直後に、農水省から表示と形状という2つの点について業界団体に検討を要請してありましたが、まだその報告を聞いておりませんので、引き続き取り組んでもらいたいと申し上げました。それに対して、わかりましたと、これまで、カップの容器のあり方についてはいろいろ検討してきましたが、こんにゃく入りゼリーそのものの弾力ですとか、そういうことについてはまだ結論に至っていないということでしたので、私から、そこにも問題があるやもしれないので検討をお願いしたいと。また、表示についても、実際にご覧になったことはありますか、私はありますが、正直、ちょっとわかりづらいですし、せっかく変えると仰っているのならば、私たちから何か言って変えるよりも自発的に変えられるほうが、企業としての社会責任を果たすことになるのではないでしょうかと、それが消費者に受け入れられる一つのあり方じゃないでしょうかというふうに申し上げました。
(問)マンナンライフ側は、それに対して自主回収を行うということでしたか。
(答)検討しますということでした。
(問)業界団体からの農水省への回答は、今日が期限ということだったと思いますが、それについては何かありますか。
(答)これからの話だと思います。
(問)宇宙の話に戻りますが、先日の専門調査会が行われた中で、議論のプロセスについては非公開ということになりました。公開すべきだと思うのですが、どうして非公開なのでしょうか。
(答)世間一般の政府の審議会に対する見方は、すべて公開が望ましいということもあると思いますが、一つには、選ばれた方の中には、正直申し上げて私もそうなのですが、まだ宇宙に関しての十二分な知識はないけれども、国民の代表といったお立場で入っていただいた方がいらっしゃるわけです。そうした方々がいろいろと自分の発言に関して外部の方から揶揄されるような状況を作ってはならないと思いますし、自由闊達に、仮に素人であってもそれを恥じることなく思い切った意見が言えるような、委員会の中での自由な意見交換が確保されるべきではないかと思うんですね。
 そういう意味で、委員の皆さんの躊躇いを減らしてさしあげるためにも、非公開と言いますか、非公開という言い方は必ずしも実態と合わないのですが、そういう場を作ってさしあげることも私は必要かなと思うと同時に、やはり様々な意見が交わされる中で、必ずしもすべてを表に出して、話が出たことによって大きな物議を醸すようなことになってもならないという配慮もあるものと思います。いずれにいたしましても、きちんと大宗については調査会終了後にプレスの皆さんに対して発表すると聞いておりますので、その点は御理解いただければと思います。
(問)宇宙開発戦略は国家戦略ということで微妙なところもあるとは思うのですが、一方で、国民の審議への理解は不可欠だと思います。そういう意味では、公開のあり方についてもう少し何とかできないかということを考えていただけないかと思うのですが。
(答)わかりました。差し当たりはそういう形で進めるということで既に了解されているようですので、今仰った可能性を含めて検討していきます。
(問)大臣が代表を務める自民党支部が、公正取引委員会から排除勧告を受けた建設会社から、計21万円の献金を受けていたということですが、この事実関係と今後の対応についてお聞かせください。
(答)事実です。これにつきましては、返還の方向で動いています。
(問)法的には問題が無かったというご認識でしょうか。
(答)法律的には、政治資金の関係の法律上は問題なかったですが、公取の排除勧告を受けていたということを重く受けとめて、返還の方向で進めます。
(問)来週6日からノーベル賞の発表がありますが、大臣の元に日本人受賞の情報はないかということと、期待を含めてコメントを頂ければと。
(答)実は私もですね、科学技術政策担当大臣ですから、そういう事前情報はないかと事務方に聞いたところ、全くないということでした。当日まで、本当に明らかにされないのがノーベル賞ですということを聞きましたので、少し残念ですが、じっとその日を待つことにしようということで、日本人の方が賞を取られることをとても期待していますが、こればかりは、発表当日、皆さんと御一緒に明らかになった事実を知ることになると思います。

(以上)