林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年8月2日

(平成20年8月2日(土) 14:33~14:47  於:警察庁16階第1会議室)

1.発言要旨

 紹介いただきました林幹雄です。昨日、総理から国家公安委員長として、凶悪犯罪の防止、テロ・組織犯罪対策の推進、交通死亡事故の抑止等を進めるようにとの指示をいただきました。防災担当としては、災害対応、復旧・復興に万全を期し、学校の耐震化等、きめ細かい災害の備えを進めるようにとの指示をいただきました。
 沖縄・北方対策担当としては、沖縄の魅力を国内外に発信して振興策を進めること、北方領土問題の解決に向けた対策を進めるようにとの指示をいただきました。安心・安全の確保のため、全力を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)北朝鮮による日本人拉致事件の解決に向けて、どのように取り組んでいくのか、大臣の所見を伺います。
(答)北朝鮮による拉致問題は、治安上極めて重大な問題であると認識しています。警察においては、13件19名を拉致容疑事案と判断しており、それ以外にも北朝鮮による拉致の可能性が排除できない事案があるとの認識の下、鋭意所要の捜査や調査を進めていると聞いています。引き続き、警察を指導してまいりたいと考えています。
(問)取調べの一部録音・録画が施行されますが、更なる録音・録画を求める意見もありますが、所感をお伺いします。
(答)取調べの全過程で録音・録画を行うべきという意見があることは承知していますが、事件の真相解明に支障を来すおそれがあり、取調の一部について録音・録画の試行を開始したいと考えています。早ければ、9月頃から警視庁を中心に何県かで試行したいと考えています。
(問)今年に入って、秋葉原や八王子等で通り魔事件が起きるなど、無差別殺傷事件が相次いでいますが、どのような対策が必要とお考えですか。
(答)再発防止のための対策も進めていますが、具体的には、繁華街等において街頭活動を進めることや、インターネット上の犯行予告情報の把握に努めることで、事前の防止に努めたいと思っています。また、関係省庁と連携して、ダガーナイフの販売自粛を要請する等の取組みを行っていると聞いています。また、ダガーナイフの所持を禁止するための銃刀法の改正作業を進めており、次の臨時国会で提出予定であると聞いています。
(問)北方領土問題についてお尋ねしたいんですけれども、前のプーチン大統領のときに比べると、今回のメドヴェージェフ大統領は、93年の東京宣言も無視しないという感情をお持ちで、割と柔軟姿勢を示しているように思われますけれども、大臣御自身の北方領土問題についてのお考えをお聞かせください。
(答)今までの取組と全く同じでございまして、我々は外交当局に対してしっかりとした後押しを、あるいは環境整備をできればいいなというふうに考えておりまして、粘り強くここは進めてまいりたいというふうに考えています。
(問)大臣として、どのように交通事故防止の取組みを進めていきたいとお考えですか。
(答)交通事故をなくすという認識を広く国民に理解していただくことが大事と思います。シートベルトによって生命が助かる場合もありますので、前席、後席を含めたシートベルト着用の周知徹底を図っていきたいと考えています。
(問)大臣は防災担当大臣として危機管理対応が求められる一方で、沖縄担当大臣として離島県である沖縄にも頻繁に出張をしなければいけないという難しいお立場にあると思うんですけれども、仮に離島とかに出張しているときに大地震とかが発生した場合に、危機管理上の問題も起きると思うんですけれども、沖縄県への出張等についてはどのように臨まれるお考えでしょうか。
(答)百聞は一見にしかずということもありますから、一日も早く沖縄県あるいは北方も含めて訪れたいなと思っておりまして、そのときに何か起きればというと、今からちょっと想定できませんので、起こらないように祈りながら、なるべく早く沖縄にも出向きたいというふうに考えています。
(問)前任の岸田沖縄相は5回訪問して、さらに離島部、南大東島とかそういうところにも足を運んで、かなり沖縄県との交流を深めたようだったんですけれども、離島に行ったときは結構戻るのに時間がかかるんですけれども、そのあたりについては意欲はどうでしょうか。
(答)時間の許す限り対応していきたいと思っています。できればこの8月は国会がないと思いますので、なるべくこれを日程調整しながら、早く行きたいなと思って今計画をしようと思っています。
(問)沖縄関連で3点ばかり質問したいと思います。まず1点目は、沖縄は自立型経済の確立とか失業率の改善など多くの課題がありますが、その沖縄の関連の施策についてのお考えをお聞きしたいということ、2点目は、普天間移設の関係で、現在政府と県が移設措置協議会などを開いて移設作業を進めているところだと思いますが、今後大臣はどのようなお考えで進めていくかというところと、もう1点は那覇空港の件なんですが、現在那覇空港と本土の空港の路線が相次いで路線廃止を決めたり、減便の検討も進められています。そのような中で、県は那覇空港の滑走路の早期推進を求めておりますが、大臣はこの課題に今後どう対応されていくかということと、那覇空港の滑走路増設に対する大臣の御所見をお願いします。
(答)最初は沖縄振興の件でしたでしょうか。やはり立地を生かして観光を進めるというのが1つありますし、また沖縄科学技術大学院大学の構想を進めていくということと、同時に、インフラの整備、がいろいろな各方面でありますけれども、そのインフラの整備を着実に進めていければいいかなというふうに思っております。
 それから、普天間に関しましては、基本的には我々は地元と政府との橋渡し役だというふうに認識しておりまして、2014年が完成目標とされているようでありますけれども、地元の意見を真摯に受け止めながら、誠意を持って協議を進めていきたいなというふうに考えております。
 それから、那覇空港に関しましては、現在進めておるのは、滑走路の増設に関して将来的対応方策を抜本的に検討が課題になっているわけでございます。これに関して、やはり地元の声を十分に聞き入れながら、増設に関して積極的に国交省とも進めていきたいというふうに思ってます。
(問)防災関連ですが、岩手・宮城内陸地震や岩手県沿岸北部を震源とする地震など、震災が相次いだということで、現在東北では復旧・復興が進められている最中ということで、防災担当としてこれら復旧・復興にどのように取り組まれるおつもりか、御所見をお願いします。
(答)この地震の際には、政府が先頭に立って自治体の要望や情報収集に努めてきたと思いますし、緊急対策あるいは復旧対策などに対しては、全力で取り組んできたところでございます。これからも担当大臣として、予防対策も1つでありますし、復旧・復興対策も関係省庁とも協力しながら一層進めてまいらなければと考えております。

(以上)