与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年5月25日

(平成21年5月25日(月) 18:46~19:06  於:記者会見室)

1.発言要旨

今日は予算委員会が北朝鮮の核実験、ミサイル発射というので中断をしましたり、長引いたりしましたので、私は月例経済報告、出席することができませんでした。
 私が御報告すべき点は、齋藤統括官が代読をしてくださいましたので、その部分をお話し申し上げます。
 景気の基調判断につきましては、「厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」と上方に変更いたしております。これは依然として経済活動が極めて低い水準にある中で、雇用情勢が厳しい状況となっている一方、輸出や生産が下げ止まりつつあることなど、景気の悪化のテンポが緩やかになっていることを踏まえたものであります。
 先行きにつきましては、当面雇用情勢が悪化する中で、厳しい状況が続くと見られるものの、①対外経済環境における改善の動きや、②在庫調整圧力の低下、③経済対策の効果が景気を下支えすることが期待をされております。  政府といたしましては、平成21年度第1次補正予算等の早期成立に努め、「経済危機対策」の速やかな実施を図ってまいりたいと思います。
 必要であれば、齋藤統括官から議論の内容を御紹介申し上げますが、私が伺ったところでは、1つはアメリカのGMについての行く末について心配の声を出す方がおられた、あるいは、先般アメリカで行われた金融機関の主要19行のストレステスト、これについてもアメリカの金融機関の健全性は大丈夫かというような質問があったと伺っております。現場におりませんでしたので、今の御紹介した論議は報告を受けての話でございますので、実際もし必要であれば、齋藤統括官、あるいは会議に出席していた者からお話を申し上げます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)民間では1-3月が底だったのではないかというような意見も出ておりますが、大臣御自身の御認識、これまで最悪期は脱したという表現も使われておりますが、今日、この月例を踏まえての認識をお願いします。
(答)まだ正確なデータに基づいて確信的にお話しする段階ではないんですが、直感的には1-3月が日本経済の最悪の時期であって、4月からはいろいろな産業分野で若干の明るい兆候が少し見え始めたのではないかと思っております。例えば、業種別に鉄鋼は1-3月在庫調整を含めて猛烈な減産を行いました。しかしながら、先般諮問会議で三村議員に伺いますと、内需も若干戻ってきたし、あるいは輸出も増加の傾向に入ったというようなお話。また、その他いろいろな方の例をお伺いしますと、多分1-3月と4月以降はフェーズが変わったのだろうと思っております。
(問)フェーズが変わったということは、1―3月が底であったというふうに認識されておりますでしょうか。
(答)フェーズというのは局相というふうに訳されるんですけれども、局面が変わったというふうにも考えられると。ただ、いろいろな下振れリスクの要素がありますので、楽観主義に陥ってはいけないというふうには思っておりますけれども、街角の景気ウォッチャー等のお話も総合しますと、あるいは日銀の見方なども総合して考えると、私個人としては最悪の時期は脱したと考えております。
(問)今のに関連して、今日、日銀の白川総裁が金沢市の講演で、4-6月期のGDPはプラスになるだろうということをおっしゃったんですけれども、大臣はその辺どう思われますか。
(答)これは齋藤さんからお答えをいたします。
 (齋藤統括官)一言で申しますと、6月はまだ来ておりませんので、4-6月期がどうなるかというのは、まだ言うのは早計だと思います。ただ、認識といたしましては、今大臣がおっしゃったように最悪期は脱していて、これからは景気を下押しする圧力が強まる動きと、それからそれを緩和する動きとが両方拮抗していくような状況ですので、仮にプラスになったとしても、非常に弱いものになるだろうというふうに思いますが、いずれにしましてもまだそこは何とも言う段階ではないと思います。
(問)ずれるんですけれども、北朝鮮が核実験されたと思うんですが、これは財務省として金融面とか貿易の面で制裁とか何かお考えでしょうか。
(答)これは基本的には外交の問題でございますから、外交安全保障の問題ですから、財務省単独の考え方はありません。内閣として外務大臣、防衛大臣の意見を伺って、麻生総理のもとの内閣全体として判断すべきことであると思っております。ただし、金融庁も財務省も今までいろいろやってまいりました。それをどうするかというようなことも、当然今後の課題になると思っております。

(以上)