与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年2月16日

(平成21年2月16日(月) 10:02~10:22  於:中央合同庁舎第4号館643号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日公表いたしました平成20年10-12月期のGDP、1次速報値では、実質成長率では前期比マイナス3.3%、年率マイナス12.7%となりまし た。今回のQEでは、内需寄与度がマイナス0.3%となったのに対して、外需の寄与度がマイナス3.0%と、大幅に減少をいたしました。
 昨年秋以降、個人ローン金融や実体経済の急速な冷え込みにより、耐久消費財需要や新規投資が急速に減少をいたしました。例えば米国自動車市場は、年1,600万台水準から1,000万台水準まで、一気に落ち込んだわけであります。
 欧州など主要市場でも同様の傾向が見られます。その結果、自動車、情報家電、資本財などの輸出に経済成長を大きく依存する我が国は、まさに直撃を受けたわけでございます。これが今回の数字の背景であると理解をしております。
 米国初め、主要経済における過剰信用、過剰消費が正常化する過程において、ある種の世界的な大調整は不可避であるという見方が強く、こうした中で主要国 と同様に、我が国もまた構造転換の痛みからは逃げることはできないわけです。この難局を乗り越えるためには、国民を挙げた協力と挑戦が必要であると考えて おります。
 そこで、まずは第二次補正予算関連法案が成立次第、第二次補正予算について執行を直ちに開始し、速やかな実施を図ることといたしたい。また、21年度当 初予算についても、早期成立をお願いするとともに、成立後、年度当初から速やかな執行を図るよう、総理と御相談をしたいと思っております。
 なお、年率12.7%という数字は、大変大きな数字に見えますが、これは10-12の前期比の数字をそのままの傾向が続いたらどうなるかという数字をあ らわしているだけで、これが1-3月もその後も、連続してまた続いていくという意味を必ずしも表わしているわけではありません。ただし、去年10-12月 は輸出の猛烈な落ち込みがあったという背景があったということでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)まず10-12月期の今日公表されたGDP速報について、日本は金融システムは安定していて傷口は浅いと言われていたわけですけれども、世界で最大の落ち込みとなっております。こういった要因がどこにあるのかの大臣のお考えをお聞かせください。
(答)やはり日本の経済は、自動車、機械工業あるいは情報家電等々に依存をしているという部分、それが輸出の大宗を占めているという部分。この分野はまさに直撃を食らって、大幅な輸出減少に見舞われたと。その結果、数字では、例えばヨーロッパの国々と比べても、年率に換算すると非常に大きな数字になったということであろうと思っています。
(問)続きまして、先行きについての見方を教えていただきたいのですけれども、こういった大幅な落ち込みがいつまで続くのか、また再び浮上していくためのきっかけとしては何が考えられるか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まず、日本単独で好調の経済に向かうというわけにはまいらないと。経済は、いわば国境はないので、世界の国々の経済が回復するのに、足並みを揃えて回復していくということが普通の状態であると思います。
 しかしながら、一方では、日本が国内経済を立て直すというのは、やはり他の国々の経済に対する責任でもあり、また国民生活を守るというための責任でもあります。また、それと同時に、IMFに1,000億ドルの拠出をいたしましたけれども、そういうIMFに対する拠出のほかにも、世界経済の回復に貢献できる分野というものがあれば、それは世界経済のためにも、また日本経済のためにもやらなければならないことだろうと思っております。国民に対する責任、世界に対する責任、両方を果たしていくというのが、日本国民に課せられた課題であると思っております。
(問)GDPの大幅な落ち込みを受けまして、政府・与党内、その他でも、さらに追加の経済対策が必要だという声が出ているかと思いますが、その必要性、タイミングについて、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まずこの時点で、この数字を見て驚いてはいけないということで、この数字はある程度、予測された数字であって、また1-3月はどうなるかという問題があります。そこで、当然我々政府は今、予算編成をした後の国会での御審議をいただいているところなので、直ちに追加経済対策を考えるという状況にはありませんけれども、やっぱり経済界でも言論界でも学会でも、あるいは国会の皆様方も、こういう経済の状況を受けて、一体、日本という国は何をなすべきかという議論は、幅広い方々の御参加を得てしていただく必要がある、そのように思っております。
(問)麻生総理は「全治3年」という言い方をされて、数え方によっては、あと2年数カ月だと思うんですけれども、今回のこの深い落ち込み、ブレーキが強くかかってしまったことで、治療期間、治癒期間というのはもう少し長く見られたほうがいいのか、そこら辺についてお考えをお聞かせください。
(答)「全治3年」というのは、白髪三千丈と同じぐらいの表現であって、長さをあらわしただけであって、厳密な、数学的な意味は別に持っているわけではありません。
 ただ、各国のエコノミストがどういう回復のシナリオを考えているのかといいますと、今日聞いてみますと、アメリカの民間エコノミストの5割ちょっとは、今年の第3四半期から底を打って上に向かうと。あるいは、ヨーロッパの有力な方は、いや、底を打つのは今年の第1四半期だろうという、いろんな見方がありますけれども、世界中の人が楽観論にも立っていないし、悲観論にも立っていないと。みんな冷静に、世界の経済の回復時期というものを探っていますが、これはなかなか予想としては、不安定要素がたくさんありますので、ぴたっと当たる予想は経済に関しては、なかなかない。ただ、1年以内に回復が始まるということには、多くの有力なエコノミストが言っておられることなので、それはそれとして、日本人は、あるいは日本の国民はどうやったら回復するかということを各方面でお考えいただきたいと思っております。
(問)先ほどの追加経済対策の件なんですけれども、09年度、本予算が成立するまでは、政府としては検討しないと、そういう話なんでしょうか。
(答)そういうことです。
もちろん、頭の体操をしている人は何人か必要であることは間違いないんですけれども。
(問)日ごろ大臣は、「しばらくは痛みに耐える時期が続く」というふうに経済情勢の悪化とかで仰っていますけれども、今この数字を見ても、やはりしばらくは我慢するというか、当面はマイナス成長も覚悟しなきゃいけないというようなお考えでありますでしょうか。
(答)日本は、昭和40年ごろから、世界経済の一員になって、ここ20年ぐらいで完全に、すべての分野で世界と互恵、平等の関係を結んでいるわけなんで、そういう意味では、世界経済が難しくなったときに、その影響をまともに受けると。これは、世界経済の一員になったときからの宿命であると思っております。
 問題は、とりあえずのペインリリーフとしての薬はあるのかどうかと。ペインリリーフをやったら、それが常習性を持ってしまうんではないか。そういうような、いろんな頭の体操をやっているわけです。
 党のほうでは何か、一番大きい方で、30兆もお金使えというんですけど、どこに使うんですかというと、なかなか頭の体操の段階では、そんなうまい使い方はないというので、先ほど申し上げましたように、経済界も中小・小規模企業の世界の方も、言論界の方も学界の方も、政治の世界におられる方も、それはいろいろ意見を言っていただいて、その上で内閣としてどうしたらいいのかということで、やっぱり我々は当面の予算を成立させるということですから、その間は政府以外のところで仕切られた議論をやっていただきたいなと思っております。
(問)景気の認識として、今日はQEでこういう数字が出たんですが、生産とか輸出を中心に、各種経済指標が歴史的な悪化を示しているわけですけれども、今回の不況が戦後最悪である、あるいは戦後最悪になる可能性があるというふうにお考えでしょうか。
(答)昭和4年の不況というのは、どのぐらいのものだったかということはわからないんですけど、このときは農村は疲弊し、大変だったことは間違いないんですけど、それと比べろという御質問でなくて、戦後最悪かという─問題なく、戦後最悪です。
(問)今回、外需依存ということで、こういうような落ち込みになったと思うんですけれども、日本の抱える経済構造の問題点というか、どのように変えていけばいいのかという点では、どのようにお考えでしょうか。
(答)日本は、ビジネスモデルがそんなに急に変えられるはずもない。ある程度、輸出もし、日本人が必要な資源エネルギー、食料等を輸入するという、この貿易構造というのは、変わらないと私は思っています。しかし、そういう構造に過度に依存しているということはいいことではないわけですから、やっぱり変えられる部分は内需依存に変えていくということが必要だと。内需依存の経済を作れと、こういうことを御主張になる方はおられるんですけれども、意味は十分わかるんですけれども、単純にいえば、日本が持っていないもので、なおかつ日本の経済、国民生活に必要な資源や食料、エネルギーを輸入するために必要な外貨の分だけは輸出によって稼がなきゃいけないという、このモデルというのはずっと続いていくんだと思っています。
(問)当面、来年度予算に続けて努力をされる一方で、頭の体操を含め、今後の対策なども政治を含めた国民的な議論を積み重ねていきたいと、そういう理解でよろしいでしょうか。
(答)それは、こういう数字を目の前にして何も考えないでいるということは、怠けていると言われますから、こういう数字を見た以上は、血流を早くして頭を使うと、使っていろんな可能性、オプションを探るということが我々の責任だろうと思います。それを口に出すかどうかは、また別の話だと思っています。
(問)今回、先ほど戦後最悪という御認識だということがありましたけれども、オイルショックに続く2番目ですけれども、大臣の中では、もう戦後最大、戦後最悪の水準の経済状態に陥っているという危機感もあるという理解でよろしいでしょうか。
(答)もちろん、戦後最大の経済危機です。
 ただ、大事なのは、物事に冷徹に対処していくということが大事なので、ばたばた騒ぎ回るということは問題の解決にならない。冷静に、いろんな方の意見を伺って、最善の方法はどういう方法かということを、コンセンサスとして得るということが大事なんじゃないかなと思っています。

(以上)

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