与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月31日

(平成20年10月31日(金) 9:44~10:00  於:記者会見室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございまして、特段、御報告することはございません。
 昨日の会見で、宿題が1つ残っております。それは、生活支援定額給付金のGDP押し上げ効果はどのくらいかと、こういう御質問があって、お答えを申し上げます。
 実施方法がまだ決まっていませんので、その分だけ不確定要素があることを前提にお答えをします。
 まず、家計に給付金がいくわけですから、その分だけ消費購買力は付与することになりますので、消費を増やす経済効果があると考えていいわけです。この給 付金2兆円を実施した場合の効果について、内閣府の「短期日本経済マクロ計量モデル(2006年版)」の乗数を用いると、今後1年間では実質民間消費支出 0.2%程度、実質GDP0.1%程度、名目GDP0.1%程度をそれぞれ押し上げる効果がある、と現時点では試算をされております。
 詳しいことが必要であれば、内閣府の専門家から御説明をさせます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど大臣が仰った経済対策の効果ですけれども、給付金以外にも住宅ローン減税とか、様々なものが含まれていますけれども、総体的な経済効果というのは試算されているんでしょうか。
(答)全部詳しくは調査を終わっておりませんけれども、何気なく書かれている容積率の緩和という項目があります。これは、省エネのきちんとしたビルを造るというと、それだけお金がかかると。10%ぐらい建設費が余計にかかる。したがって、容積率を10%上乗せしてくれれば、省エネ効果の高いビルが建設できると。これは何年にわたるかは別にして、そういうことをやりたがっている方だけでも、全部足すと1兆円ぐらいになるだろうとか、思わぬところに色々な効果が出てまいりますので、まだ経済効果全体を計算し尽くしたわけではない。とりあえずは、この給付金の分について、色々議論が分かれるところでございますので、その分だけ御紹介をさせていただきました。
(問)本日、消費者物価と失業率が発表されました。消費者物価は、上昇幅が暫定税率が失効した時を除けば、1年半ぶりくらいに縮小。それから失業率は、失業率自体はやや低下したんですけれども、女性の日雇いが増えているというようなことで、必ずしも景気に対していい効果というふうにはとらえられてないようですが、この2つの評価をお願いします。
(答)失業率が4%前後のところで振れているというのは、欧米先進諸国の失業率に比べて、はるかにいい状況だったわけですけれども、雇用プラス雇用環境、両方を考えながら、経済対策をやっていくということが必要なんだと思っています。
 私が、3年ぐらい前にこの役所にいた時には、「デフレ脱却、デフレ脱却」というのが合言葉になっていまして、デフレがなぜ悪いのかという、私は若干反逆児だったわけですが、物価問題について、給与所得者というのは、むしろ居心地がいいのではないかというのがその時の私の意見でした。
 しかし、経済全体の運営を考えると、健全な成長率に伴う健全な卸売物価、消費者物価、これも若干であるべきだろうと思いますけれども、そういうものは経済成長に伴っては必然的に起きる。その部分は健全な物価上昇じゃないかなと、私はそう思っていました。
 ただ、この物価指数というのも、普段買わないものまで入っているという問題点があって、経済学を論じる時の物価指数と、生活実感の物価指数とは、やはりどうしても違ってきてしまうと。DVDデッキなんて毎月買うわけではないので、やはり食料品とか、燃料とか、電気・ガス代とか、水道代とか、非常に日常的な部分で、物価がどう変化しているかということも、政治は敏感につかまえて政策を考えていかなきゃいけないと、そう思っています。
(問)物価の見通しですけれども、原油価格の下落は、やはり国内の消費者物価に表れてきて、高く上昇してきたのがピークを打ったといいますか、やや伸びが鈍化していくんじゃないかという予想が民間ではされていますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)原油がなぜ下がったのかというと、フィーバー的に原油を買い上げていったという時代が終わったということと、それから世界の原油需要の先行きは、やや弱含みであると。実際、瞬間風速ですけれども、140ドル台をつけた原油価格は、70ドル前後で振れているわけですから、言ってみれば、WTIは半分になっちゃったと。ОPECも減産を決定したとかということはありますけれども、原油、その他の石炭、鉄鉱石、その他の銅、レアメタル、それから穀物相場全体はやはりバブルの時代から別の局面に移行しました。
 ただ、日本人の個人個人の生活と、世界の商品の市況の問題、これはやはりどうしても、原材料価格が下がった、穀物が下がったという効果が、実際の生活に表われるには相当のタイムラグがある。それは、しょうがない話だと思います。
 ただ、円・ドルの関係、それから円・ユーロの関係で言いますと、円は相当戻ってきた、というか安くなってきて、仮に円が10円振れたということになりますと、これは1つの計算……、物事のマグニチュードを測るというだけの数字ですけれども、企業の利益を1兆5千億円ぐらい圧迫するんじゃないかと。ユーロも30円も違っちゃうと、やはり1兆数千億円、利益に差が出てくるんじゃないかと。そういう計算もあります。
 一方では、原油が、前の状況と今の状況と比べると、やはりじわじわと消費者の負担を軽くしていく。こちらは3兆円ぐらいだろうと言われています。
 それから、メーカーが仕入れる原材料、食品会社が仕入れる食料品。これは円高になると10円で1兆円ぐらい得をすると。
プラス・マイナスはあるんですけれども、やはり全体の輸出競争力というのは、どの辺で日本の企業が想定しているのかというと、多くの企業が102円から 105円ぐらいの間で円レートを想定して経営をやっていますから、やはりそれが急に振れちゃうというのは、好ましくないと。
(問)新経済対策に関してですけれども、先ほど大臣は給付金の経済効果は名目GDP、実質GDPともに0.1%程度というふうに仰いました。これは政府として満足し得るような数字なのかどうかというところについて、ちょっと御感想をお聞かせください。
(答)これは、福田内閣の時に、自民、公明、政府の間で決めた経済対策の中で、定額減税をやると。単年度の措置として、そして財源を勘案しつつ、税制の抜本改革に併せて、の3つの条件がついていたんですが、経済もこういう状況になりましたので、すべての条件がクリアできたとは思いませんけれども、いずれやることになっている話ですから、それを少し早目にやったということでありますし、「税制の抜本改革と併せて」というのは、相変わらず考え方として生きていると。
(問)やはり経済対策に関して、昨日、麻生総理は、消費税を3年後に上げたいと。それに当たって経済状況を見て、ということと、大胆な行政改革という条件をつけられました。この2つの条件については、与謝野大臣が今後作られる中期プログラムの中に、条件として盛り込むようなことを考えていらっしゃいますか。
(答)3年後と総理が言われたのは、経済が多分回復しているだろうと、そういうことが想定された御発言だろうと思います。したがいまして、中期プログラムを実行する、いわば中期プログラムをつくっておいて、それをスタートさせる時の条件は、そういう条件になる。しかし、3年後にはと仰ったので、3年後にはスタートできるプログラムはつくる必要はあるんですけれども、現実にそれをスタートさせるかどうかというのは、経済状況というもの、行政改革の進展度を見ながらやる、ということで、それは実行する時のスタートの条件です。
 ただ、誤解していただきたくないのは、行政改革というのは永遠の課題でして、やはり「行政改革が完成しました」ということはないわけです。常に行政効率を高めるためにはどうしたらいいかということを考えながら進んでいかなきゃいけない。日本の行政改革は、遡れば、大化の改新の頃からやっているので、ずっと長い間、行政改革をやっているわけです。行政改革には終わりないんで、これはずっと続けるんですけれども、行政改革はサボってはいけない。常に気がついたことについては改革をやっていくと、この精神が私は大事なんだと思います。
(問)日銀の政策決定会合があると思うんですけれども、昨日、政府の経済対策を出して、今日、その会合でやはり日銀としても、金利政策という面で、何か行動をとるべきだというお考えはありますか。
(答)日銀からは何の連絡もないので、お答えもしようもないんで、新聞を読んで情報を集めているという、与謝野馨でございます。

(以上)

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