与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月24日

(平成20年10月24日(金) 9:42~10:06  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議は総理不在のまま淡々と終了いたしました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、社会保障国民会議から試算値が出されまして、2025年で約14兆円の負担増となると。消費税に換算すると4%に相当しますと、こういう試算なんですが、これについて大臣はどうお考えになりますでしょうか。
(答)人口の高齢化が進むと。それから高度医療もどんどん導入されるという中で、現在の健康保険制度、介護制度をそのまま維持しても、それを持続可能にするためには、財源というか、相当の税収をここに投入しないと持続可能にならないということを正直に言っていただいたと。あの数字にはどこにも加工された部分はない、意図的なものはない、政治的な配慮はない、という生の数字であるので、皆様方もぜひ率直な数字だということを受け止めていただいて、色々お考えをいただければと思っています。
私はむしろ2015年の数字の方が現実感があるんではないかと思っていまして、2025年の数字の方がむしろ重点的に報道されたということは、ちょっと予想外であって、2025年というのは今から17年も後の話なので、ここ7~8年のところでどうなるのか、これの方が国民が直接自分の生活との関連で、深い関心を持たれるんじゃないかと思っていますけれども。
(問)株価と為替なんですが、昨日、ニューヨークは乱高下の末、ダウはやや上がって終わったんですが、また今日、東京では株価が下がっていて、為替については1ドル95円まで海外で進んだと。こういうことがありますが、日本経済に与える影響については今どうお考えになっていまでしょうか。
(答)株の値段が下がるということは、会社が持っている、あるいは金融機関が持っている資産が目減りをするということですから、普通の事業会社であっても資産効果が減少して、設備投資意欲等が落ちる可能性もあります。株価の下落はもっと具体的な形では、大中小の銀行の自己資本を傷めて、自己資本比率の低下はやがて貸し出しの減少につながると。そういう影響を株価は実は持っていまして、自分は株価には関係ないよと考えておられる、例えば中小企業の経営者が、銀行からの融資条件が厳しくなったり、融資を受けることが甚だ苦しくなったりということがこの株価下落によって発生するような、我々としてはぜひ避けたいようなケースです。
 それから、円高はドル建ての輸出に対しては影響を与えるというのは当たり前のことなんですけれども、経済全体を考えた場合、日本の経済の底力というものを考えた場合、それでは円価が安い方がいいのか、高い方がいいのかということですけれども、やはり日本の経済の実力、またファンダメンタルズを一層反映した……、ボラティリティの高い中で形成された為替レートではなくて、日本の経済の実力を平均的に反映する為替レートというのが望ましいというのは、私はあるんだろうと思います。
 ただ、円高の効果としては、日本が輸入しております基礎的な原材料、これの価格は円換算で安くなる。食料等も安くなる。こういうことですから、輸入に関しては国民生活にはプラスに働く。輸出をする場合には、円高によって受けている円が減ってくる。両方の効果がありますが、株価とか為替レートは、今両方の株式市場も円の市場もやっていることは、どこが安定した価格帯なのかという、それを探っているという状況なので、いずれ両方とも、ある一定の幅で落ち着きを見せるという時期が来ます。
経済の方は1日、2日で問題が解決するんではなくて、相当な幅で皆さん考えるということが必要だと思いますから。ボラティリティがそう長期間続くわけではないと。
(問)今、大臣は日本経済の実力を平均的に反映したレートであることが望ましいという言い方でしたが、現在の為替レートというのは、それを反映したものではないという御認識ですか。
(答)それは色々な見方があるんだろうと思います。円レートというのは、何も日本の独自のレートというものはないわけで、これは各国の主要通貨との比較においてレートというものが表示されるわけでして、あくまでも相対的な価格であります。ですから、こっちが強くなるとこっちの為替は強くなるんだけれども、同時に弱くなると為替レートには変化はないと。こっちは何も変わらないんだけれども、向こうが弱くなるとこっちが強くなったように見える。そういう相対的なものですけれども、やはり弱い通貨を持っている方がいいのか、強い通貨を持っているのがいいのかと言えば、今から十何年前に起きた東南アジアでの通貨危機を見ても、弱いレートを持つということは、最終的には色々な難しい問題を惹起すると。ですから、一国の経済を反映した適正なレートを持っているということが為替としては望ましいと思っています。
(問)これから4-9期の決算が始まっていくのですが、昨日ですとソニーが大幅減益になるとこういう発表がありました。あと、トヨタ自動車についても減益が見込まれていると。いよいよ今の為替の問題も含めて、経済がよくないということが、実体の企業の方に影響してきているような気もしますが、これについて大臣は見通しとしてどう思われていますか。
(答)耐える時期が日本経済にも来たと。これをいかに企業も国も耐えていくかと。それを耐え切るだけの冷静さと、客観的な判断力と、胆力が求められている時期。また、経済対策においては、タイミングを逸することなく、あらゆる政策手段を繰り出していく。こういうことが求められていると思います。
(問)大臣はかねてから、2002年からの景気回復期において、労働分配率が上がらなかったという点を気にされていましたけれども、基本的にもう景気が後退期に入って、企業の収益も総崩れのような状況になっていますけれども、この時点においても、やはり雇用者の給与、そういったものは、来年春闘も控えていますけれども、上げていくべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)企業は株主のものだというような誤った考え方が広められた。株主は会社の支配権を持っていますけれども、会社というのは、従業員もおり、経営者もおり、顧客もあり、そこに納入している膨大な下請け群もありと、そういうものであって、株主はその会社の創立されたときのオリジナルの株主は別として、通常の株主は「俺のものだ」というほどの権利は、主張すること自体はおかしいと思っています。株主価値を高めろとか、配当を増やせとか、株主は「会社は俺たちのものだ」とかという無茶な主張が何年かあって、会社としては配当を増やすということでそういう主張に対応してきたわけですけれども、やはり会社が一番考えなきゃいけないのは、働いている従業員のことなんであって、そういう意味では労働分配率が下がり、配当率が上がり、企業内の留保金が増えたという状態というのは、好ましい状態ではない。なおかつ、非正規雇用が増えてきたと。これも社会として好ましいことではないと。今でもそういうふうに考えております。

3.資産公開関係質疑応答

(問)毎回当たり前の質問で恐縮なんですが、今日のこの御自身の資産内容を見てどう御評価されますでしょうか。
(答)去年も、一昨年も、一昨々年も変わってないんで、特段感想はありません。
(問)そもそも閣僚が資産を公開するという制度の意義はどこら辺にあるか、あと改善する点があるのかどうか、その2点をお願いします。
(答)中曽根内閣のときに決まった話なんで、それは、決めた以上は制度に関して注文をつけることなく、決められた制度通りやるというのは私は閣僚の責任であると思っています。
 ただ、報道される時に、株なんか私は書いてないんだけれども、額面で書くとそれを批判する記事が出るというのは、何かやはり……、株数がわかれば持っている株の評価額はわかるわけですから、時価で書かないのはおかしいなんて書いている記者は、変だなと思いますよ。株式の種類と株価を書いてあれば、それはそれでいいんだと。それは簿価で書く以外ないんですよね。毎日、株の価格というのは変動しますから。そこをあんまり責め立てるというのは、ちょっと書類を出した方も困っちゃうなと思って。そこだけです。
(問)麻生首相なんですが、歴代の首相の中でも有数の資産家になると思うんですが、この前もホテルのバーは安いといったようなお話をされたりして問題にもなっているわけですけれども、資産家が総理になるということについて与謝野大臣はいかがでしょうか。
(答)ホテルのバーというのは、1人1,500円ぐらいで飲めるわけですよ。酔いつぶれるほど飲んだらもっと高くなりますけれども、ちょっと座って人と話していれば、席料を取られるわけでもないし、水割り1杯1,000円ぐらいですから。私の近所に、1杯300円の「民酒党」というのがあるんだけど、あそこで飲めば相当安いと思うんだけれども、それでも総理が飲みに行って、水割り1杯1,500円で飲めて、他に何もチャージを取られないというのは、総理が持っている小遣いからすれば、コーヒー代よりはちょっと高いけど、自分の支払い能力からして、高く感じないというのは、そう皆さんが責め立てることではないんじゃないかなと思いますよ。
(問)資産家であるということで、若干国民と感覚が離れている部分というのが出てきているのかなとも思うんですが、そのあたりは。
(答)国民の感覚というのはどういう感覚なんですか。
(問)国民の安い、高いというお話もそうですけれども、一般的なお財布の金銭感覚が若干離れているというふうに思われますか。
(答)ですから、総理という仕事は、やはりたくさんの方に会って、よくお話を聞いて、自分の考え方が正しいかどうかということを、いつも考えていなければいけない職業。それを会議室でやるのか、他の場所でやるのかという、場所は実は関係がない。むしろ総理が他の方の意見に率直に耳を傾ける機会を持てるどうか。ここが大事なわけです。
 多分、問題になっているホテルオークラのバーというのは、私はあそこに行ってもいつもジンジャーエールしか飲まないから、700円?800円か900円で済んでいるんですけれども、そこで仮に水割りを飲んでも1,000円から1,500円なんで、総理のお財布からして高くないよというのは、多分ホテルオークラで1杯飲んだら1,500円だったというのは、そんな高い世界ではないと私は思いますよ。
(問)大臣個人の資産なんですが、借入金なんですけれども、3,000万円という、これは総裁選であるとか、総選挙に向けての準備資金ということなんですか。
(答)個人の資産形成をした時の借入金の残高が残っていると。そういうことです。
(問)麻生首相は美術品等をたくさんお持ちなんですけれども、大臣は与謝野鉄幹、晶子夫妻のゆかりのものとか、そういうものはお持ちではないでしょうか。
(答)色紙とか……色紙は持ってない、短冊なんかもありますね、2?3点。だけど、これは神田へ行って評価してもらうと、大体1本5万円か10万円しかしないんです。だから記載してないんです。
(問)一般的な質問なんですけれども、政治家というのは資産を蓄えることができる仕事なのか、そうでないのか、大臣は率直にどう思われますか。
(答)政治家というのは、新聞社で言うと部長クラスの給料しかもらってないんです。テレビ局だと課長ぐらいじゃないんですか、低いんですよ。
(問)歳費という意味でですか。
(答)給料は。新聞社の部長というのはちょっと……。もうちょっと低いかもしれないかな。地上波のテレビ局の若い人たちの給料というのは、いい線いっていますから。まあ幾つぐらいですかね、議員と肩を並べるぐらいのところにいきまして。基本的には20年も30年もやったら、地方だったら住む家ぐらいは小さいものを1軒何とか確保できるかもしれない。
 そんなに資産形成ができるほど、給料取りじゃないと。

(以上)

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