増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年8月1日

(平成20年8月1日(金) 13:56~14:11  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 先ほど、臨時閣議がありまして、そこで全閣僚辞表提出ということでありました。それから、その場で総理の方から各閣僚に対して、個別にということではないですが、労いの言葉がありまして、それで閣議の方は終わりということです。あと、多少、雑談というか、別に誰が何か発言したというわけではないですが、「そう言えばこの閣僚全員で夕食を一緒に食べたことがなかったな。」などという話をして、また後刻とかいうことですが、本当に実現するかどうかは分かりませんけれども。それだけ、いろいろ国会等で忙しかったということだと思いますが、そのような話を1、2分して、閣議の方はお開きということです。
 それから、大変皆さん方には安倍改造内閣の時以来、間もなく1年近くなります。11か月ちょっと過ぎたところですが、お世話になりまして、ありがとうございました。
 この内閣、途中で、福田内閣に急遽代わったということでありましたけれども、なかなか国会の方が難しい対応が必要になるという、政府与党としては全く初めての経験だと思います。そういうことでありましたが、いろいろ通った法案、それから通らなかった法案とありますけれども、そういう意味では新しい局面に入った中で必要な成果をその局面局面で挙げてきたという思いであります。

2.質疑応答

(問)今、おっしゃいましたように、在任から1年間でいろいろな成果を挙げられた部分と、あるいは積み残した、やり残した問題があるかと思うんですけれども、改めましてお伺いいたします。
(答)個人的には、やることは全部やったという感じがあって、私としてやれることは、その局面局面でやってきたという思いです。今、辞表を出しましたけれども、十分にやることはやったという満足感はあります。
 それから、総務大臣ということで言えば、まだこれからも例えば地方再生対策費で交付税を増やしましたけれども、当面の暫定措置ということになっているので、それを今後どういうふうにしていくかという問題はあると思いますし、それから地方分権改革で言えば、今日たまたま中間報告が取りまとめられる日ではありますが、それを踏まえて第二次勧告が年内、それから第三次勧告とあるので、その問題への対応等が引き続きあると思います。それから、情報通信でも、例えば3年を切った地デジへの完全移行に向けて、「地上デジタル放送推進総合対策」をまとめましたが、財源等の具体策等があるので、これは組織として、今後、総務省として、引き続きかかわって、十分責任を果たしていかなければならない問題だというふうに思います。あと、例えば、年金記録確認第三者委員会も、審議をスピードアップするといったようなことが必要となります。当然のことながら総務省としての課題は非常にあると思います。あと、一方で地方再生担当の国務大臣としても、先般、環境モデル都市の選定をしましたが、ああいった新たな政策だけではなくて、ベーシックな地方再生の問題もあるので、問題は山積していると思いますので、組織としては引き続きそうしたことを解決に向け全力を挙げていかなければならないだろうというふうに思います。
 私としては冒頭申し上げましたように、11か月強でありますけれども、いつ辞めても大丈夫なように、その時その時で全力を尽くしたつもりでありますので、ちょうど1年近く経ちましたけれども、やるだけやったという思いであります。
(問)地方分権改革の関連で、これから出先機関の話と税財政の話があるわけですけれども、大臣が留任されるかどうかは分かりませんが、次になる方に対して、どういう対応を求められますか。
(答)これは、出先機関についてですね、やはり国民に何の仕事をしているのかをきちんと明らかにして、地方に移せばいいものは地方に移す、それからもう、そもそもそういう仕事自身、官が携わるのを止めたほうがいいというものは止めると。それから市場化テストに出した方がいいものは出すとか、政策の棚卸しではないですけれども、仕事の棚卸しをしっかりやらなくてはいけない。これは、この前、総理とお話をしたときも、総理も盛んにおっしゃっていて、そういう仕事をきちんと整理をして、もう1回見直して欲しい。ただ単に地方に全部そのまま移すというのではなくて、やはりまず整理をして、それからきちんと地方に移して、うんと効果が上がるものは移すとか、そういうふうにしてほしい。
 それでさらに、出先機関について、ガバナンスが効かない組織になってるのは、そういうところをいかに効かせるかということで、どんどん総合的に見直しをしてほしいという話があったので、そういうことをこれから出先機関についてやっていく必要があるのではないか。
 そのためにも地方分権改革推進委員会で、少し時間がかかりますけれども、全部、克明に、ヒアリングして、どういう仕事の実態になっているか、明らかにしていただく必要があるのではないか。第一次勧告に至る過程で、例えば植木の育ち方について、国がやった方がうんと育つとか、そういうやりとりをどう国民の皆さんがお考えになられたのかということを出先機関についてもやっていく必要があるので、その上で出先機関について、大胆にメスを入れていくというのは必要ではないでしょうか。
 地方分権改革推進委員会の役割も非常に大きいですが、組織としての地方分権改革推進委員会事務局とか、総務省も地方自治に深くかかわってますから、そういうところの役割は非常に大きいと思います。
(問)税財政についても、国と地方の税源配分の見直しの話などの課題がありますが、これはどういうふうな対応になりますか。
(答)次の大臣になる人にとって、税の抜本改革をどういうふうに対応していくかというのが、重要だと思います。やはり選挙が間近いので、どれほど底深くやるのか、いろいろ議論あると思います。最後、たばこ税の議論が年金の関係で出てくるかもしれませんが、社会保障の財源等、地方自治の分野だけでなくて、全体の議論の中でしていかなければならないのですが、地方再生対策費の財源も暫定措置ということになっているので、地方の考え方はその中できちんと明らかにしていかなければならないというふうに思います。地方消費税を中心にして、それで充実、確保を図るという考え方を明らかにしていくことがやはり大事ではないでしょうか。
(問)振り返られて、第一次勧告の際は、政府の対処方針で幾つかの項目で後退することがあったわけですけれども、中央集権体制とか、各省の縦割り行政が、委員会の中で、未だに各省や族議員の抵抗する様を実際に見られて、どういうふうにお感じになられましたか。
(答)これは、組織として今までずっと、そういう形で続いてきたから、直すとかというのは、やはり相当抵抗感がありますよ。ある種予想された姿ではあります。最後の断末魔みたいなところもあって、そこを乗り越えると、がらっと変わっていくのではないかと思います。変われるかどうかということだと思います。
 あの時は、ただ仕事の役割で、かなり抽象的に議論したので、第二次勧告は、具体の組織を個別にどうしていくかという議論があるので、実際は今度です。それから、第三次勧告だと思います。ですから、そのときにどういう考え方で臨むかというと、やはりその実際の仕事が、何を地方でやると本当にいい成果が出るかというのを地方自治体も見せることではないでしょうか。
 今日、総理も昼の全国都道府県議会議長会との懇談会の時に言っていましたが、分権、分権ということも大変大事だけど、やはり各自治体の方で覚悟というか、それからいい成果が出なければだめだということを盛んにおっしゃってました。最後、自治体に移って、どういういい成果があるかということをきちんと説明しないと、なかなか御理解いただけない。それで結局、国の組織に残ってしまうことになるので、それをどれだけ自治体サイドが、国民の皆さん方に見せられるかということが、この先乗り越えていく上で重要かと私は思います。やはり地域の経済とか、社会が住みよくならないとだめなので、地方へ行って、自己責任で、それで結局、うまくいかなかったら、地域の人たちが悪いということになれば、分権の姿としては、それはそれで1つ完結する姿なのですが、しかし悪いままで終わったらだめなので、それでしたら、国がやっていて、直轄的で、確かにおかしいかもしれませんが、一時的にはその方が成果があるというのだったら、そちらの方がいいかもしれない。やはり地方に移して結果として地方もよくならないとだめです。
 ただ最初は全部がよくなるというのはなかなかないので、どうしても初めての経験だから失敗するところも出てきますから、あまり短期的に見ないで、長期的に自立の心が高まればいいなと思います。これは、地方分権の長い取組の中でいつも言われていることだから、多少前に進んだり、後退したりと、一喜一憂しないことが大事ではないですか。長く取り組まないといけない。統治機構全体の話だから、そんなに簡単にすぐがらっと変わるわけではないと思うんですね。そういう意味で終わりのない改革のような話になるかと思います。
(問)大臣は改革派知事としての手腕とかを評価されて入閣されたという部分もあったと思うんですけれども、実際、大臣になられてみて、知事時代だともっとこういうふうにできたのではないかとか、そういう限界みたいなものをお感じになったことはありますか。
(答)あまり、限界とかという感じはあまりないです。いつも思ってるのですが、与えられたところで常にどんなところであっても、やれるだけやるという形で対応したいと思ってたので、やれるだけやったということです。おそらくどなたがやられても、国会等も含めて、今は確かに難しい場面ではあるんです。だから、そういう中では私自身としては、知事時代は知事時代で、議会といろいろもめたりとかありましたから、同じようなことかなと思ってます。やれることはきちんとやったと思っています。組織としては常に新しい形態がいろいろあるので、組織としてはきちんと取り組んでいかないと問題は多々あるなと思います。
(問)これから地方分権や地方自治にどうかかわっていくか、お考えはありますか。再任されたら別ですが。
(答)先のことは考えていないです。去年、知事を辞めて、これでしばらく自由に遊べるなと思ってたら、大臣になったので、ゆっくり遊べなかったものですから、ゆっくりしたいなと思います。先のことは全然考えてませんから、いつもその場その場で考えることにしてます。
(問)ちょっと細かい質問で恐縮ですが、議長会の前に早めに官邸に入られて、議長会の後も臨時閣議まで官邸にいられましたが、何か総理と話をされたのですか。
(答)いや、全然してません。議長会のときは総理が来るまで、ずっとただ脇の部屋で待機してただけで、終わっても、すぐ臨時閣議だったので、これも脇の部屋にいただけで全然会っていません。
(問)よろしいでしょうか。
(答)いいですか。お世話になりまして、どうもありがとうございました。

(以上)